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ジベルばら色粃糠疹ってなに?
難しい名前の病気ですが、実際は通常2ヶ月以内に自然に消えてしまう皮膚の病気です。英語ではpityriasis roseaと呼ばれ、これを訳した名前になります。皮膚にかさかさした赤みが出現し、1~2週間かけて広がります。胸、おなか、背中に症状が出ることが多く、腕や脚の先や顔にはまず症状が広がりません。首以外にも、まぶた、わきといった体のやわらかいところにできます。体質的にできやすい方、できにくい方がいます。
どのように進行する?
ジベルばら色粃糠疹で最初に出る症状はヘラルドパッチと呼ばれ、2cm~3cmの楕円形でほかの部分に比べて発疹が大きいのが特徴です。ヘラルドパッチが出てからしばらくして、周りに 発疹がひろがっていきます。胸、おなか、背中を中心とした分布でヘラルドパッチが確認できればジベルばら色粃糠疹の可能性が極めて高いです 。
ジベルばら色粃糠疹の症状は?
かゆいこととかゆくないことが半々くらいです。かゆくて夜も眠れない、ということもあれば、まったくかゆくないという人もいます。
何がジベルばら色粃糠疹の原因になる?
ジベルばら色粃糠疹の原因については患者さんからよく質問を受けますが、原因はよくわかっていません。ウイルス感染が関連していることが示唆されています。人にはうつりません。
どんな病気と区別すればいい?
皮膚の炎症を起こす湿疹、水虫が体に感染した場合の体部白癬、からだの広い範囲が赤くがさがさになる乾癬、性感染症の梅毒、がジベルばら色粃糠疹と区別しなければならない病気です。
特に、最近増えている梅毒とは区別がつきにくい場合も多々あります。梅毒感染の可能性があり、体の広い範囲にかゆみの少ない赤い発疹がある場合は、RPRやTPHAといった梅毒感染を確かめる採血をすることを勧めます。
ジベルばら色粃糠疹はどうやって治療する?
見た目には体の広範囲が赤くなるので心配になりますが、1-2ヶ月で通常症状は無治療で消えてしまいます。かゆみがあるケースが多いので、その場合はステロイドの塗り薬を処方します。かゆみやガサガサした見た目は塗り薬である程度治まりますが、完全に赤い発疹が消えるには時間がかかります。
ジベルばら色粃糠疹は小児にも起こり、ステロイドの塗り薬を処方する場合には子どもでは弱めのものを使うことが多いですが、病気の経過や治療は大人の場合と大きく変わりません。