脂漏性皮膚炎の原因・症状・治療方法は?酒さに似た病気なの?

肌が赤くなる皮膚疾患の代表的なものには「脂漏性皮膚炎」と「酒さ」があります。

脂漏性皮膚炎と酒さはそれぞれで原因や治療方法が異なるため、市販薬を利用して自己判断で治療を開始してしまうと、症状がよくならないばかりか、症状が悪化するかもしれません。(※市販薬を利用して症状が悪化していると感じている方は、お早めに当院までご相談ください。)

ここからは、主に脂漏性皮膚炎の原因・症状・治療方法と、酒さとの違いについて紹介します。

●脂漏性皮膚炎の原因

脂漏性皮膚炎は、皮膚に常在しているカビの一種であるマラセチアが発症に関係していると言われています。
マラセチアは、皮脂の成分を脂肪酸へと分解する働きをもちます。
脂肪酸は皮膚に対して刺激となるため、マラセチアの増殖により皮脂の分解が進行することで、皮膚炎の症状があらわれてしまうのです。

また、皮脂の代謝に関与するビタミンB2・B6の不足、洗髪や入浴不足、ホルモンバランスの乱れや過度なストレスなども関連して症状が起こると言われています。

●脂漏性皮膚炎の症状

脂肪性皮膚炎の症状について、特徴的なものを紹介します。

患部

脂漏性皮膚炎の湿疹は、頭、生え際、顔などの皮脂の分泌が盛んに行われている場所にできます。

年齢

新生児~乳児、もしくは思春期以降の成人に起こりやすい疾患です。
新生児~乳児の場合には、一時的な症状であることがほとんどです。
しかし成人の場合には、よくなったり悪くなったりを繰り返すような慢性的な症状となりやすいため注意しましょう。

見た目

皮膚が赤くなり、ひどいときにはカサブタ状となるかもしれません。
頭にできたときには、乾燥したフケや、黄色い湿り気のあるフケが出ます。

痛み、かゆみ

基本的に痛みはありませんが、かゆみは出ます。
かゆみの強さは個人差が大きく、人それぞれで異なります。

脂漏性皮膚炎と酒さとの違い

脂漏性皮膚炎と酒さは、どちらも肌に赤みがあらわれる皮膚疾患です。
それぞれの違いについて紹介します。

患部ができやすい場所

たとえば顔の症状を比べてみましょう。
脂漏性皮膚炎は、皮脂分泌が盛んなTゾーン周辺(眉・眉間・鼻のワキなど)に、症状がよくあらわれます。
しかし酒さでは、顔の中央に近い場所(眉間、鼻・頬など)に症状がよくあらわれます。

見た目

脂漏性皮膚炎は赤みとガサガサ、酒さは赤みとボツボツとした肌状態が主な特徴です。

酒さの場合は毛穴に炎症が起こっているため、ニキビのような見た目になることもあります。
さらに毛細血管の拡張が目立つこともあるなど、酒さには脂漏性皮膚炎には見られないような症状もあります。

典型的な酒さの写真は下記のものです。
鼻周りやほほで線のような赤い毛細血管拡張があり、毛穴の炎症を起こして赤いボツボツが多数出現します。

脂漏性皮膚炎と酒さでは、症状や原因が異なるため、自己判断で市販薬を利用するのは避けましょう。
とくにはじめて症状があらわれたときや、症状が繰り返すときには、当院までお気軽にご相談ください。

さらに詳しく知りたいときは「酒さ治療について」をご覧ください。

脂漏性皮膚炎の治し方

ここでは、当院で脂漏性皮膚炎を治療する方法について紹介します。
脂漏性皮膚炎の治療は、主に外用薬を使います。
代表的な成分について確認していきましょう。

ケトコナゾール

脂漏性皮膚炎の原因に関与しているマラセチアなどのカビに対して、抗真菌薬であるケトコナゾールを処方します。
頭皮はローションタイプ、顔にはクリームタイプを使います。

ステロイド

肌の赤みが強いときには、炎症を抑える効果があるステロイドをケトコナゾールと併用することもあります。
しかしステロイドは、長期間の使用で皮膚が薄くなり、毛細血管が拡張するなどの副作用が確認されているのです。
そのため、症状がおちついたときにはステロイドの使用を中止するなど、お一人おひとりの症状に合わせて薬を使い分けます。

脂漏性皮膚炎に関するご相談、治療なら池袋駅前のだ皮膚科へ

脂漏性皮膚炎は、マラセチアというカビが関係して起こる疾患です。
脂漏性皮膚炎には特徴的な症状がいくつかあります。
しかし、肌に赤みがあらわれる疾患には酒さも考えられます。

脂漏性皮膚炎だと思って自己判断で市販薬を使用していても、症状がなかなか治らないときや、症状が悪化してしまうときには、酒さなど別の皮膚疾患かもしれません。

とくにはじめて症状があらわれたときや、症状が繰り返すときには、お気軽に池袋駅前のだ皮膚科までご相談ください。

池袋駅前のだ皮膚科はこちら

池袋駅前のだ皮膚科 野田 真史 監修