エピデュオゲルとは?
エピデュオゲルは、過酸化ベンゾイルとアダパレンという2つの有効成分を含んだニキビ(尋常性ざ瘡)治療薬です。
過酸化ベンゾイルは、ニキビの原因菌であるアクネ菌(P. acnes)などに対して抗菌作用を示し、またピーリング(角層剥離)作用もあるので、角化を抑えて皮脂詰まりをなくします。
アダパレンは、レチノイド(ビタミンA誘導体)様作用を持ち、皮膚の角化を抑えて皮脂詰まりを改善する成分です。
2種類のニキビに効果的な成分を1回で塗れるため、別々に処方する場合よりも毎日塗るのが楽になり、より高い効果を期待できます。
過酸化ベンゾイルもアダパレンも赤みや乾燥が出やすい成分ではあるため、その分赤みや皮むけ、かゆみといった有害事象は増えるため、使い方に注意は必要になります。
尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023では、白ニキビ・黒ニキビ、急性炎症期の赤ニキビ、炎症軽快後の寛解(症状が治まった状態)維持で、推奨度A(強く推奨)になっています。
エピデュオゲルの使い方
使用方法/使用回数
1日1回、夕方から就寝前の洗顔後、適量をニキビのできやすいところ全体に広げるように塗ります。
乾燥が気になる方は、エピデュオゲルを塗る前に化粧水や乳液などで保湿しましょう。
保湿製品選びに悩む場合は、にきび肌向けのものを選びましょう。
当院ではニキビや酒さ、赤ら顔向け保湿ケアとして「ベーシックケアAZ」を開発いたしました。
使用量
顔全体に塗る場合の使用量の目安は、1FTUです。
1FTU(finger tip unit)とは、チューブで人差し指の先端から第一関節まで絞り出した量(約0.5g)のことです。
刺激感を感じることもあるので、最初は少量で部分的に塗るところから始めると良いでしょう。
増やし方の目安は、「米粒大→あずき大→パール大」です。
塗る量を少しずつ増やしていき、数日かけて慣らします。
特に最初の2週間程度は、赤みや皮向けといった刺激症状が出やすい時期です。
これらの症状があっても次第に症状が落ち着いてくるようであれば続けて使えます。
赤みや皮むけ症状が悪化する場合は使用を中止し、医師・薬剤師に相談してください。
使用期間
治療開始から3ヵ月以内に症状が改善しない場合は使用を中止します。
治療効果があり赤みや乾燥がひどくならない場合は、長期間、継続して使っても問題ありません。
その他
- 自己判断で中止せず、医師の指示に従ってください。
- 眼や口唇、粘膜などを避けながら塗布しましょう。万が一、眼に入った場合は、すぐに水かぬるま湯で洗ってください。
症状が重いときは、医療機関を受診してください。 - 他の刺激性を持つ外用剤と併用する場合は、皮膚刺激症状が増すおそれがあるため注意してください。
- 漂白作用があります。髪、衣類などに付着しないように注意してください。
- 外用のみの使用にとどめ、切り傷・すり傷や湿疹のあるところへは塗らないようにしましょう。
エピデュオゲルの副作用・注意事項等
禁忌
- エピデュオゲルでアレルギーを起こしたことがある方は使用できません。
- アダパレンの経皮投与(ラット、ウサギ)で過剰肋骨の発生頻度増加が、経口投与(ラット、ウサギ)で催奇形作用が報告されています。
そのため、妊婦または妊娠している可能性のある女性には使用できません。
副作用
治療開始数週間は刺激症状(赤み、がさがさ、ひりひり感など)、皮膚乾燥や皮膚不快感、皮膚剥脱、紅斑、そう痒症があらわれることがあります。
通常は軽度で一時的なものですが、消えなかったり、軽減しなかったりする場合は休薬など適切に処置します。医師にご相談ください。
注意事項
- ディフェリンゲル(アダパレン)とベピオゲル(過酸化ベンゾイル)の配合剤なので、各単剤よりも皮膚刺激が発現するおそれがあります。
- 使用期間は、帽子などで日焼け対策をし、日光に当たるのは最小限にとどめましょう。紫外線療法や日焼けランプの使用は避けてください。
- 授乳中の方が使用する場合は、授乳を控えてください。
- 過敏症や重度皮膚刺激感が認められた場合は、本剤の使用を中止してください。
- 治った場合は使用を中止し、漫然と長期間、使わないようにしましょう。
費用(薬価)
エピデュオゲルの薬価は「118.30 円/g」です。
公的保険(3割負担)が適用された場合は、「15g規格:532円」になります。
*薬剤費のみの価格です。
薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について(令和5年12月8日適用)
保管および取り扱い上の留意点
- 直射日光や凍結(0℃以下)を避けて、室温で密栓したまま保管してください。
- 小さい子どもの手が届かない場所へ保管してください。
- 他の容器に入れ替えないでください。誤用の原因や変質してしまいます。
- 有効期間は2年です。使用期限を過ぎた製品は使用しないでください。
エピデュオゲルのよくある質問
エピデュオゲルは何に効く薬ですか?
エピデュオゲルはニキビ治療薬です。
ニキビの初期段階の「白ニキビ」や「黒ニキビ」、炎症を起こした「赤ニキビ」を改善し、皮膚が整った状態へ導きます。
また、ニキビの予防効果も期待できます。
エピデュオゲルには表皮の角化細胞の分化を抑制し、毛穴詰まりを防ぐアダパレンと、ニキビの原因菌の増殖を抑え、ピーリング作用(角層剥離作用)のある過酸化ベンゾイルが含まれています。
エピデュオはいつまで塗ったらいいですか?
かゆみや赤みなどの刺激症状やかぶれの症状がなければ、最低2週間は外用を続けてください。
効果が実感できた場合、3ヵ月間くらい続けるとさらに効果が期待できます。
エピデュオゲルはいつ使うのが正しいですか?
エピデュオゲルは、1日1回、夕方から就寝前の洗顔後に塗布するようにしましょう。
過酸化ベンゾイルは継続使用中に日光に当たると皮膚刺激性が増悪する可能性があること、また、アダパレンも使用中に過度に紫外線に当たると皮膚バリア機能が損なわれ皮膚刺激感が増すおそれがあることが海外で報告されています。
そのため、塗布直後に強い日光に当たる可能性が低い「夕方から就寝前」の塗布がおすすめです。
エピデュオゲルをニキビに塗ったらどうなる?
エピデュオゲルを正しく塗布すれば、白ニキビや黒ニキビ、赤ニキビを改善するように働きます。