毛細血管拡張症とは
毛細血管拡張症は、主に以下の4つに分類されます。
- 単純型…赤色や赤紫色の血管が直線的に拡張している状態のこと。通常、盛り上がりはみられません。
- 樹枝状型…赤色や赤紫色の血管が枝分かれして拡張している状態のこと。単純型と同様、盛り上がりはみられません。
- クモ状型…360度に血管がクモ状に拡張している状態のこと。
- 丘疹型…皮膚表面に盛り上がりがみられ、丘疹ができ血管が拡張している状態のこと。
毛細血管拡張症の原因
毛細血管拡張症の原因はわかっていませんが、主に遺伝的な体質、日光、ホルモンが影響していると考えられます。その他、生活習慣では寒暖差、飲酒などが関係しているといわれています。
遺伝
小さい頃から頬などに目に見える線状の毛細血管拡張が目立つ場合があります。生まれつき皮膚が薄い方や色白の方は、皮膚表面から毛細血管が透けて見えやすい場合があります。
日光の暴露
日光を浴び続けると毛細血管が拡張して線状にちりちりして見えるようになったり、赤ら顔になることがあります。また、首からデコルテにかけて服で覆われていない部分は体でも日光の影響で赤くなりやすいです。
ホルモン
毛細血管拡張症は女性に多くみられ、特に妊娠中の顔や首、胸などに発生しやすい傾向があります。女性ホルモンの関与から、女性ホルモンの配合薬を使用した場合にも症状が現れる可能性があります。
寒暖差
身体が冷えると交感神経が優位にはたらき、血管を収縮させて体外に熱を逃がさないようにします。反対に身体が温まると副交感神経が優位にはたらき、血管を拡張させて熱を逃がしています。
暖かい場所と寒い場所を行き来することにより、毛細血管が拡張と収縮を繰り返します。毛細血管拡張症は血管が拡張したまま戻らなくなった状態を指します。
刺激物の摂取
唐辛子に含まれるカプサイシンには、血管拡張作用があります。香辛料やアルコールなどの刺激物の摂取は、血流を増加させ、毛細血管が広がりやすくなります。
毛細血管拡張症の治療法
毛細血管拡張症の治療対象となるのは血管となるため、基本的にはレーザー治療が有効と考えられています。皮脂分泌が盛んな部位に湿疹が生じる脂漏性皮膚炎や、一般的に「にきび」といわれる尋常性ざ瘡も顔面に赤みが生じるため、治療前に鑑別が必要です※1)。
Vビーム
Vビームとは、血液中のヘモグロビンに反応して顔の赤みやニキビ跡などを改善する治療です。真皮層の線維芽細胞を刺激することにより、コラーゲンなどの生成が促進され、小じわやたるみ改善、肌の弾力やハリのアップにつながります。
ダーマV
ダーマV(Derma V)は、532nmと1064nmの2つの波長を使い分けられるロングパルスヤグレーザーです。532nmは表層の赤みや毛細血管拡張に、1064nmは皮膚の深いところにある太い血管に届きやすく、Vビームでは届きにくい血管にも対応できます。
Vビームとは波長が異なるため、どちらが効果的かには個人差があります。Vビームで効果が頭打ちになったときにダーマVに切り替えるなど、症状に合わせて使い分けます。顔だけでなく、手や腕、脚の血管拡張にも使えます。
毛細血管拡張症の症例
鼻まわり(小鼻の赤み)
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| 治療内容 | Vビーム |
|---|---|
| 治療期間・回数 | 9ヶ月間に5回 |
| 費用 | Vビーム2 鼻 11,000円を5回 |
| 副作用やリスク | 赤み、むくみ、内出血、水疱 など |
鼻

| 治療内容 | Vビーム |
|---|---|
| 治療期間・回数 | 1回の治療から4ヶ月後 |
| 費用 | Vビーム2 鼻 11,000円 |
| 副作用やリスク | 赤み、むくみ、内出血、水疱 など |
子どもの頃からの毛細血管拡張症でお悩みだった当院の40代女性の患者様。一度のVビーム2によるレーザー治療で血管を目立たなくすることができました。写真はVビーム2照射を1回行い、4ヶ月後。
頬

| 治療内容 | Vビーム |
|---|---|
| 治療期間・回数 | 1回の治療から4ヶ月後 |
| 費用 | Vビーム2 頬から下 22,000円 |
| 副作用やリスク | 赤み、むくみ、内出血、水疱 など |
幼少時からの頬の肉眼的な毛細血管拡張をVビーム2による当院の一度のレーザー治療でここまで血管を目立たなくすることができました。写真はVビーム2照射を1回行い、4ヶ月後。
写真のようにチリチリと目に見えて血管が開いている場合は塗り薬や飲み薬は効かないので治療はレーザー治療になります。軽く紫斑が出る強さでVビーム治療したところ、一回でもこの効果が出ました。Vビームは設定が効果に大きく影響しますので、症状を見て調節しています。
首(ダーマV)

| 治療内容 | ダーマV |
|---|---|
| 治療期間・回数 | 1回の治療から2ヶ月後 |
| 費用 | ダーマV 首 22,000円(税込) |
| 副作用やリスク | 一時的なむくみや赤み、紫斑、水疱形成、色素沈着、色素脱失 |
以前にステロイドを長期間塗っていたために、首の赤みと細かい血管の拡張が目立っていた40代男性の患者様。まずVビームを4回行ったところ効果はあったものの、通常よりも治療の経過が遅かったため、ダーマVに切り替えました。ダーマV1回で、チリチリとした赤い線も全体的な赤みも改善しました。写真はダーマVの治療前と、治療から2ヶ月後。
ダーマVはVビームとは波長の異なる赤み治療のレーザーです。2つのレーザーはどちらが優れているということはなく、どちらの方が効果が上がるかには個人差があります。この患者様ではダーマVがよく効きました。
手の甲(ダーマV)

| 治療内容 | 手の甲に浮き出た血管(毛細血管拡張)と赤みにお悩みだった20代女性の患者さまです。初回はVビーム2による治療を行いました。しかし、十分な効果が得られなかったため、ダーマVに切り替えました。 照射後2週間で、赤みや血管の目立ちが大きく改善し、画像(右)のように1回の施術でほとんど目立たなくなりました。 |
|---|---|
| 治療期間・回数 | 治療期間:約2週間 治療回数:1回 |
| 費用 | ダーマV(手背・片側)11,000円(税込) |
| リスク・副作用 | 一時的なむくみや赤み、紫斑、水疱形成 |
| 担当医師コメント | ダーマVは532nmおよび1064nmの波長を使ったロングパルスヤグレーザーで、血管や赤みに対して高い効果が期待できます。 Vビームは顔や首、デコルテの血管拡張に優れた効果を発揮します。しかし、背や腕、脚などの毛細血管拡張には、ダーマVの方が適している症例もあります。 この患者さまのように、Vビームで効果が乏しかった部位に対してダーマVを用いることで、高い治療効果を得られるケースがあります。 |
毛細血管拡張症の治療の副作用とリスク
毛細血管拡張症の治療の経過、効果には個人差があります。気になる症状が続く場合には、医師へ相談しましょう。
Vビーム
赤みやむくみ
治療中は輪ゴムで弾かれたような痛みがあり、軽度の炎症を引き起こすことがあります。肌の赤みやむくみは、通常2~5日ほどで治まります。
内出血
皮膚表面の血管が紫色の内出血を起こすことがあります。通常、2週間程度で元の皮膚の色に戻ります。
水疱
まれに内出血を生じた部位に水疱ができる場合がありますが、通常は2週間程度で軽快します。
以下に該当する方は、治療を受けることができません。必ず事前にご相談ください。
- 妊娠中、授乳中の方
- ケロイド体質の方
- 極度の日焼けをしている方
- 日光過敏症の方
- ペースメーカーを装着している方
- 金の糸の治療を受けた方
- てんかん発作のある方
ダーマV
赤み・腫れ
施術直後にみられ、通常は1〜2日程度で消失します。Vビームよりも一般的に赤みや腫れのダウンタイムが少ないのがダーマVの特徴です。まれに1週間程度症状が続く場合があります。反応が強く出過ぎた場合、元の赤みよりも悪化するリスクがごくまれにあります。
色素沈着
とくに532nmの波長はメラニンにも反応する場合があり、もともと肝斑やくすみがある場合に悪化のリスクがあります。Vビームに比べるとこのリスクは高くなります。肝斑やくすみが強く見られる場合は、出力を落としたり、その部位だけ照射を避けたりすることがあります。
水疱
レーザーが強く反応すると、まれに水ぶくれになる場合があります。通常は水疱にならないよう出力を調節しています。
未承認医薬品等の表示
ダーマV(Derma V)について
- 未承認医薬品等
- ダーマVは、医薬品医療機器等法上の承認を得ていない未承認医療機器です。
- 入手経路等
- 当院で使用しているダーマVは、製造元であるCynosure Lutronic社の日本国内の正規代理店を通じて入手しています。
- 国内の承認医薬品等の有無
- 波長532nm・1064nmのレーザー装置として国内で承認を得ている医療機器はありますが、ダーマVと同一の性能を有する国内承認医療機器はありません。
- 諸外国における安全性等に係る情報
- 米国FDAで、血管病変(血管腫、毛細血管拡張症など)や良性の色素性病変などの治療機器として販売が認められています。
- 医薬品副作用被害救済制度について
- 万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
料金
当院で治療する場合の料金は、以下の通りです。
| Vビーム(自由診療) | |
|---|---|
| 全顔 | 33,000円(税込) |
| ほほ | 22,000円(税込) |
| 鼻 | 11,000円(税込) |
| 静脈湖 1箇所 | 16,500円(税込) |
| 傷痕、ケロイド、いぼ 1箇所 | 11,000円(税込) |
| 老人性血管腫 5箇所 | 11,000円(税込) |
| ダーマV(自由診療) | |
|---|---|
| 全顔 | 33,000円(税込) |
| ほほ | 22,000円(税込) |
| 鼻 | 11,000円(税込) |
ダーマVは、公的保険が適用されない自由診療です。当院では、Vビームと同じ費用です。
【参考】
(1)山下理絵.美容皮膚科に必要な外科的 OPTION & TECHNIQUE 赤ら顔 ②毛細血管拡張症 「Bella Pelle」 メディカルレビュー社 Vol.7 No.3 p76-77 2022
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院長紹介

野田 真史

学歴・資格
東京大学医学部医学科卒業
皮膚科専門医(日本皮膚科学会認定)
医学博士(東京大学大学院医学系研究科)
ニューヨーク州医師免許
ECFMG certificate(アメリカ医師国家試験合格証)
Master in translational science(米国ロックフェラー大学)
略歴
米国Northwestern大学、Thomas Jefferson大学で診療研修
米国ロックフェラー大学
Instructor in Clinical Investigation
兼 Associate Attending Physician
ニューヨーク州医師免許を取得し、診療にあたる
湿疹、アトピー性皮膚炎、乾癬、円形脱毛症の研究に従事し、Master in translational science(MSc)取得





