脂漏性角化症(老人性イボ)は、茶色~黒色の見た目をしたイボです。形は平らなものから盛り上がったものまでさまざまです。年齢とともに徐々に増えることもあります。脂漏性角化症(老人性イボ)のような症状が気になる方は、いつでも当院までご相談ください。
ここでは、脂漏性角化症(老人性イボ)について、原因や症状、当院の治療法を紹介します。
目次(クリックで開閉)
脂漏性角化症(老人性イボ)とは
医学的には「脂漏性角化症」、「老人性疣贅」とも呼ばれる良性のできものです。年齢とともに徐々に増えてくるため、一般的には「老人性イボ」と呼ばれています。老人性イボができる原因は不明ですが、遺伝や紫外線、加齢による皮膚の老化などが関係していると考えられています。
脂漏性角化症(老人性イボ)の症状
老人性イボは全身どこでも作られる可能性があり、こめかみなどの顔や頭部に症状がよくみられます。見た目は茶色~黒色をしており、表面はスベスベやガサガサとしたものもあります。平らなものから大きく盛り上がったものまで形はさまざまです。見つけたときには平らな形をしていても、時間が過ぎるにつれて盛り上がってくることもあります。さらに患部と周囲との境界がくっきりと見えるのも特徴です。
脂漏性角化症(老人性イボ)の症例
治療内容:脂漏性角化症(老人性いぼ)と日光黒子(しみ)が多数できて年々増えていくとお悩みだった当院の患者様、除去してから9ヶ月で目立たなくなっています。
今回の治療内容は2つで
- サージトロンと呼ばれる高周波メスを使ってイボを2回に分けて30箇所ほど除去
→茶色い脂漏性角化症と黄色い脂腺増殖症をまとめて除去 - 茶色い脂漏性角化症と黄色い脂腺増殖症をまとめて除去
→平らなシミを除去
治療直後は赤みやくすみが残っていましたが、半年以上経つと写真通り傷跡は目立たなくなります。
サージトロンによりイボ・ホクロ除去、ピコシュアによるレーザー治療は予約なし、受診当日の施術を承っています。イボやシミの数が多くてもご希望に合わせた個数で除去できます。
治療期間・回数 | 約9か月、3回 |
---|---|
費用 | イボ除去11,000円から(今回のように多数除去する場合は目安として99,000円程度) ピコスポット顔打ち放題 88,000円 |
リスク・副作用 | イボ除去は赤み、色素沈着、凹み、瘢痕、感染、出血。ピコスポットは赤み、色素沈着、水疱、痂皮 |
イボには脂漏性角化症以外にもさまざまな種類があります。たとえば赤みやかゆみがあり若い女性の顔や手にできやすい「扁平疣贅」、小さな角のような見た目の「糸状疣贅」、性器や肛門などに生じる「尖圭コンジローマ」などです。これらは老人性イボとは異なりウイルスが原因で作られるイボです。
さらにイボだと思っても皮膚がんの可能性も考えられます。たとえば中央部分に出血やかさぶたがみられる「基底細胞がん」や、患部と周囲との境界がぼんやりしてみえる「悪性黒色腫」、赤みがあり徐々に大きくなっていく「ボーエン病」や「日光角化症」などです。
診察中にウイルス性のイボや皮膚がんと区別が難しいこともありますが、拡大鏡(ダーモスコピー)を使うことで区別できることがあります。区別が難しい場合には切除して病理検査をします。
さらに詳しく知りたい方は、「ほくろやいぼの種類と治療法について」をご覧ください。
脂漏性角化症(老人性イボ)の治療方法
脂漏性角化症は良性なので見た目以外には放っておいても大きな問題はないのですが、かゆみがある、引っかかって出血する、と症状がある場合やほかの皮膚腫瘍と区別がつきにくい場合は切除を推奨します。顔にできた場合や大型の場合には目立つので治療を行ったほうが外見上目立ちません。
当院では、以下のような方法で脂漏性角化症の治療をしています。
ラジオ波メス(高周波メス、サージトロン)
ラジオ波メスは、高周波を利用して患部を焼却・切除する施術です。顔にできたイボや、厚みのあるイボなどに向いた方法です。
脂漏性角化症は皮膚の表面にあるできもののため、ラジオ波メスで患部を浅く削って治療をします。ラジオ波メスは、止血と焼却・切除を同時にできるメリットがあるため、通常のメスに比べると傷口が小さく、治りも早くなります。
施術前には麻酔薬を使用するため、麻酔薬にアレルギーのある方は事前にご相談ください。
ある程度の大きさがあるいぼの場合、施術後は患部を保護するために、最低1週間はテープを貼ったままにします。1週間後の再診では、テープをはがして患部の状態を確認します。小型の場合にはテープを貼らないこともあります。
さらに詳しい内容は「ラジオ波メスの治療ページ」をご覧ください。
ピコレーザー
黒色のメラニン色素に反応する高出力のレーザーを患部に照射する施術です。脂漏性角化症では、色が茶色の場合や盛り上がりの少ない場合に向いた治療法です。盛り上がりが強い場合はラジオ波メスでないと確実な除去は難しいですが、盛り上がりが少なく薄めの脂漏性角化症であればピコレーザーでも除去可能です。ダウンタイムが短く傷跡が残りにくいのはピコレーザーの利点です。
ピコ秒(1兆分の1秒)単位でレーザーを照射できるため、レーザーの肌への影響が少なく、施術中の痛みも感じにくくなります。(※痛みの感じ方には個人差があります。)肌に赤みが残りにくいため、ダウンタイムも短くなります。
施術後1週間~10日ほどで患部の茶色い部分が自然とはがれおちます。
ピコレーザーは生まれつきのあざである「太田母斑」や「異所性蒙古斑」には保険適用で治療が可能です。しかし老人性イボの場合、公的医療保険が適応されない自由診療です。
さらに詳しい内容は「ピコレーザーの治療ページ」をご覧ください。
液体窒素
超低温の液体窒素を用いて患部を急速に冷やすことでイボの細胞を壊死させる方法です。一回の施術で治療が終了することはまれで、通常は何度も施術を繰り返さなければなりません。施術時の痛みも強く、施術後の肌に炎症や色素沈着も起こりやすくなるため、傷あとが目立ちやすくなります。そのため当院では、液体窒素を用いた治療よりもラジオ波メスやピコレーザーの治療をオススメしています。
脂漏性角化症(老人性イボ)の治療費用
保険診療 | |
---|---|
手術による除去 | 約7,000~14,000円 |
冷凍凝固療法 | 約700円 |
できものの拡大鏡検査 | 約200円 |
※すべて税込です。
※3割負担の場合の料金です。
※都内在住で高校生までの子どもは公費負担となり実費は0円です。
自由診療 | |
---|---|
イボ除去 2ミリ以下 2つ | 11,000円 |
イボ除去 3ミリ以上 1つ | 11,000円 |
※すべて税込です。
※治療が複数の場合は、大きさの合算で料金計算します
自由診療 | |
---|---|
ピコレーザー 顔打ち放題 | 88,000円 |
ピコレーザー 1cmまで | 14,300円 |
ピコレーザー 1.5cmまで | 21,450円 |
ピコレーザー 2cmまで | 28,600円 |
※すべて税込です。
※2cm以上は1cmごとに14,300円(税込)追加
※複数のイボがあるときには、大きさを合算して料金を計算します。