サブシジョンにヒアルロン酸の併用は必要?|効果の違い、経過、費用などを解説

サブシジョンは、ニキビ跡の凹みを改善するため、皮膚の下にある線維を専用の針で切り離す治療法です。

この施術と同時にヒアルロン酸などを注入することで、より変化を実感しやすくなるとされています。

今回では、サブシジョンにヒアルロン酸を併用するメリットをはじめ、単独治療との違いや施術後の経過、費用について詳しく解説します。

目次

ヒアルロン酸併用の狙いと効果

手鏡を見ながら頬の肌を気にする女性

サブシジョンにヒアルロン酸を併用すると、主に以下のような効果があると考えられています。

ボリュームを補う

サブシジョンで癒着を切断して空いた空間にヒアルロン酸を入れることで、内側からボリュームを補い、凹み全体を持ち上げやすくします。

ヒアルロン酸自体にもコラーゲン産生を促す作用があり、創傷治癒の過程で徐々に自分の皮膚組織が作られて置き換わっていきます。

両頬のローリング型瘢痕に対し、片側にヒアルロン酸、反対側に生理食塩水を注入したランダム化試験では、ヒアルロン酸を入れた側が改善し、その効果が少なくとも2年間持続したと報告されています。[2]

また、サブシジョン単独の症例に比べて、架橋ヒアルロン酸を併用した症例の方が改善が見られたという報告もあります。[3]

凹みの戻り(再癒着)を予防する

癒着を切断した後にヒアルロン酸を入れると、空いたスペースを一定期間物理的に埋めることができます。これにより凹みが再び強く引き込まれるのを抑え、切った組織の再癒着を防ぎます。

一般的にヒアルロン酸は半年ほどで体に吸収されます。しかし、吸収されるまでの間に自身の組織が再生されていくため、ヒアルロン酸が消失した後も効果がすぐに失われるわけではありません。

サブシジョン単独・ヒアルロン酸併用の比較

両手で頬に触れる女性

2005年の報告では、ローリング型のニキビ跡40症例に対してサブシジョンを行った結果、医師の評価で約50%が改善を示し、患者の約90%が改善を自覚したというデータがあります。[1]

なだらかなローリング型のニキビ跡なら、サブシジョン単独で十分効果を得られる場合があります。

深いニキビ跡や、1回あたりの効果を高めたい場合はヒアルロン酸などの併用も検討しましょう。

比較項目サブシジョン単独サブシジョン+ヒアルロン酸併用
適しているケースなだらかなローリング型のニキビ跡深いニキビ跡、1回あたりの改善実感を高めたい場合
効果固くなった瘢痕組織を切断し、皮膚を内側から持ち上げやすくする瘢痕組織を切断したうえで、内側からボリュームを補い、再癒着を防ぐ働きが期待できる
改善の速さコラーゲン再生に伴い、数カ月かけてゆっくり改善していく注入直後からボリューム変化を感じやすく、さらに半年〜1年かけて組織再生による変化も期待しやすい
必要な施術回数一般的に3回前後が目安。1回で実感する人もいれば、6回以上必要なケースもある1回の施術でも1〜6カ月かけて改善がみられる事例があり、1回あたりの改善度が大きくなりやすい
ダウンタイム内出血、腫れ、鈍痛が1〜2週間ほどで自然に落ち着くことが多い単独治療と同様の症状に加え、一時的な硬さ(しこり)や腫れが生じる可能性がある
効果の持続期間再癒着が起こらなければ、長期的な改善が期待できるヒアルロン酸は半年〜1年ほどで吸収されるが、その間に組織が作られることで、吸収後も一定の効果が続く可能性がある

①効果

サブシジョン単独では、固くなった瘢痕組織を切断し、皮膚を内側から持ち上げやすくします。

一方ヒアルロン酸を併用した場合は、組織を切断したうえで皮膚の内側からボリュームを補うため、再癒着を防ぐ働きが加わります。

②改善の速さ

単独治療は、数カ月かけてコラーゲンの再生とともにゆっくり改善に向かいます。

ヒアルロン酸を併用すると注入直後からボリュームを補うことができ、さらに半年〜1年の間に自分の組織が徐々に作られるため、継続的な変化を感じやすいのが特徴です。

③必要な施術回数

単独治療の場合、一般的に3回前後が目安となります。1回で実感する方もいれば、6回以上必要なケースも珍しくありません。

対してヒアルロン酸を併用した場合、1回の施術から1〜6カ月かけて改善した事例もあり、1回あたりの改善度が大きくなりやすい傾向にあります。

④ダウンタイムの違い

単独治療では、内出血や腫れ、鈍痛が1〜2週間ほどで自然に落ち着きます。

ヒアルロン酸を併用した場合も単独時と同様の症状がみられますが、これに加えて薬剤注入に伴う一時的な硬さ(しこり)や腫れが生じる可能性があります。

⑤効果の持続期間

サブシジョン単独は線維性の癒着を切る治療であるため、再癒着が起こらなければ長期的な改善が期待できます。

ヒアルロン酸自体は半年〜1年で吸収されてしまいますが、併用した場合はその間に自分の組織が作られるため、吸収された後もある程度の効果が続くと考えられています。

サブシジョンにヒアルロン酸併用がおすすめな方

頬に手を当てて目を閉じる女性
  • ニキビは落ち着いているが、凹みだけが残っている方
  • ローリング型、浅めのクレーターが多い方
  • 少しでも早く見た目の変化を感じたい方

治療の回数をなるべく抑えつつ、早期にクレーターの改善を目指したい方に適した選択肢となります。

効果が出るまでの経過(0日〜3カ月)

カレンダーと置き時計

効果が出るまでの一般的な経過や、施術後のダウンタイムについて時期別に解説します。

治療直後〜2週間

施術直後から赤みや内出血、腫れが見られるものの、1~2週間ほどで自然に落ち着いていくのが一般的です。

麻酔が切れた後に鈍痛を感じたり、施術部位の動かしにくさを覚えたりすることもあります。

  • 洗顔やシャワー、保湿は当日から可能
  • 日焼け止めやメイクは、施術部位と針穴部分のみ当日は控える
  • 入浴や激しい運動、サウナ、飲酒などは腫れが引くまで避ける

血行を促進する行為は内出血や腫れを悪化させる可能性があるため、術後は安静に過ごすことが大切です。

1カ月前後

組織の修復が進み、効果を感じやすいタイミングとなります。経過を見ながら、必要に応じて2回目の施術を検討しましょう。

1〜3カ月

サブシジョン単独の効果は1カ月の時点から3ヶ月程度でさらに効果が上がることがあります。組織再生が進むためです。

ヒアルロン酸を併用した場合は、3カ月ほどでヒアルロン酸が徐々に吸収されて一度平坦化していくケースもあります。そのあとで組織再生が進み、後でより効果を実感できる場合があります。

ヒアルロン酸が体に吸収された後もある程度の状態が保たれるため、肌の変化を確認しながら施術を継続するかどうかを医師と相談して判断します。

サブシジョンの詳しい特徴や症例写真、料金については、サブシジョンの治療ページに掲載しています。

よくある質問

「Q&A」と書かれた木製ブロック
サブシジョン後にヒアルロン酸は必要ですか?

必須ではありませんが、ニキビ跡の深さや程度によって検討しましょう。

1回での変化を大きくしたい場合や、治療回数を抑えたい場合には併用がおすすめです。

ヒアルロン酸のみでクレーター治療はできますか?

ヒアルロン酸の注入のみで改善を目指せるケースもあります。しかし、皮膚組織の癒着を伴う深いクレーターは、サブシジョンなどを組み合わせた方が変化を感じやすいと考えられています。

凹みの形や深さでも変わりますので、一度皮膚科で診察することをおすすめします。

サブシジョンとヒアルロン酸の併用は何回するのがいいですか?

サブシジョン自体は一般的に3回前後が目安です。

1回で変化を感じたい場合、治療回数を少なくしたい場合にヒアルロン酸併用を1〜2回組み合わせます。

最適な回数はクレーターの深さ・範囲・希望によって変わるため、診察で相談しながら決めましょう。

副作用・禁忌

サブシジョンの経過や効果には個人差があります。

気になる症状がみられた方は、すみやかに医師へご相談ください。

■副作用・リスク

施術前に局所麻酔をするため、麻酔が切れた後に鈍痛を感じる場合があります。

内出血や赤み、腫れが出ることも多くありますが、通常1~2週間ほどで自然に消失します。

■注意点

洗顔、シャワー、保湿は当日から可能です。

日焼け止めとメイクは、施術部位と針穴を除いて当日から行えます。

血行が良くなると腫れが長引く恐れがあるため、施術当日の激しい運動や過度な飲酒、サウナ、長時間の入浴はお控えください。

また、ケロイド体質の方はまれに皮膚が反応して厚みを帯びることがあります。

■禁忌

  • 妊娠中の方
  • 抗凝固薬を使用中の方

未承認医薬品等の表示

<サブシジョンについて>

・未承認医薬品等
サブシジョンのカニューレは医薬品医療機器等法上の承認を得ていない未承認医療器機です。個人輸入された医薬品等の使用によるリスクに関する情報はこちらをご確認ください。

・入手経路等
韓国のACE MEDICAL社から個人輸入しています。

・国内の承認機器の有無
同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。

・諸外国における安全性等に係る情報
重大なリスク・副作用などが明らかになっていない可能性があります。

・医薬品副作用被害救済制度について
万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。

参考文献

[1]Alam M, et al. Subcision for acne scarring: technique and outcomes in 40 patients.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15841633/

[2]Prospective Clinical Trial Demonstrating the Efficacy of Hyaluronic Acid Filler for the Improvement of Atrophic Facial Scars up to 2 years
ResearchGate

[3]An Intra-Individual Split-Face Comparative Study Between Subcision with Combination of Hyaluronic Filler and Subcision Alone for Treatment in Atrophic Acne Scars: An Evaluator-Blinded Randomized Controlled Trial
ResearchGate

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この記事を書いた人

野田真史のアバター 野田真史 池袋駅前のだ皮膚科 院長

医学博士 / 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医

東京大学医学部卒業、同大学院医学博士課程修了。米国ロックフェラー大学への臨床研究留学、ニューヨーク州医師免許取得を経て、東京大学医学部附属病院助教を務める。2018年、池袋駅前のだ皮膚科を開院。

ニキビやシミといった身近な悩みから難治性の皮膚疾患まで、常に知識を研鑽し、適切な診断・治療を行うことを信条としている。

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