顔ダニに効く薬とは?受診の目安と薬の特徴を皮膚科医が解説

「顔ダニ」を知っていますか?人間の皮膚にいる常在菌で、通常は皮脂を食べて健やかな肌を保つサポートをしています。

しかし、何かしらの影響で顔ダニが過剰に増えてしまうと、さまざまな肌トラブルを引き起こしてしまいます。

ここでは顔ダニについて、主な症状や受診の目安、治療の流れや薬剤について解説します。

目次

顔ダニとは?

鏡を見ながら頬に指を当てる女性

顔ダニの正体

1600種いるダニのうち、人間にはD. folliculorum(ニキビダニ)と D. brevis(コニキビダニ)の2種類の顔ダニが生息しています。

通常、顔ダニは細菌や真菌、皮脂をエサとし、肌を健やかに保つために、皮脂量を調整するなどの働きをしています。主に顔や首の皮脂腺、マイボーム腺に住みついています。

顔ダニがいること自体は異常なことではなく、誰の顔にでも生息しています。しかし、皮脂が多い方、メイクの落とし残しがある方、肌が不衛生な状態にある方などは、顔ダニが異常に増殖してしまい、肌トラブルなどの症状が出てくると考えられています。

顔ダニが原因で起こる症状

顔がほてったように赤く腫れ、酒さと呼ばれる症状がよくみられます。皮膚の炎症反応により、毛細血管の拡張が起こり、頬などが赤くなるためです。

その後、肌にかゆみを感じ、ニキビのようなプツプツ、熱感、赤み、ヒリヒリ感が出てくることが多くあります。

セルフチェックの目安

顔全体に赤みやプツプツが出てきて治りが悪い場合は、顔ダニが原因の可能性があるため、皮膚科医に相談しましょう。

ニキビの原因は「アクネ菌」と考えられており、軽度の場合は市販薬で改善が期待できます。しかし顔ダニの増殖によるブツブツは「顔ダニ」が原因のため、ニキビ用の市販薬では改善が期待できません。病院処方の外用薬やレーザー治療などで治療します。

特に黄色く膿をもったポツポツが出現し、ニキビ治療薬を3か月以上使用しても効果がない場合は、顔ダニの増殖かもしれないと疑いましょう。

皮膚科への相談・治療の目安

ソファに座る女性の話を聞きながらメモを取るスタッフ

皮膚科へ受診する目安

顔ダニの増殖を抑えることを目的とした市販薬は、現在ありません。

もしニキビのようなポツポツやかゆみなどへの対症療法として市販薬を試される場合は、症状に合わせて選択しましょう。そして3か月以上市販薬を続けても改善しない場合、または薬が肌にあわなかった場合は皮膚科医へ相談しましょう。

市販薬に含まれる成分の特徴

  • クロタミトン:かゆみを抑えます。
  • イオウ:角質の軟化作用で毛包内を皮脂で詰まりにくくし、抗菌作用によりニキビ症状を改善します。肌が弱い方は刺激を感じることがあります。
  • ビタミンB2・B6:皮脂分泌のコントロールに役立ちます。

受診すべき症状

  • 酒さ(顔の赤み)
  • くりかえすニキビ
  • 顔のかゆみ
  • ヒリヒリ感
  • 肌荒れ

これらの症状が1か月続いていて改善しない場合は、顔ダニを疑い、皮膚科を受診しましょう。顔ダニ治療の外用薬や内服薬は、皮膚科医による診察が必要です。

当院での治療の流れ

クリップボードを持つ白衣の女性と話す女性

医師がニキビや酒さなどの重症度を確認し、顔ダニを疑う場合は顕微鏡検査により肌を観察します。今まで使用してきた市販薬、処方された薬、レーザー施術などがある場合は、必ず医師に伝えましょう。

そして顔ダニが原因と診断された場合は、顔ダニ駆除を目的とした治療薬を提案します。

当院で処方している薬の種類と特徴

軟膏容器と塗り薬のチューブ

医師の診察を受けてから、症状に適した薬剤が処方されます。使い方が決められているので必ず守りましょう。万が一肌に合わないことがあれば医師に相談してください。

【外用薬】

イベルメクチンクリーム

皮膚の赤みや腫れを抑える抗炎症作用と、顔ダニを駆除する作用があります。

顔ダニを駆除する作用のあるイベルメクチンクリームと、肌環境を整えることで顔ダニによる酒さの症状を改善が期待できる塗り薬や飲み薬を組み合わせることもあります。

メトロニダゾールゲル(ロゼックスゲル)

メトロニダゾールゲルは抗菌作用、抗炎症作用、活性酸素の減少作用、免疫抑制作用などの効果があります。世界80ヵ国以上で使用されており、日本では2022年より保険適用になりました。

アゼライン酸

アゼライン酸は、小麦やライ麦などの穀物に含まれている天然由来の飽和ジカルボン酸です。抗炎症作用、皮脂分泌の抑制作用、抗菌作用、角化抑制作用があります。

海外では主にニキビや酒さの治療薬として30年以上使用されており、アメリカやヨーロッパを中心に世界80ヵ国以上で医薬品として承認されています。一方、日本では医薬品としては未承認で、化粧品やドクターズコスメの成分として使用されています。当院ではオリジナルのスキンケア製品である「ベーシックケアAZ」(化粧品)を販売しています。

ベーシックケアAZについてはこちらもあわせてご覧ください。

ミノサイクリンクリーム

当院では4%のミノサイクリンクリームを院内製剤として作って使用しています。酒さ・ニキビの薬として使われており、抗菌作用、抗炎症作用があります。

【内服薬】

イソトレチノイン

皮脂腺を退縮させ、皮膚の分泌を減らす作用があります。角化異常に作用し、毛穴内部の脂質バランスを整え毛穴のつまりを改善します。海外では保険適用で重症ニキビ治療薬として使われています。

ビブラマイシン

テトラサイクリン系の抗生剤です。赤いニキビや酒さの炎症を抑える目的で使用します。

価格

自由診療

以下の施術は、公的医療保険が適用されない自由診療(自費)です。

イベルメクチンクリーム(30g)4,400円
ミノサイクリンクリーム 10g2,200円
AZAクリア 15g (クリーム、アゼライン酸配合)1,980円
イソトレチノイン(イソトロ、20mg/日)30日分16,500円

※すべて税込

ベーシックケアAZシリーズ

ベーシックケアAZクリアローション 125ml(化粧水、アゼライン酸誘導体配合)4,400円
ベーシックケアAZ 60g (乳液、アゼライン酸配合)4,400円
ベーシックケアAZクリーム 30g(クリーム、アゼライン酸配合)3,300円
ベーシックケアAZウォッシュ 150g(洗顔料、アゼライン酸誘導体配合)3,850円

※すべて税込、単回購入価格

保険適用

メトロニダゾールゲル(ロゼックスゲル)15g 279円(3割負担の場合)薬価 62円/g
ビブラマイシン 50mg 105円~675円(3割負担の場合)薬価 ビブラマイシン 50mg  12.5円/錠
ビブラマイシン 100mg   92.4円~594円(3割負担の場合)薬価 ビブラマイシン 100mg    22円/錠

よくある質問

「FAQ」と書かれた白いブロック
病院で処方された薬を使えば、顔ダニはいなくなりますか?

薬剤で数は減らせますが、完全になくすことは難しいです。顔ダニは肌に常在しており、症状がなければ治療する必要はありません。

処方薬で治療を始めたら、すぐに治りますか?

使用する薬剤や症状にもよりますが、効果を実感するまで2週間程度かかる場合が多いです。

顔ダニによる酒さやニキビかなと思ったら池袋駅前のだ皮膚科へ

池袋駅前のだ皮膚科 院長 野田真史

肌の赤みやブツブツ、痒みがなかなか治まらなかったり、市販薬を試しても改善されなかったら、一度皮膚科専門医に相談することが大切です。

当院では保険診療と自由診療の中から、ひとりひとりの肌質や症状に合わせた治療を提案します。

気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。

ニキビダニ(顔ダニ)の治療の詳細はこちら

各薬のリスク・注意点など

個人差はありますが、効果が実感できるようになるまで、早くても2〜4週間ほどかかります。効果をすぐに実感できなくても、自己判断で中止しないようにしましょう。

もし症状が悪化する場合は使用中止または使用頻度や量を減らし、医師に相談しましょう。

イベルメクチンクリーム

【禁忌】

  • イベルメクチンクリームの成分に対してアレルギー症状を起こしたことのある方
  • 妊娠中、授乳中の方(禁忌ではありませんが、当院は非推奨)

【副作用】

  • 赤み、かゆみ、湿疹、腫れなど赤み

【注意点】

  • ピリピリとした刺激感が出る場合があります。刺激感が強い場合は、症状にあわせて使用頻度を減らします。頻度を減らしてもピリピリ感が強くなる場合には医師に相談してください。

メトロニダゾールゲル(ロゼックスゲル)

【禁忌】

  • メトロニダゾールゲルの成分に対して過敏症を起こしたことのある方
    脳、脊髄に器質的疾患のある患者(脳・脊髄腫瘍の患者を除く)では、中枢神経系症状があらわれることがある
  • 妊娠3ヵ月以内の女性(妊婦への経口投与で胎盤関門を通過して胎児へ移行することが報告されている)

【副作用】

  • 赤み、かゆみ、乾燥肌など

【注意点】

  • 紫外線があたるとロゼックスゲルの有効成分が変化し、効果が弱まることがあります。日光や日焼けランプなどにあたらないところで保管、使用してください。
  • 使用期間中の飲酒は避けましょう。精神症状、差し込むような腹部の痛み、嘔吐、顔面や全身が赤くなる潮紅があらわれることがあります。
  • ピリピリとした刺激感が出る場合があります。刺激感が強い場合は、症状にあわせて使用頻度を減らし、頻度を減らしてもピリピリ感が強くなる場合には医師に相談してください。

アゼライン酸

【禁忌】

  • アゼライン酸で過去にアレルギー症状を起こしたことのある方

【副作用】

  • 赤み、かゆみ、刺激感など

【注意点】

  • ピリピリとした刺激感が出る場合があります。刺激感が強い場合は、症状にあわせて使用頻度を減らします。頻度を減らしてもピリピリ感が強くなる場合には医師に相談してください。

ミノサイクリンクリーム

【禁忌】

  • 妊娠中の方、授乳中の方

【副作用】

  • 赤み、かゆみ、刺激感など

【注意点】

  • ピリピリとした刺激感が出る場合があります。刺激感が強い場合は、症状にあわせて使用頻度を減らします。頻度を減らしてもピリピリ感が強くなる場合には医師に相談してください。
  • 黄色いクリーム状の製剤であり、肌に塗っても色素は残りませんが、衣類につくと黄色のシミができる可能性があるため注意してください。
  • 長期間使うと耐性菌があらわれる可能性があります。使用する治療期間を守りましょう。

イソトレチノイン

【禁忌】

  • 妊娠中、妊娠希望のある方、授乳中の方
    (※服用期間中と服用後1か月は妊娠できません。妊娠した場合はすぐに医師にご相談ください。)
  • 12歳未満の方

【副作用】

  • 肝機能障害、脂質異常症、脱毛、関節痛、頭痛、口腔や口唇・皮膚の乾燥など

【注意点】

  • 献血は男女ともに服用中、最後の服用から1か月間はお控えください。
  • 紫外線の影響を受けやすいため、紫外線対策を十分に行ってください。
  • 以下に該当する方はご相談ください。
  •  うつ病などの精神疾患を抱えている方
  •  テトラサイクリン系の抗生剤・ステロイド薬などを内服中の方
  •  イソトレチノイン製剤、トレチノイン製剤でアレルギーの既往歴がある方
  •  肝機能障害・ビタミンA過剰症の方
    イソトレチノインの服用中は副作用症状の確認のために定期的な採血検査が必要です。

ビブラマイシン

【禁忌】

  • ビブラマイシンやテトラサイクリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある方

【副作用】

  • 食欲不振、吐き気、下痢、発疹など

【注意点】

  • 炎症を抑える目的で使用するため、短期間の内服では効果がでません。最短2週間、長い場合は3か月ほど連続して内服し、効果を高めていきます。
  • 併用して服用することで効果が減弱・増強する薬があります。服用中の薬がある方は、医師にお申し出ください。
  • 同時に内服するとピルの効果が減弱することがあるため注意してください。

未承認医薬品等の表示

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この記事を書いた人

野田真史のアバター 野田真史 池袋駅前のだ皮膚科 院長

医学博士 / 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医

東京大学医学部卒業、同大学院医学博士課程修了。米国ロックフェラー大学への臨床・研究留学、ニューヨーク州医師免許取得を経て、東京大学医学部附属病院助教を務める。2018年、池袋駅前のだ皮膚科を開院。

ニキビやシミといった身近な悩みから難治性の皮膚疾患まで、常に知識を研鑽し、適切な診断・治療を行うことを信条としている。

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