首イボは一つだけではなく、数多くできることもある皮膚疾患です。良性のできものなので健康上の問題はありませんが、放置していても自然治癒することはありません。見た目が気になったときには、市販薬の飲み薬や塗り薬では治らないため、専門的な治療が必要です。
ここからは、首イボの原因・症状・診断・当院で受けられる治療方法について紹介します。
目次(クリックで開閉)
首イボの原因
首にできるイボは良性のできものであり、健康上の問題はありません。しかし、1つだけではなく数十個作られることもあり、しばしば美容の悩みとなりがちです。
体にできるイボにはさまざまな種類があり、ウイルス感染が原因で起こるイボもあります。しかし首イボの主な原因は、ウイルス感染ではなく「紫外線」、「摩擦」、「加齢」です。
それぞれについて詳しく紹介します。
紫外線
体全体と比べてみると、首は衣服に隠れる機会が少ない部位であり、紫外線を肌に直接浴びやすいところといえます。紫外線を浴び続けた肌は、黒色のメラニン色素を作り出して肌内部の細胞を紫外線の刺激から守ろうとします。これは正常な反応ですが、メラニン色素を沈着しやすく、シミやイボの原因になりがちです。さらに紫外線は、肌のバリア機能を低下させて乾燥肌やはがれ落ちるべき角質を肌に蓄積させる症状などを引き起こします。
紫外線の影響でこのような症状が肌にあらわれると、まるで肌が老化したような状態となり、通常であれば問題とならないような刺激も悪影響となってしまうのです。
摩擦
日常的な着替えで肌が擦れると、それだけ肌にとって負担となってしまいます。首は肌がやわらかい部分のため、とくに肌が弱っているときには摩擦のような弱い刺激であっても、肌にとって大きな負担となってしまうのです。着替え以外にもネックレスなどを着用しているときには、摩擦による刺激を受けることもあります。そうなると、肌が老化しやすくなり、首イボも発生しやすくなるのです。
加齢
若い頃と比べると、年齢を重ねた肌は、新陳代謝が衰えてしまいがちです。紫外線を浴びた肌に作られる黒色メラニン色素は、肌の新陳代謝によっていずれ排出されます。しかし、加齢による影響で、肌にシミとして留まってしまいます。
また理想的な肌状態では、はがれ落ちるべき角質も、新陳代謝の衰えによって肌に留まってしまいがちです。そうなると角質が厚くなりやすく、シミのできた部分がイボとなって盛り上がってしまうのです。
一般的に首イボは、2mm程度の小型のだいだい色や茶色のポツポツが30代を過ぎる頃から増えてきます。また首以外にも、まぶた、わきといった体のやわらかいところにできます。
首イボは体質的にできやすい方もいるため、20代であっても症状に悩むことがあります。首イボの症状を繰り返しているときには、摩擦や紫外線を避けて肌状態を健やかに保つよう心がけましょう。
症例画像(首のスキンタグを高周波メスで除去)
患者情報 (年代、性別) |
40代、女性 |
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症状が出ている部位 | 首 |
個数・サイズ | 30個以上、1-2mm |
治療期間・回数 | 1回の治療から5ヶ月後 |
費用 | 44,000円 |
リスク・副作用 | 赤み、色素沈着、瘢痕 |
たくさんの首イボで引っ掛かるとお悩みだった当院の患者様。一度に30箇所以上サージトロンと呼ばれる高周波メスで除去して5ヶ月後、傷跡も目立たずキレイになっています。
首イボはスキンタグと呼ばれ、年齢とともに徐々に増えていきます。ウイルス性ではないですが、自然にはとれません。通常は見た目に気になるくらいですが、痒くなったり引っかかり出血することもあります。
除去する方法は複数あり、多数の首イボを一気にとる場合は写真のように物理的に除去してしまうのがオススメです。最初は赤みが出ますが、時間が経てば写真の通り目立たなくなります。
予約なし、受診当日の首イボ除去を承っていますので、お悩みの際はご相談ください。
首イボの症状
首にできるイボは、形や大きさなどによっておおまかに分類できます。医学的にはほとんどが同じイボであり、一か所の患部に複数のタイプが混在して見られることもあります。
アクロコルドン(スキンタグ)
1~2mmの大きさで、形は円形をしています。茶色やもともとの肌の色に近い色です。盛り上がりは少しだけあるものや、大きく飛び出した形をしているものまであります。首全体に多数のイボができることもあるタイプです。
軟性線維腫(軟性線維)
アクロコルドンと同じタイプのできものですが、スキンタグよりも大きなときに軟性線維腫(軟性線維)と呼びます。5mm~5cm以上もの大きさになることがあるタイプです。皮膚から飛び出た形をしています。茶色やもともとの肌の色に近い色です。
症例画像(大型のおしりの軟性線維腫)
患者情報 (年代、性別) |
50代、女性 |
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個数・サイズ | 1個、20mm |
脂漏性角化症(老人性イボ)
1~数mmの大きさで、茶~黒色のイボです。皮膚から盛り上がっていますが、飛び出した形ではありません。1個だけではなく、10個以上も多発することもあります。
首イボの診断方法
通常は皮膚の見た目で診断をつけます。首イボは小型のウイルス性のイボや、脂漏性角化症(老人性イボ)と区別が難しいこともあります。首イボとそれ以外のイボについて、それぞれの特徴と当院における治療方法について紹介するので参考にしてください。
ウイルス性イボ
ヒトパピローマウイルスが原因でつくられるタイプのイボです。肌に傷ができていると、そこからウイルスが侵入して感染することでイボが作られてしまいます。傷口ができやすい手足や、アトピー性皮膚炎の方がかきむしりやすい肘やワキの下などによく作られます。
痛みやかゆみなどの自覚症状はほとんどの場合でありません。ウイルスが原因のため、患部を触った手で他の部位を触ると、新しくイボが作られることもあります。
ウイルス性イボの代表的な症状には、手足にできる「尋常性疣贅」、顔にできる「指状疣贅」、魚の目やタコの見た目に似ていて足の裏にできる「足底疣贅」があります。
症例画像
患者情報 (年代、性別) |
30代、女性 |
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症状が出ている部位 | 手指 |
個数・サイズ | 1個、4mm |
当院では、ウイルス性イボだと診断され、患部の治療を希望されるときには、「ラジオ波メス」や「冷凍凝固療法」、「Vビーム」、「各種薬剤」を使って治療をします。(※Vビームは「単純性血管腫」、「いちご状血管腫(乳児血管腫)」には保険適用で治療が可能です。しかしウイルス性イボの場合、公的医療保険が適応されない自由診療です。)
脂漏性角化症(老人性イボ)
全身のどこにでも作られる可能性があるイボです。とくにこめかみや頭部によくできます。脂漏性角化症(老人性イボ)ができる明確な原因は不明ですが、加齢による皮膚の老化、紫外線、遺伝などが影響していると考えられています。
茶~黒色のイボで、イボと周囲の肌との境目がくっきりと見えるのが特徴です。ガサガサしたものからツルツルしたものまでさまざまな肌触りがあります。形も大きく盛り上がったものや平らなものなど多種多様です。
健康上の問題はありませんが、放置していても自然治癒はせず、時間の経過によって少しずつ大きくなることもあります。通常の場合、痛みやかゆみは感じません。しかし人によってはかゆみを感じる方もいます。
症例画像
患者情報 (年代、性別) |
60代、女性 |
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症状が出ている部位 | ほほと鼻 |
個数・サイズ | 10個程度、1-4mm |
当院では、老人性イボだと診断され、患部の治療を希望されるときには、「ラジオ波メス」や「ピコレーザー」による治療をオススメしています。(※ピコレーザーは「太田母斑」、「異所性蒙古斑」、「外傷性色素斑」には保険適用で治療が可能です。しかし老人性イボの場合、公的医療保険が適応されない自由診療です。)
ウイルス性イボや脂漏性角化症(老人性イボ)など首イボ以外の症状があっても、当院で治療が受けられます。また首イボとそれ以外の皮膚疾患についての区別がしにくいときには、拡大鏡を使った検査によって、詳しく調べてから診断をするかもしれません。さらに悪性腫瘍の疑いがあるときには、患部を切除後に病理検査をすることもあります。
首イボの治療方法
首イボは1個~数個だけできることもあれば、数十個にまで多発した症状があらわれる人もいます。健康上の問題はありませんが、見た目が気になる時には治療を受けるとよいでしょう。
当院では、以下の方法によって首イボの日帰り治療をしています。
ラジオ波メスによる焼却・切除
高周波のラジオ波が照射できるメスを使って、首イボを焼却・切除します。止血と焼却・切除を同時にできるラジオ波メスは、施術による出血が少なく、傷の治りも早くなり、患部の傷も目立ちにくくなるというメリットがあります。
ハサミによる切除
首イボの数が少ない場合や首イボが大きく飛び出しているときにはこの方法が有効です。数が多い場合、首イボが平坦な場合はラジオ波メスの摘除が向いています。
医療用のハサミを用いて、根元からイボを切除する方法です。スキンタッグのように、皮膚から盛り上がっていて、根元が細くなっているようなタイプのイボに使います。ほとんどの場合、小さなサイズの首イボであれば、ハサミで患部を切除しても出血はほぼみられません。
液体窒素による冷凍凝固療法
液体窒素という薬剤を患部に塗ることで、瞬間的に患部を凍結させて問題となっている細胞を破壊する方法です。破壊された細胞はカサブタとなって自然とはがれ落ち、その後は自然に正常な細胞が作られます。症状がなくなるまで施術を繰り返すことで、正常な細胞だけが肌に残ります。そのため一度の施術だけですべてのイボを取り除くことは難しい方法です。また施術後に肌に黒ずみが起こりやすいことから、当院ではラジオ波メスやハサミによる治療をオススメしています。
首イボのような症状に悩んだときには、「ラジオ波メス」や「医療用のハサミ」を使った日帰り治療に対応している当院までお気軽にご相談ください。患部の状態によっては保険診療も可能です。また首イボに似た皮膚疾患についても治療をしているので、首イボのような見た目が気になるできものを見つけたときにも、いつでもご相談ください。
首イボの治療費用
保険診療 | |
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手術による除去 | 約7,000~14,000円 |
冷凍凝固療法 | 約700円 |
できものの拡大鏡検査 | 約200円 |
※すべて税込です。
※3割負担の場合の料金です。
※都内在住で高校生までの子どもは公費負担となり実費は0円です。
自由診療 | |
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イボ除去 2ミリ以下 2つ | 11,000円 |
イボ除去 3ミリ以上 1つ | 11,000円 |
※すべて税込です。
※治療が複数の場合は、大きさの合算で料金計算します