【皮膚科医監修】ピーリングのおすすめ成分PHAの効果や特徴を徹底解説

「ピーリング剤のPHAってどんな成分?」と考えている方もいるのではないでしょうか?

PHAは次世代型AHAとも呼ばれているピーリング成分で、刺激が少なく、保湿力とバリア機能を強化して肌をなめらかにします。他のピーリング剤が使えない敏感肌の方にも選ばれているアイテムです。

この記事では、PHAについて、特徴やメリット、ピーリング成分AHAやBHAとの違いなどについて、解説します。

PHAとは?

PHAとは、肌に優しく効果的な新世代のピーリング成分です。従来のピーリング成分と比較して、以下の特長を持っています。

  • 刺激が少ない
  • 肌のターンオーバーを正常化する
  • 抗酸化作用を有する
  • 肌バリア機能を強化する
  • 優れた保湿効果を持つ

多くの PHA は、天然に存在する内因性代謝物や炭水化物代謝の中間生成物から合成されますが、分子サイズが大きく肌の深い部分にまで浸透しないため、非常に穏やかな成分です。肌のターンオーバーを正常化し、抗酸化作用も持つので、肌をなめらかに整える働きがあります。

また、PHAには保湿作用を持つヒドロキシ基が多く含まれているので、肌の水分保持能力を高める特性があります。角質層をゆっくりと溶かしながら、同時にバリア機能を損なわないよう働きかけ、そのため、敏感肌の方でも安心して使える注目の成分です。

PHAの特徴

PHAは非常に穏やかなピーリング成分で、さまざまな肌の悩みのある方におすすめできます。

特徴

PHAの主な特徴は以下の通りです。

  • 天然由来の代謝物から合成される
  • 肌表面の角質層を穏やかに除去する
  • 肌をなめらかに整える
  • 様々なスキンケア製品に配合可能である

PHAは、効果的な角質除去作用を持ちながら肌への負担が少なく、さらに保湿効果も兼ね備えた、安全性の高いピーリング成分として注目されています。

PHAがおすすめの肌悩み

以下のような肌の悩みのある方におすすめです。

  • ニキビや毛穴が気になる方
  • 皮脂が気になる方
  • 肌の黒ずみが気になる方
  • 敏感肌の方
  • 肌のハリが欲しい方

肌のターンオーバーを促すのが、ピーリングです。ターンオーバーの周期は健康的な方の肌の場合、約28日ですが、生活習慣の乱れやストレスなどにより周期が乱れると乾燥・ニキビ・キメの乱れなどにつながります。

PHAは、ピーリング剤の中でも肌に優しい成分です。他のピーリング剤が合わない敏感肌の方も使える可能性があります。肌の代謝が活性化されるので、悩みの改善が期待できます。

PHAのメリット

他のピーリング剤にはないPHAのメリットは、以下のとおりです。

  • 刺激が少ない
  • 保湿力とバリア機能を強化して肌をなめらかにする
  • 次世代型AHAとも呼ばれている
  • 敏感肌の人も使える

PHAが「次世代型AHA」とも呼ばれるのは、従来のピーリング成分の欠点を克服したからです。分子サイズが大きいために、肌の深部へ入り込めず、肌を刺激しません。そのため、敏感肌の方でも比較的安心して使えます。

PHAには優れた保湿効果があるので、肌の水分保持能力を高めながら、バリア機能も強化します。ピーリング効果だけでなく、使用後に肌がしっとりとなめらかになるという特長があります。

また、アゼライン酸15%の外用とPHAを併用することで、より酒さの赤みに効果があったとするデータがあります。PHAは肌に優しいピーリング剤で、酒さの方でも使用が可能です。

AHA・BHAとの違い

PHAは分子サイズが大きく、より皮膚の浅いところに作用するために、皮膚への刺激は少ない成分です。ピーリング作用のほか、保湿作用や抗酸化作用も持ち、バリア機能を強化して肌をなめらかにします。

PHAとAHA、BHAの比較表を作成してみました。

【PHA・AHA・BHAの比較表】

PHAAHABHA
作用部位AHAやBHAよりも浅い部分比較的浅いがPHAよりも深い比較的浅いがPHAよりも深い
作用古い角質を取り除く、保湿する、水分蒸発量を減らす、皮脂を減らす、ニキビへの効果角質細胞間のタンパク質を溶かして、古い角質を取り除く毛穴に溜まった角質や皮脂を取り除く、ニキビに効果が出やすい
期待できる効果保湿力とバリア機能を強化して肌をなめらかにする、ピーリング作用がマイルドで湿疹・酒さがあっても使いやすい紫外線ダメージにより乾燥した肌や肌の乾燥からできるシワ、繰り返しできるニキビニキビのできる混合肌や脂性肌、同じ場所にできるニキビ

AHAとの違い

AHAは角質細胞間にあるタンパク質を分解して肌表面の古い角質を取り除きながら、肌のターンオーバーを正常化します。PHAより刺激が強く、肌のやや深い部分に働きますが、比較的穏やかな成分です。

BHAとの違い

脂溶性のBHAは皮脂を溶かしながら毛穴の奥へ入り込み、毛穴の黒ずみやニキビ跡などへ作用します。角質除去作用が強く、高い効果が期待できますが、赤みなどの副作用が出やすいという面も持っています。

PHA配合の化粧品の選び方

PHA配合の化粧品を選ぶ場合には、以下のことを確認しましょう。

成分と使用方法を確認する

化粧品には複数の成分が入っているので、選ぶときは成分と濃度・使用方法を確認しましょう。初めて使うときは濃度が低いものを選ぶか、サンプルを少し塗ってみてヒリヒリしないか確認するのをおすすめします。

普段使いできるものを選ぶ

「ピーリング剤=特別なケア」のイメージがあるかもしれませんが、医師の実施するケミカルピーリングと違い、一度で劇的な効果が期待できるわけではありません。定期的にケアすることを考えて、自分の使いやすい製品を選ぶのがおすすめです。

PHA配合化粧品の注意点

PHA配合化粧品を使うときには、以下のことに注意しましょう。

使用頻度や使用法を守る

製品によって使用頻度が大きく違うので、必ず確認しましょう。必要以上にケアすると、乾燥や肌荒れの原因になります。ケアの際の摩擦刺激には要注意です。使用法を確認し、正しい方法でケアしましょう。

保湿ケアやUVケアを十分にする

古い角質がなくなると、一時的に肌が乾燥しやすく、紫外線の影響を受けやすい状態になります。必ず保湿ケアや日焼け止めクリームを塗るなどUVケアを丁寧におこないましょう。

敏感肌の方は慎重に

化粧品成分は安全性を考えて調整されていますが、副作用の赤みや荒れが起こる場合があります。肌が敏感な人は濃度の高い成分を使ったピーリング剤は避けましょう。

自己判断で製品を選んで使うと肌の状態を悪化させるおそれがあるため、医療機関で適切なピーリングケア製品を選んでもらうのがおすすめです。

よくある質問

Q. ピーリングが良くない理由は何ですか?

A. ピーリングをやり過ぎると肌が乾燥状態が続き、肌荒れが悪化してしまいます。というのは、肌のバリア機能が低下して、炎症が起こりやすくなるからです。

Q. PHAの美容効果は?

A. PHAには、以下のような美容効果があります。

  • 毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)に有益な効果がある
  • 水分を保持しながらのピーリング治療ができる
  • 従来のAHAやBHAよりも肌荒れしにくい
  • 小じわやシワの改善になる
  • エイジングケアになる
  • ニキビ肌や毛穴ケアもできる
  • 継続使用で皮脂を抑えられる可能性がある

敏感肌の方も使えるピーリング剤です。

リスク・注意点

リスク

  • 刺激感
  • はんこん形成
  • 赤みやかゆみ、炎症反応
  • 皮膚疾患の悪化
  • 浮腫
  • 水疱形成
  • 鱗屑(りんせつ)・痂皮(かひ)
  • 毛細血管拡張

注意点

  • 過度な使用は避ける
  • 肌トラブルのある時はしない
  • 使用後は適切に日焼け止めを使う

ピーリング成分PHAに関するご相談なら池袋駅前のだ皮膚科へ

この記事では、PHAの特徴やメリット、AHA・BHAとの違いなどについて、説明してきました。

PHAは次世代型AHAとも呼ばれているピーリング成分で、保湿力とバリア機能を強化して肌をなめらかにします。刺激が少ないので、他のピーリング剤が使えない敏感肌の方も使えるかもしれません。

ピーリング成分PHAに関する疑問などは、お気軽に当院までご相談ください。

池袋駅前のだ皮膚科院長 野田 真史 監修

【参考文献】

Clinics in Dermatology, September-October 2009, pages 495-501

日本皮膚科学会ケミカルピーリングガイドライン(改訂第3版)