アレルギー検査「219項目」の一覧!遅延型でわかる食品の種類と調べ方

アレルギー検査「219項目」の一覧!遅延型でわかる食品の種類と調べ方

アレルギー検査「219項目」は、血液中のIgG抗体を測って219種類の食品への反応を調べる遅延型の検査です。健康診断でなじみのある即時型の食物アレルギー検査とは、仕組みも目的も異なります。

この記事では、219項目で調べられる食品の一覧、遅延型と即時型の違い、検査の受け方をやさしく整理しました。あわせて、結果の読み方で誤解しやすいところもまとめています。

IgG検査の数値は、その食品を食べてきたという記録に近く、アレルギーの有無を断定する材料にはなりません。皮膚や体調の不調が続くなら、検査結果だけで自己判断せず、医療機関で相談する流れが安心です。

目次

アレルギー検査「219項目」は遅延型IgGを調べる血液検査

「219項目」とは、219種類の食品に対する血液中のIgG抗体の量をまとめて測る遅延型の検査のことです。健康診断などでおこなう即時型(IgE)とは、別物と考えてください。

「219」という数字は調べる食品の数を表す

219項目という名前は、検査キットや検査会社が一度に測れる食品の種類の数に由来します。会社によって190項目や120項目など数は変わり、219はその中でも品目数が多い部類です。

数が多いほど幅広い食品を一覧で確認できますが、項目数の多さが結果の正確さを意味するわけではありません。何を調べているのかという中身のほうが大切です。

遅延型と呼ばれる理由は反応までの時間にある

遅延型という言葉は、食べてから体調の変化を感じるまでに時間差があるという考え方からきています。即時型が数分から2時間ほどで症状が出るのに対し、遅延型は数時間から数日後とする説明が一般的です。

ただし、この「時間差の不調」とIgG抗体の数値が本当に結びつくのかは、後の章でふれるとおり科学的にはまだ確かめられていません。

「フードIgG」「遅延型フードアレルギー検査」など別名も多い

同じ検査でも、販売元によって呼び名はさまざまです。商品名で探していると、同じ仕組みの検査を別物だと思い込んでしまうこともあります。

主に次のような名前で案内されています。

  • 遅延型フードアレルギー検査
  • IgG食物過敏検査
  • フードIgGチェック
  • 食物不耐性の検査

名前は違っても、血液中のIgG抗体を測るという中身は共通しています。検査を比べるときは、項目数より測っている抗体の種類に目を向けると迷いにくいです。

219項目で調べられる食品の一覧と主なカテゴリー

219項目で調べる食品は、肉・魚介・乳製品・穀物・野菜・果物・ナッツ・調味料といった日常の食材をほぼ網羅します。下の一覧で、どんなカテゴリーが含まれるかをつかんでください。

カテゴリー含まれる食品の例
肉類牛・豚・鶏・羊など
魚介類まぐろ・さけ・えび・かになど
乳・卵牛乳・チーズ・ヨーグルト・卵白・卵黄
穀物小麦・米・とうもろこし・そば
野菜トマト・じゃがいも・大豆・にんにく
果物りんご・バナナ・キウイ・いちご
ナッツ・種実ピーナッツ・アーモンド・くるみ・ごま
調味料・その他酵母・からし・カカオ・茶

日本人の食卓に多い食材がひととおり並ぶ

一覧を見ると、和食で使う米やみそ、洋食のチーズやパンまで、食生活の中心になる食材が広くカバーされています。ふだんよく口にするものが入っているため、結果を見たときに思い当たる食品が見つかりやすいでしょう。

一方で、見覚えのある食品名がずらりと並ぶと、つい「全部が不調の原因かもしれない」と感じてしまいがちです。数の多さに引っぱられないことが、冷静な見方につながります。

同じ食品でも卵白と卵黄のように細かく分かれる

219項目のような品目数が多い検査では、卵を卵白と卵黄に、牛乳を乳清とカゼインに分けて測ることがあります。原因と思われる成分をより細かく見分けたい、という発想からくる作りです。

とはいえ、細かく分かれているほど陽性の数も増えやすくなります。項目が多いと、それだけ「反応あり」と表示される食品も増えるという点は覚えておきたいところでしょう。

項目に入っていない食品は調べられない

当然ながら、検査の一覧に載っていない食品は調べられません。ふだんよく食べる地域の食材や加工食品が、項目に含まれていない場合もあります。

気になる食品があるなら、申し込む前に項目一覧を取り寄せて確認しておくと安心です。後から「あの食材が入っていなかった」と気づくのを防げます。

遅延型アレルギーと即時型アレルギーはどう違う?

「遅延型も即時型も同じアレルギー」と思われがちですが、関わる抗体も診断での扱いも大きく異なります。即時型はIgE、遅延型の検査はIgGという別の抗体を見ています。

即時型はIgEが関わるすぐに出る反応

即時型アレルギーは、原因の食品を食べて数分から2時間ほどでじんましんや腫れ、息苦しさなどが現れる反応です。重い場合はアナフィラキシーにつながることもあり、医療機関での診断と対応が重要になります。

この即時型に関わるのがIgEという抗体で、血液検査や皮膚の検査で調べられます。命に関わる反応を見つけるための、確立した検査です。

遅延型検査が見ているIgGは「食べた記録」に近い

一方、遅延型として売られている検査が測るIgGは、ある食品をくり返し食べた結果として増える抗体です。多くの研究は、IgGの数値が高いことを食べ慣れている印、つまり体が受け入れているしるしと説明しています。

そのため、IgGが高い食品がそのまま「体に合わない食品」だとは言い切れません。むしろ好物ほど数値が高く出る、ということも起こり得ます。

病院の食物アレルギー検査はIgEを中心に行う

医療機関で食物アレルギーを調べるときは、症状の経過を聞き取ったうえで、IgEの血液検査や皮膚プリックテストを組み合わせます。必要に応じて、実際に少量を食べて確かめる経口負荷試験もおこないます。

遅延型のIgG検査は、これらの診断の置きかえにはなりません。皮膚や体調の悩みの原因をはっきりさせたいときほど、即時型を軸にした検査が頼りになります。

遅延型と即時型をひと目で比べる

項目即時型(IgE)遅延型検査(IgG)
関わる抗体IgEIgG
症状までの時間数分〜2時間数時間〜数日(とされる)
診断での位置づけ食物アレルギー診断の柱診断には使えない
高い数値の意味アレルギーの可能性食べ慣れ・接触の記録

こうして並べると、名前は似ていても役割がまるで違うことがわかります。検査を選ぶ前に、自分が知りたいのはどちらなのかを整理しておきましょう。

219項目検査の受け方と自宅でできる調べ方

219項目の検査は、クリニックで採血して受ける方法と、自宅で採血して送る検査キットの2通りがあります。手軽さは違っても、測っている中身は同じIgGです。

クリニックでの採血なら相談しながら受けられる

医療機関で受ける場合は、腕からの採血で検査します。気になる症状を医師に直接伝えられるため、結果が出た後の相談先がはっきりしているのが利点でしょう。

皮膚の不調が続いているなら、遅延型の検査だけにこだわらず、即時型を含めて何を調べるべきか相談できる点も心強いです。

自宅検査キットは指先の採血で郵送するだけ

自宅検査キットは、指先からわずかな血液をとって郵送する形が主流です。来院の時間がとりにくい人にとっては、申し込みやすい選択肢かもしれません。

クリニック検査と自宅キットの違い

比べる点クリニック自宅キット
採血の方法腕から採血指先から少量
医師への相談その場でできる基本は結果のみ
受け取りまで来院が必要郵送で完結

どちらを選んでも、結果の数値そのものの意味は変わりません。大切なのは、出てきた数値をどう読むかという次の段階です。

費用と結果が届くまでの日数の目安

費用は検査の項目数や受ける場所によって幅があり、219項目のように品目が多いものほど高くなる傾向があります。多くは数千円から数万円ほどが目安です。

結果が届くまでの期間は、採血や投函から1週間から3週間程度になります。申し込み時に、項目数・金額・結果が出るまでの日数を確認しておくと安心です。

遅延型IgG検査の結果は食物アレルギーの診断にそのまま使えない

遅延型のIgG検査の結果だけで、食物アレルギーや食物不耐を診断することはできません。これは国内外の主要なアレルギー学会が共通して示している見解です。

主要な学会はIgG検査を診断に推奨していない

ヨーロッパの学会(EAACI)やアメリカの学会(AAAAI)、カナダの学会(CSACI)は、いずれも食品に対するIgGやIgG4の測定を診断目的でおこなわないよう求めています。日本アレルギー学会も同様の立場をとっています。

これらの見解は、研究の積み重ねをもとにしたものです。一部の販売元が有用性をうたっていても、学会の評価とは隔たりがある点を知っておきましょう。

IgGが高い=アレルギーではない理由

IgGは、特定の食品をくり返し食べることで自然に増える抗体です。健康な人でも、よく食べる食品に対してはIgGの数値が高く出ます。

つまり高い数値は、体がその食品に慣れているしるしと考えられています。「反応あり」という表示を、そのまま体に害があるサインと受け取るのは早計でしょう。

数値を真に受けると不要な食事制限につながる

数値を真に受けて陽性の食品を次々と除くと、食べられるものがどんどん減っていきます。栄養のかたよりや、食べること自体への不安を招くおそれもあります。

とくに成長期の子どもでは、自己判断の除去が発育に影響しかねません。除去を考えるなら、必ず医師や管理栄養士に相談してからにしてください。

主な学会が示している見解

学会・団体IgG食物検査への見解
EAACI(欧州)診断には不要・行うべきでない
AAAAI(米国)食物アレルギーの診断に推奨しない
CSACI(カナダ)検査を強く推奨しない
日本アレルギー学会診断的な意義は確立していない

表のとおり、見解はおおむね一致しています。検査を受けること自体は自由ですが、結果の重みづけには注意が必要です。

検査結果をもとに食品を除去するときの注意点とリスク

もし検査結果を参考にするとしても、自己判断で食品をいきなりやめるのは避けてください。除去には栄養面や心理面のリスクがあり、得られるものより失うものが大きくなりがちです。

いきなりの全面除去は栄養不足を招きやすい

陽性と出た食品をまとめてやめると、それまでとっていた栄養素が一度に抜け落ちます。とくに主食やたんぱく源を外すと、エネルギーやビタミンが不足しやすくなります。

除去でとくに不足しやすいのは、次のような栄養や食品です。

  • 乳製品由来のカルシウム
  • 肉・魚・卵のたんぱく質
  • 穀物由来のエネルギー
  • 鉄分やビタミンB群

これらは日々の体づくりを支える土台です。減らすときは代わりの食品で補えるか、専門家と一緒に見直すことが大切です。

一時的に体調が良く感じても理由は別かもしれない

食品をやめて数週間で体調が上向くと、「やはり原因だった」と感じやすいです。ただし不調が自然に治まる時期と重なっただけ、ということもあります。

食生活を整えたことで全体の質が上がった結果かもしれません。改善の理由を一つの食品に決めつけないほうが、後で困らずにすみます。

本当の即時型アレルギーを見逃すおそれ

遅延型の検査に気をとられていると、本当に注意すべき即時型のアレルギーを見落とすことがあります。即時型は命に関わる場合があり、こちらの確認のほうがずっと重要です。

食べた直後にじんましんや息苦しさが出た経験があるなら、IgG検査ではなく医療機関での即時型の検査を急いでください。

皮膚の不調や食物アレルギーが気になるときの正しい調べ方

肌荒れや原因のわからない不調が続くと、何でもいいから調べたくなるものです。けれど近道は、IgG検査よりも医療機関での順を追った確認にあります。

順番行うこと
1症状の経過を医師に伝える
2即時型(IgE)の血液・皮膚検査
3必要なら経口負荷試験で確かめる
4結果に応じて食事や治療を調整

まずは皮膚科や専門医に症状を相談する

皮膚の不調には、食べ物以外にも乾燥や刺激、体質などさまざまな背景が絡みます。まずは皮膚科などで症状を診てもらい、何が関わっていそうかを一緒に整理するのが近道です。

自分で原因を一つに絞り込む前に、専門家の視点を借りるほうが遠回りになりません。検査も、そのうえで必要なものを選べます。

食物アレルギーの確認はIgEと負荷試験が軸

食物アレルギーが疑われるときは、症状の経過の聞き取りに加えて、即時型のIgE検査や皮膚プリックテストをおこないます。さらに確実に調べたい場合は、医師の管理のもとで実際に食べて反応をみる経口負荷試験が頼りになります。

こうした確立した方法を組み合わせることで、「本当に避けるべき食品」がしぼり込めます。やみくもに除去するより、ずっと安全で確かでしょう。

食事日記が原因さがしの助けになる

受診の前後には、食べたものと体調を簡単に書きとめる食事日記が役立ちます。いつ・何を食べて・どんな変化があったかを記録すると、医師との話し合いがスムーズになります。

記録は完璧でなくてかまいません。気づいたことをメモしておくだけでも、原因さがしの大きな手がかりになります。

よくある質問

アレルギー検査219項目では何がわかるのですか?

219項目の検査でわかるのは、219種類の食品それぞれに対する血液中のIgG抗体の量です。数値の高さは、その食品をよく食べてきたことを映す記録に近いと考えられています。

そのため、アレルギーの有無を判定するものではありません。体に合う・合わないを断定する検査ではない、と理解しておくと誤解を避けられます。

遅延型アレルギー検査の結果は食物アレルギーの診断に使えますか?

遅延型のIgG検査の結果だけで、食物アレルギーや食物不耐を診断することはできません。主要なアレルギー学会も、診断目的での使用を推奨していません。

皮膚や体調の不調の原因を確かめたいときは、医療機関で即時型(IgE)の検査や経口負荷試験を受けるのが確実です。検査結果は、あくまで参考の一つにとどめてください。

アレルギー検査219項目の費用や結果が届くまでの期間はどのくらいですか?

費用は受ける場所や項目数で幅があり、品目数が多い219項目は高くなりやすい傾向があります。おおよそ数千円から数万円ほどを見込んでおくとよいでしょう。

結果が届くまでは、採血や投函から1週間から3週間程度が目安です。申し込み前に、金額と日数の両方を確認しておくと安心できます。

遅延型IgG検査で陽性だった食品はやめたほうがよいですか?

陽性と出た食品を、自己判断ですぐにやめることはおすすめしません。IgGが高い食品は、むしろ食べ慣れているしるしであることが多いからです。

むやみな除去は栄養のかたよりや食事への不安を招きます。除去を考えるなら、まず医師や管理栄養士に相談してから進めてください。

アレルギー検査219項目は子どもが受けても大丈夫ですか?

採血そのものは子どもでも受けられますが、結果の扱いにはおとな以上の注意が必要です。数値をもとに食品を除くと、成長に必要な栄養が不足するおそれがあります。

お子さんの食物アレルギーが心配なときは、遅延型の検査よりも小児科やアレルギー専門医への相談を優先してください。専門家のもとで必要な検査を選ぶのが安心です。

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この記事を書いた人

野田真史のアバター 野田真史 池袋駅前のだ皮膚科 院長

医学博士 / 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医

東京大学医学部卒業、同大学院医学博士課程修了。米国ロックフェラー大学への臨床研究留学、ニューヨーク州医師免許取得を経て、東京大学医学部附属病院助教を務める。2018年、池袋駅前のだ皮膚科を開院。

ニキビやシミといった身近な悩みから難治性の皮膚疾患まで、常に知識を研鑽し、適切な診断・治療を行うことを信条としている。

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