【症例あり】キュアジェットの傷跡への効果や特徴とは

ファンデーションなどで隠しきれない、なかなか消えない傷跡に悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

できてしまった傷跡はセルフケアでの改善は難しいため、美容施術での治療がおすすめです。特に、凹んだ傷跡の改善には、肌の再生を効果的に促すことができる「キュアジェット」がおすすめです。

この記事ではキュアジェットの傷跡への効果、なぜ傷跡に効果的なのか、他の治療法との違いまで、専門医が詳しく解説します。傷跡を改善したいと思っている方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

キュアジェットの傷跡への効果

凹んだ傷跡の改善効果

キュアジェットは、ニキビ跡や水疱瘡の跡といった、皮膚が凹んでいる傷跡改善に効果が期待できる施術です。

針を使わずに強い高圧ジェットの力で、皮膚の凹みの下にある硬く線維化した細かい組織を物理的に断ち切ります。この作用により、下に引っ張られていた皮膚が持ち上がり、傷跡の凹みが浅くなります。

またジェット水流と一緒にジュベルックボリューム(レニスナ)やヒアルロン酸などの薬剤を皮膚の浅い層の真皮浅層へ直接届けることも可能です。

薬剤が線維芽細胞を刺激し、肌再生に重要なコラーゲンやエラスチンの生成を促進します。肌のハリや弾力を高め、傷跡の凹みを内側からふっくらと持ち上げる効果を期待できます。

肌質の改善効果

ジェット水流による皮膚への刺激は、創傷治癒反応を引き起こし、肌の生まれ変わりをサポートする線維芽細胞を活性化させます。

それによりコラーゲンやエラスチンの生成が促され、傷跡部分だけでなく、周辺の肌にもハリや弾力、質感が向上する効果が期待できます。施術を重ねて、より滑らかで健康的な肌を目指せます。

症例

ほくろ除去後のへこみに対する当院での症例

他院での7年前に行った頬のほくろ除去後のへこみを治したいと受診した20代女性の患者様。

すでに他院で20回のフラクショナルレーザーと5回のジュベルック手打ちでも治らなかったとのことでキュアジェットによる治療を希望され、1カ月おきに2回キュアジェット(使用薬剤はレニスナ)を行いました。

最後の治療から1ヶ月後でへこみも質感も改善しました。

治療内容レニスナを使用したキュアジェットを2回行い、1カ月後の写真
費用キュアジェット(レニスナ併用)5箇所まで 33,000円(税込)
リスク・副作用内出血、赤み、むくみ、痛み、硬結、へこみの開大など
担当医師コメントへこみだけでなく、周りと肌質がなじんで傷跡の境界が目立ちにくくなっているのがわかります。

キュアジェットのジェットの作用により傷跡に外力が加わり、組織が再構築する過程で傷跡がより正常に近い組織になると考えられます。

術後のへこみに対する当院での症例

写真はフェイスリフト後の傷跡によるへこみを治療したいと当院を受診した20代女性の患者様。

写真ではややわかりにくいですが2cm程度の範囲でへこみが強かったので、サブシジョンの併用を当初推奨しましたが、患者様の希望でキュアジェット単独で治療し、1回の治療から1カ月半でほぼ平坦になりました。

傷跡で薄くなった組織が正常に近くなり、透けて見えていた毛細血管や赤みも減っています。

治療内容レニスナを使用したキュアジェットを1回行い、1カ月半後の写真
費用キュアジェット(レニスナ併用)2x2cm 1箇所 33,000円(税込)
リスク・副作用内出血、赤み、色素沈着、硬結
担当医師コメント併用した薬剤はレニスナ(ジュベルックボリューム)。
キュアジェットとレニスナによる組織再生の効果で、へこみだけではなく傷跡の質感が改善しています。

肥厚性瘢痕に対する当院での症例

写真は当院で以前重症ニキビをイソトレチノインで治療したものの、頬に盛り上がりの強い肥厚性瘢痕が残った10代男性の患者様。

すでにステロイドの局所注射で10回程度治療し、ある程度盛り上がりが減りましたが、上の写真のようにまだ厚みの強い状態でした。

ステロイド局所注射の効果も薄れていたのでステロイドとボツリヌストキシンを薬剤として使用。キュアジェットで治療したところ、1回の治療から5カ月後には下の写真のように瘢痕の盛り上がりが減り、部分的にへこんでいた内部のニキビ跡も改善しました。

治療内容ステロイドとボツリヌストキシンを使用したキュアジェットを1回行い、5カ月後の写真
費用キュアジェット(ステロイド・ボツリヌストキシン併用)2x2cm 1箇所 33,000円(税込)
リスク・副作用内出血、赤み、色素沈着、へこみ、硬結
担当医師コメントステロイドとボツリヌストキシンはいずれも盛り上がった傷跡を改善する効果があります。

キュアジェット自体による傷跡のリモデリング効果が加わることで、ステロイドの局所注射では治らなかった肥厚性瘢痕にもいい結果がでました。

傷跡の治療に必要な施術回数

キュアジェットで期待する効果を実感するタイミングには、傷跡の状態や肌質により個人差があります。

1回の施術で変化を実感できる方もいますが、一般的には4週に1回の頻度で、3~5回程度施術を繰り返すと満足度の高い効果を実感しやすくなります。

治療計画については、診察時に医師とよくご相談ください。

キュアジェットの特徴

キュアジェットの大きな特徴は、凹んだタイプの傷跡に対して、「サブシジョン効果」と「薬剤導入効果」を同時に得られる点です。

サブシジョン効果とは、凹みの原因となっている硬い線維組織をジェット水流で物理的に断ち切って得られる効果のことです。当院では、肌の再生を促すジュベルックボリューム(レニスナ)といった薬剤を併用することが多く、より高い効果を目指しています。

キュアジェットは針を使用しないため痛みが比較的少なく、ダウンタイムも短い傾向にあり、薬剤を広範囲に均一に浸透させられるのも特徴としてあげられます。

キュアジェットについて、詳しくはこちらもご覧ください。

他の治療との違い

ここでは、5つの治療方法との違いを解説します。

1.ピコフラクショナルレーザー(ピコシュア)

ピコフラクショナルレーザー(ピコシュア)は、高密度なレーザーを皮膚に照射することで、皮膚表面へのダメージを抑えながら表皮内に小さなダメージを与える治療法です。

創傷治癒効果によりコラーゲンやエラスチンの生成を促し、肌のへこみや毛穴の開きにアプローチします。

キュアジェットのような物理的な線維切断(サブシジョン)効果や、薬剤を直接深部に導入する機能はありません。一般的にキュアジェットよりダウンタイムが短く、メイクも当日から可能なことが多いです。

【ピコフラクショナルレーザー(ピコシュア)の方が向いている方】

  • 傷跡だけでなく、肌のくすみ・色ムラも同時に改善したい方
  • キュアジェットの効果まで必要ないくらいの浅い傷跡を治療したい方

2.ダーマペン

ダーマペンは、極細の針で皮膚の表面に小さな穴を多数開け、その刺激で肌が本来持つ創傷治癒力を高め、コラーゲンやエラスチンの生成を促す治療法です。

キュアジェットが針を使用しないのに対し、ダーマペンは針を用いる点が大きな違いです。

針穴を通して美容成分や薬剤を浸透させられます。施術後の赤みや腫れといったダウンタイムは、数日から1週間程度です。

【ダーマペンの方が向いている方】

  • 浅いけれど比較的広範囲の傷跡を改善したい方
  • 使いたい薬剤が針で注入した方が良い場合

以下の記事に「ダーマペンと併用できる薬液の一覧表」がありますので、あわせてご覧ください。

ダーマペン4による治療効果について解説

3.ポテンツァ

ポテンツァは、マイクロニードル(極細針)を皮膚に刺し、針先からRF(高周波)を照射して真皮層に熱エネルギーを加え、コラーゲン生成をより促す治療法です。

キュアジェットにはないRF照射機能が特徴です。

また、針を刺す際に薬剤を効率的に導入するドラッグデリバリーシステムも備えられています。出血を抑えながら施術でき、熱エネルギーによる引き締め効果も期待できます。

【ポテンツァの方が向いている方】

  • より広範囲の傷跡を改善したい方
  • 皮脂を減らしたい方
  • 効率的に薬剤を広範囲に導入したい方
  • 出血を避けたい方

4.サブシジョン

サブシジョンは、専用の針を皮膚の下に挿入し、医師の手で直接、傷跡の凹みの原因となっている硬く癒着した線維組織を切断する施術です。

キュアジェットもジェット水流によるサブシジョン効果がありますが、こちらのサブシジョンの方がより強力な癒着剥離が可能です。

サブシジョンであけたスペースにヒアルロン酸やレニスナなどの薬剤を注入することもあります。キュアジェットと比較すると、内出血のリスクは高くなる傾向にあります。

【サブシジョンの方が向いている方】

  • 癒着のひどい凹んだ傷跡を治療したい方
  • 他の治療方法では改善が難しかった深い凹みのある傷跡を改善したい方
  • 深くなだらかなローリング型のへこみを治したい方

5.TCAクロス

TCAクロスは、高濃度のトリクロロ酢酸(TCA)という薬剤を、凹んだ傷跡の底にピンポイントで塗布する治療法です。

薬剤の化学的な力で皮膚組織を意図的に深くピーリングし、その後の創傷治癒過程でコラーゲン生成を強力に促します。

キュアジェットがジェット水流という物理的な力でアプローチするのに対し、TCAクロスは化学的な作用で肌の凹みにアプローチします。施術後は一度白く反応することが多く、その後かさぶたができ、1~2週間かけて自然に剥がれ落ちますが、炎症後色素沈着のリスクも考慮する必要があります。

【TCAクロスの方が向いている方】

  • 底の深い傷跡を治療したい方
  • 点状に深く凹んだアイスピック型や、底が平らで境界がはっきりした凹みのボックスカー型など、局所的で深いニキビ跡を治したい方
  • 施術範囲が狭く限定されている方

当院の治療の特徴

当院では、まず専門医が患者さまお一人おひとりの傷跡の状態を丁寧に診察し、その上で傷跡の種類、深さ、範囲、そして患者さまのご希望などを伺ったうえで、キュアジェットを含めたさまざまな治療法の中から最適な施術を提案いたします。

特定の治療法に興味がある場合は、診察時に遠慮なく医師にお伝えください。

費用

キュアジェットを使う場合は公的な医療保険の対象にはならず、自由診療で行います。

施術部位費用(税込)
ニキビ跡 2×2cmのまとまった範囲もしくは5箇所まで33,000円
眉間のシワ33,000円
ほうれい線のシワ(両側)44,000円
額、首の横ジワ(2本まで)44,000円

一緒に薬剤を使う場合、薬剤の種類によっては追加費用が必要になります。

よくある質問

Q. キュアジェットの施術後、肌はどうなりますか?

キュアジェットの施術直後に、薬剤が注入された部分に白いポツポツとしたものや点状出血が見られることがあります。

また施術の圧力や薬剤の影響で、一時的に内出血や赤み、軽い腫れが生じることがありますが、数日~1週間程度で徐々に改善していきます。

洗顔や保湿は当日から可能ですが、日焼け止めやメイクは翌日から可能です。ラロッシュポゼのシカプラストという炎症やダウンタイムを抑えるクリームをアフターケアに推奨しています

Q. キュアジェットのデメリットは?

キュアジェットの副作用として、施術中や施術後に一時的な内出血、赤み、腫れ、点状の出血が見られる場合があります。

通常、数日から1週間程度で自然に軽快しますが、大切なご予定がある場合は、ダウンタイムを考慮して施術日程を組むことがおすすめです。

Q. キュアジェットの施術時間は?

治療する範囲や傷跡の状態によって異なりますが、おおよそ10分~30分程度です。

例えば、顔全体など広範囲に施術する場合は30分程度、部分的な傷跡・ニキビ跡など範囲が狭い場合は10分程度が目安となります。

キュアジェットによる傷跡の施術に興味がある方は、池袋駅前のだ皮膚科へ

長年悩んできた傷跡を諦める前に、ぜひ一度ご相談ください。当院では、経験豊富な専門医が、キュアジェットをはじめとする多様な治療法の中から、一人ひとりの症状やご希望に合わせた最適な治療を提案いたします。

「この傷跡も治るだろうか」「ダウンタイムはどのくらい」など、些細なことでも構いませんので、あなたのお悩みをお聞かせください。スタッフ一同、親身に対応いたします。

【池袋駅前のだ皮膚科 野田 真史 監修】

副作用・リスク

副作用

以下のような副作用が起きる場合があります。

  • 赤み
  • 内出血
  • 一時的な出血
  • むくみ
  • 色素沈着
  • ごくまれに硬結など

施術後の注意点

  • 施術直後は、肌に白いポツポツとした跡や点状出血が見られることがあります。
  • 施術部位の洗顔・シャワー・保湿は当日から、日焼け止め・メイク・入浴は翌日から可能です。当日の洗顔はぬるま湯でやさしく洗ってください。
  • 施術部位のマッサージは1週間後から可能です。
  • 運動・サウナ・エステ・飲酒など、血行が良くなる行為は当日はお控えください。

ダウンタイムは、ほとんどの方が1週間前後で落ち着きますが、内出血や赤みが2週間ほど続くこともあります。1か月以上症状が続く場合は、遠慮なくご相談ください。

禁忌

  • 妊娠中の方

<キュアジェットについて>

・未承認医薬品等
キュアジェットは、医薬品医療機器等法上において国内で承認されていません。

・入手経路等
韓国のバズバイオメディック会社から個人輸入しています。

・国内の承認医薬品などの有無
国内で同程度の効能・効果で承認されている国内承認医療機器はありません。

・諸外国における安全性等に関する情報
韓国KFDAの承認を受けており、注射式シリンジ/液状の薬液を磁力やバネで噴霧し、皮膚に通して注入する装置として安全性が認められています。

・医薬品副作用被害救済制度について万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。