
TCAクロス TCA CROSS (chemical reconstruction of skin scar)と呼ばれる施術を行っています。
トリクロロ酢酸は薄めてピーリング剤としても使われていますが、濃度の高いトリクロロ酢酸を直接ニキビ跡のへこみにぬることで、へこみのあるニキビ跡治療として使われています。
皮膚を酸の作用で傷害し、皮膚が再生するときにコラーゲンなどが作られる力を使って、ニキビ跡のへこみを目立たなくします。
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当院での施術について
ニキビ跡は
- 赤み
- 色素沈着
- 盛り上がり
- へこみ
の4つにわかれていて、中でも治療が難しいのが「へこみ」です。
へこみ治療はいずれも保険外診療になりますが、当院では以下の方法で治療しています。
- TCAクロス(トリクロロ酢酸の塗布)
- ダーマペン(マイクロニードリングといって針で肌にダメージを与えて皮膚の再生を促す)
- 切除(パンチという2ミリ程度の大きさでへこんでいる部分を切除する。もっと大きく切って縫うこともある)
- サブシジョン(subcisionという手技で、皮膚表面のニキビ跡を下に引っ張っている組織を針で皮膚の下から切る)
いずれもニキビ跡のへこみに一般的な治療ですが、それぞれの適したニキビ跡の種類があります。診察して肌の状態をよく把握してからニキビ跡のへこみ治療を行っています。
ニキビ跡の赤みにはVビーム、色素沈着には塗り薬やレーザー治療、盛り上がりにはステロイドの注射などほかの種類のニキビ跡も治療しています。
当院での症例1

写真は40代女性の当院の患者様で、たった一度のTCAクロスから4ヶ月後にここまで細かい凹みが目立たなくなりました。施術からしばらくはTCAクロスによるくすみが残りましたが、4ヶ月後の時点ではほぼ消えています。Vビーム2で同時に赤みを治療しているので赤みも目立ちにくくなっています。
当院での症例2

写真は当院の患者様で、他院のフラクショナルレーザーで治らなかったと細かく深い鼻下のクレーターで受診されました。7回のTCAクロスで平坦になり、遠目にはわからないレベルまで改善。
TCAクロスはトリクロロ酢酸というピーリング剤を濃度高めに、凹んだ部分にピンポイントでつける施術です。小型で小さな穴があいたようなアイスピック型のニキビ跡に適した方法になります。
施術直後には赤みが出ますが、写真のように3ヶ月経てば赤みは目立たなくなることが通常。この患者様では1年かけて7回トータルでTCAクロスをおこない、3ヶ月後がこの写真の結果です。
深いアイスピック型のニキビ跡ではダーマペンやフラクショナルレーザーだけでの治療は難しいので、TCAクロスを検討する価値があります。
当院での症例3

写真は鼻の小さく深い凹み3箇所にTCAクロスを当院で1回行い2か月後の結果。一度だけの施術でここまで平坦になり結果にご満足いただきました。
写真からもわかる通り施術部位に赤みが出やすいのがTCAクロスの弱点ですが、3-6ヶ月ほど待てば自然に消えていきます。
よくある質問
- TCAクロスはどのくらいの間隔で治療を受ければいいですか?
- 4~6週間の間隔で、2~4週間おきに治療を行います。ニキビ跡の数や深さ、範囲によって間隔や回数を調節します。
1回の治療で完治させることは難しいです。治療のたびに、へこみが2~3割ずつ改善すると思ってください。 - TCAクロスのダウンタイムはどのくらいですか?
- かさぶたになることがありますが、通常1週間以内にはがれます。
- どのようなニキビ跡をTCAクロスで治療しますか?
- アイスピック型とよばれる小型で深いニキビ跡のへこみに最も効果を発揮します。他のタイプのへこみにも使うことがあります。
- ほかの治療と組み合わせることはありますか?
- ニキビのへこみの治療としてダーマペン、部分切除、ヒアルロン酸注入と併用することがあります。ニキビによる赤みもある場合にはVビームと併用することもよくあります。
- 痛みはありますか?
- 痛みというほど強いものは通常ありませんが、トリクロロ酢酸の作用で表面がヒリヒリします。通常は施術後数時間だけです。
- どの濃度のトリクロロ酢酸を使いますか?
- 症状次第ですが、50%から100%と高い濃度のトリクロロ酢酸を使います。
- 施術にはどのくらい時間がかかりますか?
- 麻酔は必要ないので、10分程度で終了します。
- リスクはありますか?
- 色素沈着のリスクはありますが、色素沈着が出た場合でも2~3ヶ月でひいていきます。