びまん性脱毛症

びまん性脱毛症は、髪の一部ではなく、頭全体が均等に薄くなっていくタイプの抜け毛です。「分け目が目立つ」「髪のボリュームが減った」「地肌が透けて見える」「抜け毛が増えた」といった変化が、頭部全体に広がります。

円形脱毛症のように一部分が抜けるのではなく、全体的に少しずつ進むため気づきにくいのが特徴です。女性に多くみられますが、男性にも起こります。背景に鉄欠乏や甲状腺の病気などが隠れていることもあるため、原因を見極めることが大切です。

ここではびまん性脱毛症の症状・原因・検査・治療・回復について、皮膚科専門医がくわしく解説します。

目次

びまん性脱毛症とは

「びまん性」とは「広い範囲に均等に広がる」という意味です。びまん性脱毛症は、頭全体の髪が一様に細く・少なくなり、地肌が透けて見えるようになる状態を指します。

女性に多くみられ、女性の薄毛(FAGA)もびまん性に進むタイプの一つです。男性のAGAのように生え際や頭頂部から後退するのではなく、全体的にボリュームが落ちるのが特徴です。

びまん性脱毛症の症状・気づき方

びまん性脱毛症は、特定の場所がはっきり抜けるわけではないため、気づきにくいのが特徴です。次のようなサインがみられます。

  • 抜け毛の量が増えた(シャンプー時・枕など)
  • 分け目の地肌が目立つようになった
  • 髪全体のボリュームが落ち、まとまりにくくなった
  • 髪が細く・やわらかくなってきた
  • 地肌が透けて見えるようになった

出産後や、ダイエット・体調の変化のあとに、数か月遅れて急に抜け毛が増える(進行が早いと感じる)こともあります。こうした場合は、休止期脱毛や鉄欠乏など、きっかけとなる原因が隠れていることがあります。

男性のびまん性脱毛症

びまん性脱毛症は女性に多いものの、男性にも起こります。男性の場合、生え際や頭頂部から進むAGAと、全体が薄くなるびまん性の変化が重なっていることもあります。

男性で全体的に薄くなってきた場合も、AGAだけと決めつけず、鉄欠乏・甲状腺・栄養不足・ストレスなど、ほかの原因が隠れていないかを確認することが大切です。原因に応じて、AGA治療や、背景の病気への対応を行います。

びまん性脱毛症の主な原因

びまん性脱毛症は原因が一つではなく、複数の要因が関わります。背景に体の病気が隠れていることもあるため、原因を調べることが大切です。

鉄欠乏(鉄欠乏性貧血)

鉄が不足すると、髪に必要な栄養が行き届かず、抜け毛が増えることがあります。月経のある女性や、ダイエットをしている方、20代の若い方にもみられます。

甲状腺の病気

甲状腺ホルモンの異常(機能低下症・亢進症)は、抜け毛やびまん性の薄毛の原因になります。

出産・ホルモンの変化

出産後や更年期など、女性ホルモンが大きく変化する時期に、抜け毛が増えることがあります。

加齢・女性型脱毛(FAGA)

加齢やホルモンの影響で髪が細くなり、全体のボリュームが落ちていきます。

栄養不足・急激なダイエット・ストレス・薬剤

極端な食事制限による栄養不足、強いストレス、一部の薬剤、膠原病などの病気が原因になることもあります。

検査・診断

びまん性脱毛症は、背景に体の病気が隠れていることがあるため、原因を見極めることが治療の第一歩です。当院では、頭皮や髪の状態を診察したうえで、必要に応じて血液検査(貧血・鉄(フェリチン)・甲状腺の数値など)を行い、抜け毛の背景を確認します。

原因がはっきりすると、それに合わせた対応ができます。たとえば鉄欠乏が見つかれば鉄を補い、甲状腺の病気が疑われれば適切な診療科と連携します。

びまん性脱毛症の治療

治療は、原因に応じて行います。鉄欠乏や甲状腺など背景の病気がある場合は、その治療を優先します(鉄欠乏には鉄剤の補充など、保険診療で対応します)。

女性ホルモンや加齢が背景にある女性型脱毛(FAGA)に対しては、髪の成長を助ける治療を行います。塗るタイプのミノキシジル外用薬や、内服薬(ミノキシジル、スピロノラクトン、パントガールなど)を、状態に合わせて用います。これらの薄毛治療は自由診療(自費)です。

自己判断で市販の育毛剤だけに頼るのではなく、まず原因を調べ、生活習慣や栄養の見直しとあわせて必要な治療を行うことが、改善への近道です。

回復について

びまん性脱毛症は、原因によって回復の見通しが異なります。鉄欠乏・甲状腺の病気・出産後の一時的な抜け毛など、原因がはっきりして改善できる場合は、原因が整うことで抜け毛が落ち着き、髪の回復が期待できます。

ただし、髪が育って戻ってくるまでには数か月単位の時間がかかります。また、FAGAや加齢が背景の場合は、治療を続けてボリュームの維持・改善を目指します。長く放置するより、早めに原因を調べて対応することが、回復につながりやすくなります。

自分でできるケア

  • バランスのよい食事で、鉄・たんぱく質・ビタミンをしっかりとる
  • 過度なダイエットを避ける
  • 十分な睡眠とストレスケアを心がける
  • 頭皮をやさしく洗い、清潔に保つ
  • 髪を強く引っ張る髪型を避ける

栄養不足やストレスは、びまん性脱毛症の悪化要因です。生活習慣を整えることが、治療とあわせて大切です。

よくあるご質問

びまん性脱毛症は治りますか?

原因によります。鉄欠乏・甲状腺・出産後など原因がはっきりして改善できる場合は、抜け毛の回復が期待できます。加齢やFAGAが背景の場合は、薄毛治療でボリュームの維持・改善を目指します。

男性でもびまん性脱毛症になりますか?

はい。女性に多いですが男性にも起こります。AGAと重なっていることもあるため、原因を見極めて治療します。

保険は使えますか?

原因となる病気(鉄欠乏・甲状腺など)の検査や治療には健康保険が適用されます。FAGAなど薄毛そのものの治療(ミノキシジル等)は自由診療(自費)です。

急に進行している気がします。

出産後やダイエット・体調の変化のあとに急に増えることがあります。鉄欠乏や甲状腺、休止期脱毛などが背景のことがあるため、早めに検査で原因を確認しましょう。

20代でもなりますか?

はい。若い方でも、鉄欠乏や急激なダイエット、ストレスなどで起こることがあります。

市販の育毛剤で改善しますか?

背景に病気がある場合、育毛剤だけでは十分でないことがあります。まず原因を調べることをおすすめします。

びまん性脱毛症は、原因を見極めることで適切な対応ができます。全体的な薄毛・抜け毛が気になる方は、池袋駅前のだ皮膚科までご相談ください。

【池袋駅前のだ皮膚科|野田真史 監修】

院長紹介

池袋駅前のだ皮膚科院長 野田 真史
池袋駅前のだ皮膚科院長
野田 真史
池袋駅前のだ皮膚科院長 野田 真史


学歴・資格

東京大学医学部医学科卒業

皮膚科専門医(日本皮膚科学会認定)

医学博士(東京大学大学院医学系研究科)

ニューヨーク州医師免許

ECFMG certificate(アメリカ医師国家試験合格証)

Master in translational science(米国ロックフェラー大学)

米国ロックフェラー大学皮膚科 (Associate Attending Physician)


略歴

2007年
東京大学医学部医学科 卒業
2009年
東京大学医学部附属病院 初期研修修了
2009年 2014年
東京大学皮膚科に入局し、東京大学医学部附属病院、関東労災病院で皮膚科医として勤務
米国Northwestern大学、Thomas Jefferson大学で診療研修
2013年
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医取得
2014年
東京大学大学院医学系研究科卒業、医学博士
米国ロックフェラー大学
Instructor in Clinical Investigation
兼 Associate Attending Physician
ニューヨーク州医師免許を取得し、診療にあたる
湿疹、アトピー性皮膚炎、乾癬、円形脱毛症の研究に従事し、Master in translational science(MSc)取得
2016年
東京大学医学部附属病院 皮膚科 助教
2018年
池袋駅前のだ皮膚科 開院
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