ニキビあとにはへこみ、盛り上がり、赤み、黒みと大まかに分けて4種類ありますが、サブシジョンはへこみの治療になります。
範囲の広い、浅いニキビあとにはダーマペンが適していますが、深く局所的なニキビあとのへこみはダーマペンだけで治すのは難しいことがあります。そのときに活躍するのがサブシジョンです。聞き慣れない単語かもしれませんが、英語でsubscisionもしくはsubcutaneous incisional surgeryと呼ばれ、世界中でニキビあとの治療として20年以上行われています。
へこんだニキビあとの原因の一つは、ニキビあとの下に固い線維があり、それが皮膚の表面を引っ張っていることです。サブシジョンでは皮膚の表面から針を指して、その線維を物理的に切断することで、ニキビあとのへこみを改善します。
もともとは採血のときのような鋭い針がサブシジョンに使われていましたが、最近ではカニューレといって先が鈍く長い針が使われる手法が主流になっています。この方法によって施術後の内出血のリスクを減らすことができます。当院でもこの方法を採用しています。
局所麻酔をかけてから、針で皮膚に穴をあけ、そこからカニューレでニキビあとのへこみの下に広がる線維を切断していきます。2cm四方で2万円の価格で治療を行っています。範囲が広い場合は、治療の範囲を合算した価格になります。
サブシジョンはどのくらいの間隔で治療を受ければいいですか?
1回で十分な効果が出れば一度で治療を終了することもありますし、3回程度、1ヶ月ほど間隔をあけて治療を繰り返す場合もあります。治療効果をみて、回数や間隔を決めます。
サブシジョンのダウンタイムはどのくらいですか?
サブシジョンの範囲により程度の差はありますが、内出血が出ることが多いです。内出血が出た場合は、1週間から2週間ほど紫色になりますが、最終的には吸収されて消えます。洗顔、化粧は当日からも可能です。
サブシジョン単独でニキビあとの治療は可能ですか?
深いニキビあとにはサブシジョンを使って治療することが多いですが、ほかのニキビあとの治療と組み合わせるとより有効です。表面のへこみにはダーマペン、ニキビあとの赤みにはVビーム2、と症状によって施術の組み合わせは変わります。
深くへこんだニキビあとでは、サブシジョンとヒアルロン酸注入を組み合わせることもあります。1箇所や2箇所など限られた深いニキビあとの場合には、切除する方が有効な場合もあります。
診察で最適なニキビあとの治療を決めてから治療に移ります。