ピコフラクショナルは、患部にレーザーを照射することにより、創傷治癒反応を利用して幅広い肌の悩みにアプローチする施術です。高密度なレーザーを患部に照射して、衝撃波により表皮内に小さなダメージを与えます。皮膚の表面に直接的な穴を開けない施術で、ニキビ跡、毛穴の開き、肌質のお悩みなどに効果が期待できます。
ここではレーザー施術である「ピコフラクショナル」についての特徴や、「ピコスポット」・「ピコトーニング」などピコシュアで対応できる他の治療モードとの違いなどを紹介します。
目次(クリックで開閉)
ピコフラクショナルレーザー(ピコシュア)とは
当院では代表的なピコレーザーの一つである米国サイノシュア社の「ピコシュア」による治療をしています。ピコシュアには3つの施術モードが搭載されており、その1つがピコフラクショナルレーザーです。
ピコフラクショナルレーザーが向いている方
- クレーター状のニキビ跡が気になる方
- 毛穴の開きが目立っている方
- 小ジワや肌のハリなど肌質が気になる方
ピコフラクショナルレーザーの仕組み
ピコフラクショナルレーザーは専用のハンドピースを装着してレーザーの密度を高めた状態でレーザーを患部に照射することにより、衝撃波で表皮内に小さなダメージを与えます。皮膚の表面には直接的な穴を開けずに、表皮内に小さなダメージを与えて創傷治癒反応を引き起こすのです。毛穴や小ジワ、肌のハリ、ニキビ跡のへこみなどに効果が期待できる施術です。
ピコフラクショナルレーザーの特徴
- 肌へのダメージが少ない 一般的なフラクショナルレーザーには複数の種類があり、代表的なものに炭酸ガス(CO2)を搭載した「フラクショナルCO2レーザー」があります。「ピコフラクショナルレーザー」は「フラクショナルCO2レーザー」に比べると、肌表面へのダメージを少なくして肌細胞を作られやすくする施術です。ターゲットとなっている部位から周囲の細胞に熱が広がりにくいため、肌への過度なダメージによる赤みや色素沈着といったリスクを軽減できるのです。
- ダウンタイムが短く、すぐにメイクができる 「ピコフラクショナルレーザー」は他の施術に比べてダウンタイムが短いという特徴があります。たとえば「フラクショナルCO2レーザー」で肌の赤みがあらわれたときには約2週間のダウンタイムが必要です。しかし「ピコフラクショナルレーザー」で赤みがあらわれたときには約2日でダウンタイムが終了します。また「ダーマペン」では内出血に約5日間のダウンタイムが必要でした。しかし「ピコフラクショナルレーザー」は内出血が起こりにくいために施術直後からメイクもできるのです。
ピコスポットやピコトーニングとの違い
ピコシュアには「ピコフラクショナルレーザー」、「ピコトーニング」、「ピコスポット」という3つの施術モードが搭載されています。ここではそれぞれの特徴や違いについて紹介します。
- ピコフラクショナルレーザー:ニキビ跡、毛穴の開き、気になる肌質に レーザーの密度を高めて、レーザーを照射したときの衝撃波により表皮内に小さなダメージを与える施術です。創傷治癒反応を利用して、肌の悩みにアプローチします。コラーゲンやエラスチンが作られやすくなり、ニキビ跡や毛穴の開き、肌質を整えるなどの働きが期待できます。期待した効果を実感する目安は、2~4週に1回の施術頻度で5回以上です。
- ピコスポット:シミ、そばかすに 高出力のレーザーをピンポイントで患部に照射する施術です。くっきりとしたシミやそばかすの治療に向いた方法です。1回の施術でも効果を実感しやすい照射方法ですが、シミの状態によっては複数回の施術が必要になるかもしれません。
- ピコトーニング:肝斑、肌のくすみに 低出力のレーザーを肌全体に均一に照射する施術です。肌に蓄積したメラニン色素をターゲットに照射するため、メラニン色素が原因で起こっている肝斑や肌のくすみなどの症状に対応します。効果を実感する目安は、2~4週間に1回の施術頻度で10回以上です。
ピコフラクショナルレーザーとダーマペンの違い
ニキビ跡や毛穴の開きにアプローチする施術には、ピコフラクショナルレーザー以外にも「ダーマペン」があります。ダーマペンは細い針で肌に小さな穴を開けてニキビ跡のへこみ、小ジワ、毛穴のお悩みなどさまざまな肌トラブルにアプローチする施術です。ここではピコフラクショナルレーザーとダーマペンの主な違いについて紹介します。
- 肌に与えるダメージ量が違う ピコフラクショナルレーザーとダーマペンは、どちらも肌にダメージを与えることで、自然治癒力により肌細胞を作られやすくする施術です。ピコフラクショナルレーザーとダーマペンの主な違いは、肌に与えるダメージ量です。「ダーマペン」は肌に針で穴を開けていますが、「ピコフラクショナルレーザー」は皮膚の表面には直接的な穴を開けずに、表皮内に小さなダメージを与えます。
- ダウンタイムの長さが違う 「ピコフラクショナルレーザー」は内出血が起こりにくいためダウンタイムは短くなります。たとえば赤みや腫れが起こったときでも、ほとんどの場合は約2日でおさまります。しかし「ダーマペン」では内出血が起こりやすく約5日のダウンタイムが必要です。
どちらもさまざまな肌のトラブルに効果を期待できる施術のため、当院では現在の症状やお悩み、ダウンタイムの影響などを考慮して一人ひとりに合わせた施術を提案しています。
ピコフラクショナルレーザー施術の流れ
所要時間は約20分(診察時間を除く)です。
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医師の診察
現在の肌状態を確認し、一人ひとりのお悩みに合わせて治療方法を提案いたします。気になることがあればお気軽にご相談ください。
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クレンジング・洗顔
メイクをしている方はクレンジングでメイクを落としてください。施術のために肌を清潔に保つよう丁寧な洗顔をしてください。
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麻酔薬を塗る
肌に麻酔薬を塗ります。麻酔薬の効果があらわれるまで20分ほどお待ちください。
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施術開始
ピコレーザーを患部に照射します。
お悩みや肌状態、施術範囲などによって異なりますが、施術時間は約10分です。 -
治療後の経過
施術後の肌は敏感となっているため、日焼け止めや帽子で紫外線対策をしてください。
メイクは施術当日から可能です。
副作用・注意事項等
禁忌
- 妊娠中の方
- てんかんの持病がある方
- 濃い肝斑がある方
副作用
腫れ、赤み、ヒリヒリ感、色素沈着など
注意事項等
- シャワーや入浴は当日から可能です。レーザーを照射した部位は強くこすらないように注意しましょう。
- メイクは施術当日から可能です。ただし赤みや痛みがあるときには、症状がおちつくまで控えるようにしましょう。
- 施術後は、日焼け止めを塗るなど紫外線対策をして日焼けを避けてください。
料金
ピコシュアは「太田母斑」、「異所性蒙古班」という疾患については保険診療内で治療が受けられます。ただしそれ以外の疾患については、公的医療保険が適用されない自由診療です。
ピコフラクショナルレーザー | |
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全顔 | 27,500円(税込) |
鼻 | 14,300円(税込) |
ピコシュアについて
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未承認医薬品等(異なる目的での使用)
ピコシュアは医薬品医療機器等法において、太田母斑、異所性蒙古班の治療について承認されていますが、その他の目的の使用については国内で承認されていません。
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入手経路等
国内の医薬品卸業者より国内の承認機器を仕入れています。
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国内の承認医薬品の有無
国内で同程度の効能・効果で承認されている承認医薬品等はありません。
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諸外国における安全性などに係る情報
米国FDAにて色素性病変(シミ・肝斑等)・しわ・にきび跡に関する承認を受けています。
未承認医療機器や未承認医薬品について、医学的知見のない方の個人輸入は推奨していません。個人輸入に関するリスクはこちらのページをご覧ください。