ルリコンとは?
ルリコンは、ルリコナゾールを有効成分とする、爪白癬治療薬です。
ルリコナゾールは、真菌細胞膜成分エルゴステロールの生合成を阻害して、抗真菌作用を示します。
ルリコンにはクリームと液、軟膏の 3 剤形があるので、症状や使用感に応じた使い分けが可能です。
日本皮膚科学会皮膚真菌症診療ガイドライン2019では、白癬やカンジダ症、癜風という皮膚真菌症にルリコンなどの抗真菌外用薬を使うのはA「行うよう強く勧める」としています。
推奨分類 A:行うよう強く勧める、B:行うよう勧める、C1:行ってもよい、C2:行わない方がよい、D:行うべきではない
ルリコンの使い方
使用方法/使用回数/使用量
足白癬の場合、足を清潔にしてから、1日1回、両足全体に薄くのばすように塗ります。
ルリコンクリームや軟膏を塗る場合は、人差し指の第一関節より少し多めが片足分の目安です。
両足全体に塗りましょう。
薬を使い切る目安の日数は以下のとおりです。
ルリコンクリーム1%・軟膏1% 10g | ルリコンクリーム1% 30g | |
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薬を使い切る目安の日数 | 約10日 | 約30日 |
これらの日数は目安なので、塗り方や塗布面積によって変わります。
体部白癬やカンジダ、癜風の場合も患部に1日1回外用を行ってください。
使用期間
治ったように見えても、白癬菌が潜んでいる可能性があるので、見た目がきれいになった後、2か月程は継続して使ってください。
その他
- 自己判断で治療を中止せず、医師に治ったといわれるまで続けましょう。
- 眼科用として、角膜や結膜には使わないでください。万一、眼に入った場合には、直ちによく水で洗い流してください。
- 適用部位にひどいびらん面がある場合は使わないでください。
- 衣類に付くと黄色に着色することがあるので注意してください。黄色くなったシミは、洗濯や漂白剤でも落とせないので、薬剤が完全に乾いてから、衣類を身に着けてください。
- 足白癬を再発させないためや家族や同居者にうつさないために、乾燥させることも忘れない、こまめに掃除するなど生活面を工夫することも大切です。
ルリコンの副作用・注意事項等
禁忌
ルリコンの成分にアレルギーを起こしたことがある人には、ルリコンを使えません。
副作用
ルリコンの成分に対する副作用は、以下のとおりです。
- 赤み
- かゆみ
- 湿疹
- 刺激感(ピリピリ感)
- 接触性皮膚炎
副作用はいずれも塗布部位の局所性で軽度か中程度のものです。
かぶれによる赤みや痒みが最も多い副作用になります。
上記のような症状があらわれた場合は、すぐに使うのをやめて、医療機関を受診しましょう。
その他に気になる症状があらわれた場合も、医師や薬剤師に相談してください。
費用(薬価)
ルリコンの薬価は「33.80円/g」「33.80円/mL」なので、1本(10g、10mL)は338円、公的保険が適用された3割負担の場合、「101円」になります。
*薬剤費のみの価格です。
薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について(令和6年4月1日適用)
保管および廃棄上の留意点
- 火気を避け、子どもの目や手の届かない所に、室温で保管してください。
- 有効期間は3年です。使用期限を過ぎたものは使用しないでください。開封後の使用期限は設定していませんが、早めに使い切るようにしましょう。
ルリコンのよくある質問
ルリコンクリームは何に効くんですか?
ルリコンクリームは、以下のような皮膚真菌症に効きます。
- 白癬:足白癬や体部白癬、股部白癬
- カンジダ症:指間びらん症や間擦疹
- 癜風
ルリコンにはクリームと液、軟膏の 3 剤形がありますが、どれも同様の効果が期待できます。
びらんやジュクジュクしているときには刺激が少ない軟膏タイプが使いやすくなります。
ルリコンは水虫の薬ですか?
水虫は足白癬の俗称なので、ルリコンは効果を示します。
水虫のぬり薬(抗真菌剤)にはルリコンの他に、ラミシールやニゾラール、アスタット、ペキロンなどがありますが、どれもよく効きます。
ルリコンクリームでカンジダは治りますか?
強い抗真菌活性と幅広い抗真菌スペクトラムが特徴なので、水虫の原因菌である白癬菌の他にも、カンジダや癜風菌にも有効です。
殺菌的に作用するため、きちんと治療すれば完治を期待できます。
ルリコンは皮膚のカビに効く?
医療の世界では、カビのことを真菌と呼んでいます。
ルリコンは、皮膚糸状菌やカンジダ属真菌、マラセチア属真菌、他の病原性真菌(酵母様真菌、Aspergillus 属真菌及び黒色真菌)に対して高い抗真菌活性を示します。
ルリコンは薬局で買えますか?
ルリコンと同じ主成分の白癬治療外用薬は、薬局で購入できません。
ただし、ルリコンと類似の作用がある抗真菌薬は、ドラッグストアなどでも購入可能です。
しかし、真菌感染症か、きちんと治ったかの判断は難しいので、医療機関を受診することをおすすめします。
参考文献