サブシジョンは、ニキビ跡の凹みを改善するため、皮膚の下にある線維を専用の針で切り離す治療法です。
この施術と同時にヒアルロン酸などを注入することで、より変化を実感しやすくなるとされています。
今回では、サブシジョンにヒアルロン酸を併用するメリットをはじめ、単独治療との違いや施術後の経過、費用について詳しく解説します。
目次
サブシジョンとは?

ニキビの炎症が長く続くと、肌が修復される過程で皮膚組織が固い瘢痕(はんこん)へと変化します。この固くなった組織によって皮膚表面が内側へ強く引き込まれ、クレーター状の跡が残ってしまいます。
サブシジョンは、この癒着した組織を専用の針で切り離し、凹んだニキビ跡の改善を目指す治療法です。
- 皮膚の下にある硬い線維性の癒着を切断する
- 引き込まれていた凹み部分が徐々に持ち上がる
- 切断された組織は自然治癒の過程で再生され、新たなコラーゲンが作られる
このように、皮膚が内側から動きやすい状態へ導くことが、サブシジョン治療の医学的な原理となります。
主になだらかで比較的深さのある「ローリング型」や「ボックスカー型」と呼ばれるニキビ跡が治療の対象です。
2005年の報告では、ローリング型のニキビ跡40症例に対してサブシジョンを行った結果、医師の評価で約50%が改善を示し、患者の約90%が改善を自覚したというデータがあります。[1]
ヒアルロン酸併用の狙いと効果

サブシジョンにヒアルロン酸を併用すると、主に以下のような効果があると考えられています。
ボリュームを補う
サブシジョンで癒着を切断して空いた空間にヒアルロン酸を入れることで、内側からボリュームを補い、凹み全体を持ち上げやすくします。
ヒアルロン酸自体にもコラーゲン産生を促す作用があり、創傷治癒の過程で徐々に自分の皮膚組織が作られて置き換わっていきます。
両頬のローリング型瘢痕に対し、片側にヒアルロン酸、反対側に生理食塩水を注入したランダム化試験では、ヒアルロン酸を入れた側が改善し、その効果が少なくとも2年間持続したと報告されています。[2]
また、サブシジョン単独の症例に比べて、架橋ヒアルロン酸を併用した症例の方が改善が見られたという報告もあります。[3]
凹みの戻り(再癒着)を予防する
癒着を切断した後にヒアルロン酸を入れると、空いたスペースを一定期間物理的に埋めることができます。これにより凹みが再び強く引き込まれるのを抑え、切った組織の再癒着を防ぎます。
一般的にヒアルロン酸は半年ほどで体に吸収されます。しかし、吸収されるまでの間に自身の組織が再生されていくため、ヒアルロン酸が消失した後も効果がすぐに失われるわけではありません。
サブシジョン単独・ヒアルロン酸併用の比較

なだらかなローリング型のニキビ跡なら、サブシジョン単独で十分効果を得られる場合があります。
深いニキビ跡や、1回あたりの効果を高めたい場合はヒアルロン酸などの併用も検討しましょう。
| 比較項目 | サブシジョン単独 | サブシジョン+ヒアルロン酸併用 |
| 適しているケース | なだらかなローリング型のニキビ跡 | 深いニキビ跡、1回あたりの改善実感を高めたい場合 |
| 効果 | 固くなった瘢痕組織を切断し、皮膚を内側から持ち上げやすくする | 瘢痕組織を切断したうえで、内側からボリュームを補い、再癒着を防ぐ働きが期待できる |
| 改善の速さ | コラーゲン再生に伴い、数カ月かけてゆっくり改善していく | 注入直後からボリューム変化を感じやすく、さらに半年〜1年かけて組織再生による変化も期待しやすい |
| 必要な施術回数 | 一般的に3回前後が目安。1回で実感する人もいれば、6回以上必要なケースもある | 1回の施術でも1〜6カ月かけて改善がみられる事例があり、1回あたりの改善度が大きくなりやすい |
| ダウンタイム | 内出血、腫れ、鈍痛が1〜2週間ほどで自然に落ち着くことが多い | 単独治療と同様の症状に加え、一時的な硬さ(しこり)や腫れが生じる可能性がある |
| 効果の持続期間 | 再癒着が起こらなければ、長期的な改善が期待できる | ヒアルロン酸は半年〜1年ほどで吸収されるが、その間に組織が作られることで、吸収後も一定の効果が続く可能性がある |
①効果
サブシジョン単独では、固くなった瘢痕組織を切断し、皮膚を内側から持ち上げやすくします。
一方ヒアルロン酸を併用した場合は、組織を切断したうえで皮膚の内側からボリュームを補うため、再癒着を防ぐ働きが加わります。
②改善の速さ
単独治療は、数カ月かけてコラーゲンの再生とともにゆっくり改善に向かいます。
ヒアルロン酸を併用すると注入直後からボリュームを補うことができ、さらに半年〜1年の間に自分の組織が徐々に作られるため、継続的な変化を感じやすいのが特徴です。
③必要な施術回数
単独治療の場合、一般的に3回前後が目安となります。1回で実感する方もいれば、6回以上必要なケースも珍しくありません。
対してヒアルロン酸を併用した場合、1回の施術から1〜6カ月かけて改善した事例もあり、1回あたりの改善度が大きくなりやすい傾向にあります。
④ダウンタイムの違い
単独治療では、内出血や腫れ、鈍痛が1〜2週間ほどで自然に落ち着きます。
ヒアルロン酸を併用した場合も単独時と同様の症状がみられますが、これに加えて薬剤注入に伴う一時的な硬さ(しこり)や腫れが生じる可能性があります。
⑤効果の持続期間
サブシジョン単独は線維性の癒着を切る治療であるため、再癒着が起こらなければ長期的な改善が期待できます。
ヒアルロン酸自体は半年〜1年で吸収されてしまいますが、併用した場合はその間に自分の組織が作られるため、吸収された後もある程度の効果が続くと考えられています。
サブシジョンにヒアルロン酸併用がおすすめな方

- ニキビは落ち着いているが、凹みだけが残っている方
- ローリング型、浅めのクレーターが多い方
- 少しでも早く見た目の変化を感じたい方
治療の回数をなるべく抑えつつ、早期にクレーターの改善を目指したい方に適した選択肢となります。
施術の流れ
1.診察・治療計画のご提案
まずは肌の状態やニキビ跡の深さを丁寧に確認します。
使用する針(カニューレまたは鋭針)の種類や、ヒアルロン酸併用の有無も含めて、一人ひとりに適した治療計画をご提案します。
2.局所麻酔・施術
局所麻酔を注入してから処置を行うため、施術中の痛みはほとんどありません。最初の麻酔注入時のみ、軽い痛みを感じることがあります。
その後、医療用の細い針を皮膚の下に挿入し、硬くなった組織を切断していきます。症状に応じて針を使い分け、必要に応じてヒアルロン酸などの薬剤を併用して仕上げます。
3.施術後の過ごし方
当日から化粧や日焼け止めの塗布が可能ですが、針穴や施術部位は避けてください。
直後に紫色や黄色の内出血が出ることがあるものの、通常1〜2週間で徐々に落ち着いていきます。洗顔時は患部をこすらず、やさしく洗うようにしましょう。
効果が出るまでの経過(0日〜3カ月)

効果が出るまでの一般的な経過や、施術後のダウンタイムについて時期別に解説します。
治療直後〜2週間
施術直後から赤みや内出血、腫れが見られるものの、1~2週間ほどで自然に落ち着いていくのが一般的です。
麻酔が切れた後に鈍痛を感じたり、施術部位の動かしにくさを覚えたりすることもあります。
- 洗顔やシャワー、保湿は当日から可能
- 日焼け止めやメイクは、施術部位と針穴部分のみ当日は控える
- 入浴や激しい運動、サウナ、飲酒などは腫れが引くまで避ける
血行を促進する行為は内出血や腫れを悪化させる可能性があるため、術後は安静に過ごすことが大切です。
1カ月前後
組織の修復が進み、効果を感じやすいタイミングとなります。経過を見ながら、必要に応じて2回目の施術を検討しましょう。
1〜3カ月
サブシジョン単独の効果は1カ月の時点から3ヶ月程度でさらに効果が上がることがあります。組織再生が進むためです。
ヒアルロン酸を併用した場合は、3カ月ほどでヒアルロン酸が徐々に吸収されて一度平坦化していくケースもあります。そのあとで組織再生が進み、後でより効果を実感できる場合があります。
ヒアルロン酸が体に吸収された後もある程度の状態が保たれるため、肌の変化を確認しながら施術を継続するかどうかを医師と相談して判断します。
症例紹介
症例1.頬にあるニキビ跡の凹みの症例

| 治療内容 | ヒアルロン酸併用ありのサブシジョン |
| 治療期間・回数 | 約3カ月・1回 |
| 費用 | サブシジョン2x2cm 22,000円(税込)を右頬で2箇所サブシジョンヒアルロン酸追加2x2cm 22,000円(税込)を右頬で2箇所 総額88,000円(税込) |
| リスク・副作用 | むくみ、鈍痛、内出血、瘢痕形成、感染 |
| 担当医師コメント | かなり深いローリング型とボックスカー型が混在したニキビ跡でしたが、ヒアルロン酸併用ありのサブシジョンを1回行い、その3カ月後にはかなり平坦になりました。3カ月が経ちヒアルロン酸はある程度吸収されていますが、深い凹みがなくなっています。 このように凹凸が大きいニキビ跡では、サブシジョン単独よりもヒアルロン酸併用が効果を発揮します。 サブシジョンは長く鈍い針のカニューレで行い、使用したヒアルロン酸の量は0.4cc。サブシジョンはなだらかで広い範囲のローリング型のへこみに一番いい適応ですが、この症例のようにオーバーラップしているボックスカー型も同時に浅くできることが多いです。 |
症例2.コメカミにある深いニキビ跡の凹みの症例

| 治療内容 | コメカミにニキビ跡の凹みがみられた患者様です。他院でダーマペンの施術を複数回受けても、効果が実感できないとお悩みでした。当院では、サブシジョンとヒアルロン酸の併用施術を1回実施して、約4カ月後には、写真右側のように深い凹みが目立ちにくくなりました。 |
| 治療期間・回数 | 約4カ月・1回 |
| 費用 | ・サブシジョン(2x2cmごとに)22,000円(税込)/回・サブシジョンにヒアルロン酸を追加 (2x2cmごとに)22,000円(税込)/回総額:44,000円(税込)(※サブシジョン・ヒアルロン酸治療は、公的医療保険が適用されない自由診療(自費)です。) |
| リスク・副作用 | むくみ、鈍痛、内出血、瘢痕形成、感染 |
| 担当医師コメント | 長く鈍い針のカニューレを使ったサブシジョンを1回、ヒアルロン酸0.2ccを同時に使って施術しました。一度で強い効果を実感したい場合はヒアルロン酸の併用がオススメです。 すでに4カ月経ってヒアルロン酸の大部分は吸収されていますが、効果は持続しています。クレーターが深い場合はヒアルロン酸を追加するとより効果的で、半年ほどしてヒアルロン酸が体に吸収されても効果がある程度持続することが知られています。 その理由は ・ヒアルロン酸自体にコラーゲン産生を促す作用があるから ・ヒアルロン酸であいたスペースに自分の組織ができて置き換わるから ・ヒアルロン酸が一定期間存在することで、切った組織の再癒着を防ぐから この3つと考えられています。 |
症例3.コメカミと頬にある深いニキビ跡の凹みの症例


| 治療内容 | 左コメカミと左頬に深いニキビ跡の凹みがあった患者様です。他院でフラクショナルレーザーの施術を受けても、効果が実感できないとお悩みでした。 当院ではサブシジョンにヒアルロン酸を併用して左コメカミと左頬にそれぞれ4回施術して、さらにコメカミだけに追加でサブシジョン単独の施術を1回しました。施術してから約1年4カ月後には、写真右側のように深い凹みが目立たなくなりました。 |
| 治療期間・回数 | 約1年4カ月・5回 |
| 費用 | ・サブシジョン(2x2cmごとに)22,000円(税込)/回 ・サブシジョンにヒアルロン酸を追加 (2x2cmごとに)22,000円(税込)/回上記を2箇所で4回 ・サブシジョン(2x2cmごとに)22,000円(税込)/回上記を1箇所で1回 総額:374,000円(税込)(※サブシジョン・ヒアルロン酸治療は、公的医療保険が適用されない自由診療(自費)です。) |
| リスク・副作用 | むくみ、鈍痛、内出血、瘢痕形成、感染 |
| 担当医師コメント | 写真のように深いクレーターの場合はポテンツァやダーマペンだけで平坦にするのは難しい。サブシジョンを使ってニキビ跡で硬くなった組織を皮膚の下から切り、上に押し上げると効果的です。 今回の患者様のようにヒアルロン酸を同時に使うことで一回あたりの効果をさらに上げることが可能です。サブシジョンで深いニキビ跡を改善させてからのほうが、キュアジェット、トライフィルプロ、ポテンツァやダーマペンなど肌表面の治療効果も上がります。 |
池袋駅前のだ皮膚科のサブシジョン治療の特徴

当院では、先端が丸みを帯びたカニューレと呼ばれる針を使用する方法を主に採用しています。

従来の鋭い針に比べて、内出血のリスクを抑えやすいのが特徴です。
カニューレを基本としながらも、部位や範囲によっては鋭い針を選ぶなど、肌の状態に応じて適切に使い分けています。その上で、ニキビ跡の形や深さを確認し、ヒアルロン酸を併用すべきかどうかをご提案します。
患部の状態によっては、サブシジョン単独よりもキュアジェットやトライフィルなど他の施術と組み合わせることで、より治療の成果を実感しやすくなる場合があります。
当院では豊富な症例経験を持つ医師が施術を担当し、一人ひとりに適した治療方針を選べる体制を整えています。
当院のサブシジョン治療について、さらに詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。

料金
すべて自由診療(保険適用外)
| 治療内容(単位:2×2cmごとに) | 料金(税込) |
| サブシジョン(単独) | 22,000円 |
| ヒアルロン酸追加 | 22,000円追加 |
| ジュベルック・レニスナ・リジュランS追加 | 22,000円追加 |
| キュアジェット追加 | 22,000円追加 |
よくある質問

Q.サブシジョン後にヒアルロン酸は必要ですか?
必須ではありませんが、ニキビ跡の深さや程度によって検討しましょう。
1回での変化を大きくしたい場合や、治療回数を抑えたい場合には併用がおすすめです。
Q.ヒアルロン酸のみでクレーター治療はできますか?
ヒアルロン酸の注入のみで改善を目指せるケースもあります。しかし、皮膚組織の癒着を伴う深いクレーターは、サブシジョンなどを組み合わせた方が変化を感じやすいと考えられています。
凹みの形や深さでも変わりますので、一度皮膚科で診察することをおすすめします。
Q.サブシジョンとヒアルロン酸の併用は何回するのがいいですか?
サブシジョン自体は一般的に3回前後が目安です。
1回で変化を感じたい場合、治療回数を少なくしたい場合にヒアルロン酸併用を1〜2回組み合わせます。
最適な回数はクレーターの深さ・範囲・希望によって変わるため、診察で相談しながら決めましょう。
副作用・禁忌
サブシジョンの経過や効果には個人差があります。
気になる症状がみられた方は、すみやかに医師へご相談ください。
■副作用・リスク
施術前に局所麻酔をするため、麻酔が切れた後に鈍痛を感じる場合があります。
内出血や赤み、腫れが出ることも多くありますが、通常1~2週間ほどで自然に消失します。
■注意点
洗顔、シャワー、保湿は当日から可能です。
日焼け止めとメイクは、施術部位と針穴を除いて当日から行えます。
血行が良くなると腫れが長引く恐れがあるため、施術当日の激しい運動や過度な飲酒、サウナ、長時間の入浴はお控えください。
また、ケロイド体質の方はまれに皮膚が反応して厚みを帯びることがあります。
■禁忌
- 妊娠中の方
- 抗凝固薬を使用中の方
サブシジョン・ヒアルロン酸のニキビ跡治療は池袋駅前のだ皮膚科へ

サブシジョンは、ローリング型や深めのボックスカー型のニキビ跡などに適した治療法です。ヒアルロン酸を併用することで、凹みを内側から持ち上げ、再癒着を防ぐ効果が期待できます。
長引くニキビ跡や肌の凸凹にお悩みの方は、当院へお気軽にご相談ください。
未承認医薬品の表示
・サブシジョンについて
未承認医薬品等
サブシジョンのカニューレは医薬品医療機器等法上の承認を得ていない未承認医療器機です。
・入手経路等
韓国のACE MEDICAL社から個人輸入しています。
・国内の承認機器の有無
同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。
・諸外国における安全性等に係る情報
重大なリスク・副作用などが明らかになっていない可能性があります。
各論文・報告の引用元
[1]https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15841633/
[2]https://www.researchgate.net/publication/382026113_Prospective_Clinical_Trial_Demonstrating_the_Efficacy_of_Hyaluronic_Acid_Filler_for_the_Improvement_of_Atrophic_Facial_Scars_up_to_2_years
[3]https://www.researchgate.net/publication/376799377_An_Intra-Individual_Split-Face_Comparative_Study_Between_Subcision_with_Combination_of_Hyaluronic_Filler_and_Subcision_Alone_for_Treatment_in_Atrophic_Acne_Scars_An_Evaluator-Blinded_Randomized_Contro


