乾癬の標準治療

乾癬の治療は、まず塗り薬で症状を抑えることが基本です。範囲が広い場合や塗り薬だけでは効果が不十分な場合には、光線療法や飲み薬を組み合わせて、段階的に治療を強めていきます。

当院では、東大病院で乾癬外来を担当していた院長が、患者さんの症状や生活に合わせて、保険診療の範囲で適切な治療をご提案します。ここでは乾癬の標準的な治療(塗り薬・飲み薬)について、くわしく解説します。

目次

乾癬治療の基本的な考え方

乾癬の治療は、症状の重さや範囲に応じて段階的に選びます。一般に、軽症〜中等症ではまず塗り薬(外用療法)が中心となり、範囲が広い・塗り薬で効果が不十分な場合に、光線療法や飲み薬を加えていきます。

関節炎をともなう場合や、塗り薬・飲み薬・光線療法でも十分にコントロールできない難治例では、生物学的製剤(注射)が検討されます。それぞれの治療には特徴があり、組み合わせることでより高い効果が期待できます。

乾癬は慢性の病気のため、症状が落ち着いても急に治療をやめると再発しやすくなります。状態に合わせて治療を続け、調整していくことが大切です。

塗り薬(外用療法)

乾癬治療の基本は塗り薬です。主に「ビタミンD」と「ステロイド」の2種類を、症状や部位に合わせて使い分けます。

ビタミンD外用薬

皮膚の過剰な新陳代謝を整えて、正常な皮膚を作りやすくする塗り薬です(オキサロール、ドボネックス、ボンアルファハイなど)。毎日続けても副作用が出にくく、長く使う治療に向いています。効果が出るまでに数週間かかることがあります。

ステロイド外用薬

皮膚の炎症をすばやく抑える塗り薬です(デルモベート、アンテベート、フルメタなど)。効果が高いため、悪化したときや赤みが強いときに使うことが多く、強さを症状や部位に合わせて選びます。顔や皮膚の薄い部分には弱めのものを使うなど、使い分けが大切です。

配合剤(ビタミンD+ステロイド)

ビタミンDとステロイドが1つになった塗り薬(ドボベット、マーデュオックスなど)もあります。1日1回塗るだけで両方の効果が期待でき、それぞれ別に塗るより塗りやすく、続けやすいのが利点です。

塗り薬を上手に使うコツ

乾癬の塗り薬は、症状のある部分にきちんとした量を塗ることが大切です。よくなったからと自己判断でやめると再発しやすいため、医師の指示に沿って、塗る回数や薬を調整しながら続けましょう。

光線療法(紫外線治療)

塗り薬で効果が不十分な場合や、範囲が広い場合には、紫外線を当てる「光線療法」が有効です。紫外線には、乾癬で過剰になっている免疫反応を抑えるはたらきがあります。

当院では、半身に広く当てられる「ナローバンドUVB」と、一部にピンポイントで当てる「エキシマライト」の両方を備え、症状の範囲に合わせて使い分けています。最低でも週1回、可能な方は週2〜3回の頻度で続けることで効果が出やすくなります。保険診療で受けられます。

飲み薬(内服療法)

全身に症状が出ている場合や、塗り薬・光線療法で効果が不十分な場合には、飲み薬を使うことがあります。主に「ビタミンA誘導体」「免疫抑制剤」「PDE4阻害薬」などがあります。

ビタミンA誘導体

皮膚の細胞が過剰に作られるのを抑えます。代表薬は「チガソンカプセル(一般名:エトレチナート)」です。

免疫抑制剤

乾癬で過剰に働いている免疫反応を抑えます。代表薬は「ネオーラルカプセル(一般名:シクロスポリン)」です。

PDE4阻害薬

炎症を引き起こす物質が作られにくくする飲み薬です。代表薬は「オテズラ錠(一般名:アプレミラスト)」で、事前の特別な検査が不要で比較的副作用が少ない薬です。なお、保険診療上の制約から、当院では積極的な処方は行っていません。

新しい飲み薬

近年は「ソーティクツ(TYK2阻害薬)」など新しい内服薬も登場しています。

シクロスポリンなど一部の飲み薬は、定期的な血液検査やモニタリングが必要です。事前検査や慎重な管理を要する内服が必要な場合は、大学病院などと連携して安全に治療を進めます。当院では外用薬と光線療法を中心に治療します。

注射治療(生物学的製剤)について

関節炎をともなう場合や、外用・内服・光線療法でもコントロールが難しい難治性〜重症の乾癬では、生物学的製剤(注射)が検討されます。効果が高い一方、定期的なレントゲン・血液検査などの管理が必要なため、当院では行わず、必要な患者さんは適切な大学病院へ紹介します。

よくあるご質問

塗り薬はいつまで続けますか?

乾癬は慢性の病気のため、症状が落ち着いても自己判断で急に中止すると再発しやすくなります。症状に応じて塗る回数や薬を調整しながら続けるのが基本です。医師の指示に沿って使いましょう。

ステロイドの塗り薬は不安です。

部位や症状に合った強さを正しく使えば、過度に心配する必要はありません。長く使う部分にはビタミンD外用薬を中心にするなど、副作用が出にくいよう工夫して処方します。

飲み薬は当院で処方できますか?

乾癬の内服薬は種類によって対応が異なります。定期的な検査やモニタリングが必要な薬や、保険診療上の制約がある薬は、大学病院などと連携して進めます。当院では外用薬と光線療法を中心に治療します。

塗り薬と光線療法は一緒にできますか?

はい。塗り薬と光線療法を組み合わせることで、より高い効果が期待できます。症状に合わせて組み合わせをご提案します。

市販薬で治せますか?

乾癬は市販薬だけでコントロールするのは難しい病気です。診断と適切な処方が必要なため、皮膚科を受診してください。

乾癬は、塗り薬・飲み薬・光線療法を段階的に組み合わせることで、症状をしっかりコントロールできます。乾癬の治療をご希望の方は、池袋駅前のだ皮膚科までお気軽にご相談ください。

【池袋駅前のだ皮膚科|野田真史 監修】

院長紹介

池袋駅前のだ皮膚科院長 野田 真史
池袋駅前のだ皮膚科院長
野田 真史
池袋駅前のだ皮膚科院長 野田 真史


学歴・資格

東京大学医学部医学科卒業

皮膚科専門医(日本皮膚科学会認定)

医学博士(東京大学大学院医学系研究科)

ニューヨーク州医師免許

ECFMG certificate(アメリカ医師国家試験合格証)

Master in translational science(米国ロックフェラー大学)

米国ロックフェラー大学皮膚科 (Associate Attending Physician)


略歴

2007年
東京大学医学部医学科 卒業
2009年
東京大学医学部附属病院 初期研修修了
2009年 2014年
東京大学皮膚科に入局し、東京大学医学部附属病院、関東労災病院で皮膚科医として勤務
米国Northwestern大学、Thomas Jefferson大学で診療研修
2013年
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医取得
2014年
東京大学大学院医学系研究科卒業、医学博士
米国ロックフェラー大学
Instructor in Clinical Investigation
兼 Associate Attending Physician
ニューヨーク州医師免許を取得し、診療にあたる
湿疹、アトピー性皮膚炎、乾癬、円形脱毛症の研究に従事し、Master in translational science(MSc)取得
2016年
東京大学医学部附属病院 皮膚科 助教
2018年
池袋駅前のだ皮膚科 開院
目次