酒さ(赤ら顔)の治療方法とは?皮膚科の治療について症例で解説

酒さとは、ニキビのようなポツポツと赤ら顔が同時にあらわれる皮膚疾患です。酒さの原因にはニキビダニや免疫異常が関係しており、若年者にも発症するために遺伝的な要因が大きいとも言われています。

酒さの症状は個人差が大きく、一人ひとりの症状に合わせた治療が必要です。ここでは当院で受けられる酒さの治療方法と症例について詳しく解説します。

酒さの治療方法とは

ここでは当院で対応している酒さの治療方法について紹介します。

塗り薬

当院では症状にあわせて「メトロニダゾール」、「イベルメクチン」、「アゼライン酸」という塗り薬を処方しています。抗生剤のメトロニダゾールは、炎症を抑えて酒さのポツポツを改善する薬です。またイベルメクチンは、酒さの原因となっているニキビダニを減らします。そしてアゼライン酸は抗炎症作用とともに色素沈着にも有効な成分です

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飲み薬

肌にポツポツが見られるときには、「ビブラマイシン」、「イソトレチノイン」といった飲み薬を処方します。抗生剤のビブラマイシンは、炎症を抑えてポツポツとした症状を和らげる薬です。またイソトレチノインは皮脂分泌の正常化や、抗炎症作用、角化異常の改善などの働きにより、肌状態を整えてポツポツとした症状にアプローチします。

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レーザー治療

肌に赤みがあるときには、原因となっている血管の開きを抑えるためのレーザー治療がオススメです。当院では「Vビーム2」という色素レーザーを使用しています。

「酒さのレーザー治療」を詳しく見る

スキンケア

毎日のスキンケアで肌状態を整えることも大切です。当院では酒さのお悩みがある方向けに専用の保湿剤を販売しています。

<酒さ・ニキビ肌向け保湿剤「ベーシックケアAZ」、「ベーシックケアAZクリアローション」>

ベーシックケアAZは主成分にアゼライン酸、ナイアシンアミド、セラミドを含有した乳液タイプの保湿剤ローションです。また、ベーシックケアAZクリアローションは主成分にアゼライン酸誘導体、ナイアシンアミド、アミノ酸を含有した乳液タイプの保湿剤ローションです。乾燥肌や敏感肌の方でも気軽にデイリーケアできるよう成分を調整して配合しています。いずれか片方でも使用できますし、組み合わせて使用するとより効果を実感しやすくなります。

酒さの代表的な症状である肌の赤みやポツポツとした肌状態にアプローチし、各種成分により乱れがちなバリア機能を整えられるため、健やかな肌状態を目指せます。

酒さの症状

酒さは、症状や部位によって大きく4つに分類されます。

第1度(紅斑毛細血管拡張型)

「赤ら顔」とも呼ばれる症状で、代表的な特徴は毛細血管拡張と皮脂の過剰分泌です。初期症状としては鼻の先端、頬、アゴ、眉間などに赤みがあらわれます。時間がすぎるにつれて赤みが広がって慢性的な症状となり、ほてり感、かゆみ、肌刺激に弱いなどの症状もあらわれます。寒暖差や飲酒の影響で症状が悪化しやすいため注意しましょう。

第2度(丘疹膿疱型)

第1度の症状が進行して、ポツポツ(丘疹)や黄色いブツブツ(膿疱)が見られる状態です。第1度に比べると症状は顔全体に広がり、拡張した毛細血管や炎症による肌の赤みが目立ちます。

第3度(瘤腫型・鼻瘤)

第2度であらわれたポツポツやブツブツが固まって、でこぼことした瘤のような形がみられます。ゴワゴワとした手触りになり、団子鼻のように鼻が大きく膨らんで見える(鼻瘤)かもしれません。皮脂腺の異常増殖が原因と考えられており、治療をせずに放置していると呼吸困難になる方もいるために早めの治療が大切です。

その他(眼型)

目の周囲に結膜炎、角膜炎といった炎症や腫れがあらわれることもあります。

症例

「顔全体のポツポツと両頬の赤みが見られる症例」

※写真は同じ人物です。症状がわかりやすいように拡大写真を掲載しています。

【治療内容】

「他院でビブラマイシンやプロトピックの治療を受けたけれど肌の赤みやポツポツが治らない」とお悩みだった患者様です。当院ではVビーム2、塗り薬(アゼライン酸、メトロニダゾール)、飲み薬(ビブラマイシン)で治療をしました。写真(上)のように施術前には肌全体に目立っていたポツポツと両頬の赤みが、治療後約3年が経過した写真(下)では気になる症状が目立たなくなりました。

【治療期間・回数】:約3年・14回

【費用】

・Vビーム2(約2か月間隔で照射、合計14回)22,000円×14回=308,000円(税込)

・塗り薬(アゼライン酸) 15g 1,980円(税込)

合計 309,980円(税込)

【リスク・副作用】Vビーム2:赤み、むくみ、アゼライン酸:かゆみ、熱感

【担当医師コメント】

酒さの肌状態を整えるためには、根気のよい治療が必要です。この方の場合、塗り薬(アゼライン酸とメトロニダゾール)を併用することで、3か月後にはポツポツが目立たなくなりました。その後もVビームの施術と併用して再発しにくい肌状態を目指しました。

飲み薬(ビブラマイシン)はポツポツの症状をおさえるために、はじめの3か月のみ処方してその後は使用していません。どの薬で効果を実感できるのかは肌状態や個人差によって一人ひとりで異なります。2種類以上の薬を併用することもよくあり、珍しいことではありません。自分にとって使いやすく、効果が実感できるような薬を選ぶことが大切です。

Vビームはは2週間以上間隔をあければ施術が可能です。Vビームで効果を実感する目安は約5回、赤みが気にならなくなる目安は約10回です。治療回数には個人差があります。

副作用・注意事項など

禁忌

イソトレチノイン

  • 妊婦、授乳婦、妊娠予定のある方(服用期間と服用後1か月は妊娠を控えてください。)
  • 12歳未満の方
  • 肝機能障害がある方
  • ビタミンA過剰症の方
  • 成分でアレルギー症状を起こしたことがある方

注意事項

イベルメクチン

  • 当院では妊娠中、授乳中の方には使用を推奨していません。

副作用

イベルメクチン:かゆみ、赤みなど

アゼライン酸:かゆみ、熱感など

イソトレチノイン:皮膚の乾燥、鼻出血、骨や関節・筋肉の圧痛または硬直、疲労、頭痛眼疾患、悪心・嘔吐、持続性の頭痛、視覚障害、うつ病など

注意事項

Vビーム

  • 施術後は顔に赤みやむくみがあらわれるかもしれませんが、症状は2~3日で症状は和らぎます。

ベーシックケアAZ・ベーシックケアAZクリアローション

各種料金

酒さについての以下の治療は、公的医療保険が適用されない自由診療(自費)です。

Vビーム

全顔33,000円(税込)
ほほ22,000円(税込)
11,000円(税込)

塗り薬

イベルメクチン 30g 4,400円(税込)
アゼライン酸 15g1,980円(税込)

飲み薬

飲み薬

ソトレチノイン(イソトロイン、20mg/日) 30日分 16,500円(税込)

ベーシックケアAZ

院内販売 60g3,300円(税込)
オンライン販売 60g4,400円(税込+送料550円)

ベーシックケアAZクリアローション

院内販売 125g4,400円(税込)
オンライン販売 125g4,400円(税込+送料550円)

酒さに関するご相談、治療なら池袋駅前のだ皮膚科へ

酒さを発症した方は、症状が長引くことで一生治らないかもと不安に感じるのではないでしょうか。たしかに日本の保険適用内の薬だけでは酒さの治療は困難です。しかし世界各国では、酒さの症状を軽減できるような治療実績が多数報告されており、治療薬やレーザー施術などを組み合わせた根気のよい治療によって、気になる症状を改善しやすくなることがわかっています。

当院では、酒さの治療実績が豊富な治療方法を複数準備しており、一人ひとりの症状やお悩みに合わせた治療をしています。酒さのような症状にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

池袋駅前のだ皮膚科院長|野田 真史監修

「イベルメクチン」について

  • イベルメクチンは、医薬品医療機器等法上において国内で承認されていません。
  • 当院では医師の判断の下、個人輸入で購入しています。医学的知見のない個人輸入は禁止されています。個人輸入された医薬品等の使用リスクに関する情報はこちらのページをご確認ください。
  • 酒さの治療薬としてメトロニダゾール(ロゼックスゲル)が国内承認されています。
  • イベルメクチンは、米国のFDA(食品医薬品局)など諸外国で承認されています。

「アゼライン酸」について

  • アゼライン酸は、医薬品医療機器等法上において国内で承認されていません。
  • アゼライン酸は国内の医薬品卸業者より購入しています。
  • 国内で同程度の効能・効果で承認されている国内承認医薬品薬剤はありません。
  • アゼライン酸は米国のFDA(食品医薬品局)など諸外国で承認されています。

「イソトレチノイン」について

  • イソトレチノインは、医薬品医療機器等法上において国内で承認されていません。
  • 当院では医師の判断の下、個人輸入で購入しています。医学的知見のない個人輸入は禁止されています。個人輸入された医薬品等の使用リスクに関する情報はこちらのページをご確認ください。
  • イソトレチノインの個人輸入についての厚生労働省の注意喚起はこちらのページをご確認ください。
  • 国内で同程度の効能・効果で承認されている国内承認医薬品薬剤はありません。
  • 米国のFDA(食品医薬品局)など諸外国で承認されています。胎児の催奇形性、鬱、精神病などの精神疾患の副作用も報告されています。