背中ニキビ・胸・お尻のニキビ

「背中のブツブツが気になって水着や背中の開いた服が着られない」「胸元のニキビが繰り返しできてしまう」「お尻にできものがあって座ると痛い」など、体にできるニキビにお悩みではありませんか。

顔のニキビに比べて、背中・胸・お尻にできるニキビは自分では見えにくく、気づいたときには悪化していたり、ニキビ跡として残ってしまうケースもあります。また、体のブツブツはニキビ(尋常性ざ瘡)だけではなく、マラセチア毛包炎や毛孔性苔癬など見た目が似ている別の疾患の可能性もあるため、皮膚科での正確な診断が大切です。

ここでは背中・胸・お尻にできるニキビの原因や特徴、当院で行っている治療法、日常生活での予防・対策方法などについて紹介します。

目次

背中・胸・お尻にニキビができる原因

体にできるニキビも、基本的な発生メカニズムは顔のニキビと同じです。毛穴に皮脂が詰まり、アクネ菌が繁殖して炎症を起こすことで赤いブツブツができます。しかし、体の部位ならではの悪化要因がいくつかあります。

皮脂分泌が多い

背中や胸は顔と同様に皮脂腺が多く、皮脂の分泌が活発な部位です。皮脂が毛穴に詰まることでニキビの原因となります。

汗や蒸れ

体は衣類で覆われているため、汗をかいた後に蒸れやすい環境です。汗と皮脂が混ざり合って毛穴を詰まらせたり、菌が繁殖しやすくなります。とくに夏場や運動後に悪化しやすい傾向があります。

衣類や寝具による摩擦

下着のゴムやブラジャーのストラップ、リュックサックのベルトなどによる摩擦は、肌への刺激となりニキビを悪化させます。また、寝具が清潔でない場合も背中ニキビの原因になります。

シャンプーやボディソープのすすぎ残し

髪を洗った際にシャンプーやコンディショナーが背中に流れ落ち、十分にすすがれないまま残ってしまうと、毛穴の詰まりを引き起こすことがあります。

ホルモンバランスの乱れ

ストレスや睡眠不足、不規則な食生活によってホルモンバランスが乱れると、皮脂の分泌が過剰になりニキビができやすくなります。生理前に体ニキビが悪化する女性も少なくありません。

洗いにくさ・ケアの届きにくさ

背中やお尻は自分の手が届きにくく、十分に洗えないことがあります。また塗り薬を自分で塗りにくいため、顔のニキビと比べて治療が遅れがちです。


体ニキビとマラセチア毛包炎の違い

背中や胸にブツブツができたとき、それが本当にニキビなのか、マラセチア毛包炎なのかを正しく見分けることが治療の第一歩です。

マラセチア毛包炎はニキビ(アクネ菌が原因)とは異なり、マラセチアという真菌(カビ)が原因で起こる毛穴の炎症です。ニキビ用の薬を使っても改善しないのはこのためです。

ニキビとマラセチア毛包炎の比較

ニキビ(尋常性ざ瘡)マラセチア毛包炎
原因アクネ菌(細菌)マラセチア(真菌・カビ)
できやすい部位顔、胸、背中背中、胸、肩、二の腕、お尻
見た目大きさがさまざま、白ニキビや赤ニキビなどが混在直径2〜3mmで均一な大きさのブツブツが多発
かゆみあまりないほとんどの場合かゆみあり
面皰(コメド)ありなし
悪化しやすい季節通年(ホルモンの影響が大きい)夏場(高温多湿で悪化)

「背中ニキビ」「胸ニキビ」と思っていた症状が、実はマラセチア毛包炎だったということは珍しくありません。ニキビ用の治療をしても改善しない場合や、かゆみが強い場合には、早めに皮膚科を受診してください。

部位別の特徴と注意点

背中ニキビ

背中は体の中でも皮脂腺が多い部位のひとつで、ニキビができやすい場所です。自分では見えにくいため、触って初めて気づいたり、他の人に指摘されて受診する方も多くいらっしゃいます。

背中ニキビの特徴として、広い範囲に多数のニキビができやすいこと、衣類の摩擦で炎症が悪化しやすいこと、ニキビ跡(色素沈着)が残りやすいことが挙げられます。

シャンプーやトリートメントのすすぎ残しが原因になることも多いため、入浴時は髪を洗ってから体を洗う順番にすると予防効果が期待できます。

胸ニキビ(デコルテニキビ)

胸元は皮脂分泌が活発で、汗もたまりやすい部位です。とくに夏場やスポーツ後に悪化しやすくなります。Vネックや胸元の開いた服を着るときに気になる方が多い部位です。

下着やネックレスによる摩擦・刺激が原因になることもあります。通気性のよい素材の下着を選ぶことや、汗をかいたらこまめに拭く・着替えるなどの工夫が有効です。

お尻ニキビ

お尻は長時間座ることで圧迫され、蒸れやすい環境になります。デスクワークの方や、通気性の悪い下着を着用している方に多く見られます。

お尻にできるブツブツはニキビだけでなく、毛包炎(毛穴の細菌感染)やおでき(せつ)、粉瘤(ふんりゅう)の可能性もあります。とくに痛みが強い場合や、しこりが大きくなっている場合は早めに受診してください。

粉瘤について詳しく知りたい方は「粉瘤(ふんりゅう、アテローマ)」をご覧ください。

当院の治療方法

背中・胸・お尻のニキビは、症状の程度や原因によって治療法が異なります。当院では皮膚科専門医が肌の状態を丁寧に診察し、ニキビなのかマラセチア毛包炎なのかを鑑別したうえで、適切な治療をご提案します。

保険診療

塗り薬(外用薬)

体のニキビにも、顔のニキビと同様の塗り薬を使用します。当院で処方している代表的な塗り薬は以下のとおりです。

  • 過酸化ベンゾイル(ベピオ): 抗菌作用があり、毛穴の角化や炎症を抑制します。背中など広い範囲にも使いやすいゲルタイプです。
  • レチノイド(ディフェリン): 毛穴の詰まりを改善し、新しいニキビができるのを予防します。
  • 抗菌薬(ダラシン、アクアチム、ゼビアックス): ニキビの原因菌が増えるのを抑えます。

背中など手が届きにくい部位には、ご家族に塗っていただくか、ローションタイプを処方することもあります。

飲み薬(内服薬)

ニキビの数が多い場合や炎症が強い場合は、塗り薬だけでは不十分なことがあります。そのようなときには抗菌薬の飲み薬を併用します。

  • ビブラマイシン: 抗菌作用ではなく抗炎症作用によりニキビの炎症を抑えます。4〜8週間の継続使用で効果を実感しやすくなります。
  • ルリッド・ミノマイシン: 症状に応じて処方します。

マラセチア毛包炎の場合

ニキビではなくマラセチア毛包炎と診断された場合には、抗真菌薬で治療を行います。

  • 塗り薬: ニゾラール(ケトコナゾール)を1日1〜2回患部に塗布します。
  • 飲み薬: 塗り薬だけで改善しない場合や、繰り返し症状が起こる場合には、イトラコナゾール(イトリゾール)などの内服抗真菌薬を処方することがあります。

自費診療

下記の治療は、特記されていない限り公的医療保険が適用されない自由診療(自費)です。

イソトレチノイン

塗り薬や抗菌薬の飲み薬で改善が乏しい場合には、イソトレチノインによる治療をご提案することがあります。皮脂分泌を抑え、毛穴の角化異常を改善する効果があり、海外では重症ニキビの第一選択薬として使われています。

通常は1回1カプセル(20mg)から服用を開始します。副作用として皮膚や唇の乾燥が見られることがあります。服用期間と服用後1か月間は妊娠できません。

※当院で使用しているイソトレチノイン(イソトロイン)は、医薬品医療機器等法上の承認を得ていない未承認医薬品です。当院では医師の判断のもと、個人輸入で購入しています。

スピロノラクトン

男性ホルモンを抑えることで皮脂分泌を抑えるはたらきがあり、ホルモンバランスが関係する体ニキビに効果が期待できます。

※スピロノラクトンは医薬品医療機器等法上、「高血圧症、浮腫など」の効能・効果で承認されていますが、ニキビ治療を目的とした使用については自費診療となります。当院では医師の判断のもと処方しています。

ケミカルピーリング

薬剤を肌に塗布し、硬くなった角質層を除去することで肌のターンオーバーを促進し、毛穴の詰まりを改善します。背中など広い範囲のニキビにも対応できます。2〜4週間隔で5回以上施術を繰り返すことで効果を実感しやすくなります。

ニキビ跡の治療

体のニキビ跡(色素沈着・赤み)が気になる場合には、以下のニキビあとの治療ページをご覧ください。

日常生活での予防・対策

体ニキビは日々の生活習慣やスキンケアの工夫で予防・改善が期待できます。

肌を清潔に保つ

運動後や汗をかいた後は、できるだけ早くシャワーを浴びましょう。すぐにシャワーが難しい場合は、汗拭きシートなどでこまめに拭くようにしてください。

入浴時は、シャンプーやコンディショナーを洗い流してから体を洗うと、すすぎ残しによる毛穴詰まりを防ぎやすくなります。

ボディソープは低刺激性のものを使い、ナイロンタオルでゴシゴシこすらないようにしましょう。手や柔らかいタオルで優しく洗うのがおすすめです。

衣類・寝具の選び方

  • 通気性のよい素材(綿やリネンなど)の衣類や下着を選びましょう。
  • 汗をかいたら早めに着替えるようにしてください。
  • 寝具(枕カバー、シーツ)はこまめに洗濯し、清潔に保ちましょう。

生活習慣の改善

  • 十分な睡眠を確保し、規則正しい生活を心がけましょう。
  • バランスのよい食事を意識し、脂っこいものや甘いものの過度な摂取は控えましょう。
  • ストレスは皮脂分泌を増加させる原因になるため、適度なリフレッシュを心がけてください。

やってはいけないこと

ニキビを自分で潰さないでください。細菌が広がって炎症が悪化したり、ニキビ跡が残る原因になります。

市販のニキビ用ボディソープで改善しない場合は、マラセチア毛包炎など別の疾患の可能性もあるため、早めに皮膚科を受診してください。

よくあるご質問

背中ニキビは保険診療で治療できますか?

はい、ニキビ(尋常性ざ瘡)の治療は保険適用です。塗り薬や飲み薬による治療を保険診療で行うことができます。マラセチア毛包炎も保険診療の対象です。ケミカルピーリングやイソトレチノインなど一部の治療は自費となります。

体のニキビとマラセチア毛包炎はどうやって見分けるのですか?

見た目だけでの判断が難しいこともあります。当院では医師が患部を丁寧に診察し、ブツブツの分布や形態、かゆみの有無などから総合的に判断します。必要に応じて顕微鏡検査でマラセチア(真菌)の有無を確認する場合もあります。

背中のニキビ跡はきれいになりますか?

ニキビ跡の状態(赤み・色素沈着・凹凸)によって改善の見込みは異なります。色素沈着は時間の経過とともに薄くなることもありますが、ピーリングや塗り薬を使用することで改善を早められる場合があります。まずは診察時にご相談ください。

市販の薬やボディソープで治りますか?

軽度のニキビであれば市販のケアで改善することもあります。ただし、ニキビが繰り返しできる場合や、かゆみがある場合は、マラセチア毛包炎など別の疾患の可能性があります。

市販のニキビ用薬は真菌には効かないため、改善しない場合は皮膚科での診察をおすすめします。

お尻のニキビは恥ずかしくて受診しにくいのですが…

お尻のできものは粉瘤や毛包炎などニキビ以外の疾患であることも少なくなく、皮膚科では日常的に診察している部位です。痛みがある場合や大きくなっている場合は早めの受診をおすすめします。

プライバシーに配慮して診察いたしますので、安心してご来院ください。

治療はどのくらいの期間かかりますか?

ニキビの症状や範囲によって異なりますが、塗り薬や飲み薬の効果を実感できる目安は治療開始から約2週間〜1か月です。炎症による色素沈着がある場合は、改善に3か月以上かかることもあります。根気よく治療を続けることが大切です。

背中・胸・お尻のニキビでお悩みの方へ

池袋駅前のだ皮膚科

体にできるニキビは、原因が一つではなく、部位や症状によって適切な治療が異なります。また、ニキビに似たマラセチア毛包炎が原因の場合、ニキビ用の薬では改善しません。

池袋駅前のだ皮膚科では、皮膚科専門医が肌の状態を丁寧に診察し、正確な診断のもと、塗り薬・飲み薬・ピーリングなど症状に合わせた治療をご提案します。

背中・胸・お尻のブツブツが気になる方は、お気軽にご相談ください。

【池袋駅前のだ皮膚科院長|野田 真史 監修】

院長紹介

池袋駅前のだ皮膚科院長 野田 真史
池袋駅前のだ皮膚科院長
野田 真史
池袋駅前のだ皮膚科院長 野田 真史


学歴・資格

東京大学医学部医学科卒業

皮膚科専門医(日本皮膚科学会認定)

医学博士(東京大学大学院医学系研究科)

ニューヨーク州医師免許

ECFMG certificate(アメリカ医師国家試験合格証)

Master in translational science(米国ロックフェラー大学)

米国ロックフェラー大学皮膚科 (Associate Attending Physician)


略歴

2007年
東京大学医学部医学科 卒業
2009年
東京大学医学部附属病院 初期研修修了
2009年 2014年
東京大学皮膚科に入局し、東京大学医学部附属病院、関東労災病院で皮膚科医として勤務
米国Northwestern大学、Thomas Jefferson大学で診療研修
2013年
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医取得
2014年
東京大学大学院医学系研究科卒業、医学博士
米国ロックフェラー大学
Instructor in Clinical Investigation
兼 Associate Attending Physician
ニューヨーク州医師免許を取得し、診療にあたる
湿疹、アトピー性皮膚炎、乾癬、円形脱毛症の研究に従事し、Master in translational science(MSc)取得
2016年
東京大学医学部附属病院 皮膚科 助教
2018年
池袋駅前のだ皮膚科 開院
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