【肌の赤み】原因は肌荒れ・敏感肌?予防や改善はできる?

すっぴんでも顔が赤いときには、肌荒れや敏感肌といった肌トラブルが心配になるかもしれません。肌が赤い人には、炎症や毛細血管の拡張といった症状があらわれていることもあります。気になる肌の赤みが続いているときには、皮膚科で対応できる専門的な治療を受けましょう。

当院では肌の赤みを治すために複数の治療方法で対応しています。自宅でできる肌の赤みの対処法についても紹介しているので、予防や治療、改善方法を探している方は参考にしてください。

肌の赤みの原因は?

肌が赤い理由は、「炎症」と「毛細血管の拡張」が関係しています。ここではそれぞれについて詳しく紹介します。

乾燥肌やニキビによって炎症が起こる

健康的な肌は、さまざまな刺激を受けたとしても炎症が起こることはほとんどありません。

肌にはバリア機能という仕組みがあり、細菌やウイルスなどの異物から、体にある細胞を守ってくれています。しかし乾燥肌など肌状態が悪化してしまうと、バリア機能が低下して異物から肌を守りにくくなってしまいます。

異物が体内に侵入してしまうと、異物を除去するため免疫応答により炎症反応が起こります。たとえばニキビの原因であるアクネ菌が増殖すると、アクネ菌を除去するために肌が炎症を起こすのです。また一般的には赤ら顔と呼ばれる「酒さ」という皮膚疾患の原因については、ニキビダニが増殖したことで炎症が起こるためだと考えられています。

毛細血管の拡張も肌の赤みに

通常の場合は、肌トラブルが治ると炎症反応もおさまります。しかし何度も肌トラブルを繰り返すことで、毛細血管の拡張が元に戻らなくなって肌の赤みが持続することもあります。肌に赤みがあらわれることで乾燥肌が悪化しやすくなり、バリア機能の低下にもつながってしまうのです。

肌トラブルを繰り返したり、炎症した肌状態を放置したりすると、肌に赤みが残りやすくなります。肌トラブルが起こったときには、すぐに治療を受けて健康的な肌状態を保つように心がけましょう。

自宅ですぐにできる肌の赤みの対処法

セルフケアでは「スキンケアを見なおす」、「刺激になるものを避ける」ことが大切です。ここでは自宅でできるそれぞれの対処法について紹介します。

スキンケアを見なおす

乾燥肌があると肌のバリア機能が低下して敏感な肌状態になってしまいます。とくに洗顔後は肌が乾燥しやすいため、すぐに丁寧な保湿をして肌状態を整えましょう。かゆみやヒリヒリ感があるときには、肌に負担をかけないタイプの化粧水や乳液、クリームを使うのがオススメです。
化粧水が肌に合わないと感じている方は「赤ら顔(酒さ)にオススメの化粧水は?」も参考にしてください。

刺激になるものを避ける

肌のバリア機能が低下していると、少しの刺激でも赤みがあらわれるかもしれません。たとえば花粉が多い季節はマスクを着用する、汗をかいたときにはこまめに汗を拭くなど肌に刺激を与えるものを避けましょう。
自宅でさまざまな対処をしても、肌が赤い状態が続いているときには「赤ら顔(酒さ)」という皮膚の病気が関係しているかもしれません。酒さのような肌の赤みを消すためには、皮膚科で専門的な治療を受けることをオススメします。

皮膚科で肌の赤みをとる方法

ここでは肌の赤みを消す方法として、当院で受けられる代表的な赤ら顔(酒さ)の治療法を紹介します。

<赤ら顔(酒さ)の治療法>

レーザー

当院ではVビーム2という医療用レーザーを使っています。Vビームのレーザーを肌に照射することで、肌の赤みの原因となっている血管の拡張を抑える効果が期待できます。効果を実感するタイミングに個人差はありますが、目安となる施術回数は5回以上、施術頻度は最短で2週間に1回(自費診療)で、1ヶ月や2ヶ月など間隔があいても大丈夫です。

※Vビームは医師の診察により、単純性血管腫、乳児血管腫(いちご状血管腫)と診断されたときは保険適用です。しかしそれ以外の疾患は公的医療保険が適用されない自由診療(自費)となることが多いです。

「Vビームの治療」を詳しく見る

塗り薬

メトロニダゾール、イベルメクチン、アゼライン酸などの塗り薬を症状に合わせて処方します。メトロニダゾールは炎症を抑えて酒さのポツポツとした症状を治療します。またイベルメクチンは酒さの原因となっているニキビダニを減らす働きが期待できます。アゼライン酸は赤みやポツポツだけでなく、炎症後の色素沈着にも効果が期待できる薬です。

効果を実感しやすくなる時期は一人ひとりの症状や使う薬によっても異なります。たとえば毎日使用した場合、早い人でも2週間以上かかることもあります。効果を実感できないときでも自己判断で使用を中止しないでください。

※メトロニダゾールは保険適用、イベルメクチンとアゼライン酸は公的医療保険が適用されない自由診療(自費)です。

「塗り薬の治療」を詳しく見る

飲み薬

抗生剤のビブラマイシンは炎症を抑えてポツポツとした肌状態を和らげる薬です。1日1回100mg錠または1日2回50mg錠を食後に内服します。効果を実感するためには最低2週間は服用を継続してください。最大で3ヶ月前後までの内服が可能です。

「飲み薬の治療」を詳しく見る

当院では飲み薬としてビタミンA誘導体のイソトレチノインを治療に使うこともあります。

詳しくは次の項目をご覧ください。

イソトレチノインの効果とは

ビタミンA誘導体のイソトレチノインは、以下のようなお悩みがある方に効果が期待できる薬です。

酒さのポツポツがある方

酒さ特有のポツポツとした肌状態があると、毛穴に炎症が起こりやすくなります。イソトレチノインはこのようなポツポツにも効果を示す薬です。

ニキビ跡の赤みや凹みが気になる方

すでにできてしまったニキビを放置すると、肌の赤みやニキビ跡の凹み、ケロイドのような跡になるなどさまざまな肌トラブルの原因になってしまいます。専門的なニキビ治療を受けても症状が良くならないと思ったときには、イソトレチノインの治療を試すことで症状の悪化を防げます。

ニキビができにくい肌状態を目指したい方

皮脂の過剰な分泌や角化の異常を抑えることで、すでにできてしまったニキビの悪化を防ぎ、新しいニキビができにくい肌状態へ導きます。また頬や顎にできた治りにくいニキビのポツポツにも効果が期待できます。

当院では、主に繰り返すニキビや重症ニキビ、酒さなどにイソトレチノインを処方しています。イソトレチノインの飲み方は、1日1回食後に20~40mgを症状に合わせて使います。症状によっても異なりますが、服用期間は4~12か月(平均6か月)が目安です。
さらに詳しい情報については「イソトレチノインの治療ページ」をご覧ください。

副作用・注意事項など

禁忌

「Vビーム2」

  • 妊娠中の方(禁忌ではないが推奨しない)
  • てんかん発作の既往歴がある方
  • 金の糸治療を受けた方

「イベルメクチン」

  • 本剤の成分に過敏症の既往歴のある患者

「ビブラマイシン」

  • 本剤の成分やテトラサイクリン系抗生物質に過敏症の既往歴のある方
  • 妊娠中、授乳中の方

「イソトレチノイン」

  • 妊娠中、妊娠希望のある方、授乳中の方(服用期間中と服用後1か月は妊娠できません。妊娠した場合はすぐに医師にご相談ください。)
  • 12歳未満の方
  • 強い肝機能障害のある方
  • ビタミンA過剰症の方
  • 過去にイソトレチノインでアレルギー症状を起こした方

副作用

「Vビーム2」

赤み、むくみ、内出血、水疱、色素沈着など

「メトロニダゾール」

乾燥、かゆみ、つっぱり感、赤みなど

「イベルメクチン」

かゆみ、発疹など

「アゼライン酸」

かゆみ、熱感など

「ビブラマイシン」

食欲不振、吐き気、下痢、発、光線過敏など

「イソトレチノイン」

唇や肌の乾燥、肝機能障害、関節痛、筋肉痛、骨の痛み、脱毛、頭痛、うつ病、光線過敏など

注意事項

「Vビーム2」

  • 施術後は顔に赤みやむくみがあらわれるかもしれませんが、通常は2~3日で症状は和らぎます。
  • 施術後は内出血があらわれるかもしれません。通常は1~2週間でおさまります。
  • ごくまれに内出血ができた部分に水疱(水ぶくれ)が起こることもあります。通常は2週間ほどでおさまります。
  • 施術直後からスキンケアやメイクは普段通りにできます。赤みやヒリつきが強い時には患部を避けて、強くこすらないようにしてください。
  • 施術当日から入浴可能です。ただし熱すぎる温度で入浴するのは避けてください。

「メトロニダゾール」

  • 併用に注意の必要な薬があります。現在服用中の薬がある方は医師までご相談ください。

「イベルメクチン」

  • 当院では妊娠中の方には通常処方していません。

「アゼライン酸」

  • 肌トラブルがある部分(傷、はれもの、湿疹、かぶれなど)には使用しないで下さい。
  • 赤み、腫れ、かゆみ、刺激感などがあらわれたときには使用を中止して医師にご相談下さい。
  • 目に入らないように注意してください。もし目に入った場合はすぐに水またはぬるま湯で洗い流して、異常があるときには眼科医までご相談ください。
  • 衣服等につけないよう注意してください。もし衣服に付いた場合は、すぐに洗剤で丁寧に洗い流してください。

「ビブラマイシン」

  • 併用に注意の必要な薬があります。現在服用中の薬がある方は医師までご相談ください。

「イソトレチノイン」

  • イソトレチノインの服用中は副作用症状の確認のために定期的な採血検査が必要です。
  • イソトレチノインと相互作用のある薬が確認されています。現在服用中の薬やサプリメントがある方は、医師までご相談ください。
  • イソトレチノインの服用中は献血できません。服用終了後1か月を経過してから献血できます。

<Vビームについて>

・未承認医薬品等(異なる目的での使用)

 Vビームは医薬品医療機器等法において、皮膚良性血管病変治療について承認されていますが、その他の目的の使用については国内で承認されていません。

・入手経路等

 国内の医薬品卸業者より国内の承認機器を仕入れています。

・国内の承認医薬品の有無

 国内で同程度の効能・効果で承認されている承認医薬品等はありません。

・諸外国における安全性などに係る情報

 米国FDAにて承認されています。

<イベルメクチンについて>

・未承認医薬品等

 イベルメクチンは、医薬品医療機器等法上において国内で承認されていません。

・入手経路等

 インドのAjanta Pharma社から個人輸入しています。

 個人輸入された医薬品等の使用リスクに関する情報はこちらのページをご確認ください。

・国内の承認機器の有無

 酒さの治療薬としてメトロニダゾール(ロゼックスゲル)が国内承認されています。

・諸外国における安全性等に係る情報

 イベルメクチンは、米国のFDA(食品医薬品局)など諸外国で承認されています。

<アゼライン酸について>

・未承認医薬品等

 アゼライン酸は、医薬品医療機器等法上において国内で承認されていません。

・入手経路等

 国内の医薬品卸業者より購入しています。

・諸外国における安全性等に係る情報

 アゼライン酸は米国のFDA(食品医薬品局)など諸外国で承認されています。

<ビブラマイシンについて>

・未承認医薬品等(異なる目的での使用)

 ビブラマイシンは、医薬品医療機器等法上、皮膚の細菌感染を治療する抗生剤として承認されていますが、この治療においては承認を得ていません。

・入手経路等

 国内ファイザー社より購入しています。

・国内の承認機器の有無

 国内で同程度の効能・効果で承認されている承認医薬品等はありません。

・諸外国における安全性等に係る情報

 重大なリスク・副作用などが明らかになっていない可能性があります。

<イソトレチノインについて>

・未承認医薬品等

 イソトレチノインは、医薬品医療機器等法上において国内で承認されていません。

・入手経路等

 インドのCipla社から個人輸入しています。

 個人輸入された医薬品等の使用リスクに関する情報はこちらのページをご確認ください。

 イソトレチノインの個人輸入についての厚生労働省の注意喚起はこちらのページをご確認ください。

・国内の承認機器の有無

 国内で同程度の効能・効果で承認されている国内承認医薬品薬剤はありません。

・諸外国における安全性等に係る情報

 米国のFDA(食品医薬品局)など諸外国で承認されています。胎児の催奇形性、鬱、精神病などの精神疾患の副作用も報告されています。

料金

下記の金額はすべて税込です。

<保険診療>

※3割負担の場合の料金です。

※都内在住で高校生までの子どもは公費負担となり実費は0円です。

  • 初診料 約900円
  • 再診料 約400円
  • 処方料 約200円
  • Vビーム 約6,500円~32,000円

<自費診療>

下記の治療は公的医療保険が適用されない自由診療(自費)です。

<レーザー治療>

Vビーム

全顔33,000円
ほほ22,000円
11,000円

<外用薬>

AZAクリア(アゼライン酸)1,980円
イベルメクチンクリーム(30g)4,400円

<飲み薬>

イソトレチノイン(イソトロイン、20mg/日)30日分16,500円(税込)
イソトレチノイン(イソトロイン、40mg/日)30日分33,000円(税込)

肌の赤みについてのご相談なら池袋駅前のだ皮膚科へ

肌の赤みの原因には「炎症」と「毛細血管の拡張」が関係しています。自宅でさまざまな対策をしても肌の赤みが治らないときには、酒さという病気が関係しているかもしれません。

当院では酒さについて複数の方法で治療しています。すぐに治らない肌の赤みがある人はいつでも当院までご相談ください。

池袋駅前のだ皮膚科院長|野田 真史 監修