イソトレチノインの好転反応はひどい?原因と対策を専門医が解説

ニキビを治したくてイソトレチノイン治療をしているけれど「好転反応がひどい…」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。イソトレチノイン治療の好転反応とは、治療開始初期にニキビが一時的に悪化することです。

本記事では、イソトレチノインによる好転反応がひどい原因や対策、いつまで続くのかについて詳しく解説します。

目次

イソトレチノインの好転反応とは?

鏡の前で頬に触れてほほえむ女性

好転反応とは、薬を服用してから一時的に症状が悪化することです。イソトレチノインを使用した場合、治療開始初期にニキビが一時的に悪化することがあるため、好転反応と呼ばれています。

出現する可能性は全体の2割程度で、通常は最初の1カ月程度で落ち着いてきます。

一方、副作用は薬の目的である治療効果以外に現れる望ましくない反応を指します。たとえば、イソトレチノインの場合は、皮膚の乾燥や唇のひび割れなどです。好転反応は治療が進むにつれて軽減することが多い点が副作用との違いです。

イソトレチノインによる好転反応がひどい3つの原因

鏡の前で口元に指を当てる女性

イソトレチノインによる好転反応がひどいといわれる原因は、主に以下の3つが挙げられます。

1. 治療開始時の肌の状態

イソトレチノイン治療は、肌の状態が敏感だったりニキビの炎症が強かったりする場合、好転反応がひどくなることがあります。とくに、毛穴に皮脂が多く詰まっていると一気に排出されるため、赤みや腫れなどが一時的に悪化することがあります。

研究によると、イソトレチノイン治療の開始初期における一時的なニキビの悪化(好転反応)は、患者の肌の状態と関連性があることがわかっています。[1]

治療開始前に肌の状態に応じたスキンケアの見直しや、医師によるアドバイスを受けることが大切です。

2. 薬の服用量

イソトレチノインの服用量が多いほど、皮脂分泌を抑制する効果が強く現れ、好転反応が目立つことがあります。臨床試験によれば、高用量(1mg/kg/日)で服用を開始した場合、治療初期にニキビが一時的に悪化した患者が多かったと報告されました。

一方、低用量(0.5mg/kg/日以下)の治療では、高用量と比較して好転反応の発生率が少ないことがわかっています。[2]

適切な薬の服用量は、患者さま一人ひとりの体重や症状に応じて医師が判断します。自己判断で服用量を変えず、医師の指示を守りましょう。

3. 間違ったスキンケア

間違ったスキンケアも、好転反応を悪化させる原因になります。刺激の強い化粧品は肌の炎症を悪化させるケースもあるため、注意してください。

たとえば、アルコールやピーリング効果のあるフルーツ酸(AHA)などの成分が含まれる製品は避けましょう。研究によると、刺激の少ないスキンケアは、一時的なニキビの悪化を抑える効果があることがわかっています。

また、正しいスキンケアを行った場合、治療を中断するケースが減少したと報告されています。[3]

イソトレチノインの好転反応がひどいときの対策

両手で頬を包んで目を閉じる女性

イソトレチノインの好転反応がひどいときは、以下のような対策をしましょう。

1. 治療プランを修正する

好転反応がひどいと感じたら、医師と相談し、治療計画の見直しを検討する必要があります。服用量や治療ペースを調整することで、一時的な症状の悪化や副作用を軽減しながら治療を続けられる可能性があります。[4]

2. スキンケアを見直す

イソトレチノイン治療中は、肌が乾燥しやすく刺激に敏感になるため、保湿を中心としたシンプルなケアを心がけることが大切です。研究によると、乾燥を防ぐセラミドや、抗炎症作用のあるナイアシンアミドなどの成分を含むスキンケアクリームが効果があるとして推奨されています。[3]

当院では、セラミドやナイアシンアミドを配合している保湿ケア製品を開発しています。詳しくは「ニキビ・酒さ用保湿薬 ベーシックケアAZ」をご覧ください。

イソトレチノインによる好転反応はいつまで続く?

研究によれば、イソトレチノインによる一時的なニキビの悪化は多くの場合、治療開始後2〜6週間の間に見られることがわかっています。治療が進むにつれて、症状が軽減していくと報告されています。[5]

ただし、患者さまの肌の状態や服用量などによっても異なるため、好転反応が長引く場合は、治療プランの見直しを含めて医師に相談しましょう。

イソトレチノインを使用した肌の変化については「【皮膚科医が解説】イソトレチノインの効果はいつから?治療後の肌の変化も紹介」で紹介しています。こちらもぜひ参考にしてみてください。

イソトレチノインの好転反応に関するよくある質問

イソトレチノインを使用すると、なぜ角栓が出てくるのですか?

イソトレチノインを使用すると、毛穴の奥に詰まっていた角栓や皮脂が表面に押し出されることがあります。この現象も好転反応の1つで、通常は治療が進むにつれて自然に解消されます。

ただし、症状が長引いている場合は、医師に相談しましょう。

イソトレチノインは一時的にニキビが悪化することはありますか?

一時的に悪化することがあります。約1~2週間後に症状が悪化し、1カ月程度で症状が改善していくことが多いです。

イソトレチノインの好転反応がひどいと悩んでいる方は池袋駅前のだ皮膚科へ

イソトレチノインは、治療開始初期に一時的な好転反応が現れることがあります。治療開始時の肌の状態や薬の服用量、間違ったスキンケアなどが主な原因です。好転反応がひどいときは、治療プランやスキンケアの見直しが大切です。

池袋駅前のだ皮膚科では、定期的な血液検査や診察により、好転反応や副作用の有無を観察しながら治療を行っています。イソトレチノインでニキビ治療をしているけれど好転反応がひどいと悩んでいる方は、まずは早めに専門医へご相談ください。

イソトレチノイン治療の詳細はこちら

副作用・禁忌

禁忌

  • 妊娠中、妊娠希望のある方、授乳中の方
    (※服用期間中と服用後1か月は妊娠できません。妊娠した場合はすぐに医師にご相談ください。)
  • 12歳未満の方
  • 強い肝機能障害のある方
  • ビタミンA過剰症の方
  • 過去にイソトレチノインでアレルギー症状を起こした方

副作用

唇や肌の乾燥、肝機能障害、関節痛、筋肉痛、骨の痛み、脱毛、頭痛、うつ病など

注意事項等

  • 次のような方はイソトレチノインの服用に注意が必要です。
    うつ病などの精神疾患で治療中の方、コレステロール・中性脂肪の高い方、テトラサイクリン系の薬剤を使用中の方
  • 以下の副作用が出たときには、服用を中止して医師までご相談ください。
    うつ病、悪心・嘔吐、肝機能低下、視覚障害、聴覚障害、長時間の頭痛
  • イソトレチノインの服用中には以下のような副作用が出るかもしれません。
    口腔や口唇・皮膚の乾燥、頭痛、疲労、筋肉・関節・骨の硬直や圧痛、鼻出血、脱毛、かゆみなど

これらの気になる副作用が出たときには、「イソトレチノインの副作用と対処法」の項目を参考に対処してください。症状が改善しないときは医師までご相談ください。

未承認医薬品等の表示

【参考文献】

[1]Vallerand, I., Lewinson, R., Farris, M., Sibley, C., Ramien, M., Bulloch, A., & Patten, S. (2018). Efficacy and adverse events of oral isotretinoin for acne: a systematic review. British Journal of Dermatology.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28542914

[2]Vallerand, I., Lewinson, R., Farris, M., Sibley, C., Ramien, M., Bulloch, A., & Patten, S. (2018). Efficacy and adverse events of oral isotretinoin for acne: a systematic review. British Journal of Dermatology.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28542914

[3]Cannizzaro, M., Dattola, A., Garofalo, V., Del Duca, E., & Bianchi, L. (2018). Reducing the oral isotretinoin skin side effects: efficacy of 8% omega-ceramides, hydrophilic sugars, 5% niacinamide cream compound in acne patients. Giornale Italiano di Dermatologia e Venereologia.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29564872

[4]Landis, M. (2020). Optimizing Isotretinoin Treatment of Acne: Update on Current Recommendations for Monitoring, Dosing, Safety, Adverse Effects, Compliance, and Outcomes. American Journal of Clinical Dermatology, 21, 411-419.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32107726

[5]Mobacken, H. (2021). Treatment with low-dose isotretinoin is effective for patients with moderate inflammatory acne. Lakartidningen, 118.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34672357

[6]Sadeghzadeh-Bazargan, A., Ghassemi, M., Goodarzi, A., Roohaninasab, M., Nobari, N., & Behrangi, E. (2020). Systematic review of low‐dose isotretinoin for treatment of acne vulgaris: Focus on indication, dosage, regimen, efficacy, safety, satisfaction, and follow-up, based on clinical studies. Dermatologic Therapy.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33085149

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この記事を書いた人

野田真史のアバター 野田真史 池袋駅前のだ皮膚科 院長

医学博士 / 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医

東京大学医学部卒業、同大学院医学博士課程修了。米国ロックフェラー大学への臨床・研究留学、ニューヨーク州医師免許取得を経て、東京大学医学部附属病院助教を務める。2018年、池袋駅前のだ皮膚科を開院。

ニキビやシミといった身近な悩みから難治性の皮膚疾患まで、常に知識を研鑽し、適切な診断・治療を行うことを信条としている。

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