乾癬(かんせん)はどんな病気?原因・症状・治療方法について

慢性の皮膚疾患である乾癬は、症状が治りにくいことで知られています。
ここでは乾癬の原因と症状、代表的な治療方法について紹介します。

乾癬の原因

乾癬の直接的な原因はまだよくわかっていません。
自己免疫反応の起きやすい遺伝的な体質が関係していると考えられています。

さらに「不規則な食生活や肥満」、「妊娠・出産」、「感染症」、「ストレス」、「薬剤」などが影響して発症するとも言われているのです。

さらに飲酒や喫煙、乾燥しやすい冬場などに症状が悪化しやすい傾向もあります。

乾癬の症状

乾癬は主に5つのタイプがあり、それぞれで特徴的な症状があらわれます。
ここでは代表的な症状についてそれぞれ紹介します。

尋常性乾癬

乾癬の中で、最も患者数が多いタイプです。
皮膚が赤くなり、表面が白いかさぶたでおおわれています。

やがて皮膚の皮がむけて、ガサガサとした手触りになり、白いかさぶたがまるでフケのようにボロボロとはがれ落ちます。

乾癬性関節炎

乾癬にかかっている人のうち、10%程度の人に発症するといわれています。
手足の指やアキレス腱などに炎症や腫れ、痛みが起こる疾患です。
皮膚症状がおだやかでも、関節炎の症状が強いこともあります。

膿疱性乾癬

皮膚の赤みや発熱とともに、膿のたまった膿疱が数多く出現する疾患です。
一般的な膿とは異なり、血液中の白血球が集まってできたものなので、他人に感染する心配はありません。
体の一部にできることもあれば、全身にできることもあります。

滴状乾癬

水滴のような小さな発疹が全身にあらわれる疾患です。
風邪や扁桃腺炎などをきっかけにして発症するといわれています。
まれに再発を繰り返した場合に尋常性乾癬に変化することもあります。

乾癬性紅皮症

全身に尋常性乾癬の赤みやがさがさが広がって発熱、悪寒、倦怠感などをともなう症状です。
乾癬の治療が不十分だったときや治療をしなかったとき、感染症や薬剤などの影響によって発症することもあります。

乾癬の症例

ここでは代表的な乾癬の症例について紹介します。

「背中にできた乾癬の症例」

赤い部分に厚みがみられ、表面が白くてガサガサしているのが乾癬の特徴です。
写真には、最大約3cmの小さくて丸い赤みが数多くあらわれています。
かゆみについては個人差があるため、ない人もいれば強く感じる人もいます。

「頭皮にできた乾癬の症例」

頭皮にできる乾癬は、生え際によく症状があらわれます。
丸い赤みと表面の白いガサガサは乾癬の特徴的な症状です。

頭にできた乾癬はフケを生じることが多く、かゆみを感じることもあります。
外用薬を塗りにくい場所のために治りにくく、日常生活に支障が出ることもあるため注意が必要です。

乾癬の治療方法

ここでは、乾癬の代表的な治療方法について紹介します。

<薬を使った治療方法>

塗り薬

乾癬治療の基本は、塗り薬で症状をおさえることです。
主にビタミンDとステロイドという成分の入った塗り薬を使います。

ビタミンDは皮膚の新陳代謝を調整して正常な皮膚を作りやすくし、ステロイドは皮膚の炎症を軽減します。
ビタミンDとステロイドの塗り薬にはさまざまな種類があるため、一人ひとりの症状にあわせて使い分けるのです。

飲み薬

全身に症状が出ている場合には、飲み薬を使います。
主な種類としてはビタミンA誘導体、免疫抑制剤、PDE4阻害薬です。

ビタミンA誘導体は、皮膚の細胞が過剰に作られるのを防ぎます。
また免疫抑制剤は乾癬で過剰に働いている免疫反応をおさえ、PDE4阻害薬は炎症を引き起こす物質が作られにくくします。

代表的な飲み薬の名称は、以下のとおりです。

ビタミンA誘導体

「チガソンカプセル(一般名:エトレチナート)」

免疫抑制剤

「ネオーラルカプセル(一般名:シクロスポリン)」

PDE4阻害薬

「オテズラ錠(一般名:アプレミラスト)」

注射薬(点滴)

生物学的製剤という種類の注射薬(点滴)を使うこともあります。
たとえば「塗り薬や飲み薬を使ってもあまり効果がみられない」、「湿疹が広範囲にある」、「関節炎や膿疱がある」などの症状がある場合です。

生物学的製剤は、炎症に関与しているタンパク質の働きをおさえて症状を改善します。
生物学的製剤を安全に使用するためには、定期的なレントゲン検査や血液検査などの各種検査が必要です。

当院では生物学的製剤などの専門的な治療が必要となる難治性~重症の乾癬患者様については、大学病院へ情報を提供するための紹介状を作成して、患者様が適切な治療を受けられるように努めています。

<薬以外の治療方法>

紫外線治療

塗り薬だけでよくならなかったときや、ブツブツの範囲が広くなったときに使います。
機械を用いて患部に紫外線を照射します。
紫外線によって過剰な免疫反応を抑える治療方法です。

当院では「ナローバンドUVB」と「エキシマレーザー」という二つの機械を使って治療をしています。最低でも週に1回、可能な方は週に2~3回の頻度で治療を受けることで効果を実感しやすくなります。

料金

乾癬は保険診療内で治療が受けられます。
下記は3割負担の場合の料金(税込)です。

(※都内在住で中学生までのお子様は実費0円です。)

初診料約900円
再診料約400円
処方料約200円
紫外線治療約1,100円

乾癬に関するご相談、治療なら池袋駅前のだ皮膚科へ

乾癬は慢性的な皮膚疾患であり、症状が治りにくいこともあります。
当院では、主に塗り薬や飲み薬、紫外線による治療をしています。
乾癬のような症状が気になる方は、いつでもお気軽にご相談ください。

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池袋駅前のだ皮膚科 野田 真史 監修