「爪が白く濁ってきた」「爪が分厚くなって変形してきた」「爪の先がボロボロと崩れる」など、爪の変化にお悩みではありませんか。
爪水虫(爪白癬)は、足の水虫と同じ白癬菌が爪に感染して起こる病気です。かゆみや痛みがほとんどないため放置されがちですが、自然に治ることはなく、市販の塗り薬だけで完治させるのは難しい感染症です。そのまま放置すると爪の変形が進んだり、ご家族にうつしてしまうこともあります。
ここでは爪水虫の症状や足の水虫との違い、当院で行っている検査・治療法、日常生活での予防・対策などについて紹介します。
爪水虫(爪白癬)とは
爪水虫は、爪に白癬菌(はくせんきん)というカビ(真菌)が入り込んで増殖する感染症で、正式には「爪白癬(つめはくせん)」と呼びます。足の水虫を長く放置している方に多くみられ、足白癬から続いて爪へ感染が広がるケースがほとんどです。
爪水虫の主な症状
- 爪が白色や黄色く濁る
- 爪が分厚くなる(肥厚する)
- 爪の先がボロボロともろくなって崩れる
- 爪の表面が凸凹に変形する
かゆみや痛みを伴わないことが多く、見た目の変化だけで気づくことも少なくありません。進行すると爪が変形して靴で圧迫されて痛んだり、巻き爪などの原因になることもあります。
足の水虫との違い
爪水虫と足の水虫は同じ白癬菌が原因ですが、治りやすさが大きく異なります。
爪は「ケラチン」というかたいタンパク質が何層にも重なってできているため、塗り薬の有効成分が爪の奥(爪床)まで届きにくく、表面に塗るだけでは菌を十分に退治できません。これが、足の水虫は塗り薬で治っても爪水虫はなかなか治らない理由です。
放置するとどうなる
爪水虫は自然に治ることはなく、放置すると感染した爪から白癬菌を含む角質がはがれ落ち、ほかの爪や皮膚、ご家族へとうつる原因になります。
バスマットやスリッパを共有しているご家族、とくに高齢の方や糖尿病などをお持ちの方への感染には注意が必要です。気になる症状がある場合は早めにご相談ください。
爪水虫の検査・診断
爪の白濁や肥厚は、爪水虫以外の病気(爪乾癬、爪甲剥離症、爪の外傷、カンジダなど)でも起こることがあります。見た目だけでは区別が難しいため、当院では顕微鏡検査で白癬菌の有無を確認したうえで診断します。
検査では、濁った爪の一部を少量採取し、顕微鏡で白癬菌がいるかどうかを調べます(直接鏡検法)。検査は短時間で行え、その日のうちに結果をお伝えできます。爪水虫の治療は数か月以上かかるため、治療を始める前に「本当に白癬菌が原因か」を正しく確かめることが大切です。
当院の治療方法
爪水虫の治療には、飲み薬(内服薬)と塗り薬(外用薬)があります。爪の状態や症状の程度、ほかに飲んでいるお薬などを考慮して、患者様に合った治療法をご提案します。爪水虫の治療は保険診療で行えます。
内服薬(飲み薬)
飲み薬は血流に乗って爪の内部まで有効成分が届くため、爪水虫の治療では中心的な役割を果たします。当院では症状やお身体の状態に合わせて、以下の内服薬を使い分けています。
- テルビナフィン錠:1日1回服用し、約3〜6か月続ける飲み薬です。白癬菌に対する効果が高く、内服薬のなかでも最初に検討されることの多いお薬です。
- イトラコナゾール:1週間服用して3週間休む「パルス療法」で用いられることが多く、実際に薬を飲む期間が短いのが特徴です。
- ホスラブコナゾール(ネイリン):1日1回・約12週間服用する、比較的新しいお薬です。
飲み薬は肝臓で分解されるため、まれに肝機能に影響が出ることがあります。安全に治療を続けられるよう、服用前と服用中に定期的な血液検査を行います。
外用薬(塗り薬)
内服薬が使いにくい方には、爪専用の処方外用薬を用います。市販の塗り薬と違い、かたい爪を透過して爪の奥まで薬剤が届くように作られています。
- エフィナコナゾール(クレナフィン):日本で初めて爪水虫の治療薬として承認された外用液です。1日1回、爪全体に塗布します。
- ルリコナゾール(ルコナック):白癬菌に対する強い効果をもつ爪専用の外用薬で、こちらも1日1回塗布します。
外用薬は全身への影響が少ないため、肝機能に不安のある方や、ほかのお薬との飲み合わせで内服薬が使いにくい方、妊娠の可能性がある方にも使いやすい治療です。塗り薬での治療は約1年(48週間)が目安となります。
内服薬と外用薬の併用
爪全体が濁って厚くなっている場合や、複数の爪に広がっている場合には、飲み薬と塗り薬を併用することがあります。内服薬が爪の内側(爪床側)から、外用薬が爪の表面側から白癬菌に働きかけることで、より高い効果が期待できます。
併用するかどうかは、爪の状態を見ながら医師が判断します。
市販薬で治らない場合
市販の水虫薬は皮膚の角質に浸透するように作られており、かたい爪の奥までは届きにくいため、爪水虫には効果が限られます。市販薬を3か月ほど使っても爪の見た目に変化がない場合は、それ以上続けても改善は期待しにくいため、皮膚科の受診をおすすめします。
治療が長引くほど爪の変形が進み、その後の治療にも時間がかかります。
治療期間の目安
爪水虫の治療では、濁った爪が押し出され、きれいな爪に生え替わるまで治療を続ける必要があります。手の爪で約半年、足の爪では1年以上かかることもあります。
見た目が改善してきても、白癬菌が完全にいなくなったとは限らないため、自己判断で治療を中断すると再発することがあります。医師の指示に従って根気よく治療を続けることが大切です。
日常生活での予防・対策
爪水虫を予防し、再発を防ぐためには、白癬菌を増やさない・うつさない工夫が大切です。
- 足を毎日洗い、指の間までよく乾かして清潔に保ちましょう。
- 同じ靴を毎日履かず、靴を乾燥させて湿気をためないようにしましょう。
- バスマットやスリッパ、爪切りなどはご家族と共有しないようにしましょう。
- 足の水虫があるとそこから爪に感染するため、足白癬も一緒に治療しましょう。
- ご家族に水虫の方がいる場合は、一緒に治療すると再感染を防ぎやすくなります。
よくあるご質問
- 爪水虫は市販の塗り薬で治りますか?
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市販の塗り薬は皮膚の角質に浸透するように作られており、かたい爪の奥までは届きにくいため、爪水虫を完全に治すのは難しいのが実情です。ごく初期であれば進行を抑えられることもありますが、3か月ほど使っても変化がなければ皮膚科での治療をおすすめします。
- 治療にはどのくらいの期間がかかりますか?
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濁った爪がきれいな爪に生え替わるまで治療を続ける必要があり、手の爪で約半年、足の爪では1年以上かかることもあります。途中で見た目が改善しても、自己判断で中断すると再発することがあるため、根気よく続けることが大切です。
- 飲み薬の副作用が心配です。
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抗真菌の飲み薬は肝臓で分解されるため、まれに肝機能に影響が出ることがあります。当院では服用前と服用中に定期的な血液検査を行い、安全を確認しながら治療を進めますのでご安心ください。肝機能に不安のある方やほかのお薬を飲んでいる方には、塗り薬での治療もご提案できます。
- かゆくも痛くもないのですが、治療した方がよいですか?
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爪水虫はかゆみや痛みがほとんどないことが多いですが、自然に治ることはなく、放置すると爪の変形が進んだり、ほかの爪やご家族にうつる原因になります。早めに治療を始めるほど短い期間で治せるため、気になる場合はご相談ください。
- 爪が白く濁っていますが、必ず爪水虫ですか?
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爪の白濁や変形は、爪乾癬や爪甲剥離症など爪水虫以外の病気でも起こります。見た目だけでは区別が難しいため、当院では顕微鏡検査で白癬菌の有無を確かめてから治療を始めます。
爪水虫でお悩みの方へ

爪水虫は自然に治ることがなく、市販薬だけで完治させるのが難しい感染症です。一方で、正しく診断し、内服薬や外用薬で根気よく治療すれば、きれいな爪を取り戻すことが期待できます。
池袋駅前のだ皮膚科では、皮膚科専門医が顕微鏡検査で正確に診断し、爪の状態や患者様のお身体に合わせた治療をご提案します。
爪の濁りや変形が気になる方は、お早めにご相談ください。
【池袋駅前のだ皮膚科院長|野田 真史 監修】
院長紹介

野田 真史

学歴・資格
東京大学医学部医学科卒業
皮膚科専門医(日本皮膚科学会認定)
医学博士(東京大学大学院医学系研究科)
ニューヨーク州医師免許
ECFMG certificate(アメリカ医師国家試験合格証)
Master in translational science(米国ロックフェラー大学)
略歴
米国Northwestern大学、Thomas Jefferson大学で診療研修
米国ロックフェラー大学
Instructor in Clinical Investigation
兼 Associate Attending Physician
ニューヨーク州医師免許を取得し、診療にあたる
湿疹、アトピー性皮膚炎、乾癬、円形脱毛症の研究に従事し、Master in translational science(MSc)取得





