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男性型脱毛(AGA)とは
頭部の毛髪が抜ける脱毛症の中で最も多いのがこのタイプの脱毛です。AGAと略されて電車や駅でもよくポスターを見ますので、ご存じの方も多いと思います。通常40歳までに発症する、とてもありふれたタイプの脱毛です。頭皮前方の生え際、もしくはつむじの付近から徐々に広がっていきます。男性ホルモンが原因で発症し、遺伝も関係しています。
AGAの治療
AGAは進行すると治療しても治りにくいことが知られています。症状が出始めたら、早めに治療した方が効果が上がります。ミノキシジルという発毛効果のある成分の塗り薬、飲み薬、注射薬と男性ホルモンの働きを抑える飲み薬を組み合わせて治療を行います。
下の写真は40代の男性で7回のミノキシジル注射 を当院で月1のペースで行った結果です。ミノキシジル外用とフィナステリド 内服の3つの組み合わせで治療しました。複数の治療を組み合わせればある程度進行した薄毛の症状も数ヶ月で改善させることができます。


治療の詳細を1本の動画で知りたい方はこちら
ミノキシジルの塗り薬(ロゲイン、リアップ)
ミノキシジルの塗り薬は各国で市販薬として販売されています。日本ではリアップ、ミノキ、リグロといった名前の商品でドラッグストアで販売されています。アメリカではロゲイン(Rogaine)という商品です。髪の成長をうながすこと、髪への血流を増やすことで効果を発揮します。
当院ではロゲインというアメリカで販売されているミノキシジルをおいています。ミノキシジルの含有量は5%で日本の製品と同じですが、ロゲインは泡状なのでぬりやすいのが特徴です。1本6000円(税抜)で販売しています。塗る範囲によりますが、1本で1ヶ月程度もつのが通常です。
朝起きた時と寝る前に1日2回塗ってください。効果がでるのに4ヶ月はかかりますので、最低この期間は塗り続けることが大切です。この薬に限らず男性型脱毛の薬はやめると元に戻ってしまうので、効果が出た場合はその後も使い続けてください。塗り薬なので副作用はほとんどなく、血圧や心臓に大きな問題のある方でなければ、問題なく長期間使えます。
ロゲインは女性用の製品も発売されていて、特に更年期以降に髪の毛が全体的に薄くなる女性型脱毛に効果があります。
フィナステリド(プロペシア)、デュタステリド(ザガーロ)
フィナステリド(プロペシア)は脱毛の原因となる男性ホルモンの、髪への作用を抑えることで効果を発揮します。女性は使えません。1日1回1mg錠を飲むのですが、すぐには効果が出ないので、6ヶ月間は続けてください。やめると元の状態に戻ってしまうので、ミノキシジルの場合と同じように効果が出た場合には飲み続けることが大切です。当院ではフィナロという海外製の製品を採用していて、1ヶ月3800円(税抜)で販売しています。
デュタステリド(ザガーロ)はフィナステリドと同系統の内服薬ですが、男性ホルモンの毛髪への作用をより強力に抑えます。そのため、フィナステリドよりも高い発毛効果を期待できます。1日1回0.5mg錠を内服します。
フィナステリド、ザガーロのいずれもまれな副作用としては肝臓への負担、性欲減退などが報告されていますが頻度は低く、安全に使用できます。
ミノキシジルの飲み薬
ミノキシジルの飲み薬はリアップやロゲインといった塗り薬と同じように、強い発毛効果があります。1日1錠、5mg錠を飲むことで治療します。フィナステリドもしくはデュタステリドの飲み薬と通常併用します。当院では1ヶ月6800円(税抜)で販売しています。
体全体の体毛に作用するので、他の部分の毛も濃くなってしまうことがあります。ほかにはまれに動悸、脚のむくみといった副作用が出ることがあります。
ミノキシジルの注射薬
2週間から1ヶ月間隔で、抜け毛の多い部分に直接ミノキシジルを注射することで治療効果を上げることができます。塗り薬と飲み薬のみの治療で限界があった場合でも有効な可能性があります。当院では1回3万円で注射を行っています。
発症から時間が経っていないほど、脱毛の範囲が小さいほど治療効果が高いので、早めに治療を始めましょう。塗り薬、飲み薬、注射薬を組み合わせることで十分効果は期待できます。