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マラセチア毛包炎のご相談なら池袋駅前のだ皮膚科へ|背中ニキビ、胸ニキビ、毛穴の炎症の治療など

繰り返し起こる「背中ニキビ」や「胸ニキビ」は、マラセチアというカビ菌(真菌)が関係している、マラセチア毛包炎かもしれません。マラセチア毛包炎は抗真菌薬を使って治療します。ここではマラセチア毛包炎について、原因と症状、ニキビとの違い、予防方法、治療方法などを紹介します。

目次(クリックで開閉)

マラセチア毛包炎とは

マラセチアは誰のからだにもいる常在のカビです。毛包炎(もうほうえん)とは、毛穴の奥にある毛根を包んでいる毛包という部分に起こる炎症のことで、とくにマラセチアが毛包内で増殖して炎症が起こった状態を「マラセチア毛包炎」と呼んでいます。

マラセチア毛包炎

原因と症状

マラセチア毛包炎はマラセチアが毛包内で増殖した場合に起こり、ニキビに似た見た目をしています。

原因

マラセチアがなんらかの原因によって皮膚で増殖した場合に発症します。もともと皮膚に常在しているので、人にうつることはありません。マラセチアが増殖する原因には以下のようなことがあります。

  • 夏場の高温多湿な環境
  • ステロイドの使用
  • 妊娠
  • 低栄養
  • 糖尿病 など

またマラセチアは毛包炎以外にも「癜風(でんぷう)」と呼ばれる皮膚に茶色い斑点ができる皮膚疾患を引き起こすことも知られています。

症状

マラセチア毛包炎は毛穴にできる赤いポツポツで、ニキビとよく似た見た目をしていますが、皮脂の分泌の多い背中や胸、肩、二の腕などにできることが多いのが特徴です。「背中ニキビ」や「胸ニキビ」と呼ばれるような症状が、実はマラセチア毛包炎だったということも珍しくはありません。

見た目でニキビと区別するのは難しいことが多いですが、夏に体だけにポツポツが増えた場合にはマラセチア毛包炎を考えます。

カビの繁殖しやすい高温多湿な夏場に悪化しやすく、多くの場合でかゆみを感じますが、痛みはありません。

ニキビとの違い

マラセチア毛包炎はニキビとよく似た見た目をしているので間違えやすいですが、以下のような違いがあります。

【マラセチア毛包炎とニキビとの比較】

マラセチア毛包炎 ニキビ
原因菌 マラセチア菌 アクネ菌
好発部位 胸、背中、肩、上腕
好発時期 高温多湿な夏季 一年中、季節を問わない
皮疹のようす 皮疹は単一、面皰(めんぽう)はほとんどない。赤みがあり、時に先端に膿を持つ。 面皰(めんぽう)や赤ニキビ、黄ニキビと病期の異なる皮疹が混在する。
痛みやかゆみ かゆみを伴うことが多い。 痛みを持つ場合がある。
治療 抗真菌薬の外用薬または内服薬 毛穴つまりを改善する外用薬とアクネ菌に効果のある抗生物質

面皰(めんぽう)とはニキビの始まりで、毛穴の中に皮脂がたまった状態です。

両者は分布や発症時期から診断できますが、マラセチア毛包炎を抗真菌薬を使って診断的に治療することもあります。マラセチア毛包炎ではニキビと同じように、皮脂のある部分、毛穴に一致して赤いポツポツができます。

少しかゆみがあり、赤みが強く表面に光沢があるのが特徴です。膿をもって中央が黄色く見えることもあります。ニキビは大きさも病期(白ニキビ、赤ニキビなど)もいろいろなものが混在しますが、マラセチア毛包炎は単一の皮疹です。

マラセチア毛包炎の対策と予防方法

マラセチア毛包炎はとても再発しやすい疾患です。日常生活では対策や予防をして、肌を清潔に保つよう心がけましょう。

適切な衣類を選ぶ

汗をよく吸収し、吸収しても素早く乾くような素材の肌着や季節に合った衣類を着用しましょう。天然素材を使った、刺激の少ない衣服を選ぶのも大切です。汗でぬれたまま放置せずに、衣服はなるべくすぐに着替えるようにしましょう。

こまめにシャワーを利用する

汗や皮脂があると高温多湿な肌状態になってしまうため、マラセチアが増殖しやすくなります。汗をかいたらなるべく早めにシャワーを浴びて洗い流しましょう。石鹸はしっかりと泡立ててから、肌を滑らせるようにやさしく洗いましょう。

生活習慣を整える

肌を健康な状態にするために、栄養バランスの取れた食事や十分な睡眠時間を取ることなどに努め、規則正しい生活習慣を心掛けましょう。

治療方法

マラセチア毛包炎は外用薬や内服薬を使って、治療します。

治療薬

治療には以下のお薬を使います。

  • 外用薬:抗真菌薬ニゾラール(成分ケトコナゾール)
  • 内服薬:抗真菌薬イトリゾール(成分イトラコナゾール)

外用薬だけで効果が確認できないときや、症状がひどいとき、再発を繰り返すときには内服薬を使います。日本皮膚科学会皮膚真菌症診療ガイドライン2019では、マラセチア毛包炎に対して抗真菌薬の外用療法は推奨度B(行うよう勧める)、抗真菌薬の内服療法は推奨度A(行うよう強く勧める)としています。

治療薬の使用に関しては、医師の指導や指示を守ってください。

治療時の注意点

イトラコナゾールは食事の影響を受けるお薬です。空腹時に飲むと血中濃度は食直後に飲んだ場合の40%です。必ず食直後に服用してください。

治療の流れ

マラセチア毛包炎の治療に使うのは、外用薬や内服薬です。 外用薬で治療する場合、1~2か月で治ることが多くなっています。しかし外用薬だけで効果が確認できないときや、症状がひどいとき、なかなか治らない場合には、内服薬を使う場合もあります。

費用

保険診療可能な場合の費用は以下のとおりです。

保険診療
初診料 約900円
再診料 約400円
処方料 約200円

都内在住の高校生までの子どもは公費負担で治療できるので、実質無料です。

イトリゾールの薬価は「134.70円/個」です。1日50mgで30日分、公的保険が適用された3割負担だと「1,212円」です。

ニゾラールクリームの薬価は「18.40 /g」です。1本10gで「184円」です。ニゾラールクリームは「白癬、皮膚カンジダ症、癜風、脂漏性皮膚炎」の効能・効果では承認されていますが、マラセチア毛包炎を治療する場合には診療費も含め保険適用にはなりません。
*薬剤費のみの価格です。

厚生労働省|薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について(令和6年10月1日適用)

よくある質問

マラセチア毛包炎はどうやって治すの?
マラセチア毛包炎は、抗真菌薬の外用薬ニゾラールクリームや飲み薬イトリゾールを使って治します。塗り薬だけで治る人もいます。マラセチア毛包炎は再発しやすいので、医師の指示を守ってください。
マラセチア毛包炎は真菌が原因ですか?
マラセチア毛包炎の原因は、マラセチア菌という真菌です。マラセチア菌は皮脂を分解する菌で、私達の皮膚に常在する微生物の一つです。アクネ菌など皮膚には多くの微生物が知られていますが、この微生物間のバランスは皮膚の健康を保つにはとても大切です。
マラセチアにはとても大切な役割がありますが、増えすぎると毛包炎を発症してしまいます。
マラセチア毛包炎は人にうつりますか?
人にはうつりません。

副作用・注意点

副作用

外用薬抗真菌薬ニゾラールクリーム

ニゾラールを使うと、ごくわずかな人に発赤や赤み、刺激感、発疹などがあらわれる場合があります。異常があらわれた場合には使用を中止してください。

内服薬抗真菌薬イトリゾール

内服薬抗真菌薬イトリゾールを服用した場合に、発疹やかゆみ、じん麻疹、便秘、下痢、だるさ、不整脈などを起こす場合があります。

薬を使用中に気になる症状があらわれたときには、お気軽にご相談ください。

注意点

外用薬抗真菌薬ニゾラールクリーム

ニゾラールクリームの含有成分にアレルギー反応を起こしたことのある人は使えません。

内服薬抗真菌薬イトリゾール

イトリゾールは以下のような人は使えません。

  • イトリゾールの含有成分にアレルギー反応を起こしたことのある人
  • 肝臓や腎臓に障害のある人でコルヒチン(痛風発作の薬)を投与中の人
  • 重篤な肝疾患に罹ったことのある人
  • 妊婦または妊娠している可能性のある女性

一緒に服用できないお薬がたくさんありますので、他の疾患を治療中の人は必ず医師に申し出てください。

マラセチア毛包炎かなと思ったら、池袋駅前のだ皮膚科へ

昨今は冬でも暖房があるので、夏季に悪化しやすいマラセチア毛包炎が冬季にできるのも珍しくなくなりました。再発しやすいので、一度、しっかり医師の治療を受けることをおすすめします。

当院では、一人ひとりのお悩みにあわせた治療を提供しています。自分だけでは対処できない症状があるときには、ぜひ当院までご相談ください。

【池袋駅前のだ皮膚科 野田真史監修】

【参考文献】

添付文書「イトリゾールカプセル」
添付文書「ニゾラールクリーム2%」
日本皮膚科学会皮膚真菌症診療ガイドライン2019
厚生労働省|薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について(令和6年10月1日適用)

ニゾラールついて

  • 未承認医薬品等(異なる目的での使用)
  • 医薬品医療機器等法上、ニゾラールは「白癬、皮膚カンジダ症、癜風、脂漏性皮膚炎など」の効能・効果で承認されていますが、マラセチア毛包炎治療を目的とした使用については国内で承認されていません。

  • 入手経路等
  • 国内の医薬品卸業者より薬を仕入れています。

  • 国内の承認機器の有無
  • ニゾラールは国内で承認されていますが、承認されている効能・効果および用法・用量と当院における使用目的・方法は異なります。

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