ニキビ治療薬 |ディフェリンゲル0.1%(アダパレン) |塗り薬

ディフェリンゲルとは?

ディフェリンゲル0.1%(一般名:アダパレン)は、ニキビ(尋常性ざ瘡)治療薬です。
レチノイド(ビタミンA誘導体)様作用を持ち、皮膚の角化を抑えて皮脂詰まりを改善する効果を示します。

皮脂や角質の詰まりが原因となる「白ニキビ」や、毛穴が開いた状態の「黒ニキビ」の発生や進行を防ぎます。
また、治療の初期に用いることで、炎症を起こした状態の「赤ニキビ」の進行を防ぐ効果も期待できます。

ベピオゲル・ローションや抗菌薬の外用剤と併用することでさらに効果を高めることもできます。

尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023では、白ニキビ・黒ニキビ、急性炎症期の赤ニキビ、炎症軽快後の寛解(症状が治まった状態)維持に推奨度A(強く推奨)とされています。

ディフェリンゲルの使い方

使用方法/使用回数

1日1回、就寝前の洗顔後、適量をニキビのできやすいところ全体に広げるように塗ります。
ディフェリンゲルを塗る前に化粧水や乳液などで保湿すると乾燥を防げます。
ディフェリンゲルは特に乾燥しやすくなる薬なので、保湿を併用することで毎日の治療がしやすくなります。

ニキビができやすい場合の保湿には炎症を抑える作用のあるアゼライン酸やナイアシンアミド、皮膚バリア機能を補うセラミドなどの成分が含まれた製品が推奨されています。
当院ではニキビ、酒さ、赤ら顔に特化した保湿ケアとして「ベーシックケアAZ」を取り扱っています。

使用量

顔全体に塗る場合、使用量の目安は1FTUです。
1FTU(finger tip unit)とは、チューブで人差し指の先端から第一関節まで絞り出した量のことで、約0.5gです。
刺激感を感じることもあるので、最初は狭い範囲から、問題がなければ広めにと徐々に塗る範囲を広げるとよいでしょう。

特に最初の2週間程度に赤みや皮向けといった刺激症状が出やすいです。
これらの症状があっても使い続けて症状が落ち着いてくるようであれば継続使用が可能です。
あまりに赤みやがさがさが悪化する場合は使用を継続せず医師に相談してください。

使用期間

治療開始から3ヵ月以内に症状が改善しない場合は使用を中止します。
治療効果があり赤みや乾燥がひどくならない場合は、それ以上の長期間の連続外用も問題ありません。

その他

  • 効果があらわれなくても中止せず、定期的に受診してください。
  • 自己判断で中止せず、医師の指示に従いましょう。
  • 塗り忘れても翌日に多く塗らず、1日1回適量を外用とします。
  • 眼や口唇、鼻翼、粘膜を避けながら塗布しましょう。万一、眼に入った場合には、すぐに水かぬるま湯で洗ってください。症状が重いときは、眼科医の診療を受けてください。
  • 他の刺激性のある外用剤と併用する場合は、皮膚刺激感が増すおそれがあるので、注意してください。
  • 外用としてのみ使用し、切り傷やすり傷、湿疹のあるところへは塗らないようにしましょう。

 

ディフェリンゲルの副作用・注意事項等

禁忌

  • ディフェリンゲルの成分でアレルギーを起こしたことのある人には使えません。
  • 動物実験の経皮投与(ラット、ウサギ)で過剰肋骨の発生頻度増加、経口投与(ラット、ウサギ)で催奇形作用が報告されているので、妊婦や妊娠している可能性のある女性には使えません。

副作用

治療開始2週間以内に刺激感(赤み、がさがさ、ひりひり感など)、皮膚乾燥や皮膚不快感、皮膚剥脱、紅斑、そう痒症があらわれることがあります。

通常は軽度で一過性ですが、消失しなかったり、軽減しなかったりする場合は必要に応じて休薬など適切に処置します。
医師にご相談ください。

注意事項

  • 日光または日焼けランプなどで過度に紫外線にあたるのを避けてください。
  • 過敏症や重度皮膚刺激感が認められた場合は、本剤の使用を中止してください。
  • 治癒した場合は使用を中止し、漫然と長期間、使用しないでください。

費用(薬価)

ディフェリンゲルの薬価は「67.30  円/g」です。

公的保険が適用された3割負担の場合、「15g規格:303円」になります。

*薬剤費のみの価格です。

薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について(令和5年11月1日適用)

保管および取り扱い上の留意点

  • 直射日光や凍結(0℃以下)を避けて室温で、密栓したまま保管してください。
  • 小さい子どもの手の届かない所に保管してください。
  • 誤用の原因になったり品質が変わったりするので、他の容器に入れ替えないでください。
  • 有効期間は3年です。使用期限を過ぎた製品は使用しないでください。

ディフェリンゲルのよくある質問

ディフェリンゲルはどんな薬ですか?

ディフェリンゲルはレチノイド(ビタミンA誘導体)様作用を持つニキビ治療薬です。
1日1回就寝前に塗布することで、白ニキビや黒ニキビの改善、赤ニキビの予防が期待できます。

ディフェリンゲルは美肌に効果がありますか?

ディフェリンゲルは皮脂の詰まりに作用するため、いちご鼻や毛穴の黒ずみの改善も期待できます。

また、ディフェリンゲルはメラニンを皮膚の外に出す作用があるので、ニキビ跡の黒いシミにも効果的です。
毎日塗ればニキビの予防にもなります。

ニキビにはディフェリンゲルとベピオのどちらがいいですか?

ニキビ治療の塗り薬は、それぞれの症状と効果を見ながら組み合わせを選びます。
大きく分けて「レチノイド(製品名:ディフェリンゲル)」「過酸化ベンゾイル(製品名:ベピオゲル)」「抗菌薬(製品名:ダラシン、アクアチム、ゼビアックス)」の3種類があります。

また、これらの成分を配合した「デュアック(ダラシン+ベピオゲル)」や「エピデュオ(ディフェリンゲル+ベピオゲル)」などもあります。

当院のニキビ治療については「ニキビでお悩みなら池袋駅前のだ皮膚科へ」を参照ください。

ディフェリンゲルは薬局や通販で購入できますか?

ディフェリンゲルには、薬局やドラッグストアなどで購入できる市販薬はありません。
皮膚科などの医師の診察を受け、医療機関で処方を受けましょう。

なお、通販などで個人輸入された医薬品等の使用リスクについてはこちらのページをご覧ください。