【酒さや赤ら顔に】アゼライン酸の効果や使用後の経過について解説

「酒さや赤ら顔がなかなかよくならない」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。

中には治療法を探している際に、「アゼライン酸」という成分に興味を持たれた方もいるでしょう。

この記事では、海外で長年使用実績のあるアゼライン酸について、効果や気になる使用後の経過、副作用、他の成分との違いまで、専門医が詳しく解説します。

アゼライン酸治療をご検討中の方、正しい情報を知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。

アゼライン酸使用後の経過

アゼライン酸の効果を実感できるまでの期間には個人差がありますが、一般的には最低でも2週間程度の継続使用が目安とされています。

焦らず、根気強くケアを続けることが大切です。もし効果がすぐに見られなくても、自己判断で使用を中止しないようにしましょう。

使用初期にヒリヒリ感やかゆみなどの刺激感が気になる場合は、1日1回の使用から開始したり、1日おき、週2回のように頻度を減らして様子を見ましょう。

それでも刺激が強い、または改善しないと感じる場合には医師に相談しましょう。

ダウンタイム中の経過

ここでは、アゼライン酸のダウンタイム中の経過を紹介します。

当日

アゼライン酸を使い始めた当日は、一時的に赤み、かゆみ、ヒリヒリ感などの刺激症状があらわれることがあります。これはアゼライン酸の作用によるものです。

特に酒さの方は皮膚のバリア機能が低下している可能性があるため、反応がはっきり出ることがあります。しかし多くの場合これらの症状は軽度で、アレルギー性のかぶれとは異なる一過性のものです。

1~2週後

使用開始から1~2週間が経過すると、アゼライン酸の持つ抗炎症作用などが働き始め、酒さによるポツポツとした丘疹や赤みが少しずつ改善してくる方もいます。

また、多くの方の肌がアゼライン酸に慣れてくるため、使用開始当初に感じられた赤み、かゆみ、刺激感といった症状は徐々に軽減していく傾向にあります。

しかし、はっきりした効果はまだ実感しない方が多いので、塗り続けてください。

2〜4週後

継続して使用していると、2週間から4週間ほど経つころには、酒さや赤ら顔の症状が改善してくることが期待されます。この時期には効果を実感される方も増えてきます。

ただしアゼライン酸の使用を中断すると、酒さの症状が再び悪化(再燃)することもあるので、効果維持のためにも継続的な使用が重要です。効果の実感がまだの方も、もう少し続けてみましょう。

アゼライン酸の特徴

アゼライン酸は、小麦やライ麦、大麦といった穀類に含まれている成分で、「飽和ジカルボン酸」という種類に分類されます。

私たちの体内で自然に生成されるものではなく、食品などから摂取されるものです。

アゼライン酸には、以下の作用があります。

  • 角化異常を抑制する作用(毛穴の詰まりを防ぐ)
  • 皮脂の分泌を抑制する作用
  • アクネ菌などに対する抗菌作用
  • 炎症を抑える抗炎症作用
  • メラニンの生成を抑える作用(美白効果)

海外では約30年以上にわたり、主にニキビ(尋常性ざ瘡)や酒さの治療薬として広く用いられてきました。また、アゼライン酸は催奇形性がなく、妊娠中や授乳中の方でも使用できる、安全性の高い成分であることが大きな特徴です。

日本では医薬品としては未承認ですが、その有効性と安全性から、多くの医療機関で酒さやニキビ治療、また化粧品成分として使用されています。

他の成分との比較(刺激感や副作用の比較)

ここでは、アゼライン酸と他のニキビ・酒さ治療薬との違いを紹介します。

成分主な効能刺激性・副作用使用時のポイント
アゼライン酸角質ケア、抗炎症、抗菌、皮脂分泌抑制、色素沈着抑制(ニキビ・シミ改善など)使用初期にヒリヒリ感・かゆみが出ることあり10~20%製品を朝晩使用、肌状態を見ながら頻度調整
レチノールターンオーバー促進、コラーゲン産生サポート(小じわ改善、ハリUP)、ニキビ跡・エイジングケアレチノイド反応(乾燥・赤み・皮むけ)、高濃度でヒリヒリ・かゆみ少量から開始し、週1~2回→徐々に頻度・濃度アップ
アゼライン酸誘導体アゼライン酸同様の抗炎症・皮脂抑制・色素沈着抑制、保湿性向上純粋なアゼライン酸より刺激が少ない敏感肌にも使いやすく、製品によるが朝晩使用可
ナイアシンアミドバリア機能改善、抗炎症、抗菌、美白効果(くすみ改善)刺激感は非常に少ないが、高濃度で稀に赤み・ピリピリ感2~5%製品を朝晩使用、他成分と併用しやすい

レチノール

レチノール(ビタミンA誘導体)は、ターンオーバー促進効果や皮脂の分泌抑制効果、コラーゲン産生をサポートして小じわやハリの改善が期待できる成分です。ニキビ跡の改善やエイジングケアにも使われます。

しかし使用初期に「レチノイド反応」と呼ばれる乾燥、赤み、皮むけなどが起こりやすい成分です。アゼライン酸にも使用初期に一時的な刺激感が出ることがありますが、レチノイド反応はよりはっきりと現れる場合があります。高濃度の製品では、ヒリヒリ感やかゆみを感じることも少なくありません。

そのため少量から開始し、肌の様子を見ながら徐々に使用頻度や濃度を調整する必要があります。アゼライン酸も同様に肌の状態を見ながら使用しますが、比較的マイルドな使用感のものが多い傾向にあります。

以下の記事にも、解説がありますので、あわせてご覧ください。

アゼライン酸とレチノールの違いとは?効果や特徴について解説

アゼライン酸誘導体

アゼライン酸誘導体は、アゼライン酸の効果を保ちつつ、肌への刺激性をさらに低減することを目指して開発された成分です。

アゼライン酸そのものと比較して刺激が少なく、肌に優しい使用感が特徴です。また保湿作用が高いものもあり、乾燥が気になる方にも使いやすいでしょう。皮脂分泌抑制、抗炎症、色素沈着抑制といったアゼライン酸と同様の効能が期待されます。

以下の記事にも、アゼライン酸誘導体の解説がありますので、あわせてご覧ください。

アゼライン酸誘導体での治療ならのだ皮膚科へ|ニキビ・酒さ(赤ら顔の治療)に

ナイアシンアミド

ナイアシンアミド(ビタミンB3)は、バリア機能改善、抗炎症作用、美白効果などが期待できる成分です。一般的に刺激感は少なく、副作用のリスクも低いとされています。

アゼライン酸も比較的安全性の高い成分ですが、使い始めの時期には一時的にヒリヒリ感やかゆみが出ることがあります。ナイアシンアミドは、アゼライン酸と比較して初期刺激はさらに起こりにくい傾向にありますが、高濃度の製品では稀に赤みやピリピリ感が出る方もいます。

さまざまな肌悩みに対応できるため、多くのスキンケア製品に配合されています。

以下の記事にも、ナイアシンアミドの解説がありますので、あわせてご覧ください。

ナイアシンアミドならのだ皮膚科へ | シミ・毛穴・ニキビに

アゼライン酸の副作用

アゼライン酸の副作用は、以下のとおりです。

  • 赤み
  • かゆみ
  • 刺激感など

継続していくうちに軽減しますが、ひどい場合には医師に相談してください。

当院の治療の特徴

当院では皮膚科専門医がお一人おひとりのお肌の状態を丁寧に診察し、酒さや赤ら顔のお悩みや治療歴、どのような改善を希望されているかをお伺いした上で、アゼライン酸治療が適しているか、他の治療法が良いかなど、医学的根拠に基づいた最適な治療プランを提案させていただきます。

アゼライン酸治療にご興味がある場合や、その他ご不明な点、ご希望などがございましたら、診察時に遠慮なく医師にお伝えください。

費用

当院ではアゼライン酸・アゼライン酸誘導体配合の以下の製品を取り扱っています。

公的医療保険の対象にはならないため、自費での購入になります。

製品名価格
AZAクリア15g1,980円(税込)
ベーシックケアAZ 乳液 60g4,400円(税込)
ベーシックケアAZ クリアローション 125ml4,400円(税込)
ベーシックケアAZクリーム 30g3,000円(税込)
ベーシックケアAZシャンプー 150ml4,000円(税込)

よくある質問

Q. AZAクリアで赤くなるのはなぜ?

AZAクリアを使用した後に赤みが強く出るのは、アゼライン酸の成分による刺激反応の可能性があります。塗布する際は、肌を強く擦らないように優しく塗ってください。塗った直後にだけ赤くなり、しばらくすると自然に治まるようであれば、そのまま使用を継続できることが多いです。

しかし赤みが長時間続く、あるいは悪化する場合は、使用頻度を減らす(例:1日1回→隔日)、または一時的に使用を中断してください。なかなか症状が改善されない場合は医師の診察を受けるようにしてください。

Q. アゼライン酸を塗った後はどうしたらいいですか?

アゼライン酸を塗布した後は、適切な保湿ケアをすることが大切です。特に皮膚が乾燥しやすい傾向にある酒さの方に保湿は重要ですが、過度な保湿は避ける必要があります。

たとえば油分の多い重い質感のクリームやワセリンなどを厚く塗ると、毛穴を塞いでしまい、かえって酒さのポツポツ(丘疹)を増やしてしまう可能性があります。

当院で推奨しているような、酒さの肌に適した保湿剤(例:ベーシックケアAZシリーズなど)を選び、適量を優しく塗布しましょう。保湿剤を先に塗り、その上からAZAクリアなどのアゼライン酸製品を重ねると、刺激感を和らげる効果も期待できます。

Q. アゼライン酸はニキビ跡に効く?

はい、アゼライン酸はニキビ跡の中でも、特に「炎症後色素沈着」と呼ばれるタイプの改善に効果が期待できます。炎症後色素沈着とは、ニキビの炎症が治まった後に、メラニン色素が過剰に生成・沈着し、茶色や黒っぽいシミのようになってしまった状態のことです。

アゼライン酸にはメラニンの生成を抑える作用があるため、継続的に使用することで、既存の色素沈着を薄くし、新たなニキビやニキビ後の色素沈着を予防する効果が期待できます。

アゼライン酸でスキンケアしたい方は池袋駅前のだ皮膚科へ相談を

酒さや赤ら顔、治りにくいニキビ、そして気になるニキビ跡の色素沈着など、さまざまなお肌のお悩みに対応できるアゼライン酸は、有効な選択肢の一つです。

アゼライン酸を用いたスキンケアや治療にご興味をお持ちでしたら、ぜひ一度、池袋駅前のだ皮膚科にご相談ください。

当院では、皮膚科専門医が肌の状態を診察し、ご希望をていねいにお伺いいたします。そのうえで、最適な治療法やスキンケアプランを提案させていただきます。まずはお気軽にお問い合わせ、ご予約ください。

【池袋駅前のだ皮膚科院長|野田 真史監修】