アゼライン酸×ビタミンCは一緒に使える?効果・使い方・注意点を皮膚科医が解説

「アゼライン酸入りのクリームを使い始めたけれど、ビタミンCの美容液と一緒に使うことはできるの?」そう疑問に思ったことはありませんか?

どちらも、美白や肌質改善に効果が期待されるスキンケア成分です。ただし、肌質や肌の状態、使用する製品の濃度によっては刺激を感じる場合もあるため、正しい使い方を理解しておく必要があります。

ここではアゼライン酸とビタミンCを一緒に使った時の具体的な効果や注意点、使い方のポイントについて、詳しく解説します。

目次

アゼライン酸とビタミンCの基礎知識

まずは、アゼライン酸とビタミンCの働きから見ていきましょう。

アゼライン酸の働き

アゼライン酸には、毛穴詰まりの原因となる角質の異常な増殖を抑制する作用、ニキビの原因菌であるアクネ菌の増殖を抑える抗菌作用があります。肌の赤みや腫れを抑える抗炎症作用や皮脂分泌抑制作用などもあり、ニキビや赤ら顔の改善が期待できる成分です。

またシミやくすみの原因となるメラニンのもとになる、チロシナーゼの働きを抑え、色素沈着を改善する美白効果も期待できます。ある研究では、肌のトーンを均一に整える効果や、毛穴詰まりの予防にも有効とされています。

一般的には刺激が少なく敏感肌にも使いやすいため、医療現場での長期的な治療にも適していると評価されています。[4]

ビタミンCの働き

ビタミンCは、紫外線などのダメージによって増える活性酸素を除去する抗酸化作用、コラーゲンの生成を促進する作用、メラニンの生成抑制作用などにより、シワやたるみの予防、美白・くすみの改善など幅広い効果が期待できる成分です。

ある研究では、ビタミンCを外用することは、皮膚の色調改善やハリや肌の弾力の維持に有効だと報告されました。[5]

アゼライン酸とビタミンCは併用できる?その効果は?

アゼライン酸とビタミンCを併用することは可能です。[1]

どちらも美白や肌質改善を目的としており、併用することで複数の肌悩みに対してより高い効果が期待できます。

2022年に行なわれた研究では、アゼライン酸・ビタミンC・フィチン酸を重ね塗りしたところ、肌の水分量が大幅に増加し、参加者全員が治療効果に満足したという結果を得ました。また肌の色調変化やハリ・弾力の改善、赤みやシワの減少が報告されています。[1]

しかし、それぞれ高濃度のビタミンCとアゼライン酸を併用すると、肌への刺激が強くなりすぎてしまう恐れがあります。そのため、最初は片方から始めたり、低濃度のビタミンCとアゼライン酸配合のスキンケアから試し徐々に濃度を上げたりするなど、肌に合わせて使用することが大切です。

アゼライン酸とビタミンC併用時の注意点

アゼライン酸とビタミンC併用時の注意点を見ていきましょう。

刺激リスクを避けるための使用順とタイミング

アゼライン酸とビタミンCは、ともに比較的マイルドな成分です。しかし角質へ作用するため、敏感肌の方は併用することで赤みや刺激を感じることもあります。

とくにビタミンCは酸性度が高いため、使用開始時は低濃度のものからはじめ、様子を見ながら続けてみましょう。

重ねる場合、アゼライン酸とビタミンCの塗る順番はどちらが先でも構いません。

テクスチャの軽い製品から順番に重ねると、塗りやすいです。朝はビタミンC、夜にアゼライン酸と使い分けることもおすすめです。

併用に向かない他成分にも注意

AHAやBHAなどのピーリング剤、レチノールなどを併用すると角質への作用が増してしまい、肌のバリア機能が低下し刺激を強めるリスクがあります。

乾燥や赤みが出やすくなりますので、同時使用は避けましょう。

肌悩み別|アゼライン酸とビタミンC併用の活用例

以下の肌悩みがある方には、アゼライン酸とビタミンCの併用はおすすめです。

赤みや色ムラを整えたい方に

アゼライン酸とビタミンCそれぞれの抗炎症作用、抗酸化作用、メラニン生産抑制作用によって、炎症後の赤みや色ムラの改善が期待できます。

2022年の研究では、アゼライン酸とビタミンC成分を含むケアにより、肌トーンや明るさの改善、酸化ストレスが軽減したことがわかりました。[1]肌荒れや摩擦による赤みが気になる方にもおすすめです。

シミ・くすみを改善したい方に

両成分にはともにメラニンの生成抑制作用があり、ビタミンCには抗酸化作用もあります。

ある研究によると、アゼライン酸は色素沈着に効果があり、ビタミンCとの併用により抗酸化作用や美白作用が強化される可能性があることがわかりました。[2]

毛穴の開き・ごわつきをなめらかにしたい方に

アゼライン酸には角質を穏やかに整える作用があり、ビタミンCは肌のターンオーバーやキメの整った肌づくりをサポートする働きがあります。

2023年の研究では、アゼライン酸とビタミンCを含むスキンケアによって、肌の弾力・水分量の向上とともに、なめらかさも改善したと報告されています。[3]毛穴目立ちや、肌のごわつきが気になる方にもおすすめです。

アゼライン酸配合のおすすめ化粧品

当院では、アゼライン酸を配合したオリジナルのスキンケア製品を取り扱っています。

「ベーシックケアAZクリアローション」はアゼライン酸誘導体を3%配合し、ニキビ肌や赤ら顔、くすみなど、さまざまな肌タイプの方にご使用いただけます。

15種類のアミノ酸も配合しました。アミノ酸はコラーゲンの成分でもあるため、角質細胞にうるおいを与え、肌のキメやハリ・ツヤのある肌をサポートします。

「ベーシックケアAZ」はアゼライン酸に加え、保湿やバリア機能を補うセラミドを配合した乳液です。乾燥や荒れた肌をなめらかに整えます。

また「ベーシックケアAZ クリーム」は高濃度アゼライン酸を20%配合し、肌荒れを防ぎすこやかな肌を保つクリームです。濃度が高いため、ビタミンCとの併用はローション・乳液から試すことをおすすめします。

ベーシックケアAZ価格(税込)
ベーシックケアAZ 乳液 60g4,400円
ベーシックケアAZ クリアローション 125ml4,400円
ベーシックケアAZ クリーム 30g3,300円

アゼライン酸とビタミンCに関するよくある質問

Q. レチノールはビタミンC・アゼライン酸と併用できる?

レチノールとビタミンC、アゼライン酸は、どれも美容効果の高い成分です。

しかし併用すると肌への刺激が強くなりやすく、敏感肌の方は赤みや乾燥・ヒリつきを感じる場合があります。

またレチノールとビタミンCはpHの適正範囲が異なるため、効果を十分に発揮できないこともあります。併用する場合は、朝にビタミンC・夜にレチノールや、1日ごとに使い分けるなど、時間を分けて使用することがおすすめです。

アゼライン酸配合のスキンケア製品なら池袋駅前のだ皮膚科へお問い合わせください

アゼライン酸とビタミンCの併用は、肌のハリや弾力の改善、赤み、シミ・くすみなどに効果が期待できます。しかし効果を引き出すためには、正しい使い方を守ることが大切です。

池袋駅前のだ皮膚科では、皮膚科専門医が開発したアゼライン酸を配合した化粧品を取り扱っています。

ご興味がある方は、当院までお気軽にお問い合わせください

【池袋駅前のだ皮膚科|野田真史 監修】

副作用・リスク

副作用

赤み、かゆみ、刺激感など

注意点

効果が出るまでの目安は2週間。自己判断で使用を中止しない。

刺激感が気になる方は、症状にあわせて使用する頻度を1日1回や1日おきなどに減らす。それでも悪化する時には医師に相談する。


【参考文献】

[1] Markiewicz‐Tomczyk, A., Budzisz, E., et al. (2022). Clinical evaluation of anti‐aging effects of combined therapy—Azelaic acid, phytic acid, and vitamin C applied layer by layer in females with Fitzpatrick skin types II–IV. Journal of Cosmetic Dermatology.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36056802

[2]Sauer, K., & Oślizło, A. (2023). The multiple uses of azelaic acid in dermatology: mechanism of action and clinical applications. Postępy Dermatologii i Alergologii.
https://www.termedia.pl/The-multiple-uses-of-azelaic-acid-in-dermatology-mechanism-of-action-preparations-and-potential-therapeutic-applications,7,52122,0,1.html

[3] Markiewicz-Tomczyk, M., Budzisz, E., & Rotsztejn, H. (2023). A subjective and objective assessment of combined methods of cosmetic procedures using vitamin C and azelaic acid. Journal of Cosmetic Dermatology.
https://www.mdpi.com/2077-0383/12/5/1869

[4] Karłowicz-Bodalska, K., et al. (2023). The multiple uses of azelaic acid in dermatology: mechanism of action, preparations, and potential therapeutic applications. Advances in Dermatology and Allergology, 40(6), 716–724.
https://www.termedia.pl/The-multiple-uses-of-azelaic-acid-in-dermatology-mechanism-of-action-preparations-and-potential-therapeutic-applications,7,52122,0,1.html

[5] Telang, P. S. (2013). Vitamin C in dermatology. Indian Dermatology Online Journal, 4(2), 143–146.
https://journals.lww.com/idoj/fulltext/2013/04020/vitamin_c_in_dermatology.17.aspx