「背中ニキビがなかなか治らない」、「胸ニキビの対策が知りたい」など体にできたニキビに悩んでいませんか。繰り返しできるニキビがあるときには、もしかするとニキビに似たマラセチア毛包炎かもしれません。
ここではマラセチア毛包炎とニキビの見分け方に活用できるセルフチェック方法や、マラセチア毛包炎とニキビとの違い、当院の治療方法、予防・対策方法などについて紹介します。
目次
ニキビとマラセチア毛包炎の違いとは?
まずはセルフチェックでニキビとマラセチア毛包炎の可能性について確認してみましょう。
ニキビとマラセチア毛包炎の違い
ニキビとマラセチア毛包炎(もうほうえん)は、どちらも体にブツブツができる皮膚疾患です。ここではニキビとマラセチア毛包炎の違いについて紹介します。
原因となる菌の違い
ニキビとマラセチア毛包炎の大きな違いは、原因となる菌の種類です。ニキビは「アクネ菌」という細菌が、マラセチア毛包炎は「マラセチア」という真菌が関係しています。
症状が出る場所の違い
ニキビの場合は顔や胸などの上半身に症状がよく見られます。マラセチア毛包炎は毛がある場所ならどこにでもできる可能性があります。たとえば胸や背中、おしり、首の後ろ、陰部などです。一般的には「背中ニキビ」や「胸ニキビ」と呼ばれる症状が、マラセチア毛包炎だったことも珍しくはありません。
大きさの違い
どちらも1か所に1個だけできることもあれば、複数個できてしまうこともあります。ニキビの大きさは直径数mm~2cmまでさまざまです。しかしマラセチア毛包炎は直径2~3mmで均一な大きさをしています。
ニキビとマラセチア毛包炎にこのような違いはありますが、自己判断が難しいケースも少なくありません。気になる症状が続いている場合は、早めに皮膚科を受診して、検査や診察を受けるとよいでしょう。
セルフチェック
【A】と【B】の項目について、当てはまるものをチェックしてください。
【A】
- 顔に複数のブツブツができた
- ブツブツの直径は数mm~2cm
- 脂性肌である
- 生理前になると肌の調子が悪くなる
【B】
- 胸や背中、おしり、首の後ろ、陰部などの毛がある場所にできた
- 直径2~3mmの均一なブツブツがある
- かゆみや痛み、刺激感がある
- 汗をかきやすく、高温多湿な環境にいる
- にチェックが多い方→ニキビの可能性があります。
- にチェックが多い方→マラセチア毛包炎の可能性があります。
次の項目で、ニキビとマラセチア毛包炎の違いについて詳しく確認していきましょう。
マラセチア毛包炎とは
ここではマラセチア毛包炎の原因と症状について紹介します。
マラセチア毛包炎の原因
毛包炎とは、毛穴の奥にある毛根を包んでいる毛包に炎症が起こる疾患です。とくにマラセチアという真菌(カビ)によって引き起こされる毛包炎のことを「マラセチア毛包炎」といいます。
皮膚常在菌であるマラセチアが増殖すると、マラセチア毛包炎が起こりやすくなります。マラセチアが増殖する原因には、「高温多湿な環境」、「ステロイド外用薬の使用」、「低栄養」、「妊娠」、「糖尿病」などが関係しているといわれています。マラセチアは誰の肌にもいる菌のため、感染で広がる恐れはありません。
マラセチア毛包炎の症状
ニキビとよく似た見た目で、赤いブツブツができます。直径2~3mmで均一な大きさを
しており、毛のある場所に作られる可能性があります。とくに背中、胸、二の腕、肩などに症状がよく見られます。ほとんどの場合でかゆみがあり、まれに痛みや刺激感がある方もいます。
マラセチア毛包炎の治療方法
当院ではマラセチア毛包炎を塗り薬と飲み薬で治療しています。基本的には塗り薬だけで治療をしますが、「塗り薬だけで症状が治まらないとき」、「繰り返し症状が起こるとき」、「症状がひどいとき」などには飲み薬を処方しています。
塗り薬
当院では主に抗真菌薬の「ニゾラール(成分:ケトコナゾール)」を処方しています。1日1~2回患部に塗布してください。
飲み薬
当院では主に「イトリゾール(成分:イトラコナゾール)」を処方しています。1日1回食直後に50~100mgを服用してください。
マラセチア毛包炎の予防と対策
マラセチア毛包炎を予防するためには、皮膚を清潔に保つことが必要です。ここではマラセチア毛包炎の予防に大切な対策方法について紹介します。
汗をかいたらすぐに拭き取る
マラセチア毛包炎は、皮脂を栄養にして増殖します。そのため高温多湿な環境では汗や皮脂が分泌されやすくなり、マラセチアも増殖しやすいと考えられています。とくに注意したい季節は、梅雨~秋です。暑さと湿気のある環境のため、汗をかいたらなるべくすぐに拭き取りましょう。
定期的に着替える
スポーツをする方など汗をかく機会の多い方は、一年中症状に悩まされるかもしれません。そのようなときには汗を拭き取るだけではなく、定期的に着替えるのもよいでしょう。汗を吸収しやすく、すぐに乾くような天然素材を使った肌触りのよい衣服を選ぶのも大切です。
優しく肌を洗う
ブツブツが気になるからといって、強い力で洗っていませんか。過度な洗浄は、肌にとって必要な皮脂を減らしてしまうため、肌を乾燥させやすくなり、バリア機能を低下させてしまう恐れがあります。入浴時には、石鹸を泡立ててから、泡を使って肌を優しく洗うようにしましょう。
ニキビの治療については、こちらをご覧ください。
のだ皮膚科の特徴
当院は皮膚科専門医が在籍しており、ニキビやマラセチア毛包炎を複数の治療で対応しています。さらにアクセス良好で繰り返しの治療が受けやすい環境です。ここでは当院の特徴について詳しく紹介します。
皮膚科専門医が在籍している
当院には、日本皮膚科学会認定の皮膚科専門医が在籍しています。皮膚科専門医とは、皮膚科で必要とされる知識や経験、スキルを十分に身につけた医師のみが取得できる資格です。当院では複数の皮膚科専門医が在籍しており、質の高い医療を提供できるように努めています。
複数の治療方法が受けられる
ニキビやマラセチア毛包炎は、一般的な皮膚疾患のため保険診療が受けられます。しかし繰り返し症状が出る場合や重症な場合には、一人ひとりの症状に合わせた施術を組みあわせる必要があるかもしれません。当院は症状に適した塗り薬や飲み薬、各種施術を併用した治療が受けられます。
アクセス良好で通いやすい
当院はJR池袋駅の東口から徒歩1分の立地にあるクリニックです。土日も診療しており、平日は20時まで開院しているなど忙しい方でも通いやすい環境です。予約なしで受診可能なため、気になる症状があるときにはいつでもご相談ください。
よくある質問
Q. マラセチア毛包炎はどのぐらいで治りますか?
A.
個人差はありますが、塗り薬の場合は1~2か月が治療期間の目安です。塗り薬だけで効果が確認できないときには、飲み薬を併用することもあります。また皮膚が不衛生な場合は再発しやすくなるため、薬を使用しながら皮膚を清潔に保つことも大切です。
Q. マラセチア毛包炎は再発しますか?
A.
マラセチア毛包炎は、再発しやすい疾患です。マラセチア菌は健康な人の体に常に存在しています。そのため薬を長く使用しても完全に菌を殺すことはできません。
再発を防ぐためには、皮膚を清潔に保つことが大切です。たとえば「汗をかいたらすぐに拭き取る」、「定期的に着替える」、「優しく肌を洗う」などで対策しましょう。
Q. マラセチア毛包炎は家族に感染する病気ですか?
A.
マラセチア毛包炎は、皮膚常在菌であるマラセチアが増殖して症状が起こります。もともとは誰の肌にでもいる菌のため、家族や友人に感染して症状が起こるわけではありません。そのため感染対策は不要です。
費用
保険診療
初診料 | 約900円 |
再診料 | 約400円 |
処方料 | 約200円 |
※3割負担の場合に必要な金額の目安です。
※都内在住で高校生までの子どもは公費負担となり実費は0円です。
ニキビに似たブツブツがある方は、池袋駅前のだ皮膚科へ
繰り返しできるニキビに悩んでいる方は、もしかするとマラセチア毛包炎かもしれません。
マラセチア毛包炎の治療には、原因菌であるマラセチア菌の増殖を抑えるための抗真菌薬が必要です。当院ではマラセチア毛包炎の治療を、主に保険診療の塗り薬と飲み薬で対応しています。ニキビに似たブツブツに悩んでいる方は、お気軽に当院までご相談ください。
副作用、注意点
禁忌
「ニゾラール」
- 成分に過敏症の既往歴がある方
「イトリゾール」
- 妊娠中または妊娠している可能性のある方
- 成分に過敏症の既往歴がある方
- 重篤な肝臓の疾患にかかっている方または既往歴がある方
副作用
「ニゾラール」
発赤、赤み、刺激感、発疹など
「イトリゾール」
発疹、かゆみ、肝機能異常、じん麻疹、便秘、下痢、だるさ、不整脈など
注意事項
「ニゾラール」
- 皮膚がただれている部分や目には塗らないでください。
「イトリゾール」
- 併用できない薬があります。ご使用中の薬がある方は、医師までご相談ください。