舌下免疫療法の費用はいくら?保険適用後の月々の料金と3年間の総額を詳しく紹介

舌下免疫療法にかかる費用総額は、3割負担の方で年間約3万6千円から4万5千円、3年間の完遂までには約11万円から14万円が必要です。月々の支払いは薬代と診察料を含めて2,000円から3,500円程度で推移します。

ただし、治療を開始する最初の月だけはアレルギー検査費用などが加わるため、5,000円から8,000円程度の出費を見込んでおく必要があります。

この記事では、通院頻度や自治体の助成制度によって変わる実際の支払額を解説します。

目次

舌下免疫療法を始める前の初期費用と保険適用ルール

初診時の窓口負担は、検査の有無により3,000円から8,000円前後と幅があります。健康保険が適用されるため、原則として費用の3割を支払います。

治療を始める月は、安全性を確認するための検査や初回限定の処方ルールがあるため、他の月よりも費用が高くなる傾向です。

健康保険が適用される治療ですので、窓口で支払う金額は医療費全体の3割(年齢や所得区分により1割または2割)です。

一般的な3割負担のケースを基準として、費用の内訳を詳しく見ていきましょう。

初診料とアレルギー検査に必要な金額

初めて病院を受診する際にかかる初診料に加え、舌下免疫療法では原因となるアレルゲン(スギやダニ)を確定させるための血液検査が欠かせません。この検査を行わないと、適切な治療薬を処方できないからです。

アレルギー検査は調べる項目の数で点数が変わりますが、主要な項目を含めたセット検査を行う場合、検査費用だけで3,000円から5,000円程度かかります。

もし直近の検査結果をお持ちなら、それを持参することで検査を省略し、費用を節約できます。

治療開始時の適格性確認と処方箋料

検査の結果、治療の対象であると診断された場合、医師が治療計画を立てます。この診断や指導にかかる費用に加えて、薬を受け取るための処方箋料が発生します。

舌下免疫療法は自宅で毎日薬を服用する治療法なので、医師からの詳細な指導管理料も含まれます。これらを合計すると、薬代を除いた診察・検査関係の費用だけで、初日は5,000円前後の支払いになることが一般的です。

初期費用の概算内訳

項目3割負担の目安備考
初診料約860円初診時のみ発生
アレルギー検査料約3,000円〜5,000円他院の結果があれば不要
医学管理料・処方箋料約500円〜1,000円指導や処方箋発行の費用

初回のお薬代と調剤薬局での支払い

診察が終わったあと、調剤薬局で薬を受け取る際にも費用がかかります。治療開始直後は、副作用の有無を慎重に確認するため、最初の1週間は少量の薬からスタートします。

このため、最初の処方は「2週間分」という制限が設けられています。薬自体の価格に加え、薬局での調剤技術料や管理料を合わせると、初回の薬局での支払いは1,000円から1,500円程度になります。

毎月の維持費はいくらかかる?詳細シミュレーション

治療が安定した後は、月1回の通院で約2,500円前後の維持費がかかります。長期処方を活用すれば、さらに通院回数と費用を抑えることが可能です。

治療が軌道に乗った2ヶ月目以降は、毎月の支払額が一定になります。

毎月発生するランニングコストについて、通院の頻度や処方日数の違いを含めて解説します。

安定期の通院費と薬代の内訳

治療開始から1ヶ月ほど経ち、副作用などのトラブルがないと判断されれば維持期に入ります。この時期になると、医師の判断で最大28日分(約1ヶ月分)の処方が可能になります。

月1回の通院で済むようになれば、毎回の再診料や調剤薬局の基本料を払う回数が減り、結果として総額を抑えられます。毎月1回通院する場合、診察料約600円、薬局での支払い約2,000円で、合計2,600円前後が毎月の目安です。

院内処方と院外処方の費用の違い

薬を病院の中で受け取る(院内処方)か、外の調剤薬局で受け取る(院外処方)かによって、費用は数百円異なります。一般的に院内処方の方が、調剤薬局へ支払う基本料が発生しない分安くなります。

しかし現在は多くの医療機関が院外処方を採用しています。かかりつけ薬局にお薬手帳を持参することで、わずかですが管理指導料が安くなる制度もあるため、お薬手帳は毎回忘れずに持参しましょう。

子供の医療費助成制度での実質負担

お子様が治療を受ける場合、自治体の医療費助成制度(マル乳・マル子など)の対象となることが多いです。地域によっては中学生や高校生まで医療費が無料、あるいは1回500円程度で済む場合があります。

この制度を利用できれば、経済的なハードルは下がります。毎日の服薬管理は大人のサポートが必要ですが、金銭面の負担が少ないうちに、受験期などを避けて早めに治療を開始するのが有利です。

1ヶ月あたりの維持費モデル

費用の内訳金額の目安(3割負担)内容
医療機関への支払い約600円再診料・管理料など
薬局への支払い約1,800円〜2,000円薬代・調剤料など
月額合計約2,400円〜2,600円月1回通院時の総額

3年間の治療継続にかかる総額費用は?

3年間の総額は約10万円から14万円です。1年目は初期費用でやや高くなりますが、2年目以降は年間3万円台で安定します。

舌下免疫療法は体質改善を目指す治療であり、効果を定着させるには最低でも3年、推奨は4年から5年の継続が必要です。

ここでは目安となる3年間の総額を計算してみましょう。

短期的な出費だけを見るのではなく、毎年花粉症シーズンにかかる市販薬代や、症状による集中力低下の損失と比較して判断してください。

1年目の導入期から維持期までの合計

1年目は初診時の検査費用や、薬を増量していく時期の頻繁な通院が必要になるため、2年目以降よりも費用がかさみます。初月の約8,000円に加え、残り11ヶ月分の維持費を合わせると、初年度は約40,000円前後になります。

風邪などで受診した際に、ついでに舌下免疫療法の薬も処方してもらうことで再診料をまとめるなど、工夫次第でこの金額から多少節約することも可能です。

2年目と3年目の安定期にかかる年間コスト

2年目以降は検査費用がなくなり、薬の量も一定になるため費用は底値で安定します。年間で約30,000円から35,000円程度で推移するでしょう。

これは月額換算で3,000円弱のサブスクリプションのような感覚です。重症シーズンに高価な薬を買ったりレーザー治療を受けたりする費用と比較すれば、決して高すぎる金額ではありません。

3年間の総費用シミュレーション

期間年間費用目安累計費用
1年目約40,000円約40,000円
2年目約30,000円約70,000円
3年目約30,000円約100,000円

3年間で支払う総額と得られる効果

これらを合計すると、3年間でかかる総額は約10万円から12万円前後となります。一見大きな金額ですが、これにより将来のスギ花粉やダニによる症状が軽減、あるいは消失する可能性があります。

毎年の憂鬱なシーズンを快適に過ごせる「生活の質の向上」や、眠くなる薬を飲み続けなくて済むメリットを考えれば、コストパフォーマンスは非常に高い治療法だと言えます。

スギ花粉症治療薬「シダキュア」の費用ルール

シダキュアは6月から11月の間にしか開始できません。維持期の薬価変動は少なく、長期処方を活用することで通院コストを下げられます。

スギ花粉症治療薬「シダキュア」には、治療を開始できる時期や服用量に関する独自のルールがあります。

特に「スギ花粉が飛んでいる時期には治療を新たに始められない」という制限があり、思い立ったその日に始められるわけではない点には注意が必要です。

治療開始時期による費用の発生タイミング

シダキュアによる治療は、スギ花粉が飛散していない時期(主に6月から11月の間)にしかスタートできません。花粉飛散期に始めると、副作用が強く出るリスクがあるためです。

したがって、治療費の支払いは夏から秋にかけて始まることになります。症状がない時期にお金を払って薬を飲むことに抵抗があるかもしれませんが、来シーズンのための先行投資と割り切りましょう。

増量期と維持期での薬価の違い

シダキュアは最初の1週間、低用量の錠剤を服用し、2週目から高用量の錠剤に切り替えます。薬の値段(薬価)は含有量で異なりますが、患者負担額にそこまで大きな差はありません。

高用量になったからといって急に薬代が跳ね上がることはないので安心してください。重要なのは用量の違いよりも、毎日欠かさず服用を続けることです。

長期処方による通院コスト削減

発売から一定期間が経過した現在、シダキュアは長期処方が解禁されています。症状が安定していれば、医師の判断で一度に最大28日分以上の処方が可能なケースもあります。

処方日数が長ければ長いほど病院に行く回数が減り、再診料や交通費を節約できます。忙しい方にとっては、通院頻度を減らせることが費用以上のメリットになるでしょう。

シダキュア服用のポイント

  • 開始できるのは6月から11月の期間限定です。
  • 維持期の薬価変動は少なく、家計への影響は軽微です。
  • 長期処方の活用で、通院回数と関連費用を圧縮可能です。

ダニアレルギー薬「ミティキュア」の費用と特徴

ミティキュアは一年中いつでも開始可能です。スギ花粉との併用時は、診察料がまとまるため総額はお得になります。

ダニアレルギー治療薬「ミティキュア」は、スギ花粉とは異なり一年中いつでも開始できるのが特徴です。ここではミティキュアの費用と、スギ花粉症との併用(ダブル治療)時のコスト感について解説します。

通年性アレルギーの治療期間と総額

ダニは季節に関係なく生息しているため、ミティキュアの治療も一年を通して休みなく続けます。シダキュアのように休薬期間や対症療法のみの期間がないのが一般的です。

基本的には3年から5年間、毎日同じペースで服用を続けます。そのため、年間の治療費変動が少なく、毎月定額の出費が続くイメージを持ってください。

総額はシダキュア単独の場合とほぼ変わりません。

スギとダニを併用する場合のメリット

スギ花粉症とダニアレルギーの両方を持つ方は少なくありません。実は、この2つの舌下免疫療法は同時に行うことが可能です。体への負担を考慮して開始時期をずらすのが一般的です。

両方の治療を行う場合、再診料や指導料は1回分で済むため、別々に治療するよりも割安になります。薬代は2種類分かかりますが、月額負担は単純な2倍にはならず、約4,000円から5,000円程度に収まります。

ミティキュアとシダキュアの比較

項目ミティキュア(ダニ)シダキュア(スギ)
開始時期一年中いつでも6月〜11月限定
月額薬代約1,800円前後約1,700円前後
併用時合算で約1.5倍〜1.8倍(左記同様)

ジェネリック医薬品の現状と今後

現時点では、シダキュアにもミティキュアにもジェネリック医薬品(後発医薬品)は存在しません。そのため、薬代を安くする方法は今のところないのが現状です。

しかし、これらは国の公的医療保険が適用される正規の治療薬です。将来的にジェネリックが登場すれば費用は下がる可能性がありますが、現在は先発品の価格でも十分な費用対効果が見込めます。

医療費控除は使える?確定申告のポイント

舌下免疫療法の費用は医療費控除の対象です。家族全員分の医療費を合算して年間10万円を超えれば、税金が還付される可能性があります。

年間にかかる医療費が一定額を超えた場合、確定申告を行うことで税金の一部が戻ってくる「医療費控除」という制度があります。舌下免疫療法の費用も当然、対象になります。

単独では控除対象の基準額に届かない場合でも、家族の医療費と合算することで対象になる可能性があります。

10万円を超えるための医療費の合算

医療費控除を受けるための基準は「年間(1月〜12月)に支払った医療費の合計が10万円を超えること」です。舌下免疫療法だけでは年間約4万円なので届きません。

しかし、ここには「生計を共にする家族全員分」を含めることができます。配偶者の出産費用、子供の矯正歯科、通院のための交通費なども合算可能です。これらを足して10万円を超えれば申請できます。

セルフメディケーション税制との関係

もし医療費合計が10万円に届かない場合でも、「セルフメディケーション税制」を利用できる可能性があります。これは対象の市販薬を年間1万2千円以上購入した場合に使える制度です。

ただし、医療費控除とセルフメディケーション税制はどちらか一方しか使えません。舌下免疫療法を受けている方は処方薬が中心となるため、基本的には通常の医療費控除を目指すのが得策です。

確定申告に必要な書類の保管

確定申告で医療費控除を申請するには、支払いを証明する書類が必要です。領収書を紛失すると申告できなくなるため、専用ファイルを作って保管する習慣をつけましょう。

申告に必要なもの

  • 病院や薬局で発行された領収書(レシート)を保管してください。
  • 通院にかかったバスや電車の交通費メモ(日時と運賃)も有効です。
  • 健康保険組合から届く「医療費のお知らせ」も活用できます。

他の花粉症治療法とのコスパ比較

舌下免疫療法は体質そのものの改善を目指せる治療法であり、長期的視点ではレーザー手術や高額な注射療法よりもコスパが良いと言えます。

舌下免疫療法の費用が高いか安いかを判断するには、他の治療法と比較することが重要です。

一時的な出費額だけでなく、通院の手間や痛み、そして「根治(完全に治ること)」を目指せるかどうかというゴールの違いも含めて、総合的な価値を比較しましょう。

ここではレーザー治療や皮下注射療法(ゾレアなど)との費用対効果を解説していきます。

レーザー治療との比較と長期的視点

鼻の粘膜を焼くレーザー治療は、1回あたりの費用が1万円から3万円程度で済み、効果は半年から2年ほど持続します。即効性を求めるならレーザー治療は優れています。

しかし、効果が切れるたびに手術を受け直す必要があります。一方、舌下免疫療法は即効性はありませんが、3年間の継続で治療終了後も長期にわたり効果が持続します。

主な治療法の費用・特徴比較

治療法費用の目安(3割負担)特徴
舌下免疫療法月額約2,500円(3年以上)根治が期待できる
レーザー手術約1〜3万円(1回)即効性あるが永続しない
抗体注射数千円〜数万円(1回)重症向けで高額

高額な注射療法との違い

重症の花粉症患者向けに行われる抗体医薬(ゾレアなど)の注射は、高い効果がありますが費用も高額です。薬剤費だけで数万円かかることも珍しくありません。

シーズン中に毎月打つとなると、舌下免疫療法の年間費用をたった1〜2ヶ月で超えてしまうこともあります。舌下免疫療法は、月々の出費を抑えつつ体質を変えていく点で、経済的な負担を平準化できる治療法です。

よくある質問

舌下免疫療法の費用に追加で副作用の治療費はかかりますか?

軽微な副作用(口の中の痒みや腫れ)であれば、抗アレルギー薬の服用で対処することが多く、その場合の薬代が数百円程度追加になる可能性があります。

重篤な副作用が起きた場合は別途治療費がかかりますが、発生頻度は極めて低いです。

舌下免疫療法の費用はいつから発生しますか?

初回検査を行った日から費用が発生します。

スギ花粉症(シダキュア)の場合は6月から11月の間に治療を開始するため、その時期から毎月の支払いが必要になります。

ダニアレルギー(ミティキュア)はご自身の決めたタイミングで開始できます。

舌下免疫療法の費用は途中でやめたら返金されますか?

いいえ、病院での診察や処方された薬に対する対価として支払っているため、途中で治療を中止しても過去に支払った費用は返金されません。

転居などで通院先が変わる場合は、紹介状(別途費用)を書いてもらうことで治療を継続できます。

舌下免疫療法の費用は年齢によって変わりますか?

はい、年齢による自己負担割合の違いで費用が変わります。

義務教育就学前は2割、小学生から69歳までは3割、70歳以上は所得により1割〜3割となります。

また、自治体の子供医療費助成の対象年齢であれば、実質無料や少額負担で済むケースが多いです。

舌下免疫療法の費用をクレジットカードで支払えますか?

クレジットカードや電子マネーが使えるかどうかは、受診する医療機関や調剤薬局によって異なります。

大きな病院やチェーン展開している薬局では対応していることが多いですが、個人のクリニックでは現金のみの場合もあるため、事前に公式サイト等で確認が必要です。

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この記事を書いた人

野田真史のアバター 野田真史 池袋駅前のだ皮膚科 院長

医学博士 / 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医

東京大学医学部卒業、同大学院医学博士課程修了。米国ロックフェラー大学への臨床研究留学、ニューヨーク州医師免許取得を経て、東京大学医学部附属病院助教を務める。2018年、池袋駅前のだ皮膚科を開院。

ニキビやシミといった身近な悩みから難治性の皮膚疾患まで、常に知識を研鑽し、適切な診断・治療を行うことを信条としている。

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