
ニキビ跡の症状と治療について解説
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ニキビ跡ってなに?
ニキビ跡は、長く続いたニキビの炎症により、赤み、くすみ、凹み、盛り上がりが残ってしまっている状態です。ニキビ自体には塗り薬や飲み薬が有効ですが、ニキビ跡を薬で治すのは難しく、通常保険適用外の施術が必要になります。そのため、ニキビ自体をいかに長引かせないかがニキビ跡の予防には最も大切ですが、当院では残ってしまったニキビ跡に効果のある治療をニキビ跡の種類ごとに用意しています。
ニキビ跡の種類
赤くぽつぽつするニキビですが、放っておくと黒ずんだり、ボコボコしてきたりと様々な皮膚表面の問題を引き起こします。ニキビ跡には大きく分けて次の4つがあります。
- ニキビ跡の赤み
丸い赤みがひたい、ほほ、あごに点々と残ります
- ニキビ跡の黒ずみ
あごやほほに多い、ニキビ跡の黒ずみです。肌質により赤みが残りやすい方、くすみが残りやすい方がいます
- ニキビ跡の盛り上がり
あごに多く、盛り上がって固くなります。肩や胸のニキビでも多い症状です
- ニキビ跡の凹み
こめかみやほほに多い、小型の凹みで、クレーター痕とも呼ばれます。小型の穴のようなアイスピック型、もう少し大型のボックスカー型、広めの面で凹みが目立つローリング型、とタイプ別に治療が別れます
ニキビ跡はなぜできる?
ニキビは毛穴の炎症ですが、長く続くことで皮膚にダメージが加わりニキビ跡になります。炎症が長く続くとその赤みが残ったり、炎症によるメラニン沈着で黒ずみが残ります。また、炎症により皮下の組織が萎縮して薄くなり凹んだり、逆に炎症が原因で線維化を起こして硬くなると隆起してケロイドのようになることもあります。
どの症状も、ニキビが長引けば長引くほど出やすくなるので、ニキビを早めに治し、かつ新しいニキビを予防するのがニキビ跡の予防に最も重要です。当院では、保険適応の範囲内での塗り薬、飲み薬、それで効果不十分な場合のイソトレチノインの内服やピーリング、といった治療を組み合わせて可能な限り早めにニキビ治療を行うように指導しています。 保険と保険外の治療の組み合わせを試せば、どのニキビもほぼ確実に改善します。ニキビ跡の治療ももちろん大切ですが、同時に新しいニキビがほぼできない状態に保つことが非常に重要です。
ニキビ跡になってしまったときの対処法を、症状別にみていきましょう。
ニキビ跡の赤みの治療法
ニキビが長引くと炎症による赤みが残ってしまいます。通常はニキビが再発しなければ3-6ヶ月ほどで自然にひきます。それ以上しても残っている場合には、顔の表面の血管が開いてしまっている、もしくはニキビのようなポツポツが出ている酒さ(赤ら顔になりポツポツが出る病気)の可能性があります。ニキビ跡の赤み、赤ら顔にはどちらとも当院にあるVビームというパルスダイレーザーで赤みをひかせる効果が期待できますので、ご相談ください。
価格は下記のとおりになります。
治療範囲 | 価格 |
---|---|
片頬やあごのみなど狭い範囲 | 11,000円 |
頬から下 | 22,000円 |
全顔 | 33,000円 |

こちらは当院でVビーム2によるレーザー治療を7回行い、ニキビ跡の赤みをひかせた症例写真です。1回のVビーム治療で赤みがひいた経験もありますが、通常は複数回の治療が必要です。治療の目安は3−5回程度が一般的です。
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ニキビ跡の黒ずみの治療法
ニキビが長く続くと、赤かったところが次第に黒っぽくなり、ぽつぽつがなくなったあとでも黒ずみが残ってしまいます。この症状は炎症後色素沈着と呼ばれ、やけど、虫さされ、湿疹などのあとにのこる黒ずみと同じ症状です。
数ヶ月で自然にも改善していきますが、完全には黒ずみが消えない場合があります。この場合に当院でまず勧めているのはトレチノインという塗り薬です。この薬は海外では保険適応でニキビの治療薬として認可されていますが、日本では保険適応にはなりません。トレチノインはメラニンを外に排出する作用があり、かつニキビ自体にも効果があるので、ニキビによる黒ずみには最適な塗り薬です。
ハイドロキノンやアゼライン酸といったメラニンを作るのを抑える塗り薬を併用するとさらに治療効果は上がります。トラネキサム酸やビタミンCの飲み薬を併用することもあります。
ピーリングもニキビ跡の黒ずみに有効な治療で、2−4週間間隔で5−10回ほど治療を繰り返すと徐々に黒ずみが薄くなっていきます。また、ピーリングはニキビ自体にも効果がありますので、ニキビ跡の黒ずみには特に適した治療です。
価格は下記のとおりになります。
治療法・範囲 | 価格 |
---|---|
トレチノイン 0.025% 5g | 3,300円 |
ハイドロキノン 4% 5g | 1,980円 |
アゼライン酸 20% 15g | 1,980円 |
トックスピール | 10,780円 |
リバースピール 頬 | 22,000円 |
リバースピール 全顔 | 33,000円 |
ニキビ跡の凹みの治療法
ニキビ跡の中でも最も治療が難しいのがこの凹みです。当院ではダーマペン、サブシジョン、TCAクロスといった施術を使って凹みを治療しています。
ダーマペン
ダーマペンではニキビ跡の部分に微細な針を刺すことで肌表面に微細なダメージを与え、皮膚の再生能力を利用して凹みをなだらかにします。それと同時にBENEVなどの成長因子の入った薬液や自分の血液から採取した成長因子であるPRPを使用し、さらに効果をあげます。広範囲に浅い凹凸が目立つ場合に有効な治療法です。針による内出血で顔が赤くなるダウンタイムが3−5日程度続くことはありますが、リスクを少なく同時に肌質改善も行える優れたニキビ跡治療です。

こちらはニキビ跡の凹みは9回のダーマペン4により治療で、ニキビはトレチノインの塗り薬で治療した当院の症例です。ニキビ跡の凹みはなだらかになり、ニキビは完全に消えています。
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サブシジョン
サブシジョンはニキビ跡の凹んだ部分を下に引っ張っている硬い線維を皮膚の下から針で切り、凹みを盛り上げるという治療法です。ローリング型というニキビ跡が硬くなり、面で広範囲が凹むタイプのニキビ跡に最適な治療法です。サブシジョンと同時に切って空いた空間にヒアルロン酸を注入することで、効果を上げることができます。

こめかみの強いニキビ跡の凹みが広範囲にあった当院の患者様で、ヒアルロン酸を併用したサブシジョンで3回治療を行いました。その期間中に他院でのフラクショナルレーザーによる治療も2回併用しています。クレーターのようにぼこぼこした大型の凹みが浅くなっているのがわかります。

ほほのニキビ跡の凹みに対して2回サブシジョンを行った当院の患者様の症例写真です。1回はヒアルロン酸なし、もう1回はヒアルロン酸を併用して治療しています。2回目からすでに数ヶ月経過してヒアルロン酸は吸収されてなくなっていますが、効果は持続しています。ヒアルロン酸がある空間に自分の組織が入り込むため、ヒアルロン酸自体が吸収されたあともサブシジョンの効果が保たれるためです。
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TCAクロス
トリクロロ酢酸(TCA)という濃度の高いピーリング剤をニキビ跡の凹みにピンポイントで使用し、凹みの表面にあえてダメージを与え、その治癒過程で凹みをなだらかにする治療法です。アイスピック型という2ミリ程度の細かい点のようなニキビ跡の凹みに最適な治療法です。ダーマペンやサブシジョンでもとれない表面の細かい穴のような凹みにはTCAクロスの出番になります。治療した部位にピンポイントで、赤みや黒ずみといったダウンタイムが出る可能性があります。

眉間に多数ある小型の凹み、アイスピック型のニキビ跡にわずか1回だけTCAクロスで施術した当院の症例写真です。1回で凹凸が目立たなくなったため、治療終了としました。一過性にTCAによるくすみが出ましたが、4ヶ月後の写真ではすでに目立ちません。
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価格は下記のとおりになります。
治療法・範囲 | 価格 |
---|---|
ダーマペン | |
鼻のみ | 22,000円 |
両頬のみ | 27,500円 |
全顔 | 38,500円 |
ヴァンパイアフェイシャル(PRP併用のダーマペン) | 99,000円 |
サブシジョン | |
2x2cmの範囲 | 22,000円 |
ヒアルロン酸併用は1ccまで | 22,000円 |
TCAクロス | |
20箇所まで | 22,000円 |
ポテンツァ | |
ジュベルック局所注射(1箇所のみ) | 11,000円 |
ジュベルック局所注射(5箇所まで) | 22,000円 |
ニキビ跡の盛り上がりの治療法
ニキビが起こると炎症を起こすので、そのあとが傷跡になってしまうことがあります。体質的にケロイドができやすい方ではその部位が異常にかたく盛り上がり、ケロイドになってしまうことがあります。特に、アゴ下にニキビができてニキビ跡の盛り上がりが多発している方が多数皮膚科を受診します。
一度盛り上がった場合には塗り薬や飲み薬では治療が難しいので、ステロイドの注射を月に一度、数回行うことで、傷跡を平らにする効果を期待できます。ステロイドは固くなった組織を柔らかくしてへこませる作用があるからです。こちらの治療は保険適応で月1回行えますので、ご相談ください。
ニキビ跡の凹みを完全に元通りにするのは難しいですが、改善する効果はいくつかの方法を組み合わせることで期待できます。お困りの方はまず一度ご相談ください。
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