手荒れ・あかぎれを改善するコツ!痛いひび割れを治すための保湿剤と正しい保護方法

毎日の水仕事や乾燥した空気の影響で、指先がひび割れたり、あかぎれができて痛みを感じたりすることはありませんか。

この記事では、辛い手荒れの症状を少しでも早く和らげたい方のために、具体的な解決策をお届けします。

ハンドクリームを塗ってもなかなか改善しない場合、その選び方や塗り方、あるいは日々の手の使い方が原因かもしれません。

手荒れの原因を正しく把握し、あなたの手肌に合った保湿剤の選び方や、日常生活で実践できる正しい保護方法を取り入れることが、すべすべの手を取り戻す近道です。

目次

繰り返し起こる手荒れ・あかぎれの根本的な原因

一度治ったと思っても、すぐにまたぶり返してしまう手荒れやあかぎれ。このしつこいトラブルは、皮膚の表面にあるバリア機能が低下してしまうことで引き起こされます。

私たちの皮膚は本来、外部の刺激から身を守り、内側の水分が逃げないようにする力を持っています。しかし、様々な要因でこの力が弱まると、わずかな刺激でも大きなダメージを受けてしまうのです。

まずは、なぜあなたの手が荒れやすい状態になってしまっているのか、その根本的な原因を探っていきましょう。

皮膚のバリア機能が低下する仕組み

健康な皮膚の表面には、皮脂膜という天然のクリームのような膜があり、これが水分の蒸発を防いでいます。

その下には角質層があり、角質細胞と細胞間脂質がレンガとモルタルのように隙間なく並んで、外部からの異物侵入をブロックしています。

しかし、過度な手洗いや乾燥によって皮脂膜が洗い流され、さらに細胞間脂質が失われると、角質層の構造が乱れてしまいます。

こうなると、皮膚は水分を保持できなくなり、乾燥して硬くなります。

硬くなった皮膚は柔軟性を失うため、指を曲げ伸ばしする動きについていけず、ぱっくりと割れてしまうのです。これがひび割れやあかぎれの正体です。

洗剤の成分と手肌への影響

洗剤の種類手肌への負担レベル特徴と注意点
合成洗剤(高級アルコール系など)洗浄力が非常に強く、脱脂力が高い。短時間の使用でもバリア機能を損なうリスクがあるため手袋が必要。
石けん系洗剤合成洗剤よりは穏やかだが、アルカリ性の性質を持つため、長時間触れると皮膚が荒れることがある。
アミノ酸系・ベタイン系洗剤皮膚と同じ弱酸性のものが多く、刺激は少なめ。ただし洗浄力はマイルドなので汚れ落ちには工夫が必要。

水仕事や洗剤が手に与えるダメージ

毎日の食器洗いやお風呂掃除などの水仕事は、手荒れの最大の原因の一つといえます。水やお湯に触れること自体が、皮膚の皮脂や保湿成分を奪ってしまうからです。

特に注意が必要なのが、食器用洗剤や掃除用洗剤に含まれる界面活性剤です。

界面活性剤は油汚れを落とすのに非常に優秀な働きをしますが、同時に手の潤いを守るために必要な皮脂まで強力に洗い流してしまいます。

素手で強い洗剤を使い続けることは、自ら皮膚のバリアを壊し続けているようなものです。洗剤の種類によっても手肌への負担は大きく異なります。

乾燥する季節に症状が悪化しやすい理由

冬になると手荒れがひどくなると感じる方は多いはずです。これは、気温と湿度の低下が直接的に影響しています。

空気が乾燥すると、皮膚の表面から水分がどんどん奪われていきます。さらに気温が下がると、体の末端である手足の血行が悪くなります。

血液は皮膚の細胞に栄養や酸素を運び、新しい皮膚を作るサポートをしていますが、血行不良になるとこの働きが鈍ります。

その結果、皮膚のターンオーバー(生まれ変わり)が乱れ、古い角質が蓄積してガサガサになったり、傷の治りが遅くなったりするのです。

冬場は外気の乾燥に加え、暖房器具による室内の乾燥も追い打ちをかけるため、特に念入りなケアが必要になります。

加齢とともに手の潤いが失われるのはなぜか

年齢を重ねると、昔に比べて手が乾燥しやすくなったと感じることはありませんか。

これは自然な老化現象の一つで、皮脂の分泌量や、角質層にある天然保湿因子(NMF)、セラミドなどの水分保持成分を作り出す力が衰えてくるためです。

若い頃は少しくらい無茶をしてもすぐに回復していた皮膚も、年齢とともに修復力が低下し、一度荒れると治りにくくなります。

特に女性はホルモンバランスの変化によって皮膚が薄くなったり乾燥しやすくなったりすることもあります。

年齢に応じた保湿ケアを取り入れることは、若々しい手元を保つためだけでなく、痛い手荒れを防ぐためにも大切です。

手荒れを悪化させる無意識のNG習慣

熱いお湯での手洗いや、不十分な拭き取りなど、日常の些細な習慣が手荒れを長引かせている可能性があります。

良かれと思ってやっていることや、何気なく繰り返している日常の動作が、実は手荒れの原因になっていることがあります。

高いハンドクリームを使っていても、マイナスの習慣を続けていては効果も半減してしまいます。

ここでは、多くの人がやりがちなNG習慣を見直し、手肌への負担を減らす方法をお伝えします。日々のちょっとした心がけを変えるだけで、手のコンディションは驚くほど変わります。

熱いお湯での手洗いが乾燥を招く

寒い季節、冷たい水で手を洗うのが辛くて、つい熱いお湯を使っていませんか。実は、熱いお湯は皮膚に必要な皮脂を一瞬で溶かし出してしまいます。

お皿洗いをするとき、油汚れはお湯の方がよく落ちますが、それと同じことが手の皮膚でも起こっているのです。

手洗いや水仕事の際は、体温よりも少し低い「ぬるま湯(33℃〜35℃程度)」を使うのが理想です。

熱いと感じる温度ではなく、少しひんやりするけれど冷たくはない、という程度の温度設定を心がけるだけで、乾燥の度合いは大きく軽減されます。

手を洗った後の拭き方が不十分ではないか

手を洗った後、ハンカチやタオルでさっと拭くだけで終わらせていませんか。

指の間や爪の周りに水分が残っていると、その水分が蒸発するときに、皮膚内部の水分まで一緒に連れて行ってしまいます。

また、濡れたままの状態は気化熱で皮膚の温度を下げ、血行不良を招く原因にもなります。

一方で、ゴシゴシと強く擦って拭くのも摩擦ダメージになるため厳禁です。清潔なタオルやハンカチを使い、優しく押さえるようにして水分を吸い込ませましょう。

指の間や指輪の下などの細かい部分も、丁寧に水分を拭き取ることが大切です。

アルコール消毒の使いすぎに注意

感染症対策として手指のアルコール消毒が日常化しましたが、これも手荒れの大きな要因となっています。

高濃度のアルコールは脱脂作用が強く、皮膚のバリア機能を破壊しやすい性質を持っています。

頻繁に消毒が必要な場面では、保湿成分が配合された消毒液を選んだり、消毒をした直後に必ずハンドクリームを塗ったりして、失われた油分を補うようにしましょう。

また、目に見える汚れがない場合でも、可能であればアルコール消毒ではなく、流水と石けんでの手洗いに切り替える方が、皮膚への刺激を抑えられる場合があります。

自分の肌の状態に合わせて、消毒の方法も工夫することが求められます。

手荒れを悪化させるNG習慣と改善策

NG習慣なぜ手肌に悪いのか改善するためのアクション
熱いお湯で手を洗う必要な皮脂や保湿成分が溶け出し、極度の乾燥状態を招く。33℃〜35℃程度のぬるま湯を使用する習慣をつける。
濡れた手を自然乾燥させる水分蒸発時に皮膚内部の水分も奪われ、さらに手肌が冷える。清潔なタオルで優しく押さえるように、指の間まで水分を拭き取る。
古いハンドクリームを使い続ける酸化した油分が刺激となり、かぶれや炎症の原因になることがある。開封後1年以内のものを使用し、色やにおいが変わっていたら廃棄する。

症状別に見る適切な保湿剤の選び方

ひび割れ、あかぎれ、ガサガサなど、手荒れの症状によって選ぶべき成分や剤形は異なります。

ドラッグストアに行くと、棚いっぱいに並ぶハンドクリームや保湿剤。どれを選べばいいのか迷ってしまう方も多いでしょう。

実は、手荒れの症状や段階によって、選ぶべき成分や剤形は全く異なります。

合わないものを使っても効果が感じられないばかりか、かえって症状を悪化させてしまうこともあります。

ここでは、あなたの手の状態にぴったりの保湿剤を見つけるための基準を解説します。

ひび割れやあかぎれに効く成分

すでにひび割れやあかぎれができて痛みがある場合、単に保湿するだけでは不十分です。傷ついた組織を修復し、炎症を抑える成分が入ったものを選びましょう。

「アラントイン」や「パンテノール」といった成分は、組織の修復を促す作用があります。

また、「グリチルリチン酸二カリウム」や「トコフェロール酢酸エステル(ビタミンE誘導体)」は、炎症を鎮めたり血行を良くしたりする効果が期待できます。

パッケージの裏面を見て、これらの有効成分が含まれているかを確認してください。

「医薬部外品」や「指定医薬部外品」、あるいは「第3類医薬品」として販売されているものは、有効成分が一定量配合されているため、効果が期待できます。

保湿剤のタイプ別特徴とおすすめの使用シーン

タイプ主な特徴おすすめの使用シーン
ローション・ジェル水分が多く、さらっとしていてベタつかない。浸透が早い。手荒れ初期、オフィスでの作業中、スマホ操作前など。
クリーム水分と油分のバランスが良い。保湿力と持続性がある。日常的なケア、手洗い後、就寝前など幅広いシーンに。
軟膏・ワセリン油分が主体で皮膚表面に膜を作る。保護力が最強。ひび割れ・あかぎれがある時、水仕事の前、夜の集中ケア。

ワセリン・クリーム・ローションの使い分け方

保湿剤には様々なテクスチャーがありますが、これらは「水分と油分のバランス」によって使い分けるのが正解です。

ローションやジェルタイプは水分が多く、さっぱりとしていて浸透しやすいのが特徴ですが、油分が少ないため保護する力は弱めです。日中の軽い乾燥ケアに向いています。

クリームタイプは水分と油分がバランスよく配合されており、保湿と保護の両方が可能です。最も汎用性が高く、日常使いに適しています。

そしてワセリンやバームなどの軟膏タイプは、ほぼ油分でできています。皮膚への浸透はあまりしませんが、強力な保護膜を作って水分の蒸発を完全に防ぎ、外部刺激をブロックします。

ひどい手荒れには、この油分の多いタイプが最も効果的です。

尿素入りクリームを使うときに気をつけるべきこと

「尿素」は硬くなった角質を柔らかくし、水分を保持する優れた成分として知られています。ガサガサになったかかとや、ゴワゴワした手の甲には非常に効果的です。

しかし、尿素には角質を溶かす作用があるため、すでにひび割れていたり、傷になっていたりする部分に使うと、強い刺激を感じて痛むことがあります。

また、健康な薄い皮膚に使い続けると、角質が薄くなりすぎてバリア機能が低下してしまうリスクもあります。

尿素入りクリームは、皮膚が厚く硬くなっている部分にのみ使用し、ひび割れや傷がある部分には使用を避けるか、傷が治ってから使うようにしましょう。

ビタミン配合のハンドクリームがおすすめな人

手が冷えやすく、あかぎれができやすい方には、ビタミン系(特にビタミンE)のハンドクリームが適しています。

ビタミンEには末梢血管を広げて血行を促進する作用があるため、冷えによって低下した皮膚の再生能力をサポートしてくれます。

また、ビタミンB2やB6などが配合されたものは、皮膚の代謝を助ける働きがあります。

しもやけになりやすい方や、冬場に手が紫色になりがちな方は、保湿だけでなく血行促進効果のあるビタミン配合クリームを選んで、マッサージするように塗り込むと良いでしょう。

保湿効果を最大化するハンドクリームの塗り方

自分に合ったハンドクリームを選んだら、次は使い方が重要です。

実は、多くの方がハンドクリームの量を少なめにしすぎたり、ただなんとなく塗り広げたりしているだけで、その効果を十分に引き出せていません。

塗り方ひとつで保湿効果や持続時間は変わります。ここでは、効果的なハンドクリームの塗り方のコツをご紹介します。

手を洗った直後のタイミングを逃さない

ハンドクリームを塗るベストなタイミングは、ずばり「手を洗って水分を拭き取った直後」です。

皮膚が水分を含んで柔らかくなっているこのタイミングで油分を補うことで、水分を内側に閉じ込めることができます。

時間が経って皮膚が乾ききってから塗るよりも、保湿効果は格段に高まります。

洗面所やキッチンのシンクの横など、手を洗う場所にハンドクリームを置いておき、手洗いと保湿をセットの習慣にすることをおすすめします。

外出先でも、ハンカチで手を拭いたらすぐにクリームを塗れるよう、バッグやポケットに取り出しやすい場所に常備しておきましょう。

クリームを温めてから塗ると浸透しやすい

チューブから出したクリームを、すぐに手の甲に伸ばしていませんか。

冷えたクリームは硬く、伸びが悪いため、無理に伸ばそうとすると皮膚を擦って摩擦ダメージを与えてしまいます。

適量を手のひらに取ったら、まずは両手を合わせて体温で温めてください。数秒間温めることでクリームの油分が緩み、テクスチャーが柔らかくなります。

こうすることで、皮膚のキメの奥まで成分が行き渡りやすくなり、摩擦などの刺激を与えずにスムーズに塗り広げることができます。

特に冬場はクリームも冷えているので、この「温め」のひと手間が大切です。

指先や関節のシワに沿って丁寧に塗り込む

全体にざっと伸ばすだけでは、一番乾燥しやすい指先や関節のシワの中までクリームが届きません。特にひび割れやすい指先や爪の周りは、1本ずつ丁寧に塗り込む必要があります。

反対の手の親指と人差指で、指の付け根から指先に向かって、側面を挟むようにしながら優しくなじませます。

関節のシワは横方向に入っているので、指を軽く曲げてシワを伸ばした状態で、クリームを埋め込むように塗るのがポイントです。

爪と皮膚の境目(甘皮部分)も乾燥しやすいので、ここもしっかりマッサージするように塗り込みましょう。

今日から実践できる正しいハンドケアの手順リスト

  • 適量(人差し指の指先から第一関節まで、約0.5g)を手のひらに取ります。
  • 両手を重ね合わせ、体温でクリームを温めて柔らかくします。
  • 手の甲全体に優しくプレスするように広げ、なじませます。
  • 指を一本ずつ、付け根から指先に向かって螺旋を描くようにマッサージします。
  • 指の股(水かき部分)も忘れずに、指を組んで塗り込みます。
  • 爪の周りや指先にもしっかり刷り込み、最後に手首までケアして完了です。

水仕事や就寝時の手肌を守る具体的な保護方法

保湿だけでなく、ダメージを物理的に防ぐ「保護」も手荒れ改善には欠かせません。

保湿剤を塗ることは「攻め」のケアですが、刺激から手を守る「守り」のケアも同じくらい重要です。

特に、手に大きな負担がかかる水仕事の時間や、長時間ケアができる就寝時間をどう過ごすかで、治るスピードは変わってきます。

日常生活の中でできる具体的な保護方法と、アイテムの上手な活用術を解説します。

洗い物をするときは必ずゴム手袋を着用する

手荒れ改善の基本にして最大のポイントは、「洗剤や水に直接触れないこと」です。食器洗いやお風呂掃除の際は、必ずゴム手袋を着用してください。

「面倒だから」「1個だけだから」という油断が手荒れを長引かせます。

ただし、ゴム手袋の素材(ラテックスなど)が肌に合わず、逆にかゆくなる場合もあります。その場合は、薄手の綿手袋(インナー手袋)をした上からゴム手袋をするのがベストです。

綿手袋が汗を吸い取ってくれるので、ゴム手袋内部の蒸れによる手荒れも防ぐことができます。

寝る前の綿手袋で保湿効果を高める

夜寝ている間は、手を使わずに長時間保湿できる絶好のチャンスです。就寝前に、保湿効果の高いクリームやワセリンをたっぷりと塗り、その上から綿100%の手袋をして寝ましょう。

手袋をすることで、寝具にクリームがつくのを防ぐだけでなく、密封効果(オクルーシブ効果)によって保湿成分が角質層の深部までじっくり浸透します。

また、就寝中に無意識に手をかきむしったり、布団との摩擦で乾燥したりするのも防いでくれます。朝起きたときの手のしっとり感に驚くはずです。

通気性の良い綿素材なら、蒸れて不快になることもありません。

用途別おすすめの手袋素材

素材特徴おすすめの用途
ゴム・ビニール水を完全に通さない。洗剤や汚れから肌を守る。食器洗い、掃除、洗車、ガーデニングなどの水仕事全般。
綿(コットン)吸湿性・通気性に優れ、肌触りが優しい。就寝時の保湿ケア、ゴム手袋のインナー、日常の軽作業。
シルク(絹)保湿性が高く、肌への刺激が極めて少ない。静電気が起きにくい。敏感肌の方の就寝時ケア、外出時の防寒・保護。

絆創膏や液体絆創膏を上手に活用する場面

ぱっくり割れてしまったあかぎれは、物理的な刺激が加わるたびに激痛が走り、なかなかふさがりません。

こうなると保湿だけでは不十分なので、絆創膏で物理的に傷口を閉じて保護する必要があります。指先のカーブにフィットする形状のものや、水に強い防水タイプを選びましょう。

水仕事が多い日中など、絆創膏がすぐに剥がれてしまう場面では、液体絆創膏(水絆創膏)も便利です。

塗る瞬間はしみて痛いですが、乾くと強力な被膜ができ、水や洗剤が傷口に侵入するのを防いでくれます。

ただし、炎症が強くじゅくじゅくしている場合や、広範囲に荒れている場合は、液体絆創膏の使用は避けてください。

体の内側から手肌を整える食事と生活習慣

健康な皮膚を作るためには、外側からのケアだけでなく、内側からの栄養補給と生活リズムの改善が不可欠です。

手荒れの治りを早めるために積極的に摂りたい栄養素や、血行を良くするための習慣についてお話しします。

肌の再生を助けるビタミン類を積極的に摂る

健康な皮膚を作るために欠かせないのがビタミン類です。特に「ビタミンA」は皮膚や粘膜の潤いを保ち、正常な状態に維持する働きがあります。

また、「ビタミンB群(特にB2、B6)」は脂質の代謝を促し、皮膚の細胞分裂をコントロールしてターンオーバーを整えます。

「ビタミンC」は、皮膚のハリを作るコラーゲンの生成を助け、抗酸化作用によってダメージを防ぎます。そして「ビタミンE」は血行を促進し、肌荒れの治りを助けます。

これらの栄養素をバランスよく食事に取り入れることが大切です。サプリメントで補うのも一つの手ですが、基本は日々の食事から摂取することを心がけましょう。

血行を良くして手先の冷えを解消する

「冷えは万病の元」と言いますが、手荒れにとっても大敵です。血流が滞ると、指先まで十分な栄養や酸素が届かず、皮膚の修復作業が進みません。

また、冷えて皮膚温が下がると、皮脂の分泌も低下して乾燥しやすくなります。入浴時はシャワーだけで済まさず、湯船に浸かって全身を温めましょう。

外出時は手袋をして外気から手を守ることも大切です。デスクワークなどで長時間同じ姿勢でいるときは、こまめに手首を回したり、グーパー運動をしたりして、意識的に末端の血流を促してください。

生姜や根菜類など、体を温める食材を摂るのも効果的です。

質の高い睡眠が皮膚の修復に役立つ

私たちの体は、寝ている間に分泌される「成長ホルモン」によって細胞の修復や再生を行っています。

皮膚のターンオーバーも、主に睡眠中に活発になります。睡眠不足が続くと、この修復タイムが短くなり、ダメージを受けた皮膚が回復できずに荒れたままになってしまいます。

また、睡眠不足は自律神経を乱し、血行不良を招く原因にもなります。

日付が変わる前に布団に入る、寝る前のスマホ操作を控えるなどして、質の高い睡眠を確保することは、どんな高価なクリームにも勝る美容液となります。

手荒れを早く治したいなら、まずはしっかり寝ることから始めましょう。

手肌の健康をサポートするおすすめ食材

栄養素主な働き多く含まれる食材
ビタミンA皮膚や粘膜を正常に保ち、乾燥を防ぐ。レバー、うなぎ、人参、ほうれん草、かぼちゃなどの緑黄色野菜。
ビタミンB2・B6新陳代謝を促し、健康な皮膚を作る。豚肉、納豆、卵、アーモンド、マグロ、カツオ、バナナ。
ビタミンE血行を促進し、肌のバリア機能を高める。アーモンドなどのナッツ類、アボカド、植物油、カボチャ。

セルフケアの限界と皮膚科を受診するべきタイミング

多くの手荒れは、正しいホームケアで改善に向かいます。

しかし、中にはセルフケアの限界を超えている場合や、単なる手荒れではなく治療が必要な皮膚病が隠れている場合もあります。

「たかが手荒れ」と我慢せず、適切なタイミングで専門医の力を借りることが、結果的に一番早く治る方法であることも少なくありません。

皮膚科を受診すべきサインと、病院での治療について解説します。

痛みや炎症が強く日常生活に支障があるとき

保湿剤を塗っても痛みが引かない、指を曲げるだけで血が出る、水仕事がつらくて家事ができないといった状態は、すでに皮膚が悲鳴を上げているサインです。

また、痒みが強くて夜も眠れない、小さな水ぶくれができている、皮膚が剥けてジュクジュクしているといった症状がある場合は注意が必要です。

これらは市販のハンドクリームでは治せないレベルの炎症が起きている可能性があります。

無理に自己判断でケアを続けると、細菌感染を起こしてさらに悪化することもあるため、早めの受診が必要です。

皮膚科受診を検討すべき症状リスト

  • 市販のハンドクリームや薬を1〜2週間使っても改善しない。
  • あかぎれやひび割れが深く、出血や強い痛みを伴う。
  • 猛烈な痒みがあり、掻きむしってしまって悪化している。
  • 小さな水ぶくれや、皮むけ、赤みが広範囲に広がっている。
  • 爪が変形したり、濁ったりするなど、爪にも異常が出ている。
  • 手だけでなく、全身に乾燥や痒みの症状がある。

手湿疹や他の皮膚疾患の可能性を疑う

一般的に「手荒れ」と呼ばれるものの多くは「進行性指掌角皮症(しんこうせいししょうかくひしょう)」という病名がつく状態ですが、それ以外にも手に症状が出る病気はあります。

例えば、アレルギー物質に触れることで起きる「接触皮膚炎」、小さな水ぶくれが多発する「汗疱(かんぽう)」などが挙げられます。

あるいは「手白癬(てはくせん、手の水虫)」や「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)」といった病気は、見た目が手荒れと似ていることがあります。

特に手の水虫などは、ステロイド入りの市販薬を使うと逆に悪化してしまいます。正しい診断を受けるためにも、治りが悪いと感じたら医師の診察を受けることが大切です。

医師による治療薬の処方と使い方の指導

皮膚科では、症状の程度に合わせて適切な強さのステロイド外用薬や、保湿力の高いヘパリン類似物質配合の保湿剤などが処方されます。

炎症を抑える薬と、肌を保護する薬を適切に組み合わせることで、短期間で症状が改善することも珍しくありません。

また、医師や看護師から、薬の正しい塗り方や、生活の中で気をつけるべき具体的なアドバイスを受けることもできます。

自己流のケアで何ヶ月も悩むより、プロの処方と指導を受けることが、つるつるの手肌を取り戻す最短ルートになります。

よくある質問

ハンドクリームは1日に何回塗れば効果的ですか?

明確な回数の決まりはありませんが、一般的には「1日5回以上」を目安にすると改善効果が高いと言われています。

特に重要なタイミングは、「朝起きたとき」「手を洗った後」「お風呂上がり」「寝る前」です。

これらに加えて、乾燥を感じたらその都度こまめに塗り直すのが理想です。

回数を増やすほど、皮膚が常に保護された状態をキープできるため、治りも早くなります。

ステロイド外用薬はひび割れに使っても大丈夫ですか?

ひび割れやあかぎれに伴って、強い赤みや痒み、湿疹などの炎症がある場合は、ステロイド外用薬が有効なことがあります。

炎症を早く鎮めることで、傷の治りを助けるからです。

しかし、単に乾燥して割れているだけで炎症がない場合や、傷口がジュクジュクして細菌感染を起こしている場合には、ステロイドが適さないこともあります。

使用する際は自己判断せず、医師や薬剤師に相談するか、説明書をよく読んでから短期間の使用にとどめることが大切です。

水仕事のたびにゴム手袋をするのが面倒なときはどうすればいいですか?

毎回の手袋が難しい場合は、「撥水性の高いハンドクリーム(保護クリーム)」を活用するのが一つの手です。

シリコンやフッ素などが配合されたクリームは、皮膚の上に水を弾く膜を作り、洗剤や水刺激をある程度ブロックしてくれます。

水仕事の前にこれらを塗り、終わったらすぐに水分を拭き取って通常の保湿クリームを塗るという「サンドイッチケア」を行うことで、ダメージを最小限に抑えることができます。

また、柄付きのスポンジを使って、なるべく水に触れない工夫をするのも良いでしょう。

あかぎれが痛くて眠れないときの応急処置はありますか?

痛みが強くて眠れない場合は、患部を乾燥させないことが最優先です。

たっぷりのワセリンを厚めに塗り、ラップで軽く覆ってから包帯や手袋をする「湿潤療法(モイストヒーリング)」のような処置を行うと、痛みが和らぐことがあります。

空気に触れると痛みが増すため、密封して保護するのがポイントです。

ただし、ラップを長時間つけっぱなしにすると蒸れてしまうので、朝には外してください。

痛みが激しい場合は痛み止めを服用するのも選択肢ですが、早急に皮膚科を受診することをお勧めします。

子供の手荒れにも大人と同じハンドクリームを使ってもいいですか?

基本的には大人用のハンドクリームを子供に使っても問題ありませんが、成分には注意が必要です。

尿素配合のものや、香料・着色料が強いもの、清涼感のある成分が入っているものは、子供の薄い皮膚には刺激が強すぎることがあります。

子供の手荒れには、ワセリンやヘパリン類似物質など、低刺激でシンプルな処方の保湿剤を選ぶのが安心です。

また、子供は指を舐めることがあるので、口に入っても安全な成分で作られているものを選ぶとより良いでしょう。

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この記事を書いた人

野田真史のアバター 野田真史 池袋駅前のだ皮膚科 院長

医学博士 / 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医

東京大学医学部卒業、同大学院医学博士課程修了。米国ロックフェラー大学への臨床研究留学、ニューヨーク州医師免許取得を経て、東京大学医学部附属病院助教を務める。2018年、池袋駅前のだ皮膚科を開院。

ニキビやシミといった身近な悩みから難治性の皮膚疾患まで、常に知識を研鑽し、適切な診断・治療を行うことを信条としている。

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