スキンケア・ニキビ予防

ニキビは、治療と同じくらい毎日のスキンケアと生活習慣が大切です。せっかく治療してもケアが間違っていると再発しやすく、逆に正しいケアを続けることで、ニキビのできにくい肌に近づけます。

一方で、よかれと思ってやっているケアが、かえってニキビを悪化させていることも少なくありません。ここでは、ニキビを防ぎ・くり返さないための正しい洗顔・保湿・紫外線対策・生活習慣を、皮膚科の視点からくわしく解説します。

目次

なぜスキンケアがニキビ予防に大切なのか

ニキビは、毛穴に皮脂や古い角質がつまり、そこにアクネ菌が増えて炎症を起こすことでできます。つまり、ニキビ予防のポイントは次の3つに整理できます。

  • 毛穴をつまらせない(古い角質・皮脂・汚れをためない)
  • 肌のうるおいを保つ(乾燥はターンオーバーを乱し毛穴づまりの原因に)
  • 肌に余計な刺激を与えない(こすりすぎ・洗いすぎ・紫外線を避ける)

スキンケアは、この3つを毎日コツコツ整えるための習慣です。「治療」と「スキンケア」は車の両輪で、どちらか一方では十分な効果が得られません。やさしく、無理なく続けられるケアを身につけることが大切です。

正しい洗顔

洗顔は、毛穴づまりの原因になる余分な皮脂・汚れ・古い角質を落とす、スキンケアの土台です。ただし、やり方を間違えると逆効果になります。

洗顔の回数とタイミング

洗顔は朝・夜の1日2回が基本です。夜は日中の皮脂・汚れ・メイクを落とすため、朝は寝ている間に分泌された皮脂をリセットするために行います。1日に何度も洗うのは、皮脂を取りすぎてかえって逆効果になるため避けましょう。

洗顔料の選び方

自分の肌に合った、低刺激の洗顔料を選びます。ニキビが気になる方は「ノンコメドジェニック」表示のものが安心です。スクラブ入りや強い洗浄力のものは、肌への刺激が強くニキビを悪化させることがあるため、炎症があるときは避けましょう。

洗顔の手順

  1. 手を清潔にし、ぬるま湯(32〜34℃程度)で顔を予洗いする
  2. 洗顔料を手のひらでしっかり泡立てる(泡立てネットを使うと◎)
  3. 皮脂の多いTゾーン(おでこ・鼻)から、泡をのせるように洗う
  4. 頬・口まわりはとくにやさしく、こすらず泡で包む
  5. すすぎ残しがないよう、生え際・フェイスライン・あごまで丁寧に流す
  6. 清潔なタオルでこすらず、押さえるように水気を取る

洗いすぎ・こすりすぎに注意

皮脂が気になるからと1日に何度も洗ったり、ゴシゴシこすったりすると、肌に必要なうるおいまで奪われます。すると肌は乾燥を補おうとしてかえって皮脂を多く出し、ニキビが悪化するという悪循環に陥ります。「やさしく、適度に」が基本です。

保湿のポイント

ニキビ肌にも保湿が必要な理由

「ニキビ=皮脂が多い=保湿は不要」と思われがちですが、これは誤解です。肌が乾燥すると、バリア機能が低下してターンオーバーが乱れ、毛穴がつまりやすくなります。また、乾燥を補おうと皮脂分泌が増えることもあります。ニキビ肌こそ、適切な保湿が欠かせません。

保湿剤の選び方

  • 「ノンコメドジェニック」表示のもの(ニキビのもとができにくいことを確認した化粧品)
  • 油分が多すぎないもの(化粧水+ジェルや乳液など、さっぱりタイプ)
  • セラミドなど、肌のうるおいを保つ成分が入ったもの
  • 香料・アルコールなどの刺激が少ないもの

保湿の順番と量

洗顔後は肌の水分が逃げやすいため、できるだけ早く保湿します。化粧水で水分を補い、乳液やジェルでうるおいを閉じ込めるのが基本の順番です。量が少なすぎると効果が不十分になるため、メーカーの目安量を守りましょう。

紫外線対策

紫外線は、ニキビの炎症を悪化させるだけでなく、ニキビ跡の色素沈着(茶色いシミ)を濃く・残りやすくする大きな原因です。日焼け止めは季節を問わず1年を通して使いましょう。

日焼け止めの選び方と塗り方

  • 「ノンコメドジェニック」表示のものを選ぶ
  • 石けんで落とせるタイプや、肌への負担が少ないものがおすすめ
  • 日常使いはSPF・PAが高すぎないものでも十分(こまめな塗り直しが大切)
  • 汗をかいたあとや2〜3時間ごとに塗り直す

日焼け止めも、その日のうちにクレンジングや洗顔でしっかり落とすことが大切です。

メイク・コスメとの付き合い方

メイクそのものがニキビの原因になるわけではありませんが、選び方や落とし方を間違えると悪化のもとになります。

  • ファンデーション・化粧下地は「ノンコメドジェニック」表示のものを選ぶ
  • 厚塗りを避け、毛穴をふさぎすぎないようにする
  • メイクはその日のうちに必ず落とす(つけっぱなしはNG)
  • クレンジングはこすらず、肌に負担の少ないものを使う
  • パフ・ブラシ・スポンジは清潔に保つ(雑菌の温床になりやすい)

炎症の強いニキビがあるときは、その部分のメイクは控えめにし、肌を休ませることも大切です。

ニキビを防ぐ生活習慣

ニキビは、肌の表面のケアだけでなく、体の内側=生活習慣の影響も大きく受けます。とくに大人のニキビは、生活習慣の乱れが引き金になりやすい傾向があります。

睡眠

睡眠不足はホルモンバランスを乱し、皮脂分泌の増加や肌の回復力の低下を招きます。肌のターンオーバーは睡眠中に進むため、十分な睡眠時間と、できるだけ規則正しい就寝を心がけましょう。

食事

糖質・脂質に偏った食事や、甘いもの・スナック菓子のとりすぎはニキビを悪化させることがあります。ビタミンB群(B2・B6)やビタミンC、食物繊維を意識し、バランスのよい食事を心がけましょう。特定の食品を厳しく制限する必要はありませんが、自分が食べると悪化しやすいものがあれば控えめにします。

ストレス

ストレスは男性ホルモンのはたらきを高め、皮脂分泌を増やしてニキビを悪化させます。趣味や運動、休息など、自分なりのリラックス方法を持つことが予防につながります。

便通・腸内環境

便秘が続くと、肌の調子が崩れニキビが悪化することがあります。水分・食物繊維をしっかりとり、腸内環境を整えることも大切です。

適度な運動

適度な運動は血行を促し、ストレス解消にも役立ちます。ただし運動後は汗をそのままにせず、早めに洗い流すか、清潔なタオルでやさしく拭き取りましょう。

季節・部位ごとのケア

夏のケア

夏は皮脂・汗の分泌が増え、紫外線も強くなるため、ニキビができやすい季節です。汗をかいたらこまめに拭き取り、皮脂崩れを放置しないようにします。日焼け止めの塗り直しも忘れずに行いましょう。

冬のケア

冬は乾燥でバリア機能が低下し、毛穴がつまりやすくなります。皮脂が少なくなるぶん、保湿を手厚くすることが大切です。

マスクによるニキビ(マスクネ)

マスクの中は蒸れて雑菌が増えやすく、生地の摩擦も刺激になります。マスクはこまめに替え、清潔なものを使いましょう。マスクの下も保湿し、摩擦の少ない素材を選ぶと負担が減ります。

髪・生え際

前髪が額にかかると、整髪料や皮脂の刺激でニキビができやすくなります。生え際は洗顔のすすぎ残しも起きやすい部分です。髪を清潔に保ち、額にかからないようにする工夫も役立ちます。

背中・身体のニキビ

背中・胸・お尻などのニキビは、汗や衣類のこすれ、シャンプー・リンスのすすぎ残しが関係します。詳しくは専用のページもご覧ください。

やってはいけないNGケア

よかれと思ってやっているケアが、ニキビを悪化させていることがあります。次のような行為は避けましょう。

  • ニキビを指やピンセットでつぶす(炎症が悪化し、クレーターや色素沈着の原因に)
  • 気になって何度も触る・髪や手で刺激する
  • 1日に何度も洗顔する・洗いすぎる
  • ゴシゴシこする・スクラブや洗浄ブラシの使いすぎ
  • 自己流のピーリングをやりすぎる
  • 保湿をまったくしない
  • 枕カバー・タオル・スマホ画面など、肌に触れるものを不潔なままにする

とくに、気になるニキビを自分でつぶすのは禁物です。一時的にへこんでも、跡(クレーター・色素沈着)が残る原因になります。つまった皮脂やニキビの芯は、皮膚科で「面皰圧出(めんぽうあっしゅつ)」として保険診療で安全に取り除けます。

セルフケアでも治らないときは

正しいスキンケアと生活習慣はニキビ予防の土台ですが、すでにできてしまったニキビや、くり返す・治りにくいニキビは、治療が必要なこともあります。

ニキビは「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」という皮膚の病気で、健康保険が適用される治療があります。セルフケアを2〜4週間ほど続けても改善しない、炎症や痛みが強い、跡が気になる、といった場合は早めに皮膚科を受診しましょう。早めの治療は、ニキビ跡を残さないためにも大切です。

よくあるご質問

洗顔は1日に何回がよいですか?

朝・夜の1日2回が基本です。洗いすぎは肌の乾燥を招き、かえって皮脂分泌を増やすため逆効果になります。

ニキビがあるとき保湿はしてよいですか?

はい、必要です。乾燥はバリア機能を低下させ、毛穴づまりやターンオーバーの乱れにつながります。ノンコメドジェニックの保湿剤でやさしく保湿しましょう。

皮脂が多いので、さっぱり洗い上げたほうがよいですか?

洗いすぎは禁物です。皮脂を取りすぎると肌が乾燥し、それを補おうとして皮脂分泌がかえって増えます。やさしい洗顔と適度な保湿のバランスが大切です。

チョコレートや揚げ物を食べるとニキビができますか?

糖質・脂質に偏った食事はニキビを悪化させることがありますが、特定の食品を厳しく制限する必要は基本的にありません。バランスのよい食事を心がけ、自分が悪化しやすいものは控えめにしましょう。

ニキビは自分でつぶしてもいいですか?

おすすめしません。炎症が悪化したり、クレーター(凹み)や色素沈着などの跡が残る原因になります。皮膚科で安全に処置できます。

スキンケアだけでニキビは治りますか?

スキンケアは予防には役立ちますが、できてしまったニキビは治療が必要なこともあります。2〜4週間ケアを続けても改善しない場合は、皮膚科を受診してください。

正しいスキンケアと生活習慣は、ニキビ予防の土台です。ケアをしてもくり返すニキビ・治りにくいニキビは治療が必要なこともありますので、池袋駅前のだ皮膚科までお気軽にご相談ください。

【池袋駅前のだ皮膚科|野田真史 監修】

院長紹介

池袋駅前のだ皮膚科院長 野田 真史
池袋駅前のだ皮膚科院長
野田 真史
池袋駅前のだ皮膚科院長 野田 真史


学歴・資格

東京大学医学部医学科卒業

皮膚科専門医(日本皮膚科学会認定)

医学博士(東京大学大学院医学系研究科)

ニューヨーク州医師免許

ECFMG certificate(アメリカ医師国家試験合格証)

Master in translational science(米国ロックフェラー大学)

米国ロックフェラー大学皮膚科 (Associate Attending Physician)


略歴

2007年
東京大学医学部医学科 卒業
2009年
東京大学医学部附属病院 初期研修修了
2009年 2014年
東京大学皮膚科に入局し、東京大学医学部附属病院、関東労災病院で皮膚科医として勤務
米国Northwestern大学、Thomas Jefferson大学で診療研修
2013年
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医取得
2014年
東京大学大学院医学系研究科卒業、医学博士
米国ロックフェラー大学
Instructor in Clinical Investigation
兼 Associate Attending Physician
ニューヨーク州医師免許を取得し、診療にあたる
湿疹、アトピー性皮膚炎、乾癬、円形脱毛症の研究に従事し、Master in translational science(MSc)取得
2016年
東京大学医学部附属病院 皮膚科 助教
2018年
池袋駅前のだ皮膚科 開院
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