「イソトレチノインの乾燥はいつまで続くの?」「乾燥対策や注意点について知りたい」とお考えの方はいませんか?
イソトレチノインによる副作用の乾燥は、服用している間は基本は続きます。乾燥の程度は個人差が大きく、てかりが減ってよかったという程度の方もいれば、乾燥が強くて減量しないと継続が難しい場合もあります。乾燥の症状は、内服を減量もしくは中止することでおさまります。
この記事では、イソトレチノインの乾燥が続く期間、乾燥する理由、乾燥対策のポイント、効果や服用における注意点について解説します。
目次
イソトレチノインの乾燥が続く期間
ここでは、イソトレチノインの副作用の乾燥がどのくらいの期間続くのか解説します。
乾燥はしばらく続く?
イソトレチノインによる乾燥の副作用は、服用している期間中は続きます。そして、治療を中止すると通常回復します。
乾燥するのは一番目立つのが唇で、ほか顔や頭、手などで乾燥を実感しやすいです。ほかにも全身の皮膚、鼻や眼の粘膜が乾燥することがあります。
唇が乾燥すると口唇炎や口角炎、鼻粘膜が乾燥すると鼻血、眼球結膜が乾燥するとドライアイの症状が出ることがあります。
乾燥が続く期間
内服中乾燥は続きますが、その程度には個人差があり続く期間は人によって違います。ほ
とんどの場合、内服を中止すると乾燥しなくなります。乾燥は通常用量に依存して起こるので、症状のひどい場合の対策の一つとしてあげられるのは、隔日や週2回投与などの減量です。
ただ自己判断での減量は避け、必ず医師に相談してください。
なぜ乾燥が起こる?
ここでは、副作用の乾燥が起こる理由について、説明します。
イソトレチノインで乾燥が起こる理由
イソトレチノインは、ニキビの原因である過剰な皮脂分泌を減らす効果を期待できるお薬です。
皮脂腺を退縮させる働きがあり、皮脂の分泌を減らすことができます。皮脂腺が退縮すると今までより皮脂の分泌量が減ります。そのため、乾燥していると感じるようになります。
乾燥はいつ頃から発生する?
イソトレチノインの皮脂分泌抑制作用は、服用開始からすぐに発生している可能性があります。しかし個人差があり、そうでない場合もあります。
効果を実感できない初期から発生するので、乾燥の副作用が強い場合、医師と相談の上、減量し継続して服用するのが大切です。
乾燥対策のポイント
イソトレチノインの乾燥には、セルフケアが大切です。
スキンケア
唇にはワセリン、肌にはローションやクリームなどを使って保湿しましょう。顔以外にも体全体が乾燥しやすくなるため、保湿剤はこまめに使うようにしてください。
当院ではオリジナルニキビ・酒さ専用の保湿剤を販売しています。
以下の記事には、野田医師開発の化粧品「ベーシックケアAZ」の解説がありますので、読んでみてください。
生活習慣を見直す
乾燥を予防するには、生活習慣の見直しが欠かせません。
乾燥肌を予防する入浴方法
入浴の方法次第では肌を乾燥させてしまうので、予防できる方法で入浴しましょう。
湯船の湯温は40℃以下、入浴時間は10分程度にします。保湿成分入りの入浴剤を使い、ナイロンタオルではなく、綿などの柔らかいタオルで優しく洗うようにしましょう。入浴後は肌に合った保湿剤を使うようにします。
イソトレチノインの効果
イソトレチノインには、以下のような効果があります。
ニキビ跡予防効果
イソトレチノインには皮脂の過剰な分泌を抑える作用があるので、早期ニキビを治療できニキビ跡を予防します。
難治性ニキビへの効果
イソトレチノイン以外の治療で期待した効果を実感できない難治性ニキビの場合には、有効な選択肢になります。
また、嚢胞性(のうほうせい)ざそうと呼ばれる重症のニキビに対して、海外ではイソトレチノインによる治療が推奨されています。
酒さへの効果
イソトレチノインは酒さへも有効です。塗り薬や抗生剤で治らない酒さには、試す価値があります。
治療期間の目安は4~6か月程度を1クールです。重症ニキビの場合は「50kgで毎日20㎎内服で10か月」など規定量の目安があります。
イソトレチノインの効果について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
服用における注意点
服用する場合には、以下のことに注意しましょう。
胎児の催奇形性がある
イソトレチノインは、妊娠の可能性がある方・妊娠中の方は服用できません。
また女性は最後の服用から1か月の避妊が必要です。
併用薬に注意する
イソトレチノインには、一緒に服用できないお薬があります。
- テトラサイクリン系の抗生物質:併用で頭痛を起こしやすい
- ビタミンA内服薬:併用で過剰症を起こしやすい
現在服用中のお薬が何なのか分からない方は、医師や薬剤師に相談してください。
施術の流れ
ビタミンA誘導体の一種であるイソトレチノインは、よく吸収されるように1日1回食後に服用します。
20㎎から治療開始
症状や体重に合わせて投与量は変わりますが、通常、20㎎から始めます。体重の重い男性などでは、40~60㎎で始める場合もあります。
乾燥の副作用が強い場合には減量も検討しますが、その場合には20㎎錠を1日おき、週2回などの方法で飲み続けます。
初期用量で効果がない場合は、増量する
最低4か月間は治療を続けます。ニキビができない場合には、2か月内服を継続し、治療終了とすれば再発防止が可能です。
治療開始1か月間は、一時的に症状が悪化する場合があります。
重症ニキビの場合は上記の規定量でより長めの6か月を1クールとして治療する
ほとんどの患者さまで内服から6か月で効果が期待できます。また治療期間が短いと、再発率が高くなることが知られています。
治癒してから投与量に関係なく2か月以上治療を続けることが重要です。治癒後にすぐ内服を終了すると再発が多くなります。必要に応じて、外用薬の併用も検討します。
費用
イソトレチノインの治療は、健康保険を使わない自由診療です。
イソトレチノイン(アクネトレント、20㎎/日)30日分の費用は、16,500円(税込)です。
リスク・注意点
リスク
12歳未満の小児、妊娠の可能性がある方や妊娠中の方、授乳中の方はイソトレチノインを服用できません。
また、イソトレチノインは以下のような副作用を起こす可能性があります。
- 胎児に先天異常、流産、早産、死産
- 皮膚の乾燥
- ひどい頭痛
- 目のかすみ
- めまい
- 吐き気やおう吐
- 脳卒中
- 下痢
- 筋力低下
- うつ、自殺などの精神症状
うつ、自殺などの精神症状については過去に報告がありましたが、2024年のアメリカのガイドラインでは因果関係は否定的とされています。
注意点
- 食後の方が吸収が良いので、食事の後に服用しましょう。
- 服用期間には個人差があり、また副作用は用量依存的です。必要以上に服用すると、副作用リスクが高くなる可能性があるので、医師の指示を守りましょう。
- 男女どちらも服用中、そして最後の服用から半年間は、献血は控えてください。
- 紫外線の影響を受けやすいため、日焼け止めクリームの塗布、帽子の着用などの紫外線対策を十分にしてください。
イソトレチノインに関するご相談、治療なら池袋駅前のだ皮膚科へ
この記事では、イソトレチノインの乾燥が続く期間、乾燥する理由、乾燥対策のポイント、効果、服用における注意点について解説してきました。
イソトレチノインによる副作用の乾燥は、服用している間中は続いてしまうかもしれません。治療中止で治りますが、一部は中止後も続きます。スキンケアや生活習慣を見直して、乾燥を予防しましょう。
<イソトレチノインについて>
・未承認医薬品等(異なる目的での使用)
イソトレチノインは、医薬品医療機器等法上において国内で承認されていません。
・入手経路等
インドのCipla社から個人輸入しています。
個人輸入された医薬品等の使用リスクに関する情報はこちらのページ、
イソトレチノインの個人輸入についての厚生労働省の注意喚起はこちらのページをご確認ください。
・国内の承認医薬品の有無
国内で同程度の効能・効果で承認されている国内承認医薬品薬剤はありません。
・諸外国における安全性などに係る情報
米国のFDA(食品医薬品局)など諸外国で承認されています。胎児の催奇形性、鬱、精神病などの精神疾患の副作用も報告されています。
・医薬品副作用被害救済制度について
万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。