脂漏性皮膚炎

頭皮、眉、眉間、鼻周囲といった皮脂が多く分泌される場所でがさがさ、赤みが出るのが脂漏性皮膚炎です。かゆみは強いこともあれば、あまり気にならないこともあります。マラセチアという人の皮膚に常在しているカビの一種が原因の一つと言われています。

マラセチアはどんな人の皮膚でも存在しているカビ(真菌)で、普通は皮膚病の原因にはならないです。脂漏性皮膚炎の皮膚でもマラセチアの数は増えていませんが、マラセチアに対する免疫異常になることで皮膚が赤く、がさがさになります。

マラセチアが原因となる病気としては「癜風(でんぷう)」、「マラセチア毛包炎」もあり、いずれも湿気の多い夏に胸や背中に出やすいです。

脂漏性皮膚炎は乾燥によりがさがさが悪化するため、冬により多くみられます。

目次

脂漏性皮膚炎の症状

頭皮、眉、眉間、鼻のわきに赤みやがさがさが出現するのが特徴で、かゆみがあることもあります。顔全体に出ることは稀です。

脂漏性皮膚炎と酒さの違い

受診される患者様からよくある質問が、脂漏性皮膚炎と酒さどちらとも診断されたことがありますが実際どちらなのですか?というものです。脂漏性皮膚炎として典型なのは眉部、眉間、鼻のわきが赤くがさがさするというものです。下の写真は脂漏性皮膚炎の写真で、眉間や鼻のわきを中心に、赤みとがさがさが広がっています。

脂漏性皮膚炎の写真

酒さの場合は鼻、ホホ、眉間など顔の中央に近いところに赤みとぼつぼつが出るのが特徴です。下の写真のようにがさがさは目立たない代わりに毛穴が炎症を起こし、ニキビのような赤いもしくは膿をもったぼつぼつが目立つことが多いです。ぼつぼつはなく赤みだけのこともあります。写真では鼻下にちりちりとした毛細血管拡張が目立ち、毛細血管拡張を伴うのも酒さの特徴です。

酒さの写真

治療としても脂漏性皮膚炎と酒さは大きく異なり、脂漏性皮膚炎であればステロイドの短期外用やニゾラール(成分はケトコナゾール)という抗真菌剤での治療になります。酒さの場合はステロイドを塗ると逆に症状が悪化することが多いので、メトロニダゾール、アゼライン酸、イベルメクチンなど酒さ専用の治療薬を使うことになります。診断により治療が変わりますので、最初の診断が重要になります。

脂漏性皮膚炎の治療法

脂漏性皮膚炎は繰り返す病気で、完全に治療して再発のない状態を保つのが難しいです。ぬり薬はよく効きますので、処方薬を定期的に使うことでいい状態を保つことができます。

ニゾラール(ケトコナゾール、抗真菌剤)

がさがさした症状を抑えるのがニゾラールという塗り薬です。ケトコナゾールというカビ(真菌)を殺す成分が入っています。

クリームとローションがニゾラールにはあり、クリームは顔のがさがさに、ローションは頭のがさがさに使います。毎日ぬっても副作用はないので、症状がない状態でもぬって再発を予防するのも有効な治療です。

ステロイドのぬり薬

ニゾラールは長期間ぬっても副作用が出ないため使いやすいですが、頭や顔の赤みが強いときには炎症を十分に抑えられないです。そのようなときには炎症を抑える作用があるステロイドのぬり薬を一週間程度ぬると効果的です。

赤みが治まった時点で長めにぬっても副作用の少ないニゾラールに戻す、という使い方がステロイドを長期間ぬることによる副作用を防ぐ上で効果的です。脂漏性皮膚炎の症状が軽く、赤みが出る度にステロイドを何日かぬれば症状が消える、という場合にはステロイドの塗り薬だけで治療することもできます。

プロトピック(成分はタクロリムス)

ニゾラールやステロイドのぬり薬では顔の赤みがすぐに再発してしまう、という場合にはプロトピック(タクロリムスという炎症を抑える成分)というアトピー性皮膚炎のために作られたぬり薬が効くこともあります。プロトピックにはステロイドの弱いぬり薬程度(リンデロンV軟膏と同程度)の炎症を抑える効果があります。

しかも皮膚が薄くなる、赤みが目立つようになる、といった長期ステロイドを使った時に出現する副作用がありません。

塗り始めた最初の一週間程度ヒリヒリした感じがする、というのがプロトピックの弱点ではありますが、通常は長期間ぬっているうちに収まってきます。顔が赤くなる症状を繰り返す脂漏性皮膚炎にはプロトピックも有効な治療法です。

よくある質問

脂漏性皮膚炎はどんな人に多い?

脂漏性皮膚炎をもつ患者さんの典型は、中年男性になります。30代以降で多く、男性が女性よりも多いのが特徴です。

小児でも脂漏性皮膚炎は起こる?

乳児でも頭皮の脂漏性皮膚炎はよく起こります。頭皮の広い範囲ががさがさして黄色のカサブタが出たり、じゅくじゅくしてきます。6ヶ月から1歳になると自然に消えてしまう場合がほとんどなので症状が軽ければ治療しない場合もあります。

頭のがさがさが強いので、赤ちゃん用のシャンプーで毎日洗うといいです。症状が強く自然に治らない場合には大人の脂漏性皮膚炎と同様にニゾラールのローションもしくは弱めのステロイドのローション(キンダロンローションなど)をぬると効果的です。

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院長紹介

池袋駅前のだ皮膚科院長 野田 真史
池袋駅前のだ皮膚科院長
野田 真史
池袋駅前のだ皮膚科院長 野田 真史


学歴・資格

東京大学医学部医学科卒業

皮膚科専門医(日本皮膚科学会認定)

医学博士(東京大学大学院医学系研究科)

ニューヨーク州医師免許

ECFMG certificate(アメリカ医師国家試験合格証)

Master in translational science(米国ロックフェラー大学)

米国ロックフェラー大学皮膚科 (Associate Attending Physician)


略歴

2007年
東京大学医学部医学科 卒業
2009年
東京大学医学部附属病院 初期研修修了
2009年 2014年
東京大学皮膚科に入局し、東京大学医学部附属病院、関東労災病院で皮膚科医として勤務
米国Northwestern大学、Thomas Jefferson大学で診療研修
2013年
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医取得
2014年
東京大学大学院医学系研究科卒業、医学博士
米国ロックフェラー大学
Instructor in Clinical Investigation
兼 Associate Attending Physician
ニューヨーク州医師免許を取得し、診療にあたる
湿疹、アトピー性皮膚炎、乾癬、円形脱毛症の研究に従事し、Master in translational science(MSc)取得
2016年
東京大学医学部附属病院 皮膚科 助教
2018年
池袋駅前のだ皮膚科 開院
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