レーザー治療機器にはさまざまな種類があります。とくにピコレーザーの「ピコシュア」という機種は幅広い肌のお悩みに対応できる機種です。
ここでは、当院のピコシュア施術について、対応できる症状やダウンタイムなどを紹介します。
目次(クリックで開閉)
当院のピコレーザー(ピコシュア)治療とは
当院では、代表的なピコレーザーの一つである米国サイノシュア社の「ピコシュア」を使って治療をしています。ピコ秒単位でレーザーを照射できるというピコレーザーの中でも、ピコシュアは755nmの波長でレーザー照射が可能な機種です。この特徴により、他の機種よりも肌や血管に対するダメージを軽減させながら患部にピンポイントで照射できるのです。
ピコシュアは黒色や茶色のしみが作られる原因であるメラニン色素をレーザーで破壊します。当院ではレーザーの照射方法を一人ひとりにあわせて調整しているため、幅広いタイプのしみに対応できます。
当院のピコシュア治療では「太田母斑」、「異所性蒙古斑(青あざ)」、「ADM(後天性真皮メラノーシス)」という疾患については3ヶ月に1回、保険適用内で治療が受けられます。
(※上記以外の疾患については公的医療保険が適用されないため、自由診療です。)
しみの症状に対するピコレーザー施術
当院では、さまざまな種類のしみに対してピコシュアで施術をしています。
1.表面の加齢によるしみ(日光黒子、老人性色素斑)
しみがある部分に強くレーザーを照射する「スポット照射」が向いています。1回の施術でも効果を実感しやすいタイプのしみですが、しみの色が濃い場合やしみの数が多いときには、複数回の施術が必要になるかもしれません。
顔のしみの症例
治療内容 |
写真はしみが数年間で次第に濃くなってきたと当院を受診した患者様。うっすらとした肝斑を疑うくすみは混じっていたもののほとんどがくっきりしたしみだったのでピコシュアによるピコスポット顔広範囲照射で治療し、一回のレーザー治療で1ヶ月半後の写真。ホクロと肝斑のわずかなくすみを残してしみはまぶたも含めて消失しているのがわかります。目の周りもレーザー治療が可能です。 |
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費用・回数 | 顔広範囲のピコスポット照射1回:88,000円 |
リスク・副作用 | 赤み、むくみ、水疱、痂皮、色素沈着、色素脱失、瘢痕 |
手のしみの症例
治療内容 |
ピコレーザーで手の日焼けや年齢によるしみもきれいにとれます。写真はピコシュアで強めに一度レーザー治療を当院で行なってから8ヶ月後の写真です。 |
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費用・回数 | 手背広範囲のピコスポット照射1回:55,000円 |
リスク・副作用 | 赤み、むくみ、水疱、痂皮、色素沈着、色素脱失、瘢痕 |
唇のしみの症例
治療内容 |
写真は当院の患者様でピコレーザー治療から2週間後。パラパラとたくさんある唇のしみが消えています。唇はレーザー後のくすみが出にくく強いピコスポット照射できれいにしみが取れるエリア。写真のようにくっきりしたしみは一回のピコシュア照射できれいにできます。 |
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費用・回数 | 口唇のピコスポット照射1回:28,600円 |
リスク・副作用 | 赤み、むくみ、水疱、痂皮、色素沈着、色素脱失、瘢痕 |
2.後天性真皮メラノサイトーシス(ADM:Acquired Dermal Melanosis)
両頬にできる左右対称のしみです。灰色~茶色でポツポツとした見た目をしています。10代後半から20代前半にできることが多いしみです。保険適用内では3ヶ月に1回の治療が受けられます。治療終了までに必要な施術の目安は約4回です。
ADMは普通のしみやそばかすのように一度では消えませんが、根気よく治療すれば4回前後の治療で目立たなくなることが多いです。
当院では開院当初はQスイッチレーザーをADMに使っていましたが、ピコシュアに変えてからより効果的に治療できるようになりました。ピコレーザーの中でも特にピコシュアの755nmの波長がADMに対しては効果的です。
後天性真皮メラノサイトーシスの症例
治療内容 |
写真の症例は頬にグレーの色素沈着があり、ADMでお悩みだった当院の患者様。15ヶ月かけて5回のピコシュアによるピコレーザー治療を行ったところ、色素沈着は消えています。 |
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費用・回数 | 保険診療 3割負担で1回1万円未満、トータルで5回 |
リスク・副作用 | 赤み、むくみ、水疱、痂皮、色素沈着、色素脱失、瘢痕 |
3.そばかす(雀卵斑)
両頬や鼻にできるしみです。茶色でポツポツとしています。小学生頃にできはじめて、年齢を重ねるにつれて少しずつ色が濃くなっていきます。スポット照射による1回の施術で効果を実感しやすいタイプです。
そばかすの症例
治療内容 |
細かいしみが頬や鼻に年々増えてくるとお悩みだった当院の患者様。ピコシュアによる一度の治療から半年後には写真の通りそばかすがきれいに消えています。 |
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費用・回数 | 顔広範囲のピコスポット照射1回:88,000円 |
リスク・副作用 | 赤み、むくみ、水疱、痂皮、色素沈着、色素脱失、瘢痕 |
4.肝斑
両頬にできる左右対称のしみです。薄茶色でもやもやとした形のしみが広い範囲にあらわれます。顔全体にレーザーを照射する「ピコトーニング」が向いています。2~4週間に1回、10回以上の施術が目安です。
肝斑の症例
治療内容 |
写真は30代からしみが悪化したと当院を受診された40代女性の患者。くっきりしたしみと肝斑による頬全体のくすみが混在していて治療が難しかったのですが、1年かけてレーザーとピーリングの併用で右頬のわずかなくすみ以外は色素沈着を消すことができました。
と3段階に分けて順番に治療しています。どれもそれぞれいい効果が出て、くっきりしたしみと肝斑の両方がキレイに消えています。同時にトラネキサム酸の内服とトレチノイン・ハイドロキノン外用も途中から肝斑治療に併用しました。 |
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担当医師コメント |
くっきりしたそばかすやしみ単独の場合は一回のレーザー治療だけで治療終了にできることもありますが、肝斑が混じっている場合は今回のように根気よく回数を重ねる治療が必要になります。ピコトーニングのみで肝斑が目立たなくなることもあれば、ピーリングなどほかの施術を組み合わせたほうが効果的な場合もあります。 |
費用・回数 |
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リスク・副作用 | ピコレーザー 赤み、むくみ、水疱、痂皮、色素沈着、色素脱失、瘢痕 リバースピール 赤み、むくみ、かぶれ、痂皮 |
5.脂漏性角化症(老人性イボ)
顔以外にも腕や足など体のどこにでも作られます。茶色で平坦な形をしており、盛り上がって見えることもあります。脂漏性角化症はサージトロンと呼ばれる高周波メスで除去することが多いですが、盛り上がりが弱い場合はピコシュアで除去できることもあります。ピコシュアで治療するメリットは、サージトロンで除去する場合よりも赤みや傷跡が残りにくいことです。ダウンタイムやリスクは少なくなる反面、脂漏性角化症の盛り上がりが強いと1回でとりきれないことがあります。
脂漏性角化症の症例
治療内容 |
写真はしみとイボが多数できて年々増えていくとお悩みだった当院の患者様です。除去してから9ヶ月でここまでキレイになりました。
治療直後は赤みやくすみが残っていましたが、半年以上経つと写真の通りキズは目立たなくなります。 |
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費用・回数 | 顔広範囲のピコスポット照射1回:88,000円 顔広範囲のサージトロンによるイボ除去:88,000円を2回 トータル:264,000円 |
リスク・副作用 | 赤み、むくみ、水疱、痂皮、色素沈着、色素脱失、瘢痕 |
6.扁平母斑(カフェオレ斑)
顔だけでなく体のどこにでも作られる生まれつきあるしみです。カフェオレのような色をしており、カフェオレ斑とも呼ばれます。ピコシュア治療については個人差が大きく、スポット照射で効果がみられる方もいれば、あまり効果を実感できない方もいます。治療効果が確認できたときには、繰り返しの施術でしみを除去します。
扁平母斑の症例
治療内容 |
写真は当院の患者様です。一部のみまずピコシュアでレーザー照射したところ3ヶ月後にはほとんど消えていたため、それ以外の部位を3ヶ月後に再度ピコシュアで治療し、4ヶ月後の写真です。どこにあったのかわからない程度まで改善したため、治療を終了にしました。2回にわけてピコシュア照射しましたが、それぞれの部分は1回のみのピコシュア治療で色素は消えました。 |
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担当医師コメント |
このように短期間で目立たなくなることもありますので、レーザー治療でほかのしみやアザに比べて治りにくい扁平母斑にもピコシュア治療を試す価値があります。扁平母斑は後述の太田母斑や異所性蒙古斑に比べるとレーザー治療の効果に個人差が大きいので、一部でテスト照射してから効果が良ければ全体を治療することが一般的です。 |
費用・回数 | ピコレーザー照射:28,600円を2回 トータル:57,200円 |
リスク・副作用 | 赤み、むくみ、水疱、痂皮、色素沈着、色素脱失、瘢痕 |
7.太田母斑
目の周りにある青いアザです。思春期以降にできることもあれば、赤ちゃんのときからできている場合もあります。保険適用内では3ヶ月に1回の治療が受けられます。治療終了までに必要な施術の目安は約4回です。
太田母斑の症例
治療内容 |
写真は生まれつきまぶたに青あざがあり、治療したことがなかった当院の20代の患者様です。保険適用のピコシュアによる3回のレーザー治療で、9ヶ月後には写真の様に目立たなくなり治療終了にしました。 生まれつきの青あざは赤あざと同じく子どものうちに治療するとより効果的ですが、今回の患者様のように大人になってからでも十分改善できます。青アザやADMには数あるピコレーザーの中でもピコシュアの波長が効果的です。 |
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費用・回数 | 保険診療 3割負担で1回1万円未満、トータルで3回 |
リスク・副作用 | 赤み、むくみ、水疱、痂皮、色素沈着、色素脱失、瘢痕 |
8.異所性蒙古斑
赤ちゃんの体に生まれつきある青アザです。青いアザが腰にあるものは「蒙古斑」、腰以外にできたときには「異所性蒙古斑」と呼びます。蒙古斑の場合は成長するにつれて自然になくなることがほとんどです。しかし腕や足、背中などにできた「異所性蒙古斑」は成長しても青アザが残るのが通常です。保険適用内では3ヶ月に1回の治療が受けられます。
治療終了までに必要な施術の目安は約4回です。
太田母斑や異所性蒙古斑と呼ばれる生まれつきの青あざは、皮膚の深いところにメラニンが沈着しているので、メラニン破壊作用の高いピコシュアでの治療が適しています。青あざに保険適用があるレーザーは何種類かありますが、中でも「755nmの波長」「ピコセカンドのパルス幅」を両立できるのはピコシュアのみで、このレーザーでの治療がおすすめです。
予約なし受診当日のレーザー治療を0歳のお子様から承っています。青アザは年齢が小さいうちからの治療が効果的です。
異所性蒙古斑の症例
治療内容 |
写真は0歳のお子様の異所性蒙古斑で、2回当院のピコレーザーで治療した結果。わずかにくすみが残る程度まで改善しています。 |
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費用・回数 | 保険診療 公費で負担なし |
リスク・副作用 | 赤み、むくみ、水疱、痂皮、色素沈着、色素脱失、瘢痕 |
このように、しみといってもさまざまな種類があります。しみの症状に悩んでいるときには、一つのタイプだけではなく、複数のタイプが混在していることも珍しくはありません。
9.アートメイク除去
当院では、ピコシュアなどのレーザー治療以外にも、塗り薬や飲み薬を併用して、さまざまなしみの症状に対応しています。さらにピコシュアは、他のレーザー治療では難しかったアートメイクの除去にも対応しています。
ピコシュアは主に黒色や青色の色素については除去が可能です。ただし黄色や赤色、だいだい色の場合にはピコシュアを使った除去が難しいため、他の種類のピコレーザーによる治療が必要です。色素の濃さや範囲などによって施術回数は一人ひとりで異なるため、施術に興味がある方は、直接医師までご相談ください。
アートメイク除去の症例
治療内容 |
写真は眉の内側の下だけアートメイクを消したいと相談のあった当院の患者様です。ピコシュアで1回、眉の内側1センチほどの範囲でレーザー治療を行い、1ヶ月後の写真です。一度だけの治療でレーザーをあてたところは完全に色が消えています。治療にもご満足いただき一回で治療終了にしました。 アートメイクはあとでデザインが自分に合わなくなってしまうことはよくあることです。レーザーで一部もしくは全体を消す、薄くすることが可能です。 |
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費用・回数 | ピコレーザー:アートメイク除去1回 狭い範囲 14,300円 |
リスク・副作用 | 赤み、むくみ、水疱、痂皮、色素沈着、色素脱失、瘢痕 |
ピコレーザー(ピコシュア)の打ち方について
ピコシュアは、強いパワーでしみが濃い部分にだけ照射する「スポット照射」と弱いパワーで顔全体に照射する「ピコトーニング」が代表的な照射方法です。このような照射方法を組み合わせて施術することにより、幅広いタイプのしみに対応できます。
スポット照射(ピコスポット)
高出力のレーザーを狙った部分にピンポイントでレーザーを照射する方法です。日光黒子や老人性色素斑、脂漏性角化症の場合によく使います。1回の施術でも効果を実感しやすい照射方法ですが、しみの状態によっては複数回の施術が必要になるかもしれません。
ピコトーニング(レーザートーニング)
低出力のレーザーを肌全体に均一に照射する方法です。顔全体にしみがある場合や、肝斑、肌のくすみなどによく使います。2~4週間に1回、10回以上の施術が目安です。
ピコレーザー(ピコシュア)のダウンタイム
ここではピコシュアの代表的なダウンタイムや注意事項などを紹介します。
- 腫れ、赤み、ヒリつき
施術後は患部に腫れや赤み、ヒリつきが起こるかもしれませんが1日ほどでおちつきます。 - カサブタ
スポット照射で施術すると、数日後には患部にカサブタが作られます。約10日後にはカサブタがはがれ落ちます。 - シャワーや入浴
当日から可能ですが、レーザーを照射した部位は強くこすらないように注意しましょう。 - メイク
当日から可能ですが、赤みや痛みがあるときには、症状がおちつくまで控えた方がよいでしょう。 - 日焼け止め
施術後は、日焼け止めを塗るなど紫外線対策をして日焼けを避けてください。
肌状態によって、ダウンタイムや副作用には個人差があります。気になる症状があらわれたときには、いつでもご相談ください。
ピコレーザー(ピコシュア)の費用
ピコシュアの場合は「太田母斑」、「異所性蒙古班」という疾患については保険診療内で治療が受けられます。ただしそれ以外の疾患については、公的医療保険が適用されない自由診療です。
保険診療 | |
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ピコシュア | 約6,000円~12,000円 |
※上記は3割負担の場合に必要な金額の目安です。都内在住で中学生までのお子様は、公費負担のため実費は0円です。
自由診療 | |
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ピコシュア1cmまで | 14,300円(税込) |
ピコシュア1.5cmまで | 21,450円(税込) |
ピコシュア2cmまで | 28,600円(税込) |
※2cm以上は1cmごとに14,300円(税込)追加します。
※複数か所を治療する場合は、大きさの合算で料金を計算します。たとえば4mmと9mmのしみを治療した場合には、合計1.3cmのため21,450円(税込)です。
また特定の部位にだけ気になるしみが数多くあるときには、下記のプランもご利用いただけます。
自由診療 | |
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顔広範囲ピコスポット照射 | 88,000円(税込) |
手広範囲ピコスポット照射 | 55,000円(税込) |
腕広範囲ピコスポット照射 | 132,000円(税込) |
脚広範囲ピコスポット照射 | 198,000円(税込) |
上背部広範囲ピコスポット照射 | 132,000円(税込) |
下背部広範囲ピコスポット照射 | 132,000円(税込) |
治療が複数の場合は、大きさの合算で料金計算します。たとえば9mmと4mmのしみを治療した場合には1.3cmとなり21,450円(税込)です。
ピコトーニング(肝斑、しみが気になる方に) | |
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全顔 | 14,300円(税込) |
ピーリング(リバースピール)について
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未承認医薬品等
リバースピールは医薬品医療機器等法上の承認を得ていない未承認医薬品です。 -
入手経路等
当院医師の判断の元、イタリアのWiQo社より個人輸入しています。
個人輸入された医薬品等の使用によるリスクに関する情報はこちらをご覧ください。 -
国内の承認医薬品の有無
国内で同程度の効能・効果で承認されている国内承認医薬品薬剤はありません。 -
諸外国における安全性などに係る情報
諸外国において、治療に伴う重大な副作用の報告はありません。
ピコシュアについて
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未承認医薬品等(異なる目的での使用)
ピコシュアは医薬品医療機器等法において、太田母斑、異所性蒙古班の治療について承認されていますが、その他の治療については国内で承認されていません。 -
入手経路等
国内の医薬品卸業者より国内の承認機器を仕入れています。 -
国内の承認機器の有無
同一の成分や性能を有する他の国内承認機器等はありません。 -
諸外国における安全性などに係る情報
米国FDAにて色素性病変(シミ・肝斑等)・しわ・にきび跡に関する承認を受けています。