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「帯状疱疹」とは
体の中にいる「水ぼうそう(水痘)」のウイルスがもう一度出現し、体の左右片側の神経に沿って痛みと水ぶくれを作る病気です。水ぼうそうにかかった、もしくはワクチンを打ったことで、ほとんどの人の神経には水ぼうそうのウイルスがひそんでいます。免疫が弱った時に、そのウイルスが増えて、症状を出します。そのため、免疫の弱ってくる50代以降に多いですが、若い方でも出現することがあるので油断はできません。
まずは体の片側の一部にピリピリした痛みが出現し、その2日後程度に水ぶくれと赤みが皮膚に出現、そして徐々に広がるのが典型です。神経にダメージを与えながら広がるので、早めに治療しなければ水ぶくれが治まったあとでもピリピリした神経痛が残ってしまいます。この症状に当てはまる場合はなるべく早く受診してください。飲み薬がよく効きます。早めに治療することでのちのちの神経痛を減らせるので、早めの治療が重要です。
帯状疱疹の治療
「ファムビル」と「バルトレックス」というすぐれたウイルスに対する薬があるので、こちらを1日3回飲みます。「アメナリーフ」という1日1回飲めば効果がある新しい飲み薬も処方できます。治療は1週間です。飲み始めても2日ほどは水ぶくれがひかない、もしくは少し拡大することがありますが、薬が効き始めるのに時間がかかるためなので、心配する必要はありません。
水ぶくれがやぶれた場合にはよく洗ってこちらで処方するぬり薬とガーゼで保護してください。表面に細菌がつかないように1日1回はしっかり洗うことが大事です。
帯状疱疹による神経痛
飲み薬を飲むとともに少しずつ痛みは治まってくるのですが、受診が遅くすでに拡大していた場合には治りが遅いです。神経のダメージは通常徐々に回復してなくなりますが、数ヶ月間残ってしまうと症状が固定してしまい、生涯消えないこともあります。その場合には神経痛の治療薬を使いますが、それでも痛みをゼロにはできません。早めの治療が鍵になります。
帯状疱疹による炎症後色素沈着(シミ)
水ぶくれが広がってから治療すると、その部分に一致してシミが残ってしまうことがあります。その場合でも数ヶ月で徐々に薄くなるのですが、治りにくい場合は「炎症後色素沈着」の治療でぬり薬が有効です。