ニキビ治療薬 |ダラシン|塗り薬

ダラシンとは?

ダラシン
ダラシン

ダラシンは、クリンダマイシンを含んだニキビ(尋常性ざ瘡)治療薬です。
クリンダマイシンがニキビの原因菌になるアクネ菌などに抗菌作用、抗炎症作用を示すので、炎症を起こしている「赤ニキビ」や膿を持っている「黄ニキビ」の改善を促します。

ダラシンの主薬であるクリンダマイシンリン酸エステルは、米国アップジョン社(現米国ファイザー社)が開発した抗生物質です。
日本では、2002年にゲル、2010年にゲルの追加剤形としてローションが販売されました。

尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023では、急性炎症期の赤ニキビや黄ニキビで推奨度A(強く推奨)、「白ニキビ」や「黒ニキビ」には推奨度C2(十分な根拠がないので(現時点では)推奨しない)としています。

ダラシンの使い方

使用方法/使用回数

1日2回、洗顔後、適量を塗ります。

肌が乾燥傾向にある人は、化粧水や乳液などの保湿剤でケアしてから、ダラシンを塗布しましょう。
保湿ケア化粧品「ベーシックケアAZ」は、ニキビや酒さ、赤ら顔の人のために当院で開発しました。

抗炎症成分アゼライン酸が治療用よりも低濃度で配合されています。
刺激も少なく、普段使いの保湿剤としてもお使いいただけます。

使用量

塗布する面積は治療上必要最小限にとどめます。

ダラシンTゲルは、「赤ニキビ」の赤い部分や「黄ニキビ」の黄色い部分のみに塗布します。
ニキビのない部分には塗らないでください。

ダラシンTローションは薄めのコットンパフに適量(5~10滴)滴下し、赤ニキビや黄ニキビに軽く押すように(こすってはいけません)塗布するのもいいでしょう。

夏場や背中のニキビ治療にはローションの方が塗布しやすい場合もあります。

使用期間

治療開始から4週間で症状が改善しない場合は使用を中止します。
また、赤ニキビや黄ニキビが消えた場合には他の維持治療を考えます。
4週間を超えて使用するのは、医師が必要と判断したときです。

その他

  • 自己判断で中止しないで、医師の指示に従ってください。
  • 耐性菌の発生を防ぐため、治療上必要最小限の期間のみの使用にとどめます。
  • 外用としてのみ使用し、口腔や眼、口唇、その他の粘膜や傷のある皮膚には使わないようにしましょう。これらの部位に付いた場合は水で洗い、症状が重い場合は、医師の診療を受けてください。

ダラシンの副作用・注意事項等

禁忌

ダラシンの成分またはリンコマイシン系抗生物質でアレルギーを起こしたことがある方は使用できません。

副作用

ダラシンの主な副作用としては、かゆみや発赤、じんましん、刺激感、ヒリヒリ感、つっぱり感などが報告されています。

このような症状が現れたら、休薬や中止など適切に処置します。
医師または薬剤師にご相談ください。

注意事項

  • 妊婦または妊娠している可能性のある女性は、使用しない方が良いでしょう。
  • 治癒した場合は使用を中止しましょう。目的もなく長期間、使用するのは止めてください。

費用(薬価)

ダラシンTゲル・ローションの薬価は「26.00円/g」「26.00円/ml」です。

10g規格260円
20ml規格520円

公的保険が適用された3割負担の場合、「10g規格:78円」「20ml規格:156円」になります。

クリンダマイシンリン酸エステル1%ゲル(後発品)も販売されており、薬価は「13.90円/g」です。
公的保険が適用された3割負担の場合、「10g規格:41円」になります。

*薬剤費のみの価格です。

薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について(令和5年12月20日適用)

保管および取り扱い上の留意点

  • 密栓したまま、小さい子どもの手の届かない所へ、またローションは火気を避けて保管してください。
  • 変質や誤用などを防ぐために、他の容器へ入れ替えるのは止めましょう。
  • 有効期間はゲル21ヵ月、ローション3年です。使用期限を過ぎた場合は使用しないでください。

ダラシンのよくある質問

クリンダマイシンゲルはどんなニキビに効くの?

クリンダマイシンゲルは、ダラシンTゲルの後発医薬品で、2009年に販売開始されました。
ダラシンTゲルと同じように、化膿性炎症を伴ったニキビ「赤ニキビ」「黄ニキビ」に使えます。

ダラシンTローションの効能は?

ダラシンTローションもゲルと同様に、赤ニキビや黄ニキビに使えます。
顔のニキビにはゲルを使い、背中ニキビや夏場のケアにはローションの方を使う場合もあります。

ダラシンTローションはニキビ跡に効果ありますか?

ダラシンTローションはニキビ跡を治療する効果はありません。
しかし、毎日塗ることで、将来、ニキビ跡にならないことは期待できます。

ニキビは炎症が重症で、長く続くほど対処が難しくなります。
早めに治療を始めて、ニキビ跡にしないことが大切です。

当院のニキビ治療に関しては「ニキビでお悩みなら池袋駅前のだ皮膚科へ」をご覧ください。

ダラシンTゲルを塗る順番は?

ダラシンTゲルは、一番最後に塗りましょう。
基本的に、ニキビ用の外用薬や保湿ケア化粧品は、後から重ねて塗っても問題ありません。
塗る順番は「塗る範囲が広いものを先に塗る」です。

ダラシンTゲルを最初に塗布してしまうと、後で広範囲に化粧品や別の薬剤を塗る際に、必要箇所以外の部分にもダラシンTゲルが広がってしまいます。
そのため、ダラシンTゲルは、一番最後に塗るといいでしょう。

以下の順番での塗布を推奨します。

  1. 洗顔
  2. 化粧水や乳液で保湿ケア
  3. 顔全体や面皰面皰(めんぽう、白ニキビや黒ニキビ)部分に塗るニキビ用外用薬
  4. 炎症性ニキビに塗るダラシンなどの外用抗菌薬

病状には個人差があるので、処方される薬や塗布する部分も違います。
使用方法については医師の指示に従いましょう。

ダラシンはどこに塗りますか?

炎症のあるニキビのみに塗ります。