アレルギーの症状が続くとき、どこでアレルギー検査を受ければよいのか迷う方は少なくありません。皮膚やくしゃみ・鼻水など困っている部位によって、適した受診科は変わってきます。
この記事では、皮膚科やアレルギー科をはじめとした受診先の選び方、症状別に向かうべき科、血液検査やプリックテストといった検査の種類までを説明します。
はじめての検査でも落ち着いて臨めるよう、事前の準備や結果の読み取り方もまとめました。自分に合った医療機関を選ぶ手がかりとして役立ててください。
アレルギー検査はどこで受ける?迷ったときの受診先
アレルギー検査は、皮膚科・アレルギー科・耳鼻咽喉科・内科・小児科など複数の医療機関で受けられます。どこへ行くか迷ったら、いちばん困っている症状が出ている部位を担当する科を最初の窓口に選ぶと遠回りになりにくいです。
皮膚科とアレルギー科で受けられる検査の範囲
皮膚のかゆみや湿疹、じんましんといった悩みが中心なら、皮膚科やアレルギー科が中心的な受診先になります。これらの科は血液検査だけでなく、皮膚を使ったプリックテストやパッチテストにも対応している施設が多いのが強みです。
皮膚の症状とアレルギーの関わりを一度に確認しやすく、湿疹がなぜ起きているのかを探る手がかりが得られます。慢性的な肌トラブルが背景にある場合も相談しやすい窓口です。
※当院ではプリックテスト・パッチテストは行っておりません。検査をご希望の場合は、保険診療を中心に行っている皮膚科で受けることができます。当院では、症状を抑える対症療法(塗り薬・飲み薬など)を行っています。
内科やかかりつけ医にまず相談する方法
「どの科に行けばよいか分からない」というときは、ふだん通っている内科やかかりつけ医に相談する入り口もあります。簡単な血液検査ならその場で対応してもらえることが多く、結果しだいで専門の医療機関へつないでもらえます。
持病で通院している方なら、ふだんの体調を把握してくれている医師に最初に話すと判断がスムーズです。紹介状を書いてもらえば、検査の重複も避けやすくなります。
ただし内科だけでは詳しい皮膚の検査まで対応できないこともあります。症状が皮膚に強く出ているなら、はじめから皮膚科を選ぶほうが近道になる場合もあるでしょう。
アレルギー専門医がいる施設を選ぶ
症状が長引いている、あるいは複数の症状が重なっている場合は、アレルギー専門医が在籍する医療機関が心強い選択肢になります。専門医は検査の組み合わせや結果の読み解きに慣れているためです。
生活上の対策まで含めて一貫した助言を受けやすく、原因がはっきりしないまま不安を抱える時間を短くできます。受診先を一つに絞れないときの整理として、主な医療機関の特徴を次にまとめました。
| 受診先 | 主に扱う症状 | 対応しやすい検査 |
|---|---|---|
| 皮膚科・アレルギー科 | かゆみ・湿疹・じんましん | 血液検査・プリックテスト・パッチテスト |
| 耳鼻咽喉科 | 鼻水・くしゃみ・鼻づまり | 血液検査・鼻の所見の確認 |
| 内科・かかりつけ医 | 幅広い不調の相談窓口 | 血液検査・専門科への紹介 |
| 小児科 | 子どもの全身の症状 | 血液検査・専門医への橋渡し |
同じ検査でも施設によって扱える範囲は異なります。表はあくまで目安として、気になる症状から逆算して受診先を選ぶとよいでしょう。
症状別に見る受診科の選び方
アレルギーの症状は鼻・目・皮膚・呼吸器・消化器と全身に及ぶため、受診科も症状ごとに分かれます。どの科が担当するかを先に知っておくと、最短で適切な検査にたどり着けます。
| 主な症状 | 向かう科 | 補足 |
|---|---|---|
| かゆみ・湿疹・じんましん | 皮膚科 | 肌の症状全般の相談先 |
| くしゃみ・鼻水・鼻づまり | 耳鼻咽喉科 | 花粉やダニが疑わしいとき |
| 目のかゆみ・充血 | 眼科 | 結膜の症状が強いとき |
| 食後の不調・全身症状 | アレルギー科・内科 | 食物が疑わしいとき |
皮膚のかゆみ・湿疹・じんましんは皮膚科へ
肌に出る症状は、まず皮膚科が受け皿になります。じんましんが何度も出る、湿疹がなかなか引かないといった悩みは、皮膚の状態を診ながらアレルギーとの関わりを確かめられるからです。
慢性的なじんましんでは、皮膚の所見と問診を組み合わせて原因を絞っていきます。市販薬で抑えきれないかゆみが続くなら、早めの受診が安心につながります。
鼻水・くしゃみ・目のかゆみは耳鼻咽喉科や眼科
くしゃみや鼻水、鼻づまりが主役なら耳鼻咽喉科、目のかゆみや充血が強いなら眼科が向いています。花粉やハウスダストが疑われる季節性・通年性の症状に対応しやすい科です。
鼻と目の症状が同時に出ることも多く、その場合はどちらか困っている方を先に受診すれば問題ありません。必要に応じて連携した検査が受けられます。
季節の変わり目に毎年同じ症状が出るなら、原因となる物質を調べておくと予防にも生かせます。受診のタイミングは、症状が出ている時期のほうが状態を確かめやすくて向いています。
食物や全身の症状はアレルギー科・内科で
特定の食べ物で口の中がかゆくなる、じんましんや腹痛が出るといった食物関連の症状は、アレルギー科や内科の領域です。全身に広がる反応は丁寧な見極めが求められます。
過去に強い反応が出た経験がある方は、自己判断で原因食品を試さず、必ず医療機関で相談してください。安全に確かめる手立てを一緒に考えてくれます。
症状が出たときの状況をできるだけ詳しく伝えると、原因の絞り込みが進みます。いつ何を食べてどんな反応が出たかを控えておくと、診察での説明がしやすいです。
アレルギー検査の種類と何が分かるのか
アレルギー検査は一種類ではなく、調べたいものに応じて使い分けます。血液検査・皮膚を使う検査・実際に食べて確かめる検査があり、それぞれ分かることと向き不向きが異なります。
血液検査(特異的IgE)でできること
血液を採って、特定の原因物質に反応する抗体(特異的IgE)の量を測るのが血液検査です。一度の採血で多くの項目をまとめて調べられ、肌の状態に左右されにくい利点があります。
花粉や食物など気になる対象を幅広く確認したいときに向いています。ただし数値が高いことと症状が出ることは必ずしも一致しないため、結果は症状と合わせて読み解きます。
調べられる項目は施設ごとに決まっていることが多く、希望する対象が含まれるか事前に確かめておくと安心です。気になる原因があれば、予約のときに伝えておきましょう。
プリックテストは皮膚で反応を見る
腕などの皮膚に少量の原因液をのせ、専用の器具で軽く刺して反応を見るのがプリックテストです。15分から20分ほどで判定でき、その場で結果が分かります。
皮膚での反応を直接確かめられるため、血液検査と組み合わせて精度を高める場面でも使われます。実施には皮膚の状態が落ち着いていることが前提です。
※当院ではプリックテスト・パッチテストは行っておりません。検査をご希望の場合は、保険診療を中心に行っている皮膚科で受けることができます。当院では、症状を抑える対症療法(塗り薬・飲み薬など)を行っています。
パッチテストは遅れて出るかぶれ向き
金属や化粧品などに触れて数日かけて出る「かぶれ」を調べるのがパッチテストです。背中などに試薬を貼り、二日後・三日後に皮膚の反応を確認していきます。
接触によるかぶれ(接触皮膚炎)の原因を特定する手立てとして広く使われています。判定まで複数回の通院が必要になる点はあらかじめ知っておくと安心です。
食物経口負荷試験は専門施設で慎重に
疑わしい食物を医師の管理のもとで実際に少量ずつ食べ、症状が出るかを確かめるのが食物経口負荷試験です。診断をはっきりさせるうえで意味の大きい検査になります。
強い反応が起こる可能性に備えた体制が必要なため、対応できる専門施設で受けます。家庭で試すものではない点を覚えておいてください。次に各検査の違いを整理します。
| 検査名 | 調べられること | 特徴 |
|---|---|---|
| 血液検査(特異的IgE) | 原因物質への抗体の量 | 多項目を一度に確認しやすい |
| プリックテスト | 皮膚での即時の反応 | 短時間で結果が分かる |
| パッチテスト | 遅れて出るかぶれの原因 | 判定まで数日かかる |
| 食物経口負荷試験 | 実際に食べたときの反応 | 専門施設で管理して実施 |
病院やクリニックを選ぶときに見たいポイント
検査の幅や専門性は施設ごとに差があり、通いやすさだけで決めると遠回りになることもあります。次の点を押さえると、自分の悩みに合う病院やクリニックを見つけやすくなります。
対応している検査の種類を確かめる
同じ「アレルギー検査」でも、血液検査だけの施設もあれば、プリックテストやパッチテストまで行える施設もあります。受診前に公式サイトや電話で対応範囲を確かめておくと無駄足を防げます。
皮膚のかぶれを疑うならパッチテストができるか、食物の心配があるなら負荷試験まで相談できるかが見分けの分かれ目です。
※当院ではプリックテスト・パッチテストは行っておりません。検査をご希望の場合は、保険診療を中心に行っている皮膚科で受けることができます。当院では、症状を抑える対症療法(塗り薬・飲み薬など)を行っています。
アレルギー専門医や皮膚科専門医の有無
専門医が在籍しているかどうかは、検査の選び方や結果の解釈の質に関わります。学会の専門医情報や施設の紹介ページから確認できることが多いでしょう。
症状が複雑で原因が絞りきれないときほど、専門性のある医師がいる施設を選ぶ価値が高まります。
予約から結果が出るまでの日数
血液検査は数日から一週間ほどで結果がそろうのが一般的で、施設によって幅があります。仕事や学校の予定と合わせて、再診のタイミングまで見通しておくと通いやすくなります。
パッチテストのように複数回の来院が要る検査もあるため、通院回数も含めて相談しておくと安心です。受診先選びで見ておきたい点を短くまとめました。
- 対応している検査の種類と幅
- アレルギー専門医や皮膚科専門医の在籍
- 結果が出るまでの日数と再診の回数
- 自宅や職場からの通いやすさ
すべてを満たす施設が近くにあるとは限りません。優先したい項目を決めておくと、迷ったときの判断がぶれにくくなります。
アレルギー検査を受ける前に準備しておきたいこと
ふだん薬を使っている方は、検査の前に確認しておきたいことがあります。飲み薬の種類によっては、結果に影響しないよう一時的に休む必要があるためです。
抗ヒスタミン薬は数日前から休むことがある
かゆみやくしゃみを抑える抗ヒスタミン薬は、皮膚の反応を弱めて検査結果に影響することがあります。プリックテストの前に数日間休むよう案内される場合があるのはこのためです。
大切なのは自己判断で中止しないことです。持病の薬を含め、いつ・どの薬をどうするかは必ず受診先の医師に確認してください。確認したい薬の例を整理しました。
検査前に相談したい薬と確認の目安
| 薬の種類 | 確認の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 飲み薬の抗ヒスタミン薬 | 数日前から休むことがある | 皮膚の反応に影響しやすい |
| かゆみ止めの塗り薬・ステロイド外用 | 検査部位への使用を相談 | 貼る・刺す部位を避ける |
| 持病で飲んでいる薬 | 原則は続ける場合が多い | 必ず医師に申告する |
表は一般的な目安にすぎません。実際の休薬の要否や期間は症状や薬の組み合わせで変わるため、受診の予約時に伝えておくと当日あわてずにすみます。
当日の体調と肌の状態を整える
皮膚を使う検査は、検査する場所の肌が荒れていると正しく判定しにくいです。湿疹やかぶれがひどい部位は避け、当日は体調を整えて臨むと結果が安定します。
強い日焼けや傷がある場合も判定に影響することがあります。気になる点があれば、当日に遠慮なく相談してください。
睡眠不足や体調のすぐれない日は、判定が安定しにくいこともあります。予約日に向けて生活のリズムを整えておくと、落ち着いて検査に臨めるでしょう。
症状の記録や持参すると役立つもの
いつ・どんなときに症状が出たかをメモしておくと、原因を絞る手がかりになります。食後に不調が出るなら、食べた内容や時間を控えておくと診察がはかどります。
ふだん使っている薬やお薬手帳、これまでに受けた検査の結果があれば持参しましょう。情報がそろうほど、必要な検査をしぼり込みやすいです。
アレルギー検査の結果の見方と陽性が示すこと
検査結果は数値や陽性・陰性だけで判断せず、実際の症状と合わせて読み解きます。陽性反応が出ても、それが必ずしも今の症状の原因とは限らないからです。
| 結果 | 意味 | 注意したい点 |
|---|---|---|
| 陽性 | その物質に反応する素地がある | 症状の原因かは別に確かめる |
| 陰性 | 反応の素地は確認されない | 症状があれば再検討の余地 |
| 数値が高い | 反応の強さの目安 | 症状の重さと必ずしも一致しない |
陽性なら必ず症状が出るの?
陽性だからといって、その物質で必ず症状が出るわけではありません。反応する素地がある状態(感作)と、実際に症状が出る状態(発症)は別物だからです。
たとえば血液検査で複数の項目が陽性でも、ふだん困っていないものは慌てて避ける必要がないこともあります。何を避けるべきかは医師と相談して決めましょう。
数値の高さと症状の重さは一致しないことも
数値が高いほど症状も重い、と考えてしまいがちですが、実際には一致しないことがしばしばあります。数値はあくまで反応の強さの目安として受け止めるのが現実的です。
大切なのは、結果と日々の症状を突き合わせて意味を読み取ることです。気になる差があれば、追加の検査で確かめる方法もあります。
結果をもとに生活でできる対策
原因の見当がついたら、その物質との接触を減らす工夫が次の一歩になります。花粉なら入室前に衣類を払う、ダニなら寝具の手入れを見直すなど、日常でできることは少なくありません。
症状を抑える治療と並行して、生活面の対策を続けると過ごしやすさが変わってきます。続けやすい方法から取り入れるのがおすすめです。
対策をひとりで抱え込む必要はありません。続けるなかで困りごとが出てきたら、そのつど受診先で相談しながら調整していくと、無理なく続けられます。
子どもや皮膚の悩みがあるときのアレルギー検査の受け方
小さな子どもや皮膚の症状が強い方は、検査の進め方に配慮が要ります。年齢や肌の状態に応じて、負担の少ない方法から段階的に選んでいくのが基本です。
子どもは小児科やアレルギー科が受けやすい
子どもの検査は、小児科やアレルギー科が受け皿になりやすい窓口です。年齢に合わせた採血や検査の進め方に慣れており、保護者の不安にも寄り添ってもらえます。
食物の心配がある場合も、安全に確かめる手立てを一緒に考えてくれます。普段の様子を伝えると、必要な検査を選びやすくなります。
検査を受ける時期に迷うときは、症状が落ち着いているタイミングを選ぶ方法もあります。あわてず、子どもの負担が小さい検査から相談してみてください。
アトピー性皮膚炎があるときの検査の注意
アトピー性皮膚炎があると、皮膚のバリアが弱まり、さまざまな物質に反応する素地ができやすいといわれます。検査結果が複数陽性になることもあり、解釈には丁寧さが求められます。
湿疹の状態が落ち着いてから皮膚の検査を行う方が、判定が安定しやすくなります。受診のときに伝えておくと役立つ情報をまとめました。
受診時に伝えておきたいこと
- 症状が出やすい季節や場面
- 使っている塗り薬や飲み薬
- これまでに受けた検査と結果
- 食後や接触後に起きた変化
こうした情報がそろうほど、必要な検査をしぼり込みやすくなります。メモにして持参すると、診察の限られた時間を有効に使えます。
肌が荒れているとプリックテストが難しいことも
検査する部位の皮膚が荒れていると、プリックテストの判定が難しくなることがあります。その場合は血液検査を先に行うなど、肌に負担の少ない方法から選ばれます。
無理に皮膚の検査を急がず、症状を抑えてから計画する選択もあります。今できる検査は何かを、医師と相談しながら進めていきましょう。
よくある質問
- アレルギー検査は何科で受けるのがよいですか?
-
困っている症状の部位を担当する科を選ぶのが基本です。皮膚のかゆみや湿疹なら皮膚科、くしゃみや鼻水なら耳鼻咽喉科、目のかゆみなら眼科が向いています。
食物が疑われる症状や全身の不調はアレルギー科や内科が窓口になります。どの科か迷うときは、かかりつけ医にまず相談する方法もあります。
- アレルギー検査は子どもでも受けられますか?
-
子どもでも受けられます。小児科やアレルギー科は年齢に応じた進め方に慣れており、採血や検査の負担をできるだけ抑える配慮をしてもらえます。
皮膚の状態や年齢によっては、負担の少ない方法から段階的に選びます。普段の様子を伝えると、必要な検査を選びやすくなります。
- アレルギー検査の前に飲んでいる薬はどうすればよいですか?
-
飲み薬の抗ヒスタミン薬は皮膚の反応を弱めるため、検査前に数日休むよう案内されることがあります。ただし自己判断で中止するのは避けてください。
持病の薬は続けたほうがよい場合も多く、対応は薬の種類で変わります。予約のときに使っている薬を伝え、医師の指示に従いましょう。
参考文献
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