頭皮のかゆみ・フケ・赤み・湿疹といった頭皮トラブルは、脂漏性皮膚炎・かぶれ・乾燥などが原因で起こります。一時的なものから、くり返し慢性化するものまでさまざまです。
「フケがなかなか止まらない」「頭皮がかゆい」「赤くなって皮がむける」といった症状は、市販のシャンプーを変えても改善しないことがあります。これらは皮膚科で診断・治療できる頭皮の病気のことが多く、原因に合わせた治療で改善が期待できます。
ここでは頭皮トラブル・フケの原因・種類・シャンプーの選び方・治療・セルフケアまで、くわしく解説します。
頭皮トラブルとは
頭皮も顔やからだと同じ皮膚であり、湿疹・皮膚炎が起こります。頭皮は皮脂腺が多く、髪でおおわれて蒸れやすいため、かゆみ・フケ・赤みといったトラブルが起こりやすい部位です。
多くは脂漏性皮膚炎・かぶれ(接触皮膚炎)・乾燥などが原因です。市販のシャンプーやケアで改善しない場合は、皮膚科での診断・治療が必要なことがあります。
フケの種類と原因
フケは、頭皮の古い角質がはがれ落ちたものですが、量が増える背景には、頭皮の炎症や乾燥があります。大きく2つのタイプに分けられ、タイプによって合うケアが異なります。
脂性のフケ(べたつくフケ)
皮脂が多く、湿ってベタついた大きめのフケが特徴です。脂漏性皮膚炎が背景にあることが多く、赤みやかゆみをともないます。
乾性のフケ(パラパラしたフケ)
乾燥した小さく白いフケが、パラパラと落ちるのが特徴です。頭皮の乾燥や洗いすぎ、刺激などが関係します。
フケが多い・止まらない場合は、頭皮の炎症(脂漏性皮膚炎など)が隠れていることが多いため、シャンプーを変えるだけでなく、原因に合った治療が必要です。
頭皮のかゆみ・トラブルの主な原因
脂漏性皮膚炎
皮脂の多い頭皮で、マラセチアというカビ(真菌)が関与して起こる炎症です。赤み・ベタついたフケ・かゆみが特徴で、最も多い頭皮トラブルです。慢性的にくり返しやすいため、継続したケアが大切です。
かぶれ(接触皮膚炎)
シャンプー・リンス・整髪料・ヘアカラー(毛染め)などの刺激やアレルギーで、頭皮や生え際が赤くなり、かゆみ・湿疹が出ます。原因となる製品を避けることが大切です。
頭皮の乾燥
洗いすぎや空気の乾燥により、頭皮のバリア機能が低下して、かゆみや乾性のフケが出ます。
大きく厚いフケ・かさぶたが出る場合
厚くこびりついた大きなフケ・かさぶたが出る場合は、脂漏性皮膚炎が強いほか、頭皮の乾癬(かんせん)のこともあります。市販のケアで改善しない、銀白色の厚いかさぶたがはがれる、といった場合は、一度ご相談ください。
フケ・かゆみに合うシャンプーの選び方
フケ・かゆみ対策では、フケのタイプに合ったシャンプーを選ぶことが大切です。合わないシャンプーを使い続けると、かえって悪化することもあります。
脂性のフケ(脂漏性皮膚炎タイプ)
皮脂やマラセチア菌が関係するため、抗真菌成分(ミコナゾール硝酸塩、ジンクピリチオン、ピロクトンオラミンなど)が配合された薬用シャンプーが向いています。使うときは、よく泡立てて頭皮になじませ、少し時間をおいてから、すすぎ残しがないよう十分に洗い流しましょう。
乾性のフケ(乾燥タイプ)
洗浄力が強すぎないアミノ酸系などの低刺激シャンプーを選び、洗いすぎを避けます。洗ったあとに頭皮が突っ張る・かゆくなる場合は、洗浄力が強すぎるサインです。
シャンプーの基本(共通)
- 爪を立てず、指の腹でやさしく洗う
- すすぎは念入りに、生え際・えり足まで洗い残さない
- 1日に何度も洗わない(皮脂の取りすぎは逆効果)
- 髪はしっかり乾かし、生乾きを避ける
なお、薬用シャンプーで改善しない・炎症が強い場合は、シャンプーだけでなく塗り薬による治療が必要です。「一瞬でフケをなくす」方法はありませんが、正しい洗い方と原因に合った治療で、フケは確実に減らせます。
こんなときは受診を・似た状態との見分け
次のような場合は、市販のケアだけで様子をみず、皮膚科の受診をおすすめします。
- フケが大量に出る・止まらない
- 赤み・かゆみ・痛み・じくじくをともなう
- 厚い大きなフケ・かさぶたがこびりつく
- 抜け毛も増えてきた
なお、赤ちゃんの頭にできる黄色いかさぶた状のフケは「乳児脂漏性湿疹」という別の状態で、保湿や洗い方で多くは改善します。また、子どもの頭でフケのように見えて取れにくい白い粒は、頭ジラミの卵のことがあります(髪に固くくっつき、指でずらしにくいのが特徴)。見分けが難しい場合もご相談ください。
頭皮トラブルの治療
頭皮トラブルの治療は、健康保険が適用されます。原因に合わせて塗り薬を中心に治療します。
外用薬
脂漏性皮膚炎には、カビを抑える抗真菌薬の塗り薬や、炎症を抑えるステロイドの塗り薬(ローション・液状など、頭皮に塗りやすいタイプ)を使います。かぶれには原因を避けたうえで炎症を抑える塗り薬、乾燥には保湿を行います。
内服・スキンケア指導
かゆみが強い場合は、抗ヒスタミン薬の内服を使うことがあります。あわせて、シャンプーの選び方や洗い方など、頭皮ケアの指導も行います。脂漏性皮膚炎は体質的にくり返しやすいため、症状が落ち着いてからも、悪化したときに早めにケアすることが大切です。
頭皮トラブルを防ぐセルフケア
- シャンプーは爪を立てず指の腹でやさしく洗い、すすぎ残しをなくす
- 洗いすぎ・1日に何度も洗うのは避ける
- 自分の頭皮に合ったシャンプーを選ぶ(合わないものは変える)
- ヘアカラー・整髪料で刺激を感じるものは避ける
- 髪はしっかり乾かし、生乾きを避ける
- 睡眠・食事・ストレスなど生活習慣を整える
よくあるご質問
- フケに効くシャンプーは何がいいですか?
-
ベタついた脂性のフケには、抗真菌成分(ミコナゾール硝酸塩・ジンクピリチオンなど)入りの薬用シャンプー、乾燥した乾性のフケには低刺激のシャンプーが向いています。改善しない場合は塗り薬による治療をご相談ください。
- フケを早く・一瞬でなくす方法はありますか?
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残念ながら一瞬でなくす方法はありません。ただし、正しい洗い方と、原因(脂漏性皮膚炎など)に合った治療で、フケは確実に減らせます。
- フケが止まりません。皮膚科で治りますか?
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フケが多い背景には脂漏性皮膚炎などの炎症が隠れていることが多く、原因に合った塗り薬で改善が期待できます。シャンプーを変えても止まらない場合は受診をおすすめします。
- 大きいフケ・かさぶたが出るのですが?
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厚く大きなフケ・かさぶたは、脂漏性皮膚炎が強い場合や、頭皮の乾癬のこともあります。市販のケアで改善しない場合は診察をおすすめします。
- 頭皮トラブルは保険で治療できますか?
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はい。脂漏性皮膚炎・かぶれ・乾燥などの治療は、健康保険が適用されます。
- 頭皮トラブルで抜け毛も増えますか?
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脂漏性皮膚炎が強くなると、抜け毛をともなうことがあります(脂漏性脱毛症)。気になる場合はあわせてご相談ください。
頭皮のかゆみ・フケ・湿疹は、原因に合った治療とシャンプー選びで改善できます。市販のシャンプーで治らない頭皮トラブルでお困りの方は、池袋駅前のだ皮膚科までお気軽にご相談ください。
院長紹介

野田 真史

学歴・資格
東京大学医学部医学科卒業
皮膚科専門医(日本皮膚科学会認定)
医学博士(東京大学大学院医学系研究科)
ニューヨーク州医師免許
ECFMG certificate(アメリカ医師国家試験合格証)
Master in translational science(米国ロックフェラー大学)
略歴
米国Northwestern大学、Thomas Jefferson大学で診療研修
米国ロックフェラー大学
Instructor in Clinical Investigation
兼 Associate Attending Physician
ニューヨーク州医師免許を取得し、診療にあたる
湿疹、アトピー性皮膚炎、乾癬、円形脱毛症の研究に従事し、Master in translational science(MSc)取得





