ほくろやいぼの種類と治療法について

「顔のほくろが気になる」「首のいぼが目立つから取りたい」という方はいませんか。
ほくろやいぼは生じた部位によって目立つことがあり、時間の経過とともに大きくなることもあるため、美容面から早く除去したいという悩みをお持ちかもしれません。
今回は、ほくろやいぼの種類や治療法などをご説明します。

ほくろとは

ほくろには先天性と後天性があり、母斑細胞母斑または色素性母斑と呼ばれています。
良性の母斑細胞が集まってできたもので、褐色~黒色をしています。
皮膚表面から盛り上がっているものや平らなしみなど、さまざまな種類があります。
ほくろと呼ばれるほとんどのものが5mm以下で、それ以上大きくなる場合で色むらがある、出血する、などの症状があれば悪性黒色腫(メラノーマ)の可能性があります。
メラノーマはメラニンの元となるメラノサイトががん化した腫瘍です。

また、後天性のほくろは主に以下のように分類されることがあります。

  • Miescher型:境界が明確でドーム状に盛り上がっている。顔や頭などに発生することが多い。
  • Unna型:表面に凹凸があり、桑の実状に頭や頸部、四肢などに生じることが多い。
  • Clark型:扁平な黒褐色斑で、少し盛り上がりがある。手や足など、全身にみられる。
  • Spitz型:60歳以上での発生はまれで、若い人にできやすい。黒褐色または紅色のしこりが全身のどこにでも発生する。

ほくろと似ている疾患

ほくろと似ている疾患として、主に以下のようなものが挙げられます。

悪性黒色腫(メラノーマ)

悪性黒色腫はメラニンの元となるメラノサイトががん化した腫瘍です。
ほくろと呼ばれる多くのものが5mm以下ですが、それ以上大きくなる場合には悪性黒色腫であるメラノーマの可能性があります。
非対称的な外観、不明瞭な境界、他のほくろと比較して色が濃い、大きさが6mm以上、30歳以上でほくろの見た目が変化した、サイズが大きくなった、出血するといった場合には注意が必要です。
悪性黒色腫である可能性があるため、医療機関を受診して検査しましょう。

基底細胞がん

頻度が高い皮膚がんの一種で、表皮から生じます。
通常はつやがある小さな皮膚の盛り上がりから少しずつ大きくなります。
時間の経過により表面から血管が見えるようになり、破れて出血することがあります。
ほくろと似ている場合もあるため、診断をつけるために一部で生検を行い診断をつけたり、手術により切除したりします。

老人性いぼ(脂漏性角化症)

20歳代から生じ、中年以降の顔や頭、体幹などで徐々に数が増えてくる良性腫瘍です。
脂漏性角化症ともいい、加齢に伴って直径1~2mmほどの褐色斑~黒褐色のいぼができます。
2cm程度まで、大型になることもあります。
良性のできものですが、炎症を起こして赤くなったり、かゆくなることがあります。
ラジオ波メスや炭酸ガスレーザーで除去できます。

軟線維腫(アクロコルドン、スキンタグ)

加齢や摩擦、紫外線により、主に首や脇などの摩擦される部位に生じます。
通常は加齢とともに増え、首、わき、また、まぶたなど皮膚の柔らかいところに多いのが特徴です。
アクロコルドンやスキンタグとも呼ばれます。
ラジオ波メスや炭酸ガスレーザーによる除去、切除縫合、液体窒素凍結療法で除去できます。

神経線維腫

皮膚下にやわらかく厚い神経組織が増えてしこりとなり、赤く盛り上がります。
大きさには幅がありますが、5mm前後のことが多いです。
多発する場合には神経線維腫症という遺伝性の場合があります。

いぼとは

いぼは、皮膚の一部が盛り上がっている小さなできものを指します。
ウイルスから感染して生じるウイルス性いぼ(尋常性疣贅、扁平疣贅)、子どもにできやすい水いぼ(伝染性軟属腫)、加齢とともに生じる老人性いぼ(脂漏性角化症)などがあります。
中には悪性腫瘍の場合もあり、診断には注意を要します。

いぼの種類

いぼには、ウイルス性疣贅、老人性疣贅、伝染性軟属腫などがあります。

ウイルス性疣贅

尋常性疣贅

子どもに多くみられ、皮膚の小さな傷口からヒトパピローマウイルスが感染し、3~6ヵ月後にいぼを生じます。
手足に小さな皮膚の盛り上がりがみられ、多発することもありますが、自覚症状はありません。
液体窒素凍結療法、ラジオ波メスや炭酸ガスレーザーによる除去、切除縫合を行うことがあります。

扁平疣贅

自覚症状はほとんどなく、青年期の頬や額、手などに多くみられます。
少し盛り上がりがあり、直径2mm程度の平べったいできものを生じます。
液体窒素凍結療法、ラジオ波メスや炭酸ガスレーザーによる除去を行うことがあります。

尖圭コンジローマ

性感染症の一種で、主に性交渉によって感染し、肛門や外陰部にカリフラワーや鶏のとさかのような突起を生じます。
自覚症状はありませんが、違和感やかゆみを感じる場合もあります。
ベセルナクリームという外用薬や液体窒素凍結療法、ラジオ波メスによる除去を行うことがあります。

老人性疣贅

加齢に従って増加する良性腫瘍で、顔に多く発生しますが、全身どこにでもできます。
基本的に悪性化することはないとされ、炎症を起こして赤くなったりかゆみを感じることがあります。正式名称は脂漏性角化症で、老人性いぼともいわれています。

伝染性軟属腫

いわゆる水いぼで、子どもの体幹や下腹部、外陰部などにみられます。
表面には光沢がある直径2~5mmほどの小さなしこりが多発することがあります。
自覚症状はほとんどありませんが、かゆみを伴うこともあります。
数ヵ月で自然消退するため経過観察をするか、ピンセットで除去する場合もあります。

ほくろ・いぼの治療法

ラジオ波メス(サージトロン)

ラジオ波メスは、蒸発や蒸散によってほくろやいぼ、盛り上がっているしみなどを除去するための治療です。
跡が残りにくく、痛みが少ないことが特徴です。
局所麻酔後、ラジオ波メスでいぼやほくろを削ります。
傷跡を最小にすることを優先して極力できもののサイズぎりぎりで除去するため、手術療法と比較して再発のリスクは上がります。
ほくろ、老人性いぼ、ウイルス性いぼの治療に適しています。
また、主に以下のような注意点があります。

  • 痛みや赤み、色素沈着、かさぶたを生じることがありますが、徐々に改善します。
  • ケロイドになることがあります。
  • シャワー、メイクは患部を除いて当日から可能です。
  • 妊娠中の方は施術ができない可能性があります。
  • 患部への紫外線対策を十分に行ってください。

手術療法(切除縫合)

局所麻酔後、メスで切開やパンチでくり抜いてほくろやいぼを切除し、縫合します。
完全に組織を切除するため、繰り返し治療する必要がなく、再発の可能性は低いと考えられます。
切除した組織は病理検査で良性または悪性の診断を行うことが可能です。

液体窒素療法

-196℃の低温下で患部の細胞を凍結させ、組織の壊死によって自然に脱落させることで除去します。
凍結時間の調節や、凍結と融解の繰り返しによって、組織に与えるダメージを調整して治療していきます。
ウイルス性のいぼに対しては最も一般的な治療法で、尋常性疣贅では日本皮膚科学会のガイドラインにより、1~2週間ごとに凍結を繰り返すことが推奨されています1)。
複数回の治療が必要で、少し痛みがあります。
治療後は赤みや水ぶくれを生じることがありますが、時間の経過とともにかさぶたとなり、改善していきます。
ウイルス性いぼ(尋常性疣贅、扁平疣贅、尖圭コンジローマ)の治療に適しています。

当院の治療料金

いぼの冷凍凝固療法 700円
いぼ、ほくろ除去(自費の場合) 2ミリ以下 2つ 11,000円
3ミリ以上 1つ 11,000円

治療が複数の場合は、大きさの合算で料金計算します

ほくろやいぼに関するご相談、治療なら池袋駅前のだ皮膚科へ

ほくろやいぼには、さまざまな種類があり、場合によっては悪性腫瘍である可能性もあります。
気になるほくろやいぼがある方は、当院へお気軽にご相談ください。

【参考】
(1)日本皮膚科学会尋常性疣贅診療ガイドライン策定委員会.「尋常性疣贅診療ガイドライン 2019(第1版)」.日皮会誌.2019.129(6).p1265-1292

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池袋駅前のだ皮膚科 野田 真史 監修