白斑(はくはん)は、皮膚の色をつくる細胞(メラノサイト)がはたらかなくなり、皮膚の一部が白く色抜けする病気です。痛みやかゆみはほとんどありませんが、見た目のお悩みから治療を希望される方が多くいらっしゃいます。
当院では、乾癬治療にも用いるナローバンドUVB・エキシマライトといった光線療法の機器を備えており、外用薬と光線療法を組み合わせて白斑の治療を行うことができます。ここでは、白斑の原因・種類・似た病気との見分け方・放置したときの経過・治療まで、くわしく解説します。
白斑とは
白斑は、皮膚の色素をつくるメラノサイトのはたらきが低下・消失することで、皮膚が部分的に白く抜けてみえる状態です。境界がはっきりした白い斑が、顔・手・足・体など、どこにでもあらわれます。最も多いのは「尋常性白斑(じんじょうせいはくはん)」で、年齢や部位を問わずみられます。
白く抜けた部分はメラニンによる紫外線からの守りが弱く、日焼けで赤くなりやすいため、日常の紫外線対策も大切です。痛みやかゆみはほとんどなく、うつる病気でもありません。
白斑の原因・なりやすい人
尋常性白斑の原因は完全には解明されていませんが、自分の免疫がメラノサイトを攻撃してしまう「自己免疫」の関与が有力と考えられています。
甲状腺の病気(橋本病・バセドウ病など)や、ほかの自己免疫の病気を合併することがあり、家族に白斑のある方は、なりやすい傾向があるともいわれます。また、強くこすれた部分や傷ついた部分に新たに白斑が出ること(ケブネル現象)もあり、ストレスや日焼けが引き金になることもあります。
- 家族に白斑のある方がいる
- 甲状腺の病気など、ほかの自己免疫の病気がある
- 皮膚をこすったり傷つけたりすることが多い
- 強いストレス・日焼けのあとに気づいた
白斑の種類
白斑は、白い部分の広がり方によって大きく分けられます。
非分節型(尋常性白斑)
体の左右にわたって、不規則に白斑があらわれるタイプです。最も多くみられ、徐々に広がったり、数が増えたりすることがあります。
分節型
体の片側に、帯状・限局的に白斑があらわれるタイプです。比較的若い年代に多く、早い段階で範囲が定まることが多いとされています。
似た病気との見分け(白い斑点の種類)
皮膚が白くなる状態には、尋常性白斑のほかにもいくつかの種類があり、それぞれ原因や対応が異なります。自己判断が難しいため、気になる白い斑点は皮膚科で診断を受けることをおすすめします。
老人性白斑
加齢にともなって、体や手足に数ミリの小さな白い点が増えるものです。良性で、治療は基本的に必要ありません。尋常性白斑とは別のものです。
癜風(でんぷう)
マラセチアというカビ(真菌)による、淡い色の斑です。胸や背中にでき、季節によって目立ちます。抗真菌薬で治療します。
はたけ(顔の単純性粃糠疹)
お子さんの頬などにできる、乾燥による白っぽい斑です。乾燥肌やアトピーに関連し、保湿で改善することが多いものです。
爪の白い点(爪甲白斑)
爪にできる白い点で、多くは爪の軽い傷によるもので無害です。皮膚の白斑とは別のものです。
なお、授乳中に乳首にできる白い点(いわゆる「白斑」)は、母乳の出口が一時的にふさがれたもので、ここで扱う皮膚の白斑とは別のものです。
白斑をそのままにするとどうなる
尋常性白斑は、自然に治ることは多くなく、放っておくと白斑の範囲が広がったり、数が増えたりすることがあります(とくに非分節型)。経過には個人差があり、ゆっくり進む方もいれば、ある時期に急に広がる方もいます。
白斑は、できてから時間がたつほど色素の回復が難しくなる傾向があり、早い段階から治療を始めたほうが効果が期待しやすいとされています。「広がってきた気がする」「白い部分が気になる」という段階で、早めにご相談ください。
白斑の治療
白斑の治療は、メラノサイトのはたらきを取り戻し、色素の回復をうながすことを目的に行います。外用薬と光線療法を組み合わせるのが基本です。
外用薬
炎症や免疫の異常を抑える塗り薬を使います。ステロイド外用薬、タクロリムス軟膏(免疫を調整する塗り薬)、活性型ビタミンD外用薬などを、部位や状態に合わせて使い分けます。顔やデリケートな部位には、刺激の少ない薬を選びます。
光線療法(ナローバンドUVB・エキシマライト)
白斑の治療では、紫外線を当ててメラノサイトのはたらきをうながす光線療法が有効です。当院では、広い範囲に当てられる「ナローバンドUVB」と、一部分にピンポイントで当てられる「エキシマライト」の両方を備えており、白斑の部位や広がりに合わせて使い分けます。
光線療法は、回数を重ねることで効果が出やすくなる治療です。すぐに色が戻るものではなく、数か月単位で根気よく続けることが大切で、外用薬と組み合わせて治療していきます。
受診の目安
「皮膚の一部が白く抜けてきた」「白い部分が少しずつ広がっている気がする」「左右にいくつか白い斑がある」といった場合は、白斑の可能性があります。白斑は早めに治療を始めたほうが色素の回復が期待しやすいため、気になったら早めにご相談ください。
当院では、白斑かどうかの診断(必要に応じてダーモスコピーや、ウッド灯という特殊な光での確認、血液検査など)から、外用・光線療法による治療まで対応します。
よくあるご質問
- 白斑は治りますか?
-
部位や経過によりますが、外用薬と光線療法を根気よく続けることで色素の回復が期待できます。特に早い段階からの治療が効果につながりやすいとされています。
- 白斑をほっとくとどうなりますか?
-
尋常性白斑は自然に治ることは少なく、放っておくと範囲が広がったり数が増えたりすることがあります。時間がたつほど色素の回復が難しくなるため、早めの治療をおすすめします。
- 老人性白斑とは違うのですか?
-
違います。老人性白斑は加齢でできる小さな白い点で、良性で治療は基本的に不要です。尋常性白斑は色素細胞のはたらきの低下による病気で、広がることがあり治療の対象になります。見分けには診察が役立ちます。
- 白斑はうつりますか?
-
うつりません。色素細胞のはたらきの低下による病気で、人に感染することはありません。
- 子どもの白斑も治療できますか?
-
はい。お子さんの白斑も、外用薬や光線療法で治療できます。年齢や部位に配慮して、無理のない方法を選びます。乾燥による白っぽい斑(はたけ)など別の状態のこともあるため、まず診断を受けるとよいでしょう。
- 日焼け止めは必要ですか?
-
白斑の部分は紫外線に弱く赤くなりやすいため、日常の紫外線対策は大切です。治療としての光線療法とは別に、日焼け対策を行いましょう。
白斑は、外用薬と光線療法を組み合わせて根気よく治療することで改善が期待できます。皮膚の色抜けが気になる方は、ナローバンドUVB・エキシマライトを備えた池袋駅前のだ皮膚科までご相談ください。
院長紹介

野田 真史

学歴・資格
東京大学医学部医学科卒業
皮膚科専門医(日本皮膚科学会認定)
医学博士(東京大学大学院医学系研究科)
ニューヨーク州医師免許
ECFMG certificate(アメリカ医師国家試験合格証)
Master in translational science(米国ロックフェラー大学)
略歴
米国Northwestern大学、Thomas Jefferson大学で診療研修
米国ロックフェラー大学
Instructor in Clinical Investigation
兼 Associate Attending Physician
ニューヨーク州医師免許を取得し、診療にあたる
湿疹、アトピー性皮膚炎、乾癬、円形脱毛症の研究に従事し、Master in translational science(MSc)取得





