イソトレチノインの副作用は怖い?注意すべき副作用を紹介

イソトレチノインはビタミンAの誘導体で、ニキビ・ニキビ跡、酒さ(赤ら顔)、毛穴の開き、毛穴の黒ずみなどのお悩みにアプローチする飲み薬です。
米国などの諸外国では保険適用として使われている薬ですが、日本では公的医療保険が適用されない自由診療です。

保険適用外の治療のため、なんとなくイソトレチノインが怖いというイメージを持っている方もいるのではないでしょうか。
ここではイソトレチノインが怖いと思う方のために、代表的な副作用や対処法、副作用を出さないための注意点などを紹介します。

イソトレチノインは怖い?代表的な副作用とは

イソトレチノインは幅広い症状に効果が期待できる成分です。
そのため副作用が出る範囲も広く、使用することでさまざまな副作用が出るかもしれません。

ここでは参考までに、イソトレチノインの代表的な副作用を一覧表で紹介します。
(※副作用の症状には個人差があり、すべての方に必ず副作用が出るわけではありません。)

皮膚症状乾燥、赤み、光線過敏症、ニキビの一時的な悪化、脱毛
乾燥 唇、皮膚、鼻粘膜の乾燥、乾燥からの鼻出血、ドライアイ
精神神経系うつ(以前の報告、現在は因果関係がはっきりしていない。内服による気分      変調があったばあいは内服終了を推奨)
器官障害採血上の肝機能異常(AST、ALTの上昇)、炎症性腸疾患、膵炎、筋骨格痛
聴覚障害耳鳴り、聞こえにくい
視覚障害夜間の視力低下、角膜混濁
妊娠 先天異常、奇形
その他めまい、頭痛、嘔気、嘔吐、倦怠感、疲労

イソトレチノインの副作用が出たときの対処法

イソトレチノインの副作用には、さまざまな種類が確認されています。
ここでは代表的なイソトレチノインの副作用と対処法について紹介します。

乾燥(唇の乾燥、肌の乾燥、鼻出血、ドライアイなど)

肌の乾燥が気になるときには、唇にはワセリンを、肌にはローションやクリームなどの保湿剤を塗布してください。
鼻や目なども含めて体全体が乾燥しやすくなるため、各種保湿剤はこまめに使用するようにしましょう。

当院ではニキビ・酒さ専用の保湿剤を販売しています。
詳しくは「ベーシックケアAZ」の公式サイトをご覧ください。

体の痛み(関節痛、筋肉痛、骨痛)

症状が軽度であれば服用を継続できます。
症状が重症なときには、医師にご相談ください。
医師の診察により、症状にあわせて減量や服用を中止するなどの対応が必要になるかもしれません。

脱毛

まれに抜け毛が増えるといわれています。
通常は服用を中止すると症状は回復します。
症状が軽度であれば服用を継続できます。
症状が強いときには、医師にご相談ください。
医師の診察により、症状にあわせて用法・用量の変更や服用を中止するなどの対応が必要になるかもしれません。

頭痛

まれに頭蓋内圧が亢進することで頭痛が起こります。
症状が軽度であれば減量により内服を継続できる場合もあります。
ただし症状によっては中止が必要な場合もあるため、まずは医師までご相談ください。

重篤な副作用(アナフィラキシーショック、視力低下、うつ病、幻覚、潰瘍性大腸炎など)

非常に稀ですがイソトレチノインの副作用として、重篤な副作用が報告されています。
服用中になんらかの激しい症状が出たときには、服用を中止してすぐに医師までご相談ください。

イソトレチノインの副作用を出さないために

イソトレチノインの副作用には、さまざまな種類が確認されています。
ここではイソトレチノインの副作用を出さないための注意点について紹介します。

催奇形性に注意する

イソトレチノインには、副作用として催奇形性が報告されています。
女性は服用期間中とその後1か月間は、必ず避妊をしてください。
またこの期間は授乳や献血も避けてください。

血液検査の異常を早期発見する

イソトレチノインの服用中は、まれに血液検査の異常が起こるといわれています。
当院では定期的な血液検査により、肝機能(AST、ALT)や脂質(コレステロール、中性脂肪)などの検査値異常を早期発見できるよう努めています。

個人輸入はしない

イソトレチノインはさまざまな効果が期待できる薬ですが、副作用の範囲も広く使用には注意が必要です。
そのためイソトレチノインを使うときには、事前に医師の診断を必ず受けましょう。
もしイソトレチノインを個人輸入して使用してしまうと、予測がつかないような副作用が起こってしまうリスクもあります。

イソトレチノインが向いている人

  • 繰り返しニキビができる方
  • 大型でしこりのあるニキビが多い方
  • ニキビ跡ができやすい方
  • 難治性のニキビがある方
  • 酒さのボツボツが気になる方
  • 他の酒さ治療で効果を実感できなかった方
  • 鼻瘤などの酒さ症状がある方
  • ニキビや酒さの影響でごわごわと厚ぼったい肌質の方
  • 毛穴の黒ずみが気になる方
  • 皮脂の過剰な分泌が気になる方

イソトレチノインはニキビ・ニキビ跡、酒さ、毛穴や皮脂などの肌悩みがある方に向いた治療です。
上記のような気になる症状がある方は、いつでもご相談ください。

イソトレチノインの効果

イソトレチノインには「皮脂の分泌を抑制する」、「毛穴の炎症を抑える」、「毛穴の異常を整える」という効果が期待できます。
ここではそれぞれについて詳しく紹介します。

皮脂の分泌を抑制する

イソトレチノインは皮脂を分泌している皮脂腺と呼ばれる組織を小さくする働きが期待できます。
皮脂腺を小さくすることで、過剰な皮脂の分泌を抑えて、ニキビや毛穴の開きなどの症状にアプローチします。

毛穴の炎症を抑える

炎症反応があると、肌に赤みが出やすくニキビ跡が残ってしまうかもしれません。
イソトレチノインは抗炎症作用が期待できる成分です。
毛穴の炎症を抑えて、ポツポツが目立っている酒さ(赤ら顔)やニキビ・ニキビ跡などの肌悩みに効果が期待できます。

毛穴の異常を整える

毛穴の異常(角化異常)があると、毛穴が角栓で詰まりやすくなり、角栓が酸化して黒ずみ毛穴が起こってしまいます。
イソトレチノインにより毛穴の異常が整うと、角栓が詰まりにくい肌状態を目指せるようになるのです。

イソトレチノインはこのような働きにより、ニキビ・ニキビ跡、酒さ(赤ら顔)、毛穴の開き、皮脂の過剰分泌などのお悩みにアプローチする治療です。

イソトレチノインの飲み方

基本的には1日1回食後に、1回1錠(20mg)から服用を開始します。

当院では一人ひとりの症状を確認しながら、治療を継続しやすいように投与量を調整しています。
そのため20mgの服用で期待した効果を実感しにくいときには、40mgに増量することもあります。

※ただし体重の多い方は、1日1回2錠(40mg)から開始することもあります。
また乾燥肌の方やアトピー性皮膚炎の既往歴がある方の場合には、隔日の服用で開始することもあります。

料金

イソトレチノインの治療は、公的医療保険が適用されない自由診療です。

<自由診療>

イソトレチノイン(イソトロイン)20mg/日30日分16,500円(税込)

イソトレチノインの副作用が気になる方は、池袋駅前のだ皮膚科へ

イソトレチノインはニキビ・ニキビ跡、酒さ(赤ら顔)、毛穴の開き、毛穴の黒ずみなどのさまざまな症状にアプローチする薬です。

ただし幅広い副作用症状が確認されているため、当院では定期的な血液検査などにより、副作用症状の早期発見に努めています。

イソトレチノインの副作用が気になる方は、お気軽に当院までご相談ください。

【池袋駅前のだ皮膚科 野田 真史 監修】

副作用・注意事項等

禁忌

  • 妊娠中、妊娠希望のある方、授乳中の方
    (※服用期間中と服用後1か月は妊娠できません。妊娠した場合はすぐに医師にご相談ください。)
  • 12歳未満の方
  • 強い肝機能障害のある方
  • ビタミンA過剰症の方
  • 過去にイソトレチノインでアレルギー症状を起こした方

副作用

唇や肌の乾燥、肝機能障害、関節痛、筋肉痛、骨の痛み、脱毛、頭痛、うつ病など

注意事項等

・次のような方はイソトレチノインの服用に注意が必要です。
(うつ病などの精神疾患で治療中の方、コレステロール・中性脂肪の高い方、テトラサイクリン系の薬剤を使用中の方)

・以下の副作用が出たときには、服用を中止して医師までご相談ください。
(うつ病、悪心・嘔吐、肝機能低下、視覚障害、聴覚障害、長時間の頭痛)

・イソトレチノインの服用中には以下のような副作用が出るかもしれません。
(口腔や口唇・皮膚の乾燥、頭痛、疲労、筋肉・関節・骨の硬直や圧痛、鼻出血、脱毛、かゆみなど)これらの気になる副作用が出たときには、「イソトレチノイン(イソトロイン)の副作用と対処法」の項目を参考に対処してください。
症状が改善しないときは医師までご相談ください。

<イソトレチノインについて>

・未承認医薬品等

イソトレチノインは、医薬品医療機器等法上において国内で承認されていません。

・入手経路等

インドのCipla社から個人輸入しています。

個人輸入された医薬品等の使用リスクに関する情報はこちらのページ(https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/index.html)をご確認ください。

イソトレチノインの個人輸入についての厚生労働省の注意喚起はこちらのページ(https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/kojinyunyu/050609-1b.html)をご確認ください。

・国内の承認機器の有無

国内で同程度の効能・効果で承認されている国内承認医薬品薬剤はありません。

・諸外国における安全性等に係る情報

米国のFDA(食品医薬品局)など諸外国で承認されています。
胎児の催奇形性、鬱、精神病などの精神疾患の副作用も報告されています。