「顔や頭から汗が止まらない」「少し動いただけで顔が汗だくになる」「化粧が崩れる・前髪が濡れる」「頭と顔の汗がすごい」——顔や頭の汗でお悩みではありませんか。
顔や頭に必要以上の汗をかく状態を「顔面(がんめん)多汗症」「頭部多汗症」といいます。人目につきやすい部位のため、お悩みの大きい多汗症です。
ここでは、顔汗・頭汗を止める・抑えるためのセルフケアや市販品の選び方、そしてセルフケアで十分でないときの医療機関での治療まで、皮膚科専門医がくわしく解説します。
顔汗・頭の汗とは
顔面・頭部多汗症は、顔や頭皮に必要以上の汗をかく状態です。緊張や暑さ、辛いものを食べたときなどに強まりやすく、人前で顔から汗が流れることがストレスになりがちです。「頭と顔の汗がすごい」と感じる方も多く、汗が髪を濡らしたり、化粧を崩したりして困ることがあります。
体質や、汗を出す指令を伝える交感神経の過敏なはたらきが関係すると考えられています。
受診の目安
顔や頭の汗で、化粧が崩れて困る、人前に出るのがつらい、汗が気になって集中できない——こうした生活への支障があれば、治療を考える目安になります。市販の制汗剤やセルフケアで十分に抑えられない場合も、我慢せず一度ご相談ください。
なお、大人になってから急に全身の汗が増えた場合などは、ほかの病気が背景にないかを確認することもあります。
顔汗・頭汗の原因
はっきりした原因のない原発性の場合は、汗を出す指令を伝える交感神経が過敏にはたらくことが関係すると考えられています。緊張・不安や、暑さ・辛い食べ物などの刺激で強まります。顔は汗腺が多く、もともと汗が出やすい部位でもあります。
一方、全身の汗をともなう場合や、急に汗が増えた場合は、甲状腺の病気、更年期のホルモン変化、お薬の影響などが背景にあることもあります。
顔汗・頭汗を止める・抑える対策
顔や頭の汗は、まずセルフケアで抑える工夫から始めるとよいでしょう。次のような方法があります。
顔・頭用の制汗剤の選び方
ドラッグストアなどで、顔や頭にも使える制汗剤(クリーム・ジェル・ロールオンなど)が市販されています。顔はデリケートな部位のため、「顔用」「敏感肌用」と表示された低刺激のものを選びましょう。
汗をかく前に、清潔で乾いた肌に使うと効果が出やすくなります。肌に合わない・かぶれる場合は使用を中止してください。
汗をかいたときの応急対処
汗ふきシートやハンカチでこまめに拭き取り、保冷剤や冷たいペットボトルで首の後ろ・わきの下を冷やすと、ほてりと汗がやわらぎます。あぶらとり紙やフェイスパウダーで、化粧崩れを抑える工夫も役立ちます。
「半側発汗」を利用する
胸の上のあたりやわきの下を強めに圧迫すると、その圧迫した側の上半身・顔の汗が一時的に抑えられることがあります(半側発汗・皮膚圧反射)。着物の帯を締めると顔汗が出にくくなるのと同じ仕組みで、大事な場面での一時的な対策として知られています。
生活面の工夫
辛いものやカフェイン、アルコールは汗を促すため、汗をかきたくない場面では控えめにしましょう。緊張する場面では深呼吸でリラックスする、室温を下げる、通気性のよい服装にするなども役立ちます。
汗による肌トラブルにも注意
顔は汗をかいたままにすると、あせもやかぶれ(汗かぶれ)、ニキビの悪化につながることがあります。汗はやさしく拭き取り、肌を清潔に保ちましょう。
当院の顔汗・頭汗治療
セルフケアや市販の制汗剤で十分に抑えられない場合は、皮膚科での治療をご相談ください。顔や頭の多汗症は、外用薬・内服薬を中心に対応します。汗の程度やご希望に合わせて治療を選びます。
外用薬(塗り薬)
汗腺のはたらきを抑える塗り薬を使います。汗を出す指令をブロックする抗コリン成分の塗り薬や、汗腺の出口をふさぐ塩化アルミニウムの外用などがあります。
顔は皮膚が敏感な部位のため、低めの濃度から始めたり、塗る範囲・回数を調整したりと、刺激に配慮しながら使います。赤みやかぶれが出ることがあるため、保湿もあわせて行い、様子をみながら進めます。
汗をかく前(夜など)に塗ると効果が出やすい薬もあります。健康保険が適用されるものがあります。
内服薬
汗を抑える飲み薬(抗コリン薬)を使うこともあります。汗を出す指令を全身的に抑えるため、顔・頭だけでなく全身の汗が気になる場合や、塗り薬だけでは不十分な場合に向いています。
一方で、口の渇き・便秘・目のかすみ・尿の出にくさといった副作用が出ることがあり、緑内障や前立腺肥大のある方、一部の心臓の病気の方などは使えないことがあります。
効果と副作用を確認しながら量を調整して使い、大事な場面の前だけ使うといった方法をとることもあります。
ボトックス注射について
ボトックス(ボツリヌス毒素)注射は、汗を出す神経のはたらきを抑えて汗の量を減らす治療です。
わきの多汗症ではよく行われますが、顔・頭の場合は、注射した部位の表情筋に影響して、額のしわが寄りにくくなったり、まぶたが下がったりすることがあるため注意が必要です。
そのため、顔・頭へのボトックスは、症状や部位、ご希望をふまえて適応を慎重に判断します。なお、顔・頭の多汗症に対するボトックスは保険適用外(自費)です。ご希望の方は診察時にご相談ください。
当院では行っていない治療について
多汗症には、ほかに、汗腺を取り除く手術、マイクロ波で汗腺のはたらきを抑えるミラドライ、微弱な電流を流すイオントフォレーシスといった治療もあります。これらは主にわき・手のひら・足の裏などに対して行われる治療で、いずれも当院では行っていません。
当院では、顔・頭の多汗症に対して、外用薬・内服薬を中心に、負担の少ない方法で対応します。
よくあるご質問
- 顔汗を止める方法はありますか?
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顔用の制汗剤を汗をかく前に使う、こまめに拭いて首やわきを冷やす、わきの下を圧迫する(半側発汗)などの方法があります。それでも抑えられない場合は、皮膚科で外用薬・内服薬による治療ができます。
- ドラッグストアの制汗剤は顔に使えますか?
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「顔用」「敏感肌用」と表示された低刺激のものを選びましょう。汗をかく前に、清潔で乾いた肌に使うと効果が出やすくなります。肌に合わない場合は中止してください。
- 頭と顔の汗がすごいのですが何科ですか?
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皮膚科で対応します。汗の量や程度を確認し、外用薬・内服薬を中心に治療をご提案します。全身の汗をともなう場合は、原因となる病気がないかも確認します。
- 保険は使えますか?
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外用薬や内服薬による治療は健康保険が適用されるものがあります。治療内容によって異なりますので、診察時にご説明します。
- 顔汗でかぶれや肌荒れもします。
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汗をかいたままにすると、あせもやかぶれ、ニキビの悪化につながることがあります。汗はやさしく拭き取り清潔に保ち、肌トラブルがある場合はあわせてご相談ください。
- ボトックスで顔汗を止められますか?
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顔・頭へのボトックスは表情への影響など部位ならではの注意点があるため、症状や部位を診たうえで慎重に適応を判断します。ご希望の方は診察時にご相談ください。
顔や頭の汗は、人目につきやすく悩みの大きい多汗症です。市販品やセルフケアで抑えきれない場合も、外用薬・内服薬などで対応できますので、お困りの方は池袋駅前のだ皮膚科までお気軽にご相談ください。
院長紹介

野田 真史

学歴・資格
東京大学医学部医学科卒業
皮膚科専門医(日本皮膚科学会認定)
医学博士(東京大学大学院医学系研究科)
ニューヨーク州医師免許
ECFMG certificate(アメリカ医師国家試験合格証)
Master in translational science(米国ロックフェラー大学)
略歴
米国Northwestern大学、Thomas Jefferson大学で診療研修
米国ロックフェラー大学
Instructor in Clinical Investigation
兼 Associate Attending Physician
ニューヨーク州医師免許を取得し、診療にあたる
湿疹、アトピー性皮膚炎、乾癬、円形脱毛症の研究に従事し、Master in translational science(MSc)取得





