赤ら顔とは?特徴と治療方法について解説します

「赤ら顔」に悩んでいる人は、決して少なくありません。
ここではこの「赤ら顔」に悩む人のために、

  • 赤ら顔の原因と種類、症状
  • 赤ら顔の治療方法

について解説していきます。

なお、俗にいう「りんごほっぺ」は、この「赤ら顔」を指すことが多いといえます。このため本稿では、りんごほっぺ=赤ら顔、という前提でお話していきます。

赤ら顔の原因と種類、症状について

赤ら顔の原因は、以下の4つがあります。

  • 毛細血管拡張症
  • 単純性血管腫(赤あざ)
  • 酒さ
  • アトピー性皮膚炎

それぞれ解説していきます。

毛細血管拡張症

毛細血管拡張症とは、その名前の通り、毛細血管が拡張して顔の表面に赤みがでる症状をいいます。
痛みやほてりがみられることもまれにありますがこれらの不快感が生じる可能性はそれほど高くなく、「外見上の変化」を気にして病院の門を叩く人が多い症状です。また、この毛細血管拡張症は、「冬の時期に悪化しやすい」「男女比で見た場合、悩まされる人は女性の方が多い」という特徴も持っています。

毛細血管拡張症は日光や加齢の影響で時間とともに徐々に目立つようになります。
ただし、幼少時から毛細血管拡張が鼻や頬に目立つことも多く、もともとの体質や遺伝の影響が大きいとされています。

単純性血管腫(赤あざ)

「単純性血管腫」は、簡単に「赤あざ」と呼ばれることもあります。
これは生まれつき存在するもので、赤く、でこぼこのないあざを指します。人間の体に存在するあざは成長の過程で消えることもありますが、単純性血管腫は額や首にある特殊な場合を除いて、消えることがありません。また、成長とともに、盛り上がったり、色が濃くなることもあります。

単純性血管腫は顔の一部に出ることが多いため、顔全体の「赤ら顔の原因」になるケースはまれです。しかし顔の広範囲に出ることもあり、この場合は保険適用のあるVビームでの治療をと考える人が多いといえます。

なおこの単純性血管腫は、「血管の奇形」のうちのひとつで、生まれつき存在するため、生活習慣が原因で出現することはありません。

酒さ

酒さは、慢性的な皮膚疾患のうちのひとつです。中年以降の世代によくみられ特に鼻や頬に生じやすいです。

赤ら顔にいわゆる「ぽつぽつ」が混ざっているもので、刺激感やほてりなどが起こりやすいのが特徴です。毛細血管拡張症ではあまりみられないこの「肌の不快感」が出やすいことが、酒さの特徴です。

酒さの原因は、明確には判明していませんが、遺伝的な体質が大きく影響します。頻回なアルコールの摂取、日光、ニキビダニなどの刺激が原因になることがあります。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、皮膚の赤みやぶつぶつ、肌のかさつきから来る皮膚片のめくれなどがみられる症状です。また非常に強いかゆみを伴うことも多く、炎症も伴います。

アトピー性皮膚炎が起きる原因は、人によって異なります。アトピー性皮膚炎の方は軽度の乾燥でも皮膚の炎症を起こしやすく、赤みやかゆみが出やすい特徴があります。遺伝的に肌のバリア機能が低下して刺激に過剰に反応することも原因ですし、ストレスや汗、ほこりなどが原因となることもあります。

アトピー性皮膚炎を患った人は、肌のかゆみが出る→肌をひっかく→肌のバリア機能が弱まる→さらに悪化してかゆみが強くなる→肌をひっかく……と、悪循環に陥ります。

炎症を起こしたことで、肌には明らかな紅斑(こうはん。皮膚が赤くなった状態で、血管の拡張によって起こる)ができます。これが顔に及んだ場合、「顔の赤み」「赤ら顔」となります。

アトピー性皮膚炎自体による顔の赤みの治療としては、ステロイドやプロトピック、コレクチムといった炎症を抑える塗り薬がよく使われます。炎症による赤みはこれらの塗り薬でおさまるのですが、アトピー性皮膚炎の患者様で、中にはこれらの塗り薬でおさまらない「赤ら顔」の症状で受診される患者様を当院ではよく診察しています。この場合の理由は3つあり、下記に分けられます。

  • ステロイドやプロトピック、コレクチムを長期塗り続けたことで、酒さに似た症状、酒さ様皮膚炎を発症してしまった → 酒さ様皮膚炎は口囲皮膚炎とも呼ばれ、ステロイド、プロトピック、コレクチムの使用を中止して酒さの治療に切り替える必要があります
  • ステロイドを長期塗ったことにより、ステロイドの副作用で皮膚表面の毛細血管が拡張して赤ら顔になっている
  • アトピー性皮膚炎による慢性的な炎症で、赤みがとれなくなってしまった

これらが複数混ざっていることもあり、いずれにせよアトピー性皮膚炎の治療では改善しません。どの場合でもVビームによる治療が有効なことがあります。

赤ら顔を治したい! 実際の治療方法とその経過

では、このような赤ら顔を治療するためにはどのような方法があるのでしょうか?
いくつかの対応方法がありますが、ここでは「Vビームを使った治療方法」を取り上げ、その概要や保険適用の有無、術後の過ごし方や費用などについて解説していきます。

Vビームの概要

Vビームとは、皮膚疾患に対抗できるレーザーでの治療あるいはその治療機器を指す言葉です。
赤ら顔の原因となる赤血球のヘモグロビンに吸収される波長のレーザーを肌に当てると、そのレーザーは、健常な毛細血管はそのままに異常な毛細血管のみを攻撃します。この攻撃によって異常な毛細血管が壊されるため、赤ら顔の症状が収まるというわけです。

このVビームは、前述した「赤ら顔の原因」である毛細血管拡張症や単純性血管腫(赤あざ)、酒さなどの「顔の赤み」を解決する方法として用いられています。塗り薬や飲み薬で治療が難しかった「赤ら顔」が、レーザー治療のおかげで、安全に解消できるようになったのです。

保険適用かどうか

単純性血管腫やいちご状血管腫(乳児血管腫)といった生まれつきの赤あざの場合、Vビームは保険適用範囲での治療が可能です。毛細血管拡張症が原因の赤みの場合、Vビームが保険適用になることはありますが、適用になるかどうかは診察時に判断しています。

Vビームによるレーザー治療後はどう過ごす?

レーザー治療後にクリニックで保湿することが多いですが、家でも普段通りの保湿を推奨しています。レーザー治療後は赤みやむくみが出ることはありますが、1−3日程度でひくのが一般的です。
出血や傷はみられないため、ガーゼやテープでの保護も必要ありません。レーザー治療当日から洗顔・化粧も問題ありません。
Vビームを初めて受けた場合は、経過観察のため2週間後をめどに再診を推奨していますが、治療後の経過に問題がなければ、スケジュールの都合が合う日程で問題ありません。

治療期間や費用

症状によって異なりますが、5回程度のVビーム照射で赤ら顔の場合はある程度の治療効果を実感できます。保険適用内でのレーザー治療の場合は、3か月に1回程度を目安として治療していきます。保険適用外の場合は、2週間以上間隔をあければ再度のレーザー治療が可能です。
保険適用内であればレーザー治療の範囲によりますが1回あたり6,500円から32,000円程度、保険適用外の場合は鼻のみで11,000円、頬から下で22,000円、顔全体で33,000円の費用がかかります。

赤ら顔でお悩みなら池袋駅前のだ皮膚科へ

見るとすぐに分かる「赤ら顔」は、頭を悩ませる人が多い症状でもあります。
時にかゆみやほてりなどの不快な症状を伴うため、その治療も合わせて行いたいと考える人も多いことでしょう。
現在はVビームによって、効率よく、負担も少なく、赤ら顔だけでなく、それにともなうほてりや刺激感の治療をしていくことができます。
悩んでいる人は、池袋前のだ皮膚科にお越しください。

酒さ(赤ら顔)についてはこちらのコラムも参考にしてください

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池袋駅前のだ皮膚科 野田 真史 監修