乾癬(かんせん)は、皮膚が赤く盛り上がり、表面が銀白色のかさぶた(鱗屑=りんせつ)でおおわれて、フケのようにポロポロとはがれ落ちる、慢性の皮膚の病気です。皮膚が赤くガサガサする病気としては、アトピー性皮膚炎の次に多いとされています。
頭皮、ひじやひざの外側など、刺激を受けやすい部位にできやすく、赤い部分と周りの境界がはっきりしているのが特徴です。命に関わる病気でも、人にうつる病気でもありませんが、見た目や日常生活への影響が大きいため、適切な治療でコントロールしていくことが大切です。ここでは乾癬の原因と5つのタイプ、アトピー性皮膚炎との違い、受診の目安を解説します。
乾癬とは
乾癬は、皮膚の新陳代謝(ターンオーバー)が異常に速くなる病気です。通常およそ4週間かけて生まれ変わる皮膚が、乾癬では数日という短さで次々と表面に押し上げられます。その結果、未熟な皮膚細胞がたまって赤い盛り上がりとなり、銀白色のかさぶたを作ってはがれ落ちます。
かゆみはある場合とない場合があり、個人差があります。大人になってから発症することが多く、慢性に経過して、良くなったり悪くなったりをくり返します。
乾癬は免疫の異常(自己免疫的な反応)が関わる病気で、生活習慣や体質、外からの刺激などが複雑にからみ合って起こると考えられています。
乾癬の原因
乾癬の直接的な原因はまだ完全には解明されていませんが、自己免疫反応が起きやすい遺伝的な体質をベースに、さまざまな要因が加わって発症・悪化すると考えられています。
発症・悪化に関わる主な要因
- 不規則な食生活・肥満
- 妊娠・出産などのホルモン変化
- 感染症(かぜ・扁桃炎など)
- 精神的・身体的ストレス
- 一部の薬剤
- 飲酒・喫煙
- 空気が乾燥しやすい冬場
- 皮膚への強い摩擦・刺激(こすれた部分に新たに出ることがある=ケブネル現象)
体質そのものを変えることは難しいですが、これらの誘因をできるだけ避けることで、症状の悪化を防ぎやすくなります。生活面の工夫については「乾癬の生活指導」のページもご参照ください。
乾癬の症状・5つのタイプ
乾癬には主に5つのタイプがあり、それぞれ特徴的な症状があらわれます。同じ方でも、経過のなかでタイプが変わることもあります。
尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)
乾癬の中で最も患者数が多く、約9割を占めるタイプです。皮膚が赤く盛り上がり、表面が銀白色のかさぶたでおおわれます。やがて皮がむけ、ガサガサとした手触りになり、フケのようにボロボロとはがれ落ちます。頭皮・ひじ・ひざ・腰・お尻などの、刺激を受けやすい部位にできやすいのが特徴です。
乾癬性関節炎(関節症性乾癬)
乾癬の方の約1割に発症するといわれ、手足の指やアキレス腱、背骨などに炎症・腫れ・痛みが起こります。皮膚症状がおだやかでも関節の症状が強いことがあり、進行すると関節の変形につながることもあるため、早めの対応が大切です。
膿疱性乾癬(のうほうせいかんせん)
皮膚の赤みや発熱とともに、膿がたまった膿疱(のうほう)が多数あらわれるタイプです。膿疱は血液中の白血球が集まってできたもので、細菌によるものではなく、他人にうつる心配はありません。体の一部にできることも、全身に広がることもあります。
滴状乾癬(てきじょうかんせん)
水滴のような小さな発疹が全身にあらわれるタイプです。かぜや扁桃炎などの感染症をきっかけに発症することが多く、お子さんや若い方にもみられます。再発をくり返すうちに、尋常性乾癬に移行することもあります。
乾癬性紅皮症(かんせんせいこうひしょう)
全身に尋常性乾癬の赤みやガサガサが広がり、発熱・悪寒・倦怠感などをともなう重い状態です。治療が不十分だったときや、感染症・薬剤などの影響で起こることがあり、専門的な治療が必要になります。
乾癬と間違えやすい病気・アトピーとの違い
乾癬は、湿疹やアトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、たむし(体部白癬)などと見分けにくいことがあります。とくにアトピー性皮膚炎とは、次のような違いがあります。
- できる場所 … 乾癬は頭皮・ひじやひざの「外側」/アトピーは顔・首・ひじやひざの「裏側」にできやすい
- 境界 … 乾癬は赤い部分と周りの境界がはっきり/アトピーははっきりしないことが多い
- 発症年齢 … 乾癬は大人になってから/アトピーは子どもの頃から始まることが多い
- かさぶた … 乾癬は銀白色の厚いかさぶたがフケのようにはがれる
見た目が似ていても治療法は異なります。当院では、こうした見分けも含めて正確に診断します。
受診の目安と治療
「赤くガサガサした発疹がくり返す」「フケのようなものがボロボロはがれる」「ひじ・ひざ・頭皮に境界のはっきりした赤みがある」「関節の痛みや腫れをともなう」といった場合は、乾癬の可能性があります。
乾癬は塗り薬を基本に、範囲や重症度に応じて光線療法・内服・注射(生物学的製剤)を組み合わせて治療します。当院では、東大病院で乾癬外来を担当していた院長が、ナローバンドUVBとエキシマライトを用いて専門的な保険診療を行います。
よくあるご質問
- 乾癬は人にうつりますか?
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うつりません。乾癬は免疫の異常による体質的な病気で、細菌やウイルスのように他人に感染することはありません。
- 乾癬は治りますか?
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体質に基づく慢性の病気のため「完全に治す」というより、症状をしっかり抑えてコントロールすることが治療の目標です。適切な治療を続ければ、症状がほとんど目立たない状態を保つことも十分可能です。
- かゆみはありますか?
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かゆみはある場合とない場合があります。強くかゆむ方もいれば、ほとんど気にならない方もいて、個人差があります。
- 乾癬は遺伝しますか?
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乾癬そのものが必ず遺伝するわけではありませんが、なりやすい体質は受け継がれることがあります。発症には生活習慣や環境などの要因も関わります。
- 放っておくとどうなりますか?
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悪化すると範囲が広がったり、関節炎や紅皮症など重い状態に進むことがあります。早めに診断・治療を始めることで、悪化を防ぎやすくなります。
- 爪や頭皮にも症状が出ますか?
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はい。頭皮はできやすい部位のひとつで、爪に変形やへこみ、にごりが出ることもあります(爪乾癬)。気になる場合はご相談ください。
乾癬は、正しい診断と段階的な治療で症状をコントロールできる病気です。赤くガサガサした発疹がくり返してお困りの方は、乾癬外来の経験が豊富な池袋駅前のだ皮膚科までお気軽にご相談ください。
院長紹介

野田 真史

学歴・資格
東京大学医学部医学科卒業
皮膚科専門医(日本皮膚科学会認定)
医学博士(東京大学大学院医学系研究科)
ニューヨーク州医師免許
ECFMG certificate(アメリカ医師国家試験合格証)
Master in translational science(米国ロックフェラー大学)
略歴
米国Northwestern大学、Thomas Jefferson大学で診療研修
米国ロックフェラー大学
Instructor in Clinical Investigation
兼 Associate Attending Physician
ニューヨーク州医師免許を取得し、診療にあたる
湿疹、アトピー性皮膚炎、乾癬、円形脱毛症の研究に従事し、Master in translational science(MSc)取得





