アゼライン酸はニキビや酒さ(赤ら顔)に効果が期待できる成分です。
海外ではニキビの治療薬として知られており、近年日本でも注目を浴びています。ニキビや赤ら顔に悩んでいて、アゼライン酸配合のスキンケアに興味を持っている方もいるのではないでしょうか。
しかし アゼライン酸配合の化粧品を使ってみたくても、「副作用はないの?」「肌がピリピリしたらどうしよう…」という不安を持つ方もいるでしょう。
初めて成分を試す時の不安な気持ちはよく分かります。
この記事ではアゼライン酸を安心してスキンケアに取り入れていただくために、副作用や注意点、そして特徴について、詳しく解説いたします。ぜひ最後までご覧ください。
目次
アゼライン酸の副作用について

ここでは、アゼライン酸で起こる副作用やその程度について、解説します。
使い始めに多い副作用
アゼライン酸を使い始めると、一時的に刺激感、ヒリヒリ感、かゆみ、赤みなどを感じることがあります。これは成分が肌に浸透していく過程で見られる反応であることが多く、肌が成分に慣れてくるにつれて、自然と気にならなくなります。
刺激が強いと感じるときには、使用回数や使用量を減らしてみましょう。
乾燥が起こることもある
アゼライン酸を使うと、肌の乾燥を感じることも報告されています。
ただしアレルギー反応で強いかぶれが起こるのではなく、一時的な刺激感に伴う軽度の乾燥であることがほとんどです。保湿ケアをしっかりすると、乾燥感を軽減できる場合が多いです。
副作用の程度
アゼライン酸の副作用は多くの場合、軽いヒリヒリ感やチクチク感といった軽度なものです。比較的マイルドな成分であり、重篤な副作用が起こるリスクは低いとされています。
ただし、まれに赤みや乾燥が予想より強く出てしまう方もいます。
赤みや乾燥が強く出て、なかなか改善されない場合は早めに専門医に相談しましょう。
副作用はどれくらいで治まる?

副作用は数週間で治まりますが、そうでないときには医師の診察を受けましょう。
数週間で治まる場合が多い
使い始めの刺激感などの副作用は、多くの場合、使用開始から1~2週間程度で慣れてきます。20%など高濃度のアゼライン酸の場合はある程度のヒリヒリ感は感じるのが通常ですので、それが塗ったあとも長く持続したり皮膚表面が赤くならない限りは問題にはなりません。
もし刺激が気になる場合は、使用頻度や量を調整することで、肌への負担を減らせます。
症状が続く・悪化する場合の対処法
3~4週間使用を続けても刺激感が治まらない、あるいは赤みや乾燥が悪化するような場合は、無理に継続せず使用を中止しましょう。
医師の診察を受けアドバイスをもらってください。自己判断せず、専門家の指示に従うことが大切です。
使用時の注意点

ここでは、使用時の注意点を紹介します。
塗る場所と順番
アゼライン酸は、洗顔後の清潔な肌に使用します。顔全体、またはニキビや赤みが気になる部分に塗布してください。
ただし、目、口、鼻の穴の周りといった粘膜に近い部分は刺激感が強くなる可能性があります。目の際や傷がある部位への使用は避けましょう。
塗る順番は製品によりますが、一般的には化粧水や乳液の後が推奨されています。医師の指示がある場合はそれに従ってください。
他の治療薬と併用する場合は、最初に化粧水や乳液、そしてアゼライン酸を塗って、その後に治療薬を使うなど医師の指示を確認してください。
保湿と紫外線対策は通常通り重要
過酸化ベンゾイルやレチノイドとは異なり、アゼライン酸のために肌が紫外線に過敏になることはありません。ただし、日中の紫外線対策は通常通り重要です。
日焼け止めを塗る、帽子をかぶるなど、しっかりと対策しましょう。また肌のバリア機能の低下を防ぐためにも、保湿は欠かさず十分に行ってください。
妊娠中・授乳中の使用について
アゼライン酸は、妊娠中や授乳中の方でも安全に使用できる成分とされています。天然由来の成分であり、全身への吸収が少ないためです。
ただし心配な場合は、使用前に必ず医師に相談してから使用するようにしてください。
アゼライン酸の特徴

アゼライン酸は、小麦やライ麦などの穀物に含まれている、天然由来の成分(飽和ジカルボン酸)です。医療分野では、ニキビや酒さ(赤ら顔)の治療に用いられるほか、色素沈着(シミやくすみ)の改善にも効果が期待され、幅広い肌悩みにアプローチできるのが特徴です。
他のニキビ治療薬と比較すると、抗生剤と異なり薬剤耐性菌(薬が効きにくくなる菌)を生じるリスクがなく、副作用が比較的マイルドで美白効果も期待できる、といったメリットがあります。
また、妊娠中・授乳中でも使用しやすい点も利点です。
一方、効果を実感するまでに時間がかかる場合があり、濃度によっては使い始めに刺激を感じることがある点がデメリットとして挙げられます。
アゼライン酸の効果

アゼライン酸には、ニキビや酒さへの効果のほかに、美白効果もあります。
ニキビへの効果
アゼライン酸は、ニキビに対して多方面から働きかけます。
まず、毛穴の詰まりの原因となる角化異常を抑制する作用があります。
次に、ニキビの原因菌であるアクネ菌の増殖を抑える抗菌作用、さらにニキビの赤みや腫れを引き起こす炎症を抑える抗炎症作用も期待できます。
酒さへの効果
酒さは、顔の赤みやほてり、ニキビに似たブツブツなどが特徴の慢性的な皮膚疾患です。
アゼライン酸の持つ抗炎症作用、皮脂分泌抑制作用により、酒さによる赤みや丘疹(きゅうしん)・膿疱(のうほう)といった症状を改善する効果が期待され、海外では15%や20%の高濃度アゼライン酸は処方薬として広く用いられています。
日本ではベーシックケアAZクリームやAZAクリアなど高濃度のアゼライン酸も化粧品扱いです。
日本の尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン 2023でも、一つの選択肢として推奨されています。
美白効果
シミやくすみの原因となるのが、メラノサイトで生成される黒色のメラニン色素です。
アゼライン酸には、メラニンの生成に関わるチロシナーゼという酵素の働きを阻害する作用があります。
このため、メラニンが過剰に作られるのを抑え、肝斑、シミやそばかす、ニキビ跡の色素沈着などを改善する美白効果が期待できます。
ベーシックケアAZについて

当院オリジナルの「ベーシックケアAZ」シリーズは、濃度を抑えたアゼライン酸が配合された、肌タイプを選ばずに使える製品です。
乳液タイプと化粧水タイプ、クリームタイプ、シャンプータイプと4種類あり、院内および当院のオンラインストアにて購入できます。
ベーシックケアAZ 乳液
しっとりとした保湿感を重視した乳液タイプです。肌のコンディションを整えながら、乾燥を防ぎます。トロリとしたテクスチャーがお好みの方や、保湿力をしっかり感じたい方におすすめです。
ベーシックケアAZ クリアローション
さっぱりとした使用感が特徴の化粧水タイプです。
アゼライン酸と類似の作用を持つアゼライン酸誘導体を3%配合しており、肌にすっとなじみます。サラサラとしたテクスチャーがお好みの方におすすめです。
ベーシックケアAZクリーム
高濃度アゼライン酸20%配合。ニキビ・酒さの発生リスクを抑え、肌荒れを防ぐクリームです。
濃度が高いため、心配な方は乳液・ローションからお試しされることをおすすめします。
ベーシックケアAZシャンプー
ニキビ・フケ・かゆみ・育毛など、様々な頭皮の悩みにアプローチすることができるシャンプーです。お肌が弱い方でも安心してお使いいただけます。
ベーシックケアAZについて、詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。
費用
アゼライン酸配合の製品は、公的医療保険の適用を受けない自由診療で購入できます。
製品名 | 配合成分 | 価格 |
AZAクリア15g | アゼライン酸 | 1,980円(税込) |
ベーシックケアAZ 乳液 60g | アゼライン酸 | 4,400円(税込) |
ベーシックケアAZ クリアローション 125ml | アゼライン酸誘導体 | 4,400円(税込) |
ベーシックケアAZ クリーム | アゼライン酸 | 3,300円(税込) |
ベーシックケアAZ シャンプー | アゼライン酸誘導体 | 4,400円(税込) |
よくある質問

Q. アゼライン酸は安全ですか?
アゼライン酸は比較的安全性の高い成分として知られています。
日本の尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン 2023においても、面皰(白ニキビ・黒ニキビ)や炎症性皮疹(赤ニキビ)、そして酒さに対して、アゼライン酸外用は選択肢の一つとして推奨されています(推奨度C1)。顔全体に長期間使用できるのが特徴です。
Q. アゼライン酸を続けた結果どうなる?
使い始めに感じることのある赤み、かゆみ、ヒリヒリ感といった刺激症状は、多くの場合、使用を継続するうちに肌が慣れていきます。20%といった高濃度のアゼライン酸の場合は塗った直後の刺激感は持続することがありますが、長期持続する刺激感や肌の赤みがなければ問題ありません。
副作用が軽減されれば、その後は特に問題なく使える方がほとんどです。使い続けることで、ニキビや赤ら顔、色素沈着の改善効果が期待できます。
アゼライン酸のスキンケア製品なら、池袋駅前のだ皮膚科へ
アゼライン酸は使い始めの頃に、赤みやかゆみ、ヒリヒリ感など刺激症状があらわれますが、継続するうちに肌が慣れておさまってきます。
ベーシックケアAZは、当院オリジナルのアゼライン酸やアゼライン酸誘導体配合の化粧品シリーズです。
当院では医師が診察の上、患者様一人ひとりのお肌の状態に合わせて、適切な使用方法やスキンケアについて丁寧にアドバイスいたします。
アゼライン酸に興味のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
副作用・リスク
副作用
- 赤み、かゆみ、刺激感など
注意点
- 効果が出るまでの目安は2週間。自己判断で使用を中止しない。
- 刺激感が気になる方は、症状にあわせて使用する頻度を1日1回や1日おきなどに減らす。それでも悪化する時には、医師に相談する。
参考文献
尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン 2023
Efficacy of topical azelaic acid gel in the treatment of mild-moderate acne vulgaris
Azelaic acid. A review of its pharmacological properties and therapeutic efficacy in acne and hyperpigmentary skin disorders