アゼライン酸とレチノールの違いとは?効果や特徴について解説

「赤ら顔にアゼライン酸が良いみたいだけど本当なの?」「アゼライン酸はよく聞くレチノールと何が違う?」悩み方にあうスキンケアを調べているうちにアゼライン酸やレチノールなどの成分を目にする機会があるのではないでしょうか?

アゼライン酸は酒さ(赤ら顔)やニキビに、レチノールはニキビ跡や小ジワに良いとされている成分です。効果が似ているように思えますが、お互い違う性質を持っています。

この記事では、アゼライン酸とレチノールの違いについて詳しく解説するとともに、それぞれの成分がおすすめな方や併用しても良いのかまで解説しています。

また、当院で販売しているアゼライン酸配合のスキンケア商品「ベーシックケアAZ」についても紹介しています。アゼライン酸とレチノール、どちらが自分に合うのかわからず迷っている方は、ぜひ最後までお読みください。

アゼライン酸とレチノールの違いとは

アゼライン酸とレチノールはどちらの化粧品としても配合される成分です。似ているようでそれぞれの特徴を活かした違いがあります。

  • 効果の違い
  • 肌への影響の違い
  • おすすめな人の違い

それぞれ詳しく解説します。

項目アゼライン酸レチノール
効果皮膚の角化異常を抑え、毛穴詰まりを解消。
抗菌・抗炎症作用や皮脂分泌抑制効果もあり、ニキビや酒さの赤ら顔を改善。
色素沈着の軽減も期待できる。
ビタミンAの一種で、肌のターンオーバーを促進。
ニキビ跡のくすみや小ジワを目立ちにくくし、ハリのある肌へ導く。
肌への影響比較的刺激が少なく、敏感肌の方でも試しやすい。
初めての人でも使いやすい。
使用初期に乾燥や皮剥け(レチノイド反応)が起こることがある。
高濃度では痛みやかゆみを感じる場合もあり、使用頻度の調整が必要。
おすすめな人顔の赤みを落ち着かせたい人、ニキビが気になる人、敏感肌や乾燥肌の人におすすめ。
低刺激なケアを求める人にも向いている。
ニキビ跡の色素沈着や小ジワが気になる人に適している。
深いシワや表情ジワには美容医療との併用を推奨。

効果の違い

アゼライン酸は主に皮膚の角化異常の抑え、毛穴詰まりの解消が期待できる成分です。ほかに抗菌作用や抗炎症作用、過剰な皮脂の分泌を抑制する効果を持ちます。

炎症を起こしたニキビや酒さの赤ら顔、どちらの症状でも改善が期待できる成分です。また、アゼライン酸は色素沈着の軽減も期待できると報告されています。[1][2][3]

一方レチノールはビタミンAの一種であり、肌のターンオーバーを促す作用が強いことが特徴です。その結果、ニキビ跡のくすみや小ジワなどを目立ちにくくし、ハリのある肌へ導きます。[4][5]

肌への影響の違い

アゼライン酸は比較的刺激の少ない成分として知られ、初めての方でも試してみやすいと言われています。敏感肌の方にも使いやすい成分と言えるでしょう。

一方でレチノールは、使用初期に乾燥や皮剥けなどの「レチノイド反応」と呼ばれる症状が起こることがあります。とくに高濃度の製品では、痛みやかゆみを感じる場合もあるため使用頻度や塗布量の調整が重要です。

いずれの場合も、保湿ケアを十分に行うことで肌への負担が減り、使い続けやすくなるでしょう。[5]

おすすめな人の違い

アゼライン酸は顔の赤みを落ち着かせたい方や、ポツポツとできるニキビが気になる方におすすめです。また、乾燥肌や敏感肌など、低刺激なケアを求める方にも向いているでしょう。

当院で販売している「ベーシックケアAZ」のように濃度を抑えた製品はさらに刺激感が少なく、敏感肌でも使いやすいです。

一方、レチノールはニキビ跡による色素沈着や、小ジワが気になる人に適しています。ただし眉間や額に刻まれた深いシワや、表情じわに対してはレチノールだけではなく、美容医療施術との併用を検討すると良いでしょう。

アゼライン酸とレチノールの特徴

 アゼライン酸とレチノールは似ているようで、それぞれ違う特徴を持っています。

ここではアゼライン酸とレチノールの特徴について詳しく解説します。

アゼライン酸の特徴

アゼライン酸は、小麦やライ麦などの穀物や酵母に含まれる自然由来の成分です。抗炎症作用によりニキビの赤みを抑え、皮脂の過剰分泌を抑えることで毛穴詰まりを防ぎます。

さらに、抗菌作用によって新たなニキビをできにくくしたり、酒さによる赤みを和らげたりする作用を持ちます。

色素沈着を抑える働きもあるため、ニキビ跡が気になる方にもおすすめです。アメリカではFDA(米食品医薬品局)の承認を受けている一方、日本では未承認の成分となるため、医薬品としての販売は行われていません。[3]

アゼライン酸を試してみたい方は、まずはスキンケア商品などに含まれる形で取り入れてみるとよいでしょう。

 レチノールの特徴

レチノールはビタミンAの一種です。古い角質を排出して肌のターンオーバーを促すため、小ジワやシミ、ニキビ跡によるくすみなどの肌悩みにアプローチします。

小ジワの目立ちにくさや肌のハリ感アップが期待できる一方で、使い始めは乾燥や皮剥け、赤みなどの反応が起こりやすいと言われています。高濃度であるほど症状が出やすいため、初めて使う際は低濃度のレチノール含有製品から試すと良いでしょう。[5]

レチノールは、市販されている化粧品や医薬部外品に使われていますが、医療機関での処方が必要な「イソトレチノイン」や「レチノイド(アダパレンやトレチノイン)」とは別成分です。イソトレチノインやレチノイドはビタミンA誘導体であり、医師の処方がないと購入できない医薬品であるため注意しましょう。

アゼライン酸とレチノールは併用できる?

アゼライン酸とレチノールは併用可能です。ただし、刺激を感じる場合があるため、使う順番や頻度には注意が必要です。

とくにレチノールはターンオーバー促進作用により、乾燥や皮剥けを引き起こしやすい成分です。アゼライン酸はレチノールとの併用によって、一時的に刺激感が強まることもあるでしょう。

対策としては「片方を朝に使用し、もう片方を夜に分けて使う」「成分が高濃度であるものを避ける」などがあります。

自分の肌状態を観察しつつ、少しずつ取り入れ、刺激を感じる場合は使用を控えたり頻度を下げたりして様子をみながら使いましょう。

アゼライン酸配合のスキンケア商品「ベーシックケアAZ」

池袋駅前のだ皮膚科では、オリジナルのアゼライン酸配合スキンケア商品「ベーシックケアAZ」を販売しています。

ここではベーシックケアAZで期待できる効果や費用・注意点などをまとめて解説します。

ニキビや酒さのお悩みに日常使いしやすいケア商品

「ベーシックケアAZ」はアゼライン酸を配合した、当院オリジナルのスキンケア商品です。赤ら顔が気になる酒さの方や、ニキビがポツポツできる方に使っていただきたい製品です。

アゼライン酸のほかには、うるおい成分としてナイアシンアミドやセラミドを配合しています。ナイアシンアミドは皮脂や炎症を抑え、肌のバリア機能を補う成分です。セラミドは保湿だけでなく、ニキビや酒さなどの肌トラブルで不足しがちな肌のバリア機能を補います。

ベーシックケアAZは乾燥肌や敏感肌の方でも毎日使っていただけるよう、アゼライン酸の濃度を調整しています。アゼライン酸は、濃度が高いと刺激感を感じるためです。日常使いできる優しい設計にこだわって作っていますが、刺激を感じた場合は1日おきに使用したり1日1回だけ使用したりしても良いでしょう。

アゼライン酸はニキビ治療薬との併用も可能です。乳液タイプとローションタイプがあるため、肌の状態やお好みにあわせてお選びいただけます。

ベーシックケアAZについて、詳しくはこちらをご覧ください。
ベーシックケアAZの詳細を見る

費用について

ベーシックケアAZは2種類あります。お好みによってお選びください。「ベーシックケアAZクリアローション」と「ベーシックケアAZ」を重ね塗りすると、期待した効果がさらに実感できるでしょう。

ベーシックケアAZ
ベーシックケアAZ(乳液タイプ) 60g/本4,400円(税込)
ベーシックケアAZ クリアローション(化粧水タイプ)125ml4,400円(税込)

ベーシックケアAZは院内およびオンラインでのみ購入可能です。

オンラインの場合は送料として別途 550円が必要となります。

リスク・注意点

ベーシックケアAZにはアゼライン酸が配合されています。人によっては赤みや痒み、刺激を感じることがあるため注意してください。

通常1日2回のご使用を推奨しておりますが、刺激感が気になる場合は、1日1回や1日おきの使用も試してみると良いでしょう。症状が治まらないときは医師までご相談ください。

また、使い始めてから効果を実感できるまでの目安は2週間です。すぐに効果を実感できなくてもすぐに使用を中止せず、様子をみながら続けてみましょう。

アゼライン酸とレチノールに関するよくある質問

アゼライン酸とレチノールに関するよくある質問にお答えします。

Q. アゼライン酸とレチノールは併用できますか?

アゼライン酸とレチノールは併用可能です。ただし併用により刺激を感じやすい方もいるでしょう。

その場合の対策として「朝晩でそれぞれを使い分ける」「高濃度商品を避ける」などを試してみてください。

Q. レチノールとアゼラインを使う順番は?

テクスチャの軽いものから先に、重いものを後に使うのが一般的です。もし同等であれば、アゼライン酸を先に、レチノールをあとに使うと良いでしょう。

医師から個別に指導があれば、指示通り使用しましょう。

Q. アゼライン酸と一緒に使ってはいけない薬は?

一緒に使ってはいけない薬は特にございません。ニキビ治療薬との併用も可能です。

ニキビや酒さのスキンケアにお悩みなら池袋駅前のだ皮膚科へ相談を

アゼライン酸とレチノールはともにスキンケア商品に使われる成分です。

アゼライン酸は過剰な皮脂をコントロールし、毛穴詰まりを解消します。ポツポツとできるニキビや赤ら顔が気になる方や刺激に敏感な方でも使っていただけます。

レチノールは小ジワやニキビ跡のくすみなどに改善が期待できる成分です。人によって刺激を感じる場合があるため、敏感肌の方は注意しましょう。

当院オリジナルの「ベーシックケアAZ」はアゼライン酸配合のスキンケア商品です。敏感肌や乾燥肌の方でも毎日使っていただけるように濃度を調整した優しい設計になっています。オンラインでも購入が可能です。

ベーシックケアAZの詳細を見る

ポツポツとできるニキビや赤ら顔が気になっているけれど、どのスキンケアを使えば良いかわからない方やアゼライン酸の配合されたスキンケアを試してみたい方は、ぜひ一度当院オリジナルのベーシックケアAZをお試しください。

【池袋駅前のだ皮膚科院長|野田 真史監修】



参考

[1]Relationship between sebostatic activity, tolerability and efficacy of three topical drugs to treat mild to moderate acne – PubMed
[2]尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン 2023
[3]Azelaic Acid: Mechanisms of Action and Clinical Applications
[4]A Clinical Anti-Ageing Comparative Study of 0.3 and 0.5% Retinol Serums: A Clinically Controlled Trial – PubMed
[5]Improvement of Naturally Aged Skin With Vitamin A (Retinol) | Dermatology