「わきの汗が多くて服にシミができる」「汗ジミが気になって色の濃い服が着られない」「緊張するとわきが一気に汗ばむ」など、わきの汗でお悩みではありませんか。
わきに必要以上の汗をかく状態を「腋窩(えきか)多汗症」といいます。決してめずらしいものではなく、塗り薬やボトックス注射で汗の量を大きく抑えることができます。
ここでは、わき汗の原因や対策、当院の治療と進め方について、皮膚科専門医がくわしく解説します。
わき汗(腋窩多汗症)とは
腋窩多汗症は、わきに必要以上の汗をかく状態です。汗を出す指令を伝える交感神経が過敏に働くことが関係すると考えられ、緊張やストレスで悪化しやすく、体質も関係します。汗ジミや汗のにおいが気になり、洋服選びや人前での動作に支障が出ることもあります。
わき汗とわきが(におい)の違い
わき汗(腋窩多汗症)は「汗の量」の問題、わきが(腋臭症)は「におい」の問題です。原因となる汗腺も異なり、汗の量を出すのはエクリン汗腺、わきが特有のにおいに関わるのはアポクリン汗腺です。両方が重なることもあります。
においが主なお悩みの場合は、わきが(腋臭症)の治療もあわせてご覧ください。
受診の目安
汗の量に明確な基準があるわけではなく、「生活にどれくらい支障があるか」が大切です。汗ジミが気になって服を選ぶ、人前に出るのがつらい、制汗剤を使っても効果が足りない——こうした場合は、治療を考える目安になります。我慢せず一度ご相談ください。
わき汗の原因
原発性(体質的なもの)
はっきりした原因となる病気がないものを原発性といい、わき汗の多くはこのタイプです。交感神経が過敏に働くことが関係し、緊張・不安・ストレスで強まりやすく、子どもの頃や思春期から続いている方もいます。
続発性(ほかの原因によるもの)
大人になってから急に全身の汗が増えた場合などは、甲状腺の病気や更年期のホルモン変化、お薬の影響などが背景にあることもあります。汗以外の症状をともなう場合は、原因を調べることが大切です。
わき汗を止める・抑える対策(セルフケア)
わき汗は、まずセルフケアで抑える工夫から始めるとよいでしょう。市販の制汗剤やグッズを上手に使うことで、汗ジミや黄ばみをかなり防げます。
制汗剤の選び方・使い方
ドラッグストアで買える制汗剤には、ロールオン・スティック・クリーム・スプレーなどがあります。汗をしっかり抑えたい場合は、汗腺の出口をふさぐ「塩化アルミニウム」配合のものが向いています。
制汗剤は、汗をかいてからではなく、夜の入浴後など、清潔で乾いた肌に塗ると効果が出やすくなります。スプレーよりも、肌に密着するロールオン・クリームタイプのほうが効果を感じやすい傾向があります。
脇汗パッド・インナーを活用する
汗ジミや服の黄ばみを防ぐには、使い捨ての脇汗パッドや、脇汗パッド付きのインナーが役立ちます。
「パッドは意味ない」と感じる場合は、汗の量に対して吸収量が足りていない、ずれてしまっている、ということが多いため、吸収量の多いタイプや、ぴったりフィットするインナーを選ぶとよいでしょう。汗を吸ったパッドはこまめに替えると、においや蒸れも防げます。
衣類・黄ばみの工夫
汗ジミが気になる方は、汗の色が目立ちにくい白や黒、または濃淡のある柄物を選ぶと安心です。通気性のよい素材を選び、汗をかいたらこまめに着替えましょう。
なお、衣類の黄ばみは、汗の成分や制汗剤の成分が関係します。早めに洗濯し、ためこまないことが、黄ばみ予防になります。
緊張をやわらげる
わき汗は緊張・不安で強まりやすいため、深呼吸をする、汗を気にしすぎないようにするなど、リラックスする工夫も役立ちます。
市販の制汗剤やグッズで十分に抑えられない、日常生活に支障があるといった場合は、保険適用の塗り薬やボトックス注射で、わき汗を大きく抑える治療があります。
当院のわき汗治療
当院では、塗り薬から始め、効果が十分でない場合にボトックス注射を検討するのが基本の流れです。汗の量やご希望に合わせて治療を選びます。
外用薬(塗り薬)
エクロックゲル・ラピフォート
わきの多汗症(腋窩多汗症)に使う、保険適用の塗り薬です。1日1回わきに使い、汗腺のはたらきを抑えます。多くの場合、まずこうした塗り薬から治療を始めます。
塩化アルミニウム液
古くからの基本の外用薬です。夜に塗って汗腺の出口をふさぐように働きます。刺激やかぶれが出ることがあります。
ボトックス注射
汗を出す指令を伝える神経の働きをブロックして、わきの汗を大きく減らす注射です。わきに細い針で複数か所に注射します。効果は数日〜1週間ほどであらわれ、数か月(およそ4〜9か月)持続します。効果が薄れてきたら、くり返し受けられます。
塗り薬で十分でない方や、確実に汗を抑えたい方に向いています。ダウンタイムが少なく、施術後すぐに日常生活に戻れるのもメリットです。注射部位の内出血や痛みが出ることがあります。当院では自由診療(自費)で行っています。
内服薬
汗を抑える飲み薬(抗コリン薬など)を使うこともあります。塗り薬・ボトックスで十分でない場合の選択肢です。口の渇きなどの副作用が出ることがあるため、医師と相談しながら使います。
当院では行っていない治療について
わきの多汗症には、ほかに手術(汗腺を取り除く方法)やミラドライ(マイクロ波の機器)、イオントフォレーシスといった治療もありますが、いずれも当院では行っていません。当院では、塗り薬・内服薬・ボトックス注射で対応しています。
わき汗治療の進め方
1. 外用薬から始める
まずはエクロックゲルなどの塗り薬で汗を抑えます。多くの方はここから始めます。
2. ボトックス・内服を検討
塗り薬で十分でない場合や、確実に汗を抑えたい場合は、ボトックス注射や内服薬を検討します。
料金
塗り薬は健康保険が適用されます。ボトックス注射は自由診療(自費)です。
| ワキ多汗症ボトックス(自費) | |
|---|---|
| アラガン社製 | 66,000円(税込) |
| 韓国製(Botulax) | 33,000円(税込) |
塗り薬は保険診療です。初診料・処方料などがかかります。
よくあるご質問
- わき汗とわきが(におい)は違いますか?
-
わき汗(腋窩多汗症)は汗の量の問題、わきが(腋臭症)はにおいの問題です。両方が重なることもあります。においが主なお悩みの場合は、わきがの治療をご検討ください。
- どの治療から始めますか?
-
多くの場合、まず塗り薬(エクロックゲルなど)から始めます。塗り薬で十分でない場合や、確実に汗を抑えたい場合に、ボトックス注射や内服薬を検討します。
- ボトックスの効果はどのくらい続きますか?
-
個人差はありますが、数か月(およそ4〜9か月)持続するとされます。効果が薄れてきたら、くり返し受けられます。
- 塗り薬は保険が使えますか?
-
エクロックゲルやラピフォートなどの塗り薬は健康保険が適用されます。ボトックス注射は当院では自費です。
- 市販の制汗剤で止まらないときはどうすればいいですか?
-
塩化アルミニウム配合の制汗剤を夜の清潔な肌に使っても十分でない場合は、保険適用の塗り薬(エクロックゲルなど)や、ボトックス注射による治療があります。我慢せずご相談ください。
- 脇汗パッドは意味がありますか?
-
汗ジミや黄ばみを防ぐのに役立ちます。「意味ない」と感じる場合は、吸収量が足りない・ずれているなどが原因のことが多いため、吸収量の多いものやフィットするインナーを選び、こまめに替えるとよいでしょう。
- 寒いのに脇汗をかくのはなぜですか?
-
原発性の多汗症では、気温に関係なく、緊張やストレスでわき汗が出ることがあります。一方、汗以外の症状(動悸・体重変化など)をともなって急に汗が増えた場合は、甲状腺の病気などが背景のこともあるため、確認することをおすすめします。
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わき汗は、塗り薬やボトックス注射で大きく改善できます。汗ジミやわきの汗でお困りの方は、池袋駅前のだ皮膚科までお気軽にご相談ください。
院長紹介

野田 真史

学歴・資格
東京大学医学部医学科卒業
皮膚科専門医(日本皮膚科学会認定)
医学博士(東京大学大学院医学系研究科)
ニューヨーク州医師免許
ECFMG certificate(アメリカ医師国家試験合格証)
Master in translational science(米国ロックフェラー大学)
略歴
米国Northwestern大学、Thomas Jefferson大学で診療研修
米国ロックフェラー大学
Instructor in Clinical Investigation
兼 Associate Attending Physician
ニューヨーク州医師免許を取得し、診療にあたる
湿疹、アトピー性皮膚炎、乾癬、円形脱毛症の研究に従事し、Master in translational science(MSc)取得





